JPH0550441B2 - - Google Patents

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JPH0550441B2
JPH0550441B2 JP60201704A JP20170485A JPH0550441B2 JP H0550441 B2 JPH0550441 B2 JP H0550441B2 JP 60201704 A JP60201704 A JP 60201704A JP 20170485 A JP20170485 A JP 20170485A JP H0550441 B2 JPH0550441 B2 JP H0550441B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は二酸化硫黄含有ガスからの硫黄の製造
方法に関する。さらに詳しくは、二酸化硫黄含有
ガスをクラウス反応工程に適した組成に変換する
ための処理方法およびそのための装置に関する。
〈従来の技術〉 二酸化硫黄含有ガス中の二酸化硫黄を、還元剤
の作用により硫黄、硫化水素等に還元した後、凝
縮器及びクラウス反応器を使用して単体硫黄を製
造する乾式の硫黄製造プロセスとしては、二酸化
硫黄含有ガスを石炭等の炭素質材料に接触させて
還元し直接単体硫黄を得る方法、あるいは二酸化
硫黄含有ガス中の二酸化硫黄を還元して硫化水素
とし、硫化水素と二酸化硫黄の比が2:1の混合
ガスを得、これをクラウス反応に処して硫黄を製
造する方法が知られている。これらの方法におい
てクラウス反応の原料ガスの調整方法としていく
つかの方法が提案されているが代表的な例として
は次のような方法がある。
1 二酸化硫黄含有ガスを炭素質材料と接触させ
て二酸化硫黄の一部を還元し、硫化水素と二酸
化硫黄の比率を2:1にする方法(特開昭55−
167107)、 2 二酸化硫黄含有ガスを2:1の容積比に分
け、多い方を全量還元して硫化水素としたのち
残りの二酸化硫黄含有ガスと混合して硫化水素
と二酸化硫黄の比率を2:1とする方法(特開
昭56−32307)、 3 二酸化硫黄含有ガス中の二酸化硫黄の一部又
は全部を還元して過剰の硫化水素を含むガスを
得、これを通常の石油精製プロセスの脱硫プロ
セスで採用されている方法に準じて設けられた
燃焼炉により一部燃焼させて硫化水素と二酸化
硫黄の比率を2:1に調整する方法。
〈発明が解決しようとする問題点〉 前記1)〜3)の方法はそれぞれ特長点を有す
る方法であるが、また一方次のような問題点もあ
る。
1 還元反応を制御して硫化水素と二酸化硫黄の
比率を一定に保持するのは難かしい、 2 バイパスの設備が必要、 アンモニアを使用した脱硫脱硝プロセスより
得られる、高濃度の二酸化硫黄含有ガスには最
大1.0%ものアンモニアを含有する場合があり、
このガスをバイパス経由でそのまゝ混合して使
用するためクラウス反応工程に好ましくない影
響を与えるおそれがある、 3 二酸化硫黄含有ガスを還元したのちその一部
を、LPG等を燃焼させて温度を保持した燃焼
炉に導き、過剰の空気を供給して二酸化硫黄と
して硫化水素と二酸化硫黄の比率を調整するの
で、組成調整用燃焼炉を必要とし、また過剰の
空気を使用するため処理ガス量が増加し、反応
成分濃度が低下するためクラウス反応工程での
効率が低い。
〈問題を解決するための手段〉 本発明は、二酸化硫黄含有ガスを処理するに当
り、二酸化硫黄含有ガスの流れ方向に沿つて順に
還元反応部および酸化による組成調整反応部とを
有する反応装置を用い、二酸化硫黄含有ガスを先
ず還元反応部に通して二酸化硫黄の一部または全
部を還元したのち得られる硫化水素を主体とする
還元生成物を含有するガスを組成調整部に通して
前記還元反応による生成物の一部を酸化してクラ
ウス反応に適した組成に変換する二酸化硫黄含有
ガスの処理方法およびそのための処理装置であ
る。
本発明の二酸化硫黄含有ガスの処理装置は二酸
化硫黄を硫黄、硫化水素、硫化ガルボニル等に還
元する還元反応部に近接して、あるいは同一反応
器内に酸化による組成調整反応部を、還元反応部
と組成調整反応部とが二酸化硫黄含有ガスの流れ
方向に沿つて順に位置するように設けたことを特
徴とする。
本発明においては、還元剤として石炭、コーク
ス等の炭素質材料あるいは一酸化炭素、水素等の
還元性ガスが使用でき、また酸化剤としては空気
あるいはその他の酸素含有ガスを用いることがで
きるが、還元剤としてコークスを、酸化剤として
空気を使用する組合せが好ましい。
第1図は本発明の二酸化硫黄含有ガス処理装置
の一実施態様図である。第1図において二酸化硫
黄含有ガスは原料ガス入口10より処理装置1に
供給され、炭素質材料を充填した還元反応部3に
おいて600〜1000℃の温度分布にて炭素質材料と
接触し、原料ガス中の二酸化硫黄の80〜100%が
硫黄、硫化水素、硫化カルボニル等に還元され
る。還元反応部3は炭素質材料を充填した移動床
反応器であり炭素質材料は炭素質材料供給口8か
ら炭素質材料装入シユート5を経て供給され、灰
および未燃炭素質材料は排出口9より排出され
る。2は炭素質材料排出グレートである。
還元反応部3の温度は、空気または酸素含有ガ
スを原料ガスに混合するか、あるいは別個に供給
して還元剤を一部燃焼させることによつて保持で
きる。
還元された原料ガスは還元反応部3の上部に設
けられた組成調整反応部4(燃焼室)において空
気供給口6より供給される空気により通常は500
〜900℃の温度で一部酸化されて二酸化硫黄を生
成し、硫化水素等と二酸化硫黄の比率、すなわち
(H2S+COS+0.5CS2)/SO2の値がクラウス反
応に好適な1.50〜2.50、好ましくは1.90〜2.10と
なるように調整され、クラウス反応用原料ガスと
してガス出口7より排出される。酸化反応の割合
は空気の供給量を変えることによつて任意に制御
可能である。
第2図に他の実施態様図として還元反応器に組
成調整反応部を近接させた例を示す。図中の符番
は第1図のものに対応する。
さらに他の実施態様図として第4図に、還元剤
として還元性ガスを使用する例を示す。この場合
には燃焼用バーナを設置し、還元性ガスの一部あ
るいは他の燃料を燃焼させることによつて還元反
応部3の温度を保持する。
次に本発明の二酸化硫黄含有ガス処理方法のプ
ロセスの1例を第3図に従つて説明する。第3図
において還元反応部および酸化による組成調整反
応部を有し、該還元反応部に炭素質材料27が循
環移動されている二酸化硫黄含有ガス処理装置2
1に供給された二酸化硫黄含有ガス26は、その
還元反応部において二酸化硫黄の一部または全部
が還元されたのち組成調整反応部にて再度酸化さ
れてクラウス反応に適した組成に調整され、凝縮
器(図示せず)により副生硫黄を除去したのちク
ラウス反応器22に供給される。なおこの凝縮器
は省略することもできる。組成調整反応用の空気
28は、分析計25によるクラウス反応テイルガ
ス29中のH2S等/SO2の値に従つて空気流量
調整用コントロールバルブ24によつて制御され
て二酸化硫黄含有ガス処理装置21に供給され
る。
〈発明の効果〉 本発明の方法および装置は従来の技術と比較し
て次のような特長点を有している。
1 単一の反応器内または近接して設けられた一
連の反応器内で還元反応および組成調整が行な
えるので、別途に組成調整用燃焼炉を設ける必
要がない。
従つてLPG等の燃焼用空気を供給する必要
がないため、プロセスガスの増加がなく、ガス
中の反応成分濃度を高く保つことができ、さら
にクラウス反応器内での触媒との接触時間を長
くとれるので高い硫黄回収率が達成できる。ま
たクラウス反応のテイルガスも少なくなるため
あとの処理が容易である。
2 LPG等の燃料を使用することなく、還元ガ
ス中の可燃成分の燃焼にて、容易に500〜800℃
の温度保持が可能である。
3 組成調整用空気の供給量の制御のみで、組成
調整部の炉温およびクラウス反応用原料ガスの
組成のコントロールが可能なので運転管理およ
び組成調整が簡単である。
4 アンモニアを使用した乾式脱硫脱硝プロセス
より得られる、二酸化硫黄含有ガスには最大
1.0%ものアンモニアを含有する場合があるが、
本発明によれば、全量のガスを二酸化硫黄含有
ガス処理装置内で処理するのでアンモニアはほ
とんど分解し、500〜1500ppmの低濃度に安定
するため、あとのクラウス反応への悪影響がな
い。
5 脱硫または脱硫脱硝プロセスより得られる、
二酸化硫黄含有ガスには微量の三酸化硫黄が含
まれているが、全量を還元反応器内で処理する
ことにより三酸化硫黄は還元されるので、あと
の工程における硫酸の生成による腐食トラブル
が防止できる。
〈実施例〉 実施例 1 還元剤としてコークスを使用した第1図の二酸
化硫黄含有ガス処理装置を使用し、第3図のプロ
セスに従つて、H2O 20〜25%、SO2 20〜25
%、N2 25〜35%、CO2 20〜30%の組成を有
する原料ガスを処理し硫黄の製造を行なつた。二
酸化硫黄含有ガス処理装置はガス流量40〜50N
m3/hr、還元反応部温度分布700〜800℃、組成調
整反応部温度分布600〜700℃の条件で操作し、ク
ラウス反応用原料ガスはH2S等/SO2の比を1.95
〜2.05の範囲でコントロールすることができた。
硫黄の収率は90〜95%、生成した単体硫黄の純度
は99.99%以上であつた。
実施例 2 H2O 40〜45%、SO2 25〜30%、N2 15〜
20%、CO2 10〜15%の組成の原料ガスを使用
し、ガス流量55〜60Nm3/hr、還元反応部温度分
布800〜1000℃、組成調整部温度分布700〜850℃
の条件で実施例1と同様に操作した。これにより
クラウス反応用原料ガスはH2S等/SO2の比が
1.95〜2.05の範囲内に保持することができた。硫
黄の収率は93〜97%であり、生成した単体硫黄の
純度は99.99%以上であつた。
実施例 3 還元剤としてコークス炉ガス(組成:H2 55
%、CH4 30%、CO 7%、O2 1%、残部は
N2、CO2)を使用し、直径300mm、高さ950mmの
第4図に示す二酸化硫黄含有ガス処理装置を用い
て、H2O 20〜25%、SO2 20〜25%、N2 25
〜35%、CO2 20〜30%の組成の原料ガスを処理
した。原料ガスの流量は8Nm3/hrとし、還元反
応部温度分布700〜800℃、組成調整反応部温度分
布600〜700℃の条件で操作し、クラウス反応用原
料ガスのH2S等/SO2の比を1.95〜2.05に保持す
ることができた。硫黄の収率は91〜95%、生成し
た硫黄の純度は99.99%以上であつた。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図および第4図は本発明の二酸化
硫黄含有ガス処理装置の例を示す概略図である。 1……二酸化硫黄含有ガス処理装置、2……炭
素質材料排出グレード、3……還元反応部、4…
…組成調整反応部、5……炭素質材料装入シユー
ト、6……組成用調整用空気供給口、7……クラ
ウス反応用原料ガス出口、8……炭素質材料供給
口、9……灰および未燃炭素質材料排出口、10
……二酸化硫黄含有ガス入口、11……還元性ガ
ス入口、12……充填物、13……二酸化硫黄含
有ガス吹込口、14……火格子、15……燃焼
室、16……バーナ。 第3図は本発明の二酸化硫黄含有ガス処理装置
を組込んだ、二酸化硫黄含有ガスよりクラウス反
応により硫黄を製造するプロセスフローの説明図
である。 21……二酸化硫黄含有ガス処理装置、22…
…クラウス反応器、23……組成調整用空気ブロ
ワ、24……空気流量調整用コントロールバル
ブ、25……分析計、26……二酸化硫黄含有ガ
ス、27……炭素質材料、28……組成調整用空
気、29……テイルガス。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 二酸化硫黄含有ガスを処理するに当たり、二
    酸化硫黄含有ガスの流れ方向に沿つて順に還元反
    応部および酸化による組成調整反応部を有する反
    応装置を用い、二酸化硫黄含有ガスを先ず還元反
    応部に通して二酸化硫黄の一部または全部を還元
    したのち得られる硫化水素を主体とする還元生成
    物を含有するガスを組成調整部に通して前記還元
    反応による生成物の一部を酸化してクラウス反応
    に適した組成に変換することを特徴とする二酸化
    硫黄含有ガスの処理方法。 2 還元剤が炭素質物質である特許請求の範囲第
    1項に記載の方法。 3 還元剤がCO,H2等の還元性ガスもしくはそ
    れらの混合物、あるいはこれらの還元性ガスもし
    くはそれらの混合物と炭素質物質との混合物であ
    る特許請求の範囲第1項に記載の方法。 4 還元反応器および酸化による組成調整反応部
    とを近接させた反応装置を使用する特許請求の範
    囲第1〜第3項のいずれかに記載の方法。 5 同一反応器内に還元反応部と酸化による組成
    調整反応部とを有する反応器を反応装置として使
    用する特許請求の範囲第1〜3項のいずれかに記
    載の方法。 6 同一反応器内に二酸化硫黄含有ガスの流れ方
    向に沿つて順に、還元反応部と酸化による組成調
    整反応部とを有することを特徴とする二酸化硫黄
    含有ガスの処理装置。 7 炭素質材料を充填した移動床式反応器の上部
    に空気導入口および燃焼室を設けた特許請求の範
    囲第6項に記載の二酸化硫黄含有ガスの処理装
    置。
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