JPH0549092B2 - - Google Patents

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JPH0549092B2
JPH0549092B2 JP60034507A JP3450785A JPH0549092B2 JP H0549092 B2 JPH0549092 B2 JP H0549092B2 JP 60034507 A JP60034507 A JP 60034507A JP 3450785 A JP3450785 A JP 3450785A JP H0549092 B2 JPH0549092 B2 JP H0549092B2
Authority
JP
Japan
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group
pug
silver halide
coupler
present
Prior art date
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Application number
JP60034507A
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English (en)
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JPS61194442A (ja
Inventor
Hidetaka Ninomya
Shigeto Hirabayashi
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP3450785A priority Critical patent/JPS61194442A/ja
Publication of JPS61194442A publication Critical patent/JPS61194442A/ja
Publication of JPH0549092B2 publication Critical patent/JPH0549092B2/ja
Granted legal-status Critical Current

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    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03CPHOTOSENSITIVE MATERIALS FOR PHOTOGRAPHIC PURPOSES; PHOTOGRAPHIC PROCESSES, e.g. CINE, X-RAY, COLOUR, STEREO-PHOTOGRAPHIC PROCESSES; AUXILIARY PROCESSES IN PHOTOGRAPHY
    • G03C7/00Multicolour photographic processes or agents therefor; Regeneration of such processing agents; Photosensitive materials for multicolour processes
    • G03C7/30Colour processes using colour-coupling substances; Materials therefor; Preparing or processing such materials
    • G03C7/305Substances liberating photographically active agents, e.g. development-inhibiting releasing couplers
    • G03C7/30511Substances liberating photographically active agents, e.g. development-inhibiting releasing couplers characterised by the releasing group
    • G03C7/305172-equivalent couplers, i.e. with a substitution on the coupling site being compulsory with the exception of halogen-substitution
    • G03C7/30523Phenols or naphtols couplers

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Silver Salt Photography Or Processing Solution Therefor (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野] 本発明はハロゲン化銀写真感光材料に関し、詳
しくは酸化された現像剤とカプリグ反応して写真
的に有用な基を放出しうる新規なカプラーを含む
ハロゲン化銀写真感光材料に関するものである。 [従来の技術] 減色法カラー写真は、周知の如く、芳香族第1
級アミン系発色現像主薬が、露光されたハロゲン
化銀粒子を還元することにより生成する発色現像
主薬の酸化生成物と黄色、シアン、マゼンタ色素
を形成するカプラーをハロゲン化銀乳剤中で酸化
カプリングするこにより色素画像が形成される。
これらの場合、イエロー色素を形成するためのイ
エローカプラーとしては、一般に開鎖活性メチレ
ン基を有する化合物が用いられ、マゼンタ色素を
形成するためのマゼンタカプラーとしては、ピリ
ゾロン系、ピリゾロトリアゾール系、ピリゾリノ
ベンツイミダゾール系、インダゾロン系等の化合
物が使用され、シアン色素を形成するためのシア
ンカプラーとしては、フエノール系およびナフト
ール系化合物を用いられる。 カプラーの反応活性点が無置換のものを4当量
カプラーと呼び、1モルの色素を形成するに化学
量論的に4モルのハロゲ化銀を必要とする。 一方、反応活性点に酸化作用を受けずに離脱し
得る基を置換したカプラーを2当量カプラーと呼
び、1モルの色素を形成するのに2モルのハロゲ
化銀で済む外、発色反応速度の向上が可能である
こと等から高感度化あるいはハロゲン化銀写真感
光材料の薄膜化による処理時間の短縮、画像鮮明
性の向上等様々の改良効果が知られている。 また、カプラーの反応活性点に、写真的に有用
な基(本明細書においてPUGと記す)、もしくは
その前駆体を導入し、酸化された現像剤とのカプ
リング反応によつてイメージワイズにPUGを放
出する化合物が種々知られている。 近年、高感度、高画質、保存安定性等を達成す
るために各種PUGをイメージワイズに放出する
ことが重要な技術となつてきており、例えば酸化
された現像剤とカプリング反応して現像抑制剤を
放出するDIR(Development Inhibitor
Releasing)化合物は現像銀量に比例して現像を
抑制することから、鮮鋭性、粒状性の向上等に利
用されている。DIR化合物としては、例えば米国
特許第3148062号、同3227554号、同3617291号、
同3632373号等に開示されているが、これらの化
合物はカプリング反応性性、拡散性、抑制性、保
存安定性等種々の性能を反応活性点に置換した抑
制剤に依存しているため分子設計が難しく全て満
足するものは未だ得られていない。 最近、酸化された現像剤とカプリング反応した
後分子内求核反応、あるいは電子移動を伴あう離
脱反応によつて現像抑制剤放出にタイミングをも
たせたタイミングDIR化合物が提案されてきた。
例えば米国特許第4248962号、特開昭53−29717
号、同54−145135号、同57−154234、同57−
188035号、同58−98728号等に開示されている。 [発明が解決しようとする問題点] 上記タイミングDIR化合物はより好ましい離脱
基及び抑制剤の保護基を選択することができるの
で、カプリング反応性、保存安定性、抑制性等を
前記DIR化合物よりも向上させることができる。
これらのタイミングDIR化合物は、カプリング反
応後の現像抑制剤の放出速度を遅くするため、タ
イミング基を用いる技術であるが、しかし従来の
タイミング基ではカプリング反応後の現像抑制剤
の放出速度が早すぎるので、拡散性が不充分であ
る。即ち、実用的なカプリング反応性、保存安定
性を有するものでは、放出速度が速いため拡散性
を飛躍的に向上させることができない。また、特
開昭59−206834号、同59−206836号には抑制剤を
二重に保護したタイミングDIR化合物が開示され
ているが、これらに記載の化合物は抑制基の保護
基部分の開裂が律速であり、またその反応は必ず
しも第一段目のカプリング反応を必要としないこ
とから拡散性を飛躍的に上げることは難しく、か
つ保存上不安定である。従つてこれまでのタイミ
ングDIR化合物の効果を写真上で評価すると空間
周波数の比較的高周波側でしか有効でない。 一方、特開昭57−150845号、同59−50439号、
同59−157638号、同59−170840号にはカブラセ剤
をイメージワイズに放出するカプラーが開示され
ており、また米国特許第3214377号、同3253924
号、特開昭51−17437号には溶解物理現像促進剤
をイメージワイズに放出するカプラーが開示され
とり、更に特開昭57−138636号には現像剤を放出
するカプラーが開示されている。しかしこれらの
DUG放出カプラーはカプリング反応点近傍でし
か有効に作用しないので、濃度の強弱を強調する
ことになり、粒状性を悪化させる欠点がある。 そこで、本発明は化学的に安定であり、PUG
の放出時間、放出速度及び拡散速度のようなパラ
メータの調整が可能であつて、現像時にイメージ
ワイズにPUGを放出し得る新規な化合物を用い
ることによつて、保存安定性を優れるの共に、画
像鮮鋭性及び粒状性等の画質に優れ、高感度であ
り、カプリの発生をも抑制できるようにすること
を第一の技術的課題とし、PUGが現像を抑制す
るような基である場合、カプリング反応性が高い
PUG放出カプラーを用いることによつて、感度
低下を伴なうことなく、該PUG放出カプラーの
使用量を低減可能とすることを、第二の技術的課
題とする。 [問題点を解決するための手段] 上記技術的課題を解決する本発明のハロゲン化
銀写真感光材料は、下記一般式(1)で表わされる化
合物(以下、本発明のPUG放出シアンカプロー
と)を少なくとも1種含有することを特徴とす
る。 一般式(1) C−O−D−J−PUG−B 式中、Cは酸化された発色現像主薬とカプリン
グ反応を起こしてシアン色素を形成しうるシアン
カプラー成分を表わし、Dはフエニレン基を表わ
し、Jは単なる結合手又は2価の有機基を表わ
し、BはPUGとメチレン基を介して結合しカプ
リング反応又は加水分解反応によつてPUGを放
出しうるPUGの保護基を表わし、PUGは−O−
D−J−PUG又はPUGとなつたとき写真的に有
用な基を表わす。 前記一般式(1)で示される本発明のPUG放出シ
アンカプラーを用いたハロゲン化銀写真感光材料
が、前記本発明の技術的課題を解決できる理由は
必ずしも明確ではないが、次のように考えられ
る。即ち、二重にブロツクされていて二段の反応
でPUGが放出されるので相対的に拡散距離が長
くなり(拡散性)、また、分解するのに二段の反
応を必要とするため、見かけ上分解の活性化エネ
ルギーが高くなる(保存安定性)と考えられる
し、活性点成分の極性が高いため油滴表面に分散
し易く、発色現像主薬との反応がスムーズにいく
(反応性)と考えられる。このようなカプリング
反応性、拡散性、保存安定性等の性能を向上させ
ことによつて、従来考えられなかつた保存安定
性、感度、粒状性、鮮鋭性等の相乗効果が期待で
き、各素材の組合せによつて高感度、高画質、高
保存性を達成することが可能となつた。 本明細書において“カプラー”及び“カプラー
化合物”という用語は、それぞれ、Cで表わされ
るカプラー成分、−O−D−J−で表わされるジ
ヨイント基、Bで表わされるPUGの保護基及び
PUGで表わされる写真的に有用な基を含む全体
の化合物を指しており、また“カプラー成分”と
いう用語は、当該化合物のなかでも−O−D−J
−で表わされるジヨイト基、Bで表わされる
PUGの保護基及びPUGで表わされる写真的に有
用な基を除いた部分を指しており、4当量カプラ
ーの活性点の水素原子を1つ除いた基である。 以下、本発明について詳述する。 先ず、一般式(1)について説明する。Cで表わさ
れるシアンカプラー成分としてはフエノール系カ
プラー、ナフトール系カプラー等がある。 カプラー成分は通常単量体であるが、必要に応
じて二量体、オリゴマー、あるいはポリマーカプ
ラー成分の一部を形成してもよい。 本発明において好ましいカプラー成分は下記一
般式(2)、(3)で表わすことができる。 一般式 式中R1、R2は、ハロゲン原子(例えばフツ素、
塩素、臭素等)、ヒドロキシ基、ニトロ基、シア
ノ基、アルキル基(例えばメチル基、エチル基、
プロピル基、ブチル基、ドデシル基、ウンデシル
基等)、シアノアルキル基(例えばシアノメチル
基等)、トリフルオロアルキル基(例えばトリフ
ルオロメチル基等)、アリール基(例えばフエニ
ル基、トリル基、ナフチル基等)、アルキルオキ
シ基(例えばメトキシ基、ベンジルオキシ基等)、
アリールオキシ基(例えばフエノキシ基、トリル
オキシ基等)、ヒドロキシカルボニル基、アルキ
ルオキシカルボニル基(例えばエトキシカルボニ
ル基、ドデシルオキシカルボニル基、α−ドデシ
ルオキシカルボニルエトキシカルボニル基等)、
アリールオキシカルボニル基(例えばフエノキシ
カルボニル基等)、アルキルアシルオキシ基(例
えばアセチルオキシ基、シクロヘキシルカルボニ
ルオキシ基等)、アリールアシルオキシ基(例え
ばベンゾイルオキシ基等)、アルキルアミノ基
(例えばエチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジ
エタノールアミノ基、ドデシルアミノ基、ヘキサ
デシルアミノ基等)、アリールアミノ基(例えば
アニリノ基、ナフチルアミノ基等)、アルキルカ
ルバモイル基(例えばエチルカルバモイル基、カ
ルボキシエチルカルバモイル基、ドデシルカルバ
モイル基、2,4−ジ−tert−アミルフエノキシ
ブチルカルバモイル基等)、アリールカルバモイ
ル基(例えばフエニルカルバモイル基等)、アシ
ルアミノ基(α(2,4−ジ−tert−アミルフエ
ノキシ)ヘキサンアミド基、α(2,4−ジ−
tert−アミノフエノキシ)ブタンアミド基、ドデ
カンアミド基、ヘキサデカンアミド基、ベンツア
ミド基、β−ドデシルスルホニル−α−メチルエ
タンアミド基等)、アシル基(例えばベンゾイル
基、ペタフルオロベンゾイル基、エチルカルボニ
ル基、プロピルカルボニル基等)アルキルチオ基
(例えばメチルチオ基、プロピルチオ基、オクチ
ルチオ基、ドデシルチオ基等)、アルキルスルホ
ニル基(例えばメチルスルホニル基、エチルスル
ホニル基、オクチルスルホニル基、デシルスルホ
ニル基、ドデシルスルホニル基等)、アルキルス
ルフアモイル基(例えばエチルスルフアモイル
基、ペンチルスルフアモイル基、ドデシルスルフ
アモイル基、N−メチルスルフアモイル基、N,
N−ジメチルスルフアモイル基等)、アルキルス
ルホンアミド基(例えばメチルスルホンアミド
基、エチルスルホンアミド基、ドデシルスルホン
アミド基、p−ドデシルフエニルスルホンアミド
基等)等を表わし、nは1〜3の正の整数を表わ
す。 一般式(3) 式中R3は前記R1で表わされる基と同様の置換
基を表わす。 本発明において用い得るシアンカプラー成分の
具体例としては米国特許3369929号、同2434272
号、同2474293号、同2521908号、同2895826号、
同3034892号、同3311476号、同3458315、同
33476563号、同3583971号、同3591383号、同
3767411号、同4004929号、西独特許出願(OLS)
2414830号、同2454329号、特開昭48−59838号、
同51−26034号、同48−5055号、同51−146827号、
同52−69624号、同52−90932号、同58−95346号
等に記載のものを挙げることができる。 −D−J−は−O−によつてシアンカプラー成
分の活性点に置換された原子群であり、特に好ま
しくは−O−によつてシアンカプラー成分の活性
点に置換された原子群であり、PUGとの結合は
現像の条件では開裂しないような強い結合を有し
てもよいが、その場合、本発明の目的に従えば
PUGの前駆体の形でなるべく遠くまで拡散する
ように、低分子あるいは親水性の基を有している
方が好ましい。特に好ましくは、カプリング反応
後、−O−D−J−が分子内求核反応、電子の移
動を伴なう離脱反応を起こしたり、或いは加水分
解反応等の反応を起こしてPUG−Bを放出しう
る基である。 なお、上記分子内求核反応、電子の移動を伴な
う離脱反応又は加水分解反応については米国特許
4248962号、特開昭57−15423号、同57−188035
号、同58−98728号、同53−29717号、米国特許
4310912号、特公昭58−14671号、特開昭57−
76543号、同58−1139号、同57−179842号等、或
いは米国特許4009029号等に開示されている。 −O−D−J−の好ましい例は以下の置換基の
誘導体である。 −O−;例えばアルキルオキシ基、アリールオキ
シ基、ヘトロ環オキシ基、アシルオキシ基、ア
ルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニ
ルオキシ基等 PUGは−O−D−J−との結合位置に酸素原
子、窒素原子、硫黄原子を有する分子であり、写
真に使用されうる全ての分子を意味する。具体例
としては、現像抑制剤、現像促進剤、カブラセ
剤、ハロゲン化銀溶剤、高沸点溶剤、硬膜剤、白
黒現像剤、発色現像主薬、酸化防止剤、紫外線吸
収剤、色素、カプラー等を挙げることができる。
さらに好ましくは−O−D−J−との結合位置に
窒素原子または硫黄原子を有する分子である。 BはPUGとメチレン基を介して結合しカプリ
ング反応あるいはそれに続く電子移動反応、加水
分解反応、分子内求核反応等によつてPUGを放
出するか又はカプリング反応を必要としない加水
分解反応によりPUGを放出しうるPUGの保護基
である。 前記一般式(1)で表わされる本発明のPUG放出
シアンカプラーはハロゲン化銀写真感光材料中に
安定に内蔵するために、耐拡散化される必要があ
るが、発色現像によつて放出される活性点生成分
の全体としてはなるべく親水性であり、拡散性で
あることが好ましい。 本発明のPUG放出機構は必ずしも明確ではな
いが、カプリング反応後の、放出されたPUG−
Bが起こす反応について例を挙げて説明すると、
次のように考えられる。 〔カプンリング剤〕 (QDI;酸化された発色現像主薬) 〔加水分解型〕 次に、前記一般式(1)で示される本発明のPUG
放出シアンカプラーの具体例を挙げるが、本発明
がこれに限定されるものではない。 〔例示化合物〕 本発明のPUG放出シアンカプラーは、次のよ
うな方法で合成できる。 合成法(シアンカプラー活性点への導入法) (1) カプラー活性点ヒドロキシ体とハロゲン化物
との反応による。 (2) カプラー活性点ハロゲン体とフエノール類と
の反応による。 上記の反応では任意の溶媒を使用し、必要に応
じて塩基を使用してもよい。これら合成法に関し
ては前記シアンカプラー成分で引用した2当量カ
プラーの特許公報ないし特許明細書等に記載され
ている方法を参照できる。 次に本発明のPUG放出シアンカプラーの合成
例を反応スキームに従つて説明する。 合成例 1 (例示化合物(2)の合成) 上記の他の本発明のPUG放出シアンカプラー
についても上記合成法に準じて容易に合成でき
る。 (1) 化合物(c)の合成 41gのジヒドロキシナフトエ酸(a)と25gのク
ロル酢酸エチル(b)をメタノール懸濁し、窒素気
流下、ナトリウムメトキシド15gを溶解したメ
タノール溶液を滴下する。6時間加熱還流を行
つた後、濃塩酸で中和し、析出した結晶を減圧
濾過して乾燥後目的物結晶51gを得る。 (2) 化合物(d)の合成 50gの上記化合物(c)を53gの2,4−ジ−
tert−アミルフエノキシブチルアミンを500ml
のジオキサンに溶解し、35gのDCC(ジシクロ
ヘキシルカルボジイミド)を100mlのジオキサ
ンに溶解した溶液を20℃で滴下した。滴下後40
℃まで徐々に温度を上げ、同温で4時間反応後
析出したウレアを濾過しジオキサンを濃縮して
化合物(カラメル)(d)95gを得た。 (3) 化合物(e)の合成 化合物(d)のカラメル90gをエタノール500ml
に溶解しカ性ソーダ60gを加え室温で4時間撹
拌を行う。原料の損失を確認後濃塩酸で中和
し、乾燥後アルコールから再結晶し、76gの結
晶を得た。mp.214〜9℃、FD−Mass;M+
549で目的物であることを確認した。 (4) 化合物(g)の合成 55gの上記化合物(e)を35gの化合物(f)を300
mlのジオキサンに溶解し、21gのDCCを100ml
のジオキサンに溶解した溶液を室温で滴下す
る。滴下後徐々に昇温し、40℃で4時間反応を
行つた後析出したウレアを濾過しジオキサンを
減圧で留去後、カラムクロマトグラフイーで精
製し目的物カラメル40gを得た。FD−Mass;
M+=872でその構造を確認した。 上記の他の本発明のPUG放出シアンカプラー
についても上記合成法に準じて容易に合成でき
る。 本発明のPUG放出シアンカプラーは単独で用
いても構わないが、通常の写真用シアンカプラー
(以下、主カプラーという)と併用して用いるの
か好ましく、本発明のPUG放出シアンカプラー
の添加量は該主カプラー1モルに対して1×40-4
〜1モルが好ましく、より好ましくは1×10-3
0.1モルである。なお、本発明のPUG放出シアン
カプラーを単独で用いる場合は、後記主カプラー
の添加量を参考にすればよい。 本発明のPUG放出シアンカプラーは親水性コ
ロイド溶液中で合成された場合は、該PUG放出
シアンカプラーが親水性コロイド溶液中に分散さ
れた状態に保たれているので、そのまま利用に供
することができるが、これらのPUG放出シアン
カプラーが単離された状態にある場合には、親水
性含有溶媒例えばメチルアルコール、エチルアル
コール又はアセト等に溶かして親水性コロイド溶
液に添加、分散する。またその他の分散方法とし
ては、ラテツクス分散とか他のポリマーを用いる
方法や、オイルプロテクト型感光材料で使用され
ている例えばトリ−o−クレジルホスフエート、
ジブチルフタレート等のカプラー溶媒を用いて、
該本発明のPUG放出シアンカプラーを親水性コ
ロイド溶液中に分散させる方法等を用いることが
できる。そして、これら油相を水相に分散させる
場合には、一般に知られているアニオン、ノニオ
ン、カチオン性等の界面活性剤を用いればよい。
親水性コロイドとしては、ゼラチンを始め、写真
用バインダーとして知られているゼラチン誘導
体、ゼラチンのグラフトポリマー、各種セルロー
ス誘導体、ポリビニルアルコール部分酸化物、ア
ルギン酸ソーダ、ポリ−N−ビニリピロリドン等
広く使用することができる。これらの乳化物には
種々の写真用酸化防止剤又は安定剤を加えること
もできる。 本発明のPUG放出シアンカプラーを本発明に
係わるハロゲン化銀乳剤中は他の写真構成層塗布
液中に含有せしめる方法を更に具体的に述べれ
ば、該本発明のPUG放出シアンカプラーがアル
カリ可溶性である場合には、アルカリ性溶液とし
て添加してもよく、湯溶性である場合には、例え
ば米国特許第2322027号、同第2801170号、同第
2801171号、同第2272191号および同第2304940号
各明細書に記載の方法に従つて本発明のPUG放
出シアンカプラーを高沸点溶媒に、必要に応じて
低沸点溶媒を併用して溶解し、微粒子状に分散し
てハロゲン化銀乳剤に添加するのが好ましい。こ
のとき必要に応じて他のハイドロキノ誘導体、紫
外線吸収剤、褪色防止剤等を併用してもさしつか
えない。また2種以上の本発明のPUG放出シア
ンカプラーを混合しても用いてもさしつかえな
い。 さらに本発明において好ましい本発明のPUG
放出シアンカプラーのハロゲン化乳剤剤への添加
方法を詳述するならば、1種または2種以上の該
本発明のPUG放出シアンカプラーを必要に応じ
て他の主カプラー、ハイドロキノ誘導体、褪色防
止剤や紫外線吸収剤等と供に有機酸アミド類、カ
ルバメート類、エステル類、ケトン類、尿素誘導
体、エーテル類、炭化水素類等、特にジ−n−ブ
チルフタレート、トリ−クレジルホスフエート、
トリフエニルホスフエート、ジ−イソオクチルア
ゼレート、ジ−n−ブチルセバケート、トリ−n
−ヘキシルホスフエート、N,N−ジ−エチル−
カプリルアミドブチル、N,N−ジエチルラウリ
ルアミド、n−ペンタデシルフエニルエーテル、
ジ−アクチルフタレート、n−ノニルフエノー
ル、3−ペンタデシルフエニルエチルエーテル、
2,5−ジ−sec−アミルフエニルブチルエーテ
ル、モノフエニル−ジ−o−クロロフエニルホス
フエートあるいはフツ素パラフイン等の高沸点溶
媒、および/または酢酸メチル、酢酸エチル、酢
酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオ酸ブチル、シ
クロヘキサノール、ジエチレングリコールモノア
セテート、ニトロメンタン、四塩化炭素、クロロ
ホルム、シクロヘキサンテトラヒドロフラン、メ
チルアルコール、アセトニトリル、ジメチルホル
ムアミド、ジオキサン、メチルエチルケト等の低
沸点溶媒に溶解し、アルキルベンゼンスルホン酸
およびアルキルナフタレンスルホン酸の如きアニ
オン系界面活性および/またはソルビタンセスキ
オレイン酸エステルおよびソルビタンモノラウリ
ル酸エステルの如きノニオン系界面活性剤およ
び/またはゼラチン等の親水性バインダーを含む
水溶液と混合し、高速回転ミキサー、コロイドミ
ルまたは超音波分散装置等で乳化分散し、ハロゲ
化銀乳剤に添加される。 この他、上記ラテツクス分散法およびその効果
は、特開昭49−74538号、同51−59943号、同54−
32552号各公報やリサーチ・デイスクロージヤー
1976年8月、No.14850、77〜79頁に記載されてい
る。 適当なラテツクスは、例えばスチレン、アクリ
レート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメ
タクリレート、2−アセトアセトキシエチルメタ
クリレート、2−(メタクリロイルオキシ)エチ
ルトリメチルアンモニウムメトサルフエー、3−
(メタクリロイルオキシ)プロパン−1−スルホ
ン酸ナトリウム塩、N−イソプロピルアクリルア
ミド、N−〔2−(2−メチル−4−オキソペンチ
ル)〕アクリルアミド、2−アクリルアミド−2
−メチルプロパンスルホン酸等のようなモノマー
のホモポリマー、コポリマーおよびターポリマー
である。 本発明のPUG放出シアンカプラーは、ハロゲ
ン化銀写真感光材料の支持体上に設けられた構成
層、例えばハロゲン化銀乳剤法、中間層、保護
層、下引層等の少なくとも1層中に含有せしめる
ものである。該PUG放出シアンカプラーの種類
にもよるが、一般的にはハロゲン化銀乳剤層また
はその隣接層中に含有せることが好ましい。 そして、これら本発明により感光材料に内蔵さ
れた本発明のPUG放出シアンカプラーは、何れ
も発色現像主薬と接触しない限りは、化学的に安
定であり、感光材料中のハロゲン化銀および他各
種添加剤とは反応性が極めて低いので、感光材料
の保存性および写真特性、特に減感、カブリまた
は汚染等の改良に役立ち得るものである。 本発明の写真感光材料の処理方法としては、例
えば、発色現像主薬を含有する発色現像浴を用い
ることができる。また、浴処理を始めとして他の
各種の方法、例えば処理液を噴霧状にするスプレ
ー方式、又は処理液を含浸させた担体との接触に
よるウエツプ方式、あるいは粘性処理液による現
像方式等各種の処理方式を用いることができる。 本発明の写真感光材料の処理方法については特
に制限ななく、あらゆる処理方法が適用できる。
例えば、その代表的なものとしては、発色現像
後、漂白定着処理を行い必要なさらに水洗およ
び/または安定処理を行う方法、発色現像後、漂
白と定着を分離して行い、必要に応じさらに水洗
および/または安定処理を行う方法;あるいは前
硬膜、中和、発色現像、停止定着、水洗、漂白、
定着、水洗、後硬膜、水洗の順で行う方法、発色
現像、水洗、補足発色現像、停止、漂白、定着、
水洗、安定の順で行う方法、発色現像によつて生
じた現像銀をハロゲネーシヨンブリーチをしたの
ち、再度発色現像をして生成色素量を増加させる
現像方法等、いずれの方法を用いて処理してもよ
い。 本発明の感光材料の処理に用いられてもよい前
記発色現像液は、発色現像主薬を含むPHが好まし
くは8以上、更に好ましくはPHが9〜12のアルカ
リ性水溶液である。この発色現像主薬としての芳
香族第1級アミン現像主薬は、芳香族環上に第1
級アミン基を持ち露光されたハロゲン化銀を現像
する能力のある化合物であり、さらに必要に応じ
てこのような化合物を形成する前駆体を添加して
もよい。 上記発色現像主役としてはp−フエニレンジア
ミン系のものが代表的であり、次のものが好まし
い例として挙げられる。 4−アミノ−N,N−ジエチルアニリン、3−
メチル−4−アミノ−N,N−ジエチルアニリ
ン、4−アミノ−N−エチル−N−β−ヒドロキ
シエチルアニリン、3−メチル−4−アミノ−N
−β−ヒドロキシエチルアニリン、3−メチル−
4−アミノ−N−エチル−N−β−メトキシエチ
ルアニリン、3−メチル−4−アミノ−N−エチ
ル−N−β−メタンスルホンアミドエチルアニリ
ン、3−メトキシ−4−アミノ−N−エチル−N
−β−ヒドロキシエチルアニリン、3−メトキシ
−4−アミノ−N−エチル−N−β−メトキシエ
チルアリニン、3−アセトアミド−4−アミノ−
N,N−ジメチルアニリン、N−エチル−N−β
−〔β−(β−メトキシエトキシ)エトキシ〕エチ
ル−3−メチル−4−アミノアニリン、N−エチ
ル−N−β−(β−メトキシエトキシ)エチル−
3−メチル−4−アミノアニリンや、これらの塩
例えば硫酸塩、塩酸塩、亜硫酸塩、p−トルエン
スルホン酸塩等である。 さらに、例えば特開昭48−64932号、同50−
131526号、同51−95849号およびベント等のジヤ
ーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサ
エテイー、73巻、3100〜31252頁(1951年)記載
のものも代表的なものとして挙げられる。 これらの芳香族第1級アミノ化合物の使用量
は、現像液の活性度をどこに設定するかできまる
が、活性度を上げるためには使用量を増加してや
るのが好ましい。使用量としては0.002モル/
から0.7モル/までの範囲で用いられる。また
目的によつて2つ以上の化合物を適宜組合せて使
用することができる。例えば3−メチル−4−ア
ミノ−N,N−ジエチルアニリンと3−メチル−
4−アミノ−N−エチル−N−β−エタルスルホ
ンアミドエチルアニリン、3−メチル−4−アミ
ノ−N−エチル−N−β−メタンスルホンアミド
エチルアニリンと3−メチル−4−アミノ−N−
エチル−N−β−ヒドロキシエチルアニリン等の
組合せ等目的に応じて自由に組合せ使用し得る。 本発明において用いられる発色現像液には、更
に通常添加される種々の成分、例えば水酸化ナト
リウム、炭酸ナトリウム等のアルカリ剤、アルカ
リ金属亜流酸塩、アルカリ金属亜硫酸水素塩、ア
ルカリ金属チオシアン塩酸、アルカリ金属ハロゲ
ン化物、ベンジルアルコール、水軟化剤、濃厚化
剤および現像促進剤等を任意に含有させることも
できる。 前記発色現像液に添加される上記以外の添加剤
としては、例えば臭化カリウム、臭化アンモニウ
ム等の臭化物、沃化アルカリ、ニトロベンゾイミ
ダゾール、メルカプトベンゾイミダゾール、5−
メチル−ベンゾトリアゾール、1−フエニル−5
−メルカプトテトラゾール等の迅速処理液用化合
物を始めとして、ステイン防止剤、スラツジ防止
剤、保恒剤、重層効果促進剤、キレート剤等があ
る。 漂白工程の漂白液もしくは漂白定着液に用いら
れる漂白剤としてはアミノポリカルボン酸または
蓚酸、クエン酸等の有機酸で鉄、コバルト、銅等
の金属イオンを配位したものが一般に知られてい
る。そして上記のアミノポリカルボン酸の代表的
な例としては次のものを挙げることができる。 エチレンジアミンテトラ酢酸 ジエチレントリアミンペンタ酢酸 プロピレンジアミンテトラ酢酸 ニトリロトリ酢酸 イミノジ酢酸 エチルエーテルジアミンテトラ酢酸 エチレンジアミンテトラプロピオン酢酸 エチレンジアミンテトラ酢酸ジナトリウム塩 ジエチレントリアミンペンタ酢酸ペンタナトリ
ウム塩 ニトリロトリ酢酸ナトリウム塩 漂白液は上記の漂白剤と共に種々の添加剤を含
有してもよい。また漂白工程に漂白定着液を用い
る場合には、前期漂白剤のほかにハロゲン化銀定
着剤を含有する組成の液が適用される。また漂白
定着液には更に例えば臭化カリウムの如きハロゲ
ン化合物を含有させてもよい。そして前記の漂白
液の場合と同様に、その他の各種の添加剤、例え
ばPH緩衝剤、蛍光増白剤、消泡剤、界面活性剤、
保恒剤、キレート剤、安定剤、有機溶媒等を添
加、含有させてもよい。 なおハロゲン化銀定着剤としては、例えばチオ
硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウム、チオシ
アン酸カリウム、チオシアン酸ナトリウム、また
はチオ尿素、チオエーテル等の通常の定着処理に
用いられるようなハロゲン化銀と反応して水溶性
の銀塩を形成する化合物を挙げることができる。 本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料の発
色現像、漂白定着(又は漂白、定着)、更に必要
に応じて行われる水洗、安定化、乾燥等の各種処
理工程の処理温度は迅速処理の見地から30℃以上
で行われるのが好ましい。 本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料は特
開昭58−14834号、同58−105145号、同58−
134634号及び同58−186310号並びに特願昭28−
2709号及び同59−59288号等に示されるような水
洗代替安定化処理を行つてもよい。 本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料の写
真構成層には、水溶性または発色現像処理液で脱
色する染料(AI染料)を添加することができ、
該AI染料としては、オキソノール染料、ヘミオ
キソノール染料、メロシアニン染料及びアゾ染料
が包含される。中でもオキソノール染料、ヘミオ
キソノール染料及びメロシアニ染料等が有用であ
る。用い得るAI染料の例としては、英国特許
584609号、同1277429号、特開昭48−85130号、同
49−99620号、同49−114420号、同49−129537号、
同52−108115、同59−25845、同59−111640、同
59−111641号、米国特許2274782号、同2533472
号、同2956879号、同3125448号、同3148187号、
同3177078号、同3247127号、同3260601号、同
2540887号、同3575704号、同3653905号、同
3718472号、同4071312、同4070352号に記載され
ているものを挙げることができる。 これらのAI染料は、一般に乳剤層中の銀1モ
ル当り2×10-3〜5×10-1モル用いることが好ま
しく、より好ましくは1×10-2〜1×10-1モルを
用いる。 本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料にお
けるハロゲン化銀乳剤層の銀量(銀付量)は限定
的ではないが、感光性ハロゲン化銀乳剤層の全体
で0.3〜1g/m2とされるのが好ましい。即ち、
優れた画質を得るためには、該銀量が1g/m2
下であることが好ましく、一方、高い最高濃度及
び高い感度を得るためには、該銀量が0.3g/m2
以上であることが好ましい。 本発明に好ましく用いられるハロゲン化銀組成
としては、臭化銀、塩化銀、塩臭化銀または塩沃
臭化銀等がある。またさらに、これらの混合物等
であつてもよい。速い現像性を実現するために
は、ハロゲン化銀のハロゲン組成として塩素原子
を含むことが好ましく、少なくとも1%を塩化銀
を含有する塩臭化銀または塩沃臭化銀であること
が特に好ましい。 また、これらのハロゲン化銀粒子の結晶は、正
常晶でも双晶でもその他でもよく、[1.0.0]面と
[1.1.1]面の比率は任意のものが使用できる。更
に、これらのハロンゲン化銀粒子の結晶構造は、
内部から外部まで均一なものであつても、内部と
外部が異質の層状構造(コア・シエル型)をした
ものであつてもよい。また、これらのハロゲン化
銀は潜像と主として表面に形成する型のもので
も、粒子内部に形成する型のものでもよい。さら
に平板状ハロゲン化銀粒子(特開昭58−113934
号、特開昭59−170070号参照)を用いることもで
きる。 本発明に特に好ましく用いられるハロゲン化銀
粒子は、実質的に単分散性のものであり、これ
は、酸性法、中性法またはアンモニア法等のいず
れの調製法により得られたものでもよい。 また例えば種粒子を酸性法でつくり、更に、成
長速度の速いアンモニア法により成長させ、所定
の大きさまで成長させる方法でもよい。ハロゲン
化銀粒子を成長させる場合に反応釜内のPH、pAg
等をコントロールし、例えば特開昭54−48521号
に記載されているようなハロゲン化銀粒子の成長
速度に見合つた量の銀イオンとハライドイオンを
逐次同時に注入混合することが好ましい。 本発明に用いるハロゲン化銀粒子の調製は以上
のようにして行われるのが好ましい。該ハロゲン
化銀粒子を含有する組成物を、本明細書において
ハロゲン化銀という。 これらのハロゲン化銀乳剤は、活性セラチン;
硫黄増感剤例えばアリルチオカルバミド、チオ尿
素、シスチン等の硫黄増感剤;セレン増感剤;還
元増感剤例えば第1スズ塩、二酸化チオ尿素、ポ
リアミン等;貴金属増感剤例えば金増感剤、具体
的にはカリウムオーリチオシアネート、カリウム
クロロオーレート、2−オーロチオ−3−メチル
ベンゾチアゾリウムクロライド等あるいは例えば
ルテニウム、パラジウム、白金、ロジウム、イリ
ジウム等の水溶性塩の増感剤、具体的にはアンモ
ニウムクロロパラデート、カリウムクロロプラチ
ネートおよびナトリウムクロロパラデート(これ
らの或る種のものは量の大小によつて増感剤ある
いはカブリ抑制剤等として作用する。)等により
単独であるいは適宜併用(例えば金増感剤と硫黄
増感剤の併用、金増感剤とセレン増感剤との併用
等)して化学的に増感されてもよい。 本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、含硫
黄化合物を添加して化学熟成し、この化学熟成す
る前、熟成中、又は熟成後、少なくとも1種のヒ
ドロキシテトラザインデンおよびメルカプト基を
有する含窒素ヘテロ環化合物の少なくとも1種を
含有せしめてもよい。 本発明に用いられるハロゲン化銀は、各々所望
の感光成長域に感光性を付与するために、適当な
増感色素をハロゲン化銀1モルに対して5×10-8
〜3×10-3モル添加し光学増感させもよい。増感
色素としては種々のものを用いることができ、ま
た各々増感色素を1種又は2種以上組合せて用い
ることができる。本発明において有利に使用され
る増感色素としては例えば次の如きものを挙げる
ことができる。 即ち、青感光性ハロゲン化銀乳剤層に用いられ
る増感色素としては、例えば西独特許929080号、
米国特許2231658号、同2493748号、同2503776号、
同2519001号、同2912329号、同3656959号、同
3672897号、同3694217号、同4025349号、同
4046572号、英国特許1242588号、特公昭44−
14030号、同52−24844号等に記載されたものを挙
げることかできる。また縁感光性ハロゲン化銀乳
剤に用いられる増感色素としては、例えば米国特
許1939201号、同2072908号、同2739149号、同
2945763号、英国特許505979号等に記載されてい
る如きシアニン色素、メロシアニン色素または複
合シアニン色素をその代表的なものとして挙げる
ことができる。さらに、赤感光性ハロゲン化銀乳
剤に用いられる増感色素としては、例えば米国特
許2269234号、同2270378号、同3442710号、同
2454629号、同2776280号等に記載されている如き
シアニン色素、メロシアニン色素または複合シア
ニン色素をその代表的なものとして挙げることが
できる。更にまた米国特許2213995号、同2493748
号、同2519001号、西独特許929080号等に記載さ
れている如きシアニン色素、メロシアニ色素また
は複合シアニ色素を縁感光性ハロゲン化銀乳剤ま
たは赤感光性ハロゲン化銀乳剤に有利に用いるこ
とができる。 これらの増感色素は単独で用いてもよく、また
これらを組合せて用いてもよい。 本発明の写真感光材料は必要に応じてシアニン
或はメロシアニ色素の単用又は組合せによる分光
増感法にて所望の波長域に光学増感がなされてい
てもよい。 特に好ましい分光増感法としては代表的ものは
例えば、ベンズイミダゾロカルボシアニンとベン
ゾオキサゾロカルボシアニンとの組合せに関する
特公昭43−4936号、同43−22884号、同45−18433
号、同47−37443号、同48−28293号、同49−6209
号、同53−12375号、特開昭52−23931号、同52−
51932号、同54−80118号、同58−153926号、同59
−116646号、同59−116647号等に記載の方法が挙
げられる。 又、ベンズイミダゾール核を有したカルボシア
ニンと他のシアニン或はメロシアニンとの組合せ
に関するものとしては例えば特公昭45−25831号、
同47−11114号、同47−25379号、同48−38406号、
同48−38401号、同54−34535号、同55−1569号、
特開昭50−33220号、同50−38526号、同51−
107127号、同51−115820号、同51−135528号、同
52−104916号、同52−104917号等が挙げられる。 さらにベンゾオキサゾロカルボシアニン(オキ
サ・カルボシアニン)と他のカルボシアニンとの
組合せに関するものとしては例えば特公昭44−
32753号、同46−11627号、特開昭57−1483号、メ
ロシアニンに関するものとしては例えば特公昭48
−38408号、同48−41204号、同50−40662号、特
開昭56−25728号、同58−10753号、同58−91445
号、同59−116645号、同50−33828号等が挙げら
れる。 又、チオカルボシアニンと他のカルボシアニン
との組合せに関するものとしては例えば特公昭43
−4932号、同43−4933、同45−26470号、同46−
18107号、同47−8741号、特開昭59−114533号等
があり、さらにゼロメチン又はジメチンメロシア
ニン、モノメチン又はトリメチンシアニン及びス
チリール染料を用いる特公昭49−6207号に記載の
方法を有利に用いることできる。 これらの増感色素を本発明に係るハロゲン化銀
乳剤に添加するには予め色素溶液として例えばメ
チルアルコール、エチルアルコール、アセトン、
ジメチルフオルムアミド、或いは特公昭50−
40659号記載のフツ素化アルコール等の親水性有
機溶媒に溶解し用いられる。 添加の時期はハロゲン化銀乳剤の化学熟成開始
時、熟成中、熟成終了時の任意の時期でよく、場
合によつては乳剤塗布直前の工程に添加してもよ
い。 本発明に係わるハロゲン化銀乳剤層にはそれぞ
れ主カプラー、即ち、発色現像主薬の酸化体と反
応して色素を形成し得る化合物を含有させること
ができる。 本発明において使用できる上記主カプラーとし
てはイエローカプラー、マゼンタカプラーおよび
シアンカプラーを特別の制限なく用いることがで
きる。これらの主カプラーはいわゆる2当量型で
あつてもよいし4当量型カプラーであつてもよ
く、またこれらの主カプラーに組合せて、拡散性
色素放出型カプラー等を用いることも可能であ
る。 前記イエローカプラーとしては、開鎖ケトメチ
レン化合物さらにいわゆる2当量型カプラーと称
される活性点−o−アリール置換カプラー、活性
点−o−アシル置換カプラー、活性点ヒダントイ
ン化合物置換カプラー、活性点ウラゾール化合物
置換カプラーおよび活性点コハク酸イミド化合物
置換カプラー、活性点フツ素置換カプラー、、活
性点塩素あるいは臭素置換カプラー、活性点−o
−スルホニル置換カプラー等が有効なイエローカ
プラーとして用いることができる。用い得るイエ
ローカプラーの具体例としては、米国特許
2875057号、同3265506号、同3408194号、同
3551155号、同3582322号、同3725072号、同
3891445号、西独特許1547868号、西独出願公開
2219917号、同2261361号、同2414006、英国特許
1425020号、特公昭51−10783号、特開昭47−
26133号、同48−713147号、同51−102636号、同
50−6341号、同50−123342号、同50−130442号、
同51−21827号、同50−87650号、同52−82424号、
同52−115219号、同58−95346号等に記載された
ものを挙げることができる。 また本発明において用いられるマゼンタカプラ
ーとしては、ピラゾロン系、ピラゾロトリアゾー
ル系、ピラゾリノベンツイミダゾール系、インダ
ゾロン系の化合物を挙げることができる。これら
のマゼンダカプラーはイエローカプラーと同様4
当量型カプラーだけでなく、2当量型カプラーで
あつてもよい。マゼンタカプラーの具体例として
は米国特許2600788号、同2983608号、同3062653
号、同3127269号、同3311476号、同3419391号、
同3519429号、同3558319号、同3582322号、同
3615506号、同3834908号、同3891445号、西独特
許1810464号、西独特許出願(OLS)2408665号、
同2417945号、同2418959号、同2424467号、特公
昭40−6031号、特開昭51−20826号、同52−58922
号、同49−129538号、同49−74027号、同50−
159366号、同52−42121号、同49−74028号、同50
−60233、同51−26541号、同53−55122号、特願
昭55−110943号等に記載されたものを挙げること
ができる。 さらに本発明において用いられる有用なシアン
カプラーとしては、例えばフエノール系、ナフト
ール系カプラーを挙げることができる。そしてこ
れらのシアンカプラーはイエローカプラーと同様
4当量型カプラーだけでなく、2当量型カプラー
であつてもよい。シアンカプラーの具体例として
は米国特許2369929号、同2434272号、同2474293
号、同2521908号、同2895826号、同3034892号、
同3311476号、同345315号、同3476563号、同
3583971号、同3591383号、同3767411号、同
3772002号、同3933494号、同4004929号、西独特
許出願(OLS)2414830号、同2454329号、特開
昭48−59838号、同51−26034号、同48−5055号、
同51−146827号、同52−69624号、同52−90932
号、同58−95346号、特公昭49−11572号等に記載
のものを挙げることができる。 本発明のハロゲン化銀乳剤層、その他の写真構
成層中には非拡散性DIR化合物、カラードマゼン
タ又はシアンカプラー、ポリマーカプラー、拡散
性DIR化合物等のカプラーを併用してもよい。非
拡散性DIR化合物、カラードマゼンタ又はシアン
カプラーについては本出願人による特願昭59−
193611号の記載を、またポリマーカプラーについ
ては本出願人による特願昭59−172151号の記載を
各々参照できる。 本発明に使用できる上記主カプラーを本発明の
写真構成層中に添加する方法は前記本発明の
PUG放出シアンカプラーの添加方法を参照する
ことができ、その添加量は限定的にはないが、銀
1モル当り1×10-3〜5モルが好ましく、より好
ましくは1×10-2〜5×10-1モルである。 本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料には
他に各種の写真用添加剤を含有せしめることがで
きる、例えばリサーチ・デイスクロージヤー誌
17643号に記載されているカブリ防止剤、安定剤、
紫外線吸収剤、色汚染防止剤、蛍光増白剤、色画
像褪色防止剤、帯電防止剤、硬膜剤、界面活性
剤、可塑性、湿潤剤等を用いることができる。 本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料にお
いて、乳剤を調製するために用いられる親水性コ
ロイドには、ゼラチン、誘導体ゼラチン、ゼラチ
ンと他の高分子とのグラフトポリマー、アルブミ
ン、カゼイン等の蛋白質、ヒドロキシエチルセル
ロース誘導体、カルボキシメチルセルロース等の
セルロース誘導体、澱粉誘導体、ポリビニルアル
コール、ポリビニルイミダゾール、ポリアクリル
アミド等の単一あるいは共重合体の合成親水性高
分子等の任意のものが包含される。 本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料の支
持体としては、例えばバライタ紙、ポリエチレン
被覆紙、ポリプロピレン合成紙、反射層を併設し
た、又は反射体を併用する透明支持体、例えばガ
ラス板、セルロースアセテート、セルロースナイ
トレート又はポリエチレンテレフタレート等のポ
リエステルフイルルム、ポリイミドフイルム、ポ
リカーボネートフイルム、ポリスチレンフイルム
等が挙げられ、更に通常の透明支持体でもよく、
これらの支持体は感光材料の使用目的に応じて適
宜選択される。 本発明において用いられるハロゲン化銀乳剤層
及びその他の写真構成層の塗設には、デイツピン
グ塗布、エアードクター塗布、カーテン塗布、ホ
ツパー塗布等種々の塗布方法を用いることができ
る。また米国特許2761971号、同2941898号に記載
の方法による2層以上の同時塗布法を用いること
もできる。 本発明においては各乳剤層の塗設位置を任意に
定めることができる。例えばフルカラーの印画紙
用感光材料の場合には、支持体側から順次青感光
性ハロゲン化銀乳剤層、縁感光性ハロゲン化乳剤
層、赤感光性ハロゲン化銀剤層の配列とすること
が好ましい。これらの感光性ハロゲン化銀乳剤層
は各々2以上の層から成つていてもよい。 本発明の感光材料において、目的に応じて適当
な厚さの中間層を設けることは任意であり、更に
フイルター層、カール防止層、保護層、アンチハ
レーシヨン層等の種々の層を構成層として適宜組
合せて用いることができる。これらの構成層には
結合剤として前記のような乳剤層に用いることの
できる親水性コロイドを同様に用いることがで
き、またその層中には前記の如き乳剤層中に含有
せしめることができる種々の写真用添加剤を含有
せしめることができる。 [発明の効果] 本発明のPUG放出シアンカプラーを使用する
ことにより、写真的に有用な基(PUG)を安定
にハロゲ化銀写真感光材料中に内蔵で、そのため
生保存安定性に優れたハロゲン化銀写真感光材料
を提供できるのは勿論のこと、イメージワイズに
それらを放出することができるので、PUGとし
て例えば抑制剤、カプラー、カブラセ剤、高沸点
溶媒、ハロゲン化銀溶剤、白黒現像主薬等を導入
したときは、鮮鋭性、粒状性、感度、色再現等の
画像形成にかかわる因子を改良することができ、
またPUGとして硬膜剤等を導入したときは膜物
性を改良することができる。そして防腐剤、酸化
防止剤、紫外線吸収剤等をPUGとして導入した
ときは現像後の画像保存性を改良することができ
る。またPUGが発色現像主薬であるときは現像
促進補充量低減等の効果がある。更には、本発明
のPUG放出シアンカプラーとして高反応性のも
のを用いれば、PUG放出シアンカプラー使用量
の低減を計ることができ、カプラーが有色のとき
は高感度化が可能である。 また本発明のPUG放出シアンカプラーは高い
タイミング性を有しているので、現像の比較的後
期に効果を発揮させたり、低空間周波数の領域で
効かすことができ、このことはPUGが現像を抑
制する基や発色反応を妨害するような基であつて
も、現像反応や発色反応を防げずに余分な反応を
防止するので、高発色性と高鮮鋭性あるいは高発
色性と低カブリ等、相反する目的を同時に達成す
ることが可能である。従つて本発明のハロゲン化
銀写真感光材料によれば高感度、高画質、高保存
安定性等を達成することができる。 [実施例] 以下に本発明の具体的実施例を述べるが、本発
明の実施の態様はこれらに限定されない。 実施例 1 先ず、本発明のPUG放出シアンカプラーにお
いて、PUGとしてDIR化合物を用いた場合の有
効性を実験した。 ポリエチレンで両面ラミネートした紙支持体上
に、下記の各層を支持体側より順次塗設し、ハロ
ゲン化銀カラー写真感光材料試料No.1を作成し
た。 層1……1.2g/m2のゼラチン、0.32g/m2(銀
換算、以下同じ)の青感性塩臭化銀乳剤(臭化
銀含有率80モル%)、0.50g/m2のジオクチル
フタレートに溶解した0.80g/m2のイエローカ
プラー(Y−1)を含有する層。 層2……0.70g/m2のゼラチン、12g/m2のイラ
ジエーシヨン防止染料(AI−1)、6mg/m2
(AI−2)からなる中間層。 層3……1.25g/m2のゼラチン、0.25g/m2の縁
感性塩臭化銀乳剤(臭化銀含有率70モル)、
0.30g/m2のジオクチルフタレートに溶解した
0.62g/m2のマゼンダカプラー(M−1)を含
有する層。 層4……1.20g/m2のゼラチンからなる中間層。 層5……1.20g/m2のゼラチン、0.30g/m2の赤
感性塩臭化銀乳剤(臭化銀含有率70モル%)、
0.20g/m2のジオクチルフタレートに溶解した
0.45g/m2のシアンカプラー(C−1)及び
0.5×10-5mol/m2の例示化合物(3)を含有する
層。 層6……1.00g/m2のゼラチン及び0.20g/m2
ジオクチフタレートに溶解した0.30g/m2の紫
外線吸収剤(UV−1)を含有する層。 層7……0.50g/m2のゼラチンを含有する層。 なお、硬膜剤として、2,4−ジクロロ−6−
ヒドロキシ−S−トリアジンナトリウムを層2、
4及び7中に、それぞれゼラチン1g当り0.017
gになるように添加した。 (Y−1) (M−1) (C−1) (AI−1) (AI−2) (UV−1) また、前記試料No.1における層5のDIR化合物
を同モルに例示化合物(9)及び下記比較化合物(A)、
(B)に代えた以外は上記試料No.1と同様にして試料
No.2〜No.4を作成した。更にDIR化合物を除いた
ブランクを試料No.5とした。 上記感光材料試料No.1〜5各々を光学ウエツジ
及びMTF値測定を通して露光後、次の工程で処
理した。 処理工程(38℃) 発色現像 3分30秒 漂白定着 1分30秒 水洗 1分 乾燥 60〜80℃ 2分 各処理液の組成は下記の通りである。 [発色現像液] 純 水 800ml ベンジルアルコール 15mm 硫酸ヒドロキシアミン 2.0g 臭化カリウム 1.5g 塩化ナトリウム 1.0g 亜硫酸カリウム 2.0g トリエタノールアミン 2.0g N−エチル−N−β−メタンスルホンアミドエチ
ル−3−メチル−4−アミノアニリン硫酸塩
4.5g 1−ヒドロキシエチリデン−1,1′−ジホスホン
酸(60%水溶液) 1.5ml 炭酸カリウム 32g Whitex BB(50%水溶液) 2ml (蛍光増白剤、住友化学工業社製) 純水を加えて1とし20%水酸化カリウム又は
10%希硫酸でPH=10.2に調整する。 [漂白定着液] 純 水 550ml オエチレンジアミン四酢酸鉄()アンモニウム
65g チオ硫酸アンモニウム 85g 亜硫酸水素ナトリウム 10g メタ重亜硫酸ナトリウム 2g エチレンジアミン四酢酸−2ナトリウム 20g 臭化ナトリウム 10g 純水を加えて1とし、アンモニア水又は希硫
酸にてPH=7.0に調整する。 上記処理後の各試料について赤色光センシトメ
トリーを行い、最大濃度(Dm)及びカブリ
(Fog)を求めた。また、赤感光性ハロゲン化銀
乳剤層のMTF(Modulatio Transfer Function)
をマイクロデンシトメーターで求め、空間周波数
が5本/mmでのMTF値を比較した。なお、MTF
による画像の鮮鋭性の判定は当業者間では周知の
ことであるが、「The theory of the
photographic process 3rd edition」に記載があ
る。その結果を表1に示す。 比較化合物(A) 比較化合物(B) 〔(A)、(B)ともに特開昭54−14513号記載〕
【表】 上記表1に示す結果から、本発明のDIR化合物
放出カプラーを用いた試料No.1〜No.4は、本発明
によらない比較のDIR化合物放出カプラーを用い
た試料No.3、No.4に比較して最大濃度が高いにも
拘わらずカブリがむしろ低く、なおかつ低空間周
波数におけるMTFが高いことが明らかである。
さらにDIR化合物を用いないブランク試料No.5と
比較すると最大濃度の低下は少ないにも拘わらず
MTFは飛躍的に向上し、なおかつカブリが低く
なり、鮮鋭性改良効果が高いことが判る。 実施例 2 実施例1と同様に試料を作成し、実施例1と
同じ通常の処理と、実施例1の発色現像液に漂
白定着液0.5mlを含有させた処理とを行い、その
時の0.8〜1.8の部分のガンマ(γ)を比較し、移
動変動(%)を求めた。また何も入らないブラン
クの感度を100として相対感度を求めた。 処理変動(%)漂白定着液含有処理のγ/通常処理
γ× 100 その結果を表2に示す。
【表】 一般に処理中に漂白定着液が発色現像液中に混
入し濃度が変動するが、この処理変動を改善する
のに抑制剤が効果があることは知られている。し
かし抑制剤の使用はハロゲ化銀の現像も抑制する
ために感度低下を起こし易い。このことは表2の
試料10の結果からも明らかである。 一方、本発明のPUG放出シアンカプラーでは
タイミング機能が高いために現像後期で効果があ
り、処理変動を押さえながらも感度低下をほとん
ど起こさない優れたものであることが判る。 比較化合物(C) 実施例 3 実施例1の試料No.1〜No.5を60℃、80%RHに
て7日間保存した後、露光し、実施例1で示した
処理を施し、センシトメトリーを行い、カブリ及
び相対感度を測定した。カブリは即日現像の各試
料のカブリ(前記表1に示される)に対し、増加
したカブリ(△Fog)をみた。 相対感度(%)生保存後の感度/即日現像の感
度×100 その結果を表3に示す。
【表】 上記表3から明らかなように、本発明によれば
カブリの増加を抑制でき、しかも熱分解による
PUG放出がほとんどないため感度の低下が少な
く、PUG放出シアンカプラーを内蔵していない
ブランク試料No.5と同程度に生保存安定性が優れ
ていることが判る。一方、比較カプラーではカブ
リは少なくなつているが熱分解によるPUGが放
出されていることが感度低下から判る。 比較例 実施例1の試料No.4において、層5の例示化合
物(16)を同モルの比較化合(E)に代えた以外は上記試
料No.4と同様にして試料No.8が作成した後、実施
例3と同様の評価を行い、試料の生保存安定性を
評価した。結果を表3の2に示す。
【表】 頁右下欄記載の化合物(3)
表3の2からも明らかなように、比較化合物(E)
を含有する試料No.8は、生保存における相対感度
の低下が著しい。 実施例 4 シアンカプラー(C−2)2×10-2モルと本発
明の例示化合物(1)、(7)、(8)および下記比較カプラ
ー(D)各4×10-4モル及びカプラー(C−2)のみ
のブランクのものを、トリクレジルホスフエート
15mlと酢酸エチル30mlの混合液に加熱溶解し、こ
の溶解をアルカノールB(アルキルナフタレンス
ルホネート、デユポン社製)1.5gを含む5%ゼ
ラチン水溶液300mlと混合し、コロイドミルにか
けて乳化分散した。このカプラーの分散液を平均
粒径1.6μmの青感光性沃臭化銀(沃化銀6モル
%、臭化銀94モル%)0.2モルとゼラチン40gを
含む写真乳剤1Kgと混合し、硬膜剤として1,2
−ビス(ビニルスルホニル)エタンの2%溶液20
mlを加え、三酢酸セルロースフイルムベース上に
塗布、乾燥した。この層の上にゼラチン保護層を
塗布したハロゲン化銀カラー写真感光材料の試料
No.14〜No.18を作成した。このときの各試料の銀の
塗布量は1g/m2であつた。これらの試料を通常
の方法でそれぞれウエツジ露光した後、次の処置
工程および以下に示す処理液組成により処理を行
つた。 処置工程(38℃) 発色現像 3分15秒 漂白定着 6分30秒 水洗 3分15秒 定着 6分30秒 水洗 3分15秒 安定浴 1分30秒 [発色現像液組成] 4−アミノ−3−エチル−N−エチル−N−(β
−ヒドロキシエチル)−アニリン硫酸塩 4.75g 無水亜硫酸カリウム 4.25g ヒドロキシアミン1/2硫酸塩 2.0g 無水炭酸カリウム 3.75g 臭化ナトリウム 1.3g ニトリロトリ酢酸・3ナトリウム塩(1水塩)
2.5g 水酸化カリウム 1.0g 水を加えて1とし、水酸化カリウムを用いて
PH=10.0に調整する。 [漂白液組成] エチレンジアミンテトラ酢酸アンモニウム塩
100.0g エチレンジアミンテトラ酢酸2アンモニウム塩
10.0g 臭化アンモニウム 150.0g 氷酢酸 10.0ml 水を加てて1とし、アンモニア水を用いてPH
=6.0に調整する。 [定着液組成] チオ硫酸アンモニウム 175.0g 無水亜硫酸ナトリウム 8.6g メタ亜硫酸ナトリウム 2.3g 水を加えて1とし、酢酸を用いてPH=6.0に
調整する。 [安定化液組成] ホルマリン(37%水溶液) 1.5ml コニダツクス(小西六写真工業社製) 7.5mm 水を加えて1とする。 上記により得られたシアン色素画像を濃度計
(RD−7R、小西六写真工業社製)を用いて赤色
光により測定し、発色感度(試料No.18における感
度を100としたときの相対値を表示)、カブリおよ
び濃度0.5の部分のRMS粒状度(例えば「写真の
化学」写真工業出版社等に記載されている)を口
径48μmの円径アパーチヤーで測定し、試料No.18
を100として相対粒状度で表わしたものを表4に
示す、なお、粒状度は数値が小さい程、粒状性が
よいことを意味する。 (C−2) 比較化合物(D) (特開昭54−145135号記載)
【表】 上記表4に示す結果から、本発明のDIRカプラ
ーを用いた試料No.14〜No.16は、比較化合物(D)を用
いた試料No.17よりも感度が高くカブリが小さく、
かつ粒状性の改良効果も一段と高い。一方DIRカ
プラーを含有しない試料No.18は感度こそ高いもの
のカブリが大きく粒状度が著しく悪いことから本
発明の改良効果が明らかである。 実施例1の試料No.1において、層5の例示化合
物(6)を同モルの比較化合物(F)に代えた以外は上記
試料No.1と同様にして試料19を作成した後、実施
例3と同様の評価を行い、試料の生保存安定性を
評価した。結果を表5に示す。
【表】 頁下欄記載の化合物(6)
表5からも明らかなように、比較化合物(F)を含
有する試料No.19は、生保存における相対感度の低
下が著しい。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 下記一般式(1)で表わされる化合物を少なくと
    も1種含有することを特徴とするハロゲン化銀写
    真感光材料。 一般式(1) C−O−D−J−PUG−B 式中、Cは酸化された発色現像主薬とカプリン
    グ反応を起こしてシアン色素を形成しうるシアン
    カプラー成分を表わし、Dはフエニレン基を表わ
    し、Jは単なる結合手又は2価の有機基を表わ
    し、BはPUGとメチレン基を介して結合しカプ
    リング反応又は加水分解反応によつてPUGを放
    出しうるPUGの保護基を表わし、PUGは−O−
    D−J−PUG又はPUGとなつたとき写真的に有
    用な基を表わす。
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Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59206834A (ja) * 1983-05-11 1984-11-22 Fuji Photo Film Co Ltd ハロゲン化銀カラ−写真感光材料
JPS59206836A (ja) * 1983-05-10 1984-11-22 Fuji Photo Film Co Ltd ハロゲン化銀カラ−感光材料

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59206836A (ja) * 1983-05-10 1984-11-22 Fuji Photo Film Co Ltd ハロゲン化銀カラ−感光材料
JPS59206834A (ja) * 1983-05-11 1984-11-22 Fuji Photo Film Co Ltd ハロゲン化銀カラ−写真感光材料

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