JPH0549201B2 - - Google Patents

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JPH0549201B2
JPH0549201B2 JP20669886A JP20669886A JPH0549201B2 JP H0549201 B2 JPH0549201 B2 JP H0549201B2 JP 20669886 A JP20669886 A JP 20669886A JP 20669886 A JP20669886 A JP 20669886A JP H0549201 B2 JPH0549201 B2 JP H0549201B2
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Yasuo Kokubu
Toshihiko Baba
Kenichi Iga
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YOKOHAMA KOKURITSU DAIGAKUCHO
Original Assignee
YOKOHAMA KOKURITSU DAIGAKUCHO
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、単一モード系光導波路を基板上に積
層して複雑な3次元的光配線を可能にした積層光
導波路に関し、特に、積層した光導波路相互間の
完全分離・完全結合を製作容易に制御し得るよう
にしたものである。
(従来の技術) この種単一モード系導波路型回路において光素
子間を接続する単一モード光導波路は、従来、基
板の表面上もしくは表面近傍に光を導波し得る高
屈折率の媒質からなるコア層をストライプ状に形
成した構造になつていた。かかる構成の単一モー
ド光導波路は、光素子集積のうえで多くの利点を
有しているが、2次元平面内のストライプ状導波
構造の光導波路1と2とを第1図に示すように交
叉させると、各光導波路1,2が交叉部分のコア
層を共有することになるので、光導波路相互の結
合が生じ、一方の光導波路1の伝搬光がある程度
他方の光導波路2に漏れてしまい、各光導波路
1,2によりそれぞれ伝送する光信号間の漏話と
なる。したがつて、かかる2次元平面内のストラ
イプ状導波構造では、各光導波路間の交叉部が多
数生ずるような任意の複雑な光回路を構成するこ
とが極めて困難となる。
上述のような漏話の発生を避けて自由度の大き
い光回路を構成し得るようにするには、光導波路
の積層化が必要になる。すなわち、例えば、第2
図に示すように、複数の光導波路1,2を3次元
方向に積層した構造にすると、各層の2次元平面
内にそれぞれ独立の光導波路を構成することがで
き、コア層の共有を必要とせず、しかも、各光導
波路パターンを構成し得る面積が増大するので、
大規模の光回路を構成することが可能となる。
しかしながら、従来の開放型ストライプ状誘電
体線路からなる単一モード光導波路を単に積層し
た場合には、光の電磁界分布が、第3図に示すよ
うに、高屈折率のコア層から上下に隣接する低屈
折率のクラツド層に大きく泌み出しながら伝搬す
る。この泌み出し電磁界の分布強度は、図示のよ
うに、コア層から離れるに従つて指数関数的に減
少するが、光導波路を積層した場合にはその泌み
出し分布強度が無視し得ない程に双方のコア層が
接近していると、相互間に無視し得ない結合が生
じ、例えば第4図に示すように、一方のコア層1
内の伝搬光の伝搬に伴い、その一部が他方のコア
層2に移行する光導波路相互の結合となる。かか
る光導波路相互間の結合を避けるためには、相互
間に介在するクラツド層を例えば4μm以上の充
分な厚さにしてコア層1と2とを離隔すればよい
が、基層材料の熱酸化などによるクラツド層の形
成に要する時間が層厚の増大に伴つて指数関数的
に増大するなど、製作が困難であつた。
(発明が解決しようとする問題点) 上述のよな従来の開放型ストライプ状単一モー
ド光導波路における光電磁界の泌み出しを低減
し、コア層間に介在させるクラツド層を薄くし得
るようにするために、本発明者らは、さきに、非
晶質シリコンSiと酸化シリコンSiO2との高屈折
率差を利用した2層1組の干渉反射膜を用いて伝
搬光をコア層内に閉じ込め、光電磁界分布のコア
層からの泌み出しを低減し得るようにした共振反
射型光導波路を提案し、その英語名の頭文字を連
ねてARROWと略称するとともに、厚さ約2μm
のSi/SiO2干渉反射膜を用いたARROWを試作
してその光導波特性を確認した。
しかしながら、従来提案の共振反射型光導波路
においては、干渉反射膜中の低屈折率層に生ずる
吸収損失のために期待どおりの光導波特性が得ら
れず、したがつて、積層光導波路を構成した場合
にも期待どおりに各光導波路が十分に独立した光
導波性能を示すに到らない、という問題点があつ
た。
本発明の目的は、上述した従来の問題を解決
し、容易に製作し得る程度に厚さの薄いクラツド
層、特に、干渉反射膜よりなるクラツド層を低損
失に構成するとともに、積層した各光導波路がそ
れぞれ十分独立して光伝送を行ない得るようにし
た積層光導波路を提供することにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明積層光導波路においては、光を伝搬させ
るコア層を低屈折率媒質により構成するととも
に、各コア層間に介在して分離するためのクラツ
ド層を、高屈折率媒質と低屈折率媒質とを積層し
て各層界面における反射を総合した干渉により所
要波長範囲の反射率を高め、コア層を伝播する光
ビームをコア層内に閉じ込めるように構成する。
すなわち、本発明積層光導波路は、光ビームを
伝播させる複数のコア層を積層した積層光導波路
において、互いに隣接するコア層間に、これらコ
ア層とそれぞれ接触しコア層の屈折率よりも高い
屈折率の2個の第1のクラツド層と、これら2個
の第1のクラツド層間に形成され第1のクラツド
層の屈折率よりも低い屈折率の第2のクラツド層
とを有する干渉反射膜を形成し、前記第1クラツ
ド層又は第2クラツド層の膜厚及び屈折率を、前
記干渉反射膜が前記互いに隣接するコア層を伝播
する光ビームに対して強い反射特性を有し光ビー
ムをコア層内に閉じ込めるように設定したことを
特徴とするものである。
(作用) 上述した構成の本発明積層光導波路における各
光導波路は、高屈折率媒質のコア層を低屈折率媒
質のクラツド層により囲んだ従来慣用の全反射型
光導波路とは異なり、コア層をなす媒質が低屈折
率であるため、本来、伝搬光の一部がコア層の外
へ漏れて放射損失となる漏れ光導波路をなすもの
であるが、各層の漏れ光導波路間に介在する干渉
反射膜の各層膜厚をそれぞれ最適値に設定するこ
とにより、伝搬光に対する反射率を著しく高め
て、漏れ放射損失を実質的に無視し得るまでに低
減することができるので、コア層内への光の閉じ
込めが極めて強く、各コア層相互の間隔をかなり
狭くしても各光導波路間の光結合を実用上無視し
得るほど小さくすることができ、基板上に多数集
積した光機能素子間を任意に接続するための積層
化光配線に用いるに極めて好適である。
(実施例) 以下に図面を参照して実施例につき本発明を詳
細に説明する。
まず、さきに提案したSi/SiO2干渉反射膜使
用の共振反射型光導波路(ARROW)の可視光
領域における吸収損失の低減による低損失化につ
いて説明する。
本発明の出発点となるさきの提案のSi/SiO2
干渉反射膜を用いた共振反射型光導波路の基本的
構成を第5図に示す。図示の基本的構成において
は、シリコン(Si)基板上に、そのシリコン材の
熱酸化による酸化シリコンSiO2よりなる屈折率
n2、厚さd2、例えば2.0μmの第2クラツド層、化
学気相蒸着(CVD)による非晶質シリコンSiよ
りなる屈折率n1、例えば4.2、厚さd1、例えば0.05
〜0.28μmの第1クラツド層および減圧CVDによ
る酸化シリコンSiO2よりなる屈折率nc、厚さdc
例えば4μmのコア層を順次に被着形成してある。
その動作原理としては、SiO2コア層と上部の空
気層との界面においては全反射が生じ、下部の
SiO2第2クラツド層とSi第1クラツド層との高
い屈折率差を利用した2層のみの干渉反射によつ
てSiO2コア層への反射率が著しく高まつて1に
近づき、伝搬光がSiO2コア層内に閉じ込められ
るようにしている。
しかして、第5図に示すような干渉反射を生ず
るSi第1クラツド層の厚さd1の最適値は伝搬光の
波長λに対しλ/4n1で与えられ、n1=3.5、λ=
1.3μmのときの最適膜厚d1は約0.09μmとなる。
このときの反射率はTEモードに対して99.96%と
なり、伝送損失の理論値は0.26dB/cmとなり、
漏れ導波構造であるにも拘らず、理論上は十分な
低損失が得られる。一方、TMモードに対しては
伝送損失の理論値が約80dB/cmと、TEモードに
比して著しく大きく、したがつて、約4mmの導波
路長における伝送損失が、TEモードに対しては
0.2dB以下、TMモードに対しては30dB以上とな
り、高アイソレーシヨンの導波路型偏光器をなし
ている。
なお、かかる構成の干渉反射を用いた光導波路
においては、同様に干渉を用いたフアブリ・ペロ
ー共振器における透過帯の波長幅が極めて狭いの
に対して反射帯の波長幅は極めて広いことからも
類推し得るように、第1クラツド層の膜厚d1に対
する許容範囲が広く、最適値の±50%でも伝送損
失の理論値は1dB/cm以下となり、したがつて、
一定膜厚に対する伝搬光波長λの許容範囲も広い
ことになる。すなわち、本発明の基本をなす干渉
反射利用の光導波路は、光共振器の広い非共振領
域における干渉膜の反射を用いた非共振反射型の
光導波路(nti−eronant efecting
ptical aveguide)であるから、前記したよう
に、ARROWと略称する 上述したように、本発明の基本をなす共振反射
型光導波路は、 (1) 漏れ導波構造であるにも拘らず、実用上十分
な低損失が得られる。
(2) TE−TMモード間損失差が大きく、導波路
型偏光器の機能を有する。
(3) 従来のシリコン・プロセスを用いて特別の導
波路製作技術を要せず、熱酸化SiO2膜が薄い
ので製作時間が短縮され、膜厚許容範囲が広い
ので膜厚制御が容易であるなど、製作が容易で
ある。
などの多くの利点を有している。
しかしながら、試作した共振反射型光導波路に
ついては前記した理論値どおりの導波特性が得ら
れなかつたので、その原因を種々検討した結果、
干渉反射膜の第1クラツド層を構成する非晶質シ
リコンSiの吸収損失が大きく、その吸収損失分だ
け伝送損失が増大するとともに、干渉反射作用が
阻害されことが判つた。この検討結果に基づい
て、吸収損失の大きい非晶質シリコンSiを第1ク
ラツド層としたSi/SiO2干渉反射膜と、吸収損
失が小さく、しかも、屈折率が酸化シリコン
SiO2より大きい媒質、例えば酸化チタンTiO2
酸化ゲルマニウムGeO2、窒化シリコンSi3N4、酸
化アルミニウムAl2O3等を第1クラツド層とした
干渉反射膜、就中、吸収損失が特に小さい屈折率
n=2.3の酸化チタンTiO2を第1クラツド層とし
たTiO2/SiO2干渉反射膜とをそれぞれ用いた共
振反射型光導波路につき光導波特性の比較検討を
行なつて、この種共振反射型光導波路の低損失化
を図つた。
上述の検討結果による波長0.633μmの伝搬光に
対する共振反射型光導波路ARROWのTE最低次
モードにおける伝送損失特性の計算値をSi/
SiO2干渉反射膜とTiO2/SiO2干渉反射膜とにつ
いて第6図に示す。図示の損失特性から判るよう
に、屈折率n=4.2、複素吸収係数k=0.3の非晶
質シリコンSiを第1クラツド層としたSi/SiO2
渉反射膜を用いた場合には、第1クラツド層の最
適膜厚0.039μmにおける吸収損失のために光導波
路の伝送損失が2.76dB/cmと大きくなるのに対
し、屈折率n=2.3の酸化チタンTiO2を第1クラ
ツド層としたTiO2/SiO2干渉反射膜を用いた場
合には、第1クラツド層の最適膜厚0.08μmの奇
数倍において光導波路の伝送損失は0.047dB/cm
と格段に小さくなり、同様に、干渉反射膜の反射
率も99.98%と極めて高い値を示している。なお、
第6図には双方の実測値を○印および●印によつ
て示してある。測定対象光導波路の干渉反射膜を
構成する厚さ4μmのSiO2コア層および厚さ2μm
のSiO2第2クラツド層は高周波スパツタ法によ
り製作し、一方、非晶質シリコンSiおよび酸化チ
タンTiO2よりなる第1クラツド層はいずれも電
子ビーム蒸着法により製作した。また、伝送損失
の測定は、シリコン基板の劈開した端面に波長
0.633μmのヘリウムHe−ネオンNeレーザ光をレ
ンズにより集光してコア層に入射させ、種々異な
る長さのシリコン基板上にそれぞれ形成した光導
波路について行なつた。なお、第6図に示した
TiO2/SiO2干渉反射膜光導波路における伝送損
失実測値●印が0.3dB/cmの低損失ではあるが計
算値とは大幅に異なる値となつたのは、コア層表
面における伝搬光の散乱の影響を受けたものと考
えられる。
なお、干渉反射膜を構成する第1および第2の
クラツド層の上述した最適膜厚d1およびd2、すな
わち、干渉反射膜に隣接するコア層内の伝搬光が
干渉反射膜との界面でほぼ完全に反射されて干渉
反射膜内には進入せず、したがつて、後述するよ
うに、複数コア層を干渉反射膜を介して積層した
ときにコア層相互が無結合となるように選定した
各膜厚は、つぎの(1)式および(2)式によつてそれぞ
れ求めることができる。
d1λ/4nl〔1−(nc/n12 +(λ/2n1dce2-1/2・(2N+1) ……(1) d2dce/2(2M+1) ……(2) ここに、N,M=0,1,2,…… n1:第1クラツド層の屈折率 nc:コア層の屈折率 λ:伝搬光の波長 また、dceは、コア層の等価膜厚、すなわち、
コア層の干渉反射膜とは反対の側に隣接する層、
すなわち、第5図示の構成においてはSiO2コア
層の上側の空気層中に光電磁界分布か泌み出した
厚さをも含めたコア層の等価膜厚であり、コア層
の膜厚dcに対してつぎの(3)式となる。
ここに、np:コア層の干渉反射膜とは反対の側
に隣接する層の屈折率 φ1:コア層と上述の隣接層との界面
における位相シフト φ2:コア層と干渉反射膜との界面に
おける位相シフト θ〓:コア層の伝搬角 kp:真空中の波数 つぎに、上述のようにして所期の光導波特性を
呈するように改良した共振反射型光導波路の積層
化について説明する。
第5図に示した構成の共振反射型光導波路にお
けるSiO2コア層を複数積層して複数層に亘る積
層光導波路を構成するには、各層のSiO2コア層
の上下に、干渉反射膜を構成するTiO2第1クラ
ツド層をそれぞれ隣接させ、上下層のSiO2コア
層にそれぞれ隣接するTiO2第1クラツド層の相
互間にSiO2第2クラツド層を介在させることに
より、第7図に原理的構成を示すように、SiO2
第2クラツド層の上下にTiO2第1クラツド層を
それぞれ配置して構成した干渉反射膜により各層
のSiO2コア層相互間をほぼ完全に分離し得るよ
うにする。
上述の原理的構成を具体化した本発明積層光導
波路の基本的構成例を第8図に示す。図示の基本
構成においては、屈折率約3.5のシリコン基板上
に、膜厚2μmのSiO2第2クラツド層および膜厚
0.08μmのTiO2第1クラツド層よりなる2層構成
の干渉反射膜を介して、膜厚4μmのSiO2コア層
1を被着し、その上に、ともに膜厚0.08μmの上
下のTiO2第1クラツド層の相互間に膜厚2μmの
SiO2第2クラツド層を介在させた3層構成の干
渉反射膜2を介して、膜厚4μmのSiO2コア層2
を被着してある。なお、図示の基本的構成例にお
いては、最上層をなすSiO2コア層2の上は空気
層になつているが、その上に、上述と同様の3層
構成の干渉反射膜とSiO2コア層とを交互に積層
すれば任意の層数の積層光導波路を構成すること
ができる。
しかして、各層のSiO2コア層を相互に分離す
るTiO2/SiO2/TiO2干渉反射膜の伝搬角に対す
る透過率の計算値は0.02%であり、各層の光導波
路間の結合量は−28.8dB/cmである。また、干
渉反射膜2を構成する膜厚2μmのSiO2第2クラ
ツド層は、その下の4層、すなわち、干渉反射膜
2のTiO2第1クラツド層、SiO2コア層1および
2層構成の干渉反射膜1が各界面反射の干渉によ
る高反射条件を満たしていないので、光導波路と
しての伝送損失が199dB/cmと極めて大きく、光
導波路のコア層としては作用し得ない。なお、第
8図示の基本的構成例における各層は、第5図示
の単層ARROWの各層とそれぞれ同様にして製
作した。また、第8図示の構成による積層光導波
路における伝送損失の測定結果は、SiO2コア層
1については、4.5dB/cm、SiO2コア層2につい
ては9.8dB/cmであり、0.053dB/cm以下となる
べき理論値に比して極めて大きい値となつたが、
かかる伝送損失実測値の増大は、試作した積層光
導波路における各層界面の不整による伝搬光の散
乱が原因と考えられる。かかる状態の試作積層光
導波路について観察した出射光の各層強度分布を
表わす近視野像を第9図a〜cにそれぞれ示す。
図示の近視野像においては、上側のSiO2コア層
2における伝搬光の界面散乱が特に大きいため
に、その下側の干渉反射膜2中のSiO2第2クラ
ツド層からも出射光の一部が見られる。
上述のような構成の本発明積層光導波路は、単
一モード系の光導波路による複雑な構成の光集積
回路を実現する際に多数の光機能素子間を接続す
る光導波路構造として用いるに好適である。
例えば、電気信号の一部を光信号に変換して、
電気信号を取扱う電子回路の相互間をその変換出
力光信号を伝搬させる光導波路を介して接続する
ための光配線を行なう場合に、2本の光導波路を
交叉させるために本発明積層光導波路を適用した
構成例を第10図に示す。図示の構成例において
は、互いに交叉する2光導波路1と2との各コア
層をシリコン基板の上下別個の層にそれぞれ形成
し、交叉部分の相互間のみに干渉反射膜を介在さ
せて第8図示の構成にし、相互間をほぼ完全に分
離し得るようにしてある。
しかしながら、本発明積層光導波路において
は、積層した各光導波路の相互間を、前述した(1)
式および(2)式に従つて干渉反射膜中の第1クラツ
ド層および第2クラツド層の膜厚d1およびd2を選
定することにより完全結合になし得るとともに、
(1)式および(2)式における(2N+1)および(2M
+1)をそれぞれ2Nおよび2Mに設定して各膜厚
d1およびd2を選定することにより完全結合になし
得、その間の種々の程度の結合状態を膜厚d1,d2
の選定により連続的に実現することができる。
したがつて、第10図示の構成例における各光
導波路1,2のコア層は、その交叉部分のみを積
層構造にして、他の部分については双方のコア層
を同一層上に2次元平面的に形成し、第11図に
示すような部分積層構造により光集積回路の体積
占有効率をよくすることができる。図示の構成例
においては、光導波路1と同一層上に形成した光
導波路2を交叉部分においてのみ第8図示の積層
構造にし、しかも、両者間に介在させる干渉反射
膜において、図中、二重斜線を施して示す交叉部
分のみを無結合領域に構成するとともに、図中、
単一斜線を施して示す前後の領域を完成結合領域
に構成して、光導波路2が光導波路1を跨いだ状
態に積層光導波路を構成してある。
また、第12図に示すように、シリコン基板の
各層に、例えば、発光素子、光制御デバイス、受
光素子等を各層互いに独立に並列配置して、各並
列配置光素子の相互間を第8図示の構成による積
層光導波路を用いてそれぞれ並列に接続すること
により、複数光信号を並列に処理し得るようにし
て光回路を構成することもできる。
しかも、積層光導波路による並列接続配線にお
いて、各層間に介在する干渉反射膜の各膜厚d1
d2を適切に選定して、隣接光導波路間を無結合あ
るいは完全結合することにより、第13図に示す
ように、並列接続配線中の光導波路の任意の分岐
合流あるいは分波合波を行ない得るようにして光
集積回路を構成することも可能となる。
(発明の効果) 以上の説明から明らかなように、積層した各層
光導波路間に膜厚の薄いクラツド層を介在させて
ほぼ完全に無結合状態にし、各光導波路間の漏話
を皆無にし得るとともに、複数層の干渉反射を利
用したクラツド層の膜厚選定により光導波路相互
の結合度を無結合から完全結合まで任意に設定す
ることができる。
すなわち、第10図に示すような従来の開放型
光導波路の積層構造では、コア層とシリコン基板
との相互間を分離するクラツド層の膜厚d1を4μm
と厚くしても、コア層とシリコン基板との相互間
に−9.7dB/cmの結合が生ずるのに対し、本発明
による積層光導波路においては、各コア層間に介
在させる干渉反射クラツド層の膜厚が約2μmと
格段に薄いにも拘らず、各コア層内の伝搬光相互
間の結合量は−64.7dB/cmと格段に小さい。
【図面の簡単な説明】
第1図は従来の交叉光導波路の構成を模式的に
示す斜視図、第2図は従来の開放型積層光導波路
の概略構成を示す斜視図、第3図は従来の開放型
光導波路における伝搬光電磁界分布を模式的に示
す断面図、第4図は従来の開放型積層光導波路相
互間の光結合の態様を模式的に示す断面図、第5
図は従来提案のSi/SiO2共振反射型光導波路の
基本的構成を示す断面図、第6図は従来提案の
Si/SiO2共振反射型光導波路と本発明による
TiO2/SiO2共振反射型光導波路との伝送損失特
性を比較して示す特性曲線図、第7図は本発明積
層光導波路の原理的構成を示す断面図、第8図は
本発明積層光導波路の基本的構成例を示す断面
図、第9図a,bおよびcは同じくその積層光導
波路全体、下側コア層および上側コア層の出射光
近視野像の例をそれぞれ示す図、第10図は本発
明による積層交叉光導波路の構成例を模式的に示
す斜視図、第11図は本発明による積層交叉光導
波路の他の構成例を示す断面図、第12図は本発
明による光信号並列処理用光回路の構成例を模式
的に示す断面図、第13図は本発明による並列光
導波路の分岐合流の態様を模式的に示す断面図、
第14図は従来の開放型積層光導波路の概略構成
の例を模式的に示す断面図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 光ビームを伝播させる複数のコア層を積層し
    た積層光導波路において、 互いに隣接するコア層間に、これらコア層とそ
    れぞれ接触しコア層の屈折率よりも高い屈折率の
    2個の第1のクラツド層と、これら2個の第1の
    クラツド層間に形成され第1のクラツド層の屈折
    率よりも低い屈折率の第2のクラツド層とを有す
    る干渉反射膜を形成し、前記第1クラツド層又は
    第2クラツド層の膜厚及び屈折率を、前記干渉反
    射膜が前記互いに隣接するコア層を伝播する光ビ
    ームに対して強い反射特性を有し前記光ビームを
    コア層内に閉じ込めるように設定したことを特徴
    とする積層光導波路。 2 前記第1のクラツド層をTiO2で構成し、前
    記第2のクラツド層及びコア層をSiO2で構成し
    たことを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載
    の積層光導波路。 3 光ビームを伝播させる複数のコア層を積層し
    た積層光導波路において、 互いに隣接するコア層間に、これらコア層とそ
    れぞれ接触しコア層の屈折率よりも高い屈折率の
    2個の第1のクラツド層と、これら2個の第1の
    クラツド層間に形成され第1のクラツド層の屈折
    率よりも低い屈折率の第2のクラツド層とを有す
    る干渉反射膜を形成し、前記干渉反射膜の一部の
    領域について、前記第1クラツド層又は第2クラ
    ツド層の膜厚及び屈折率を、前記干渉反射膜が前
    記互いに隣接するコア層を伝播する光ビームに対
    して強い透過特性を有しこれら光ビームに対して
    互いに隣接するコア層が相互に結合されるように
    設定すると共に、前記干渉反射膜の残りの領域に
    ついて、前記第1クラツド層又は第2クラツド層
    の膜厚及び屈折率を、前記干渉反射膜が前記互い
    に隣接するコア層を伝播する光ビームに対して強
    い反射特性を有し前記光ビームをコア間に閉じ込
    めるように設定したことを特徴とする積層光導波
    路。 4 前記第1のクラツド層をTiO2で構成し、前
    記第2のクラツド層及びコア層をSiO2で構成し
    たことを特徴とする特許請求の範囲第3項に記載
    の積層光導波路。
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