JPH0549320U - 金型スライド装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 金型を水平方向にスライドさせる金型スライ
ド装置について、装置を小型化する。 【構成】 スライドベース２の上面に開口した多数のエ
ア噴出孔５から金型取付盤１へエアを噴き付けて該金型
取付盤１を浮動させ、永久磁石１１と一対のソレノイド
１０の反発力および吸引力を利用して金型取付盤１を水
平方向にスライド（往動）させる。ソレノイド１０に流
す電流の向きを変えることにより金型取付盤１を復動さ
せる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、金型スライド装置の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

図４に示すように、金型ａを成形機本体ｂの内部へスライドさせて成形品の成 形を行ない、金型ａを成形機本体ｂの外部へスライドさせて成形品の離型やイン サート物の挿入を行なう場合、従来は、図５に示すように、金型ａを取り付けた 金型取付盤ｃを油圧シリンダｄによってスライドさせている。

【０００３】 上記従来技術には次の問題がある。すなわち、成形品の小型化に伴う装置の更 なる小型化を図る場合に、シリンダｄを用いることには一定の限界がある。金型 取付盤ｃとシリンダｄとが該シリンダｄの作動ロッドｅを介して接続され、両者 ｃ，ｄが横並びに並置されているためである。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は以上の点に鑑み、装置の小型化を図ることを目的として案出されたも のである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、本考案のスライド装置は、スライドベースと、前記 スライドベースの上面に開口した多数のエア噴出孔と、前記スライドベースに立 設された一対のガイドレールと、前記ガイドレールに沿ってスライドする金型取 付盤と、前記金型取付盤に取り付けられた永久磁石と、前記金型取付盤のスライ ドの両端限に配置された一対のソレノイドと、を有することを特徴とする。

【０００６】

【作用】

スライドベースの上面に開口した多数のエア噴出孔から金型取付盤へエアを噴 き付けて該金型取付盤を浮動させ、永久磁石と一対のソレノイドの反発力および 吸引力を利用して金型取付盤を水平方向にスライド（往動）させる。ソレノイド に流す電流の向きを変えることにより金型取付盤を復動させる。

【０００７】

【実施例】

つぎに本考案の実施例を図面にしたがって説明する。

【０００８】 図１は金型スライド装置の平面図であって、図示しない金型を取り付けた金型 取付盤１が図上上下方向にスライドするようになっている。図２は断面図であっ て、金型取付盤１がエアを噴き付けられて浮動した状態を示している。 スライドベース２に金型取付盤１へエアを噴き付けて該金型取付盤１を浮動さ せるエア流路３が形成されている。エア流路３は、スライドベース２の下面に開 口して図示しないエア供給源に接続されるエア供給口４と、スライドベース２の 上面に開口した多数のエア噴出孔５と、エア供給口４とエア噴出孔５とを連絡す る連通部６と、を有している。 スライドベース２に金型取付盤１のスライドをガイドする一対のガイドレール ７が立設され、該ガイドレール７は金型取付盤１の浮動量を制限する上縁鍔部８ を一体に備えている。またこのガイドレール７にはエア噴出孔５から噴出したエ アが金型へ向けて流れて該金型を冷やすことがないようにエア逃がし孔９が形成 されている。 スライドベース２の、図１における上下両端に一対のソレノイド１０が配置さ れ、金型取付盤１にこのソレノイド１０と向き合うように永久磁石１１が取り付 けられている。永久磁石１１は図上下側がＳ極、図上上側がＮ極である。またソ レノイド１０と並んで一対のストッパ１２が立設されている。

【０００９】 つぎに図３にしたがって作動を説明する。 図３（Ａ）・・・ 初期の状態（原位置）において、金型取付盤１は永久磁石１１のＳ極と図上左 側のソレノイド１０の先端に発生しているＮ極との作用により該ソレノイド１０ に吸着されている。但し、金型取付盤１は未だ浮上していない。 図３（Ｂ）・・・ 図上左側のソレノイド１０への給電を停止し、スライドベース２の上面に開口 した多数のエア噴出孔５から金型取付盤１へエアを噴き付けて該金型取付盤１を 浮上させる。 図３（Ｃ）・・・ 金型取付盤１の浮上と同時に図上左側のソレノイド１０へ（Ａ）のときと反対 の向きの電流を流す。すると永久磁石１１のＳ極と該ソレノイド１０の先端に発 生したＳ極とが互いに反発し、この反発力により金型取付盤１が図上右方向へス ライドする。金型取付盤１は端限に至って停止する。 図３（Ｄ）・・・ エアの噴出を停止し、金型取付盤１を下降させる。図上右側のソレノイド１０ の先端にＳ極を発生させ、このＳ極と永久磁石１１のＮ極との作用により金型取 付盤１を該ソレノイド１０に吸着させる。

【００１０】 以上の作動をもって往動が完了する。復動はＳとＮ、左と右を入れ替えて往動 と同じである。尚、当該スライド装置には上記したようにストッパ１２が立設さ れており、金型取付盤１はこのストッパ１２に当接して停止する。したがって緩 衝作用を奏するようにストッパ１２にダンパを付けても良い。

【００１１】 当該スライド装置は図示しない電源と配線１３を介して接続され、またエア供 給源と図示しない配管を介して接続される。したがって電源およびエア供給源の 配置に関して自由度があり、必ずしもこれらの電源やエア供給源を当該スライド 装置に対して横並びに並置する必要がない。したがって当該スライド装置および その周辺の占有スペースを縮小することができ、装置の小型化を図ることができ る。尚、金型取付盤１または該金型取付盤１に支持される金型の大きさはその平 面において５０ｍｍ×５０ｍｍ程度である。

【００１２】

【考案の効果】 本考案は次の効果を奏する。すなわち、スライドベースの上面に開口した多数 のエア噴出孔から金型取付盤へエアを噴き付けて該金型取付盤を浮動させ、永久 磁石と一対のソレノイドの反発力および吸引力を利用して金型取付盤を水平方向 にスライドさせるようにしたために、電源やエア供給源を当該スライド装置に対 して横並びに並置する必要がなく、装置の小型化を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例に係る金型スライド装置の平面
図

【図２】図１におけるＡ−Ａ線断面図

【図３】同金型スライド装置の作動説明図

【図４】成形機の構成説明図

【図５】従来例に係る金型スライド装置の構成説明図

【符号の説明】

１ 金型取付盤 ２ スライドベース ３ エア流路 ４ エア供給口 ５ エア噴出孔 ６ 連通部 ７ ガイドレール ８ 上縁鍔部 ９ エア逃がし孔 １０ ソレノイド １１ 永久磁石 １２ ストッパ １３ 配線

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 スライドベース２と、前記スライドベー
   ス２の上面に開口した多数のエア噴出孔５と、前記スラ
   イドベース２に立設された一対のガイドレール７と、前
   記ガイドレール７に沿ってスライドする金型取付盤１
   と、前記金型取付盤１に取り付けられた永久磁石１１
   と、前記金型取付盤１のスライドの両端限に配置された
   一対のソレノイド１０と、を有する金型スライド装置。