JPH0548903U - 脳波測定用プロ−ブ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】チップのみが交換可能であり、測定ごとに交換
しても測定コストの安くて取り扱いが簡単な脳波測定用
プローブを提供する。 【構成】プローブ本体 20 に保持された脳波電極 22
と、プローブ本体 20 に着脱自由のチップホルダー 25
で保持され、電解液がコロイド状にゲル化したチップ 2
3 からなり、プローブ本体 20 にチップホルダー 25 を
装着するとチップ 23 が脳波電極 22 に接触して半電池
を構成するようにする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、脳波測定用のプローブに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

脳波を測定するためには、頭部の所定部位に例えば２１個もの数多くの脳波電 極を装着しなければならない。このとき、頭部の皮膚と電極間のインピーダンス や電位差を小さくするために、両者の接触を確実にする必要があり、従来は、例 えば銀板からなる電極の表面に導電用の銀ペーストを塗リ付け、これを１枚づつ 、粘着剤が塗布されたテープにて脳波測定点の頭部の皮膚に貼り付けていた。従 って、測定を開始するまでに３０分程度の準備作業を要するとともに、銀板の着 脱時に、被検者に少なからず苦痛を与えていた。そして、銀板を除去した後に頭 部を洗浄して銀ペーストを取り除く必要があった。また、頭部の皮膚が角質化し ているため、頭部の皮膚と電極間のインピーダンスや電位差が大きくなって正確 な測定が困難である不具合があった。

【０００３】 そこで、例えば銀ー塩化銀からなる脳波電極と塩化カリなどの電解液を内蔵す る脳波測定用プローブを使用し、プローブ先端から突出して電解液が滲出するチ ップを頭部の脳波測定点に接触させて脳波を測定することが検討されている。こ の電解液による脳波測定方式は、所定個数のホルダーが取り付けられた例えばナ イトキャップ状のプローブ装着具を頭部に被り、このホルダーにプローブをホル ダーに装着すると、複数個のプローブが同時に頭部に接触し、効率良く脳波を測 定することができる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、かかる脳波測定方式において、プローブ先端のチップは頭部の皮膚 などに直接接触するので、衛生上の観点から測定ごとに交換するのが好ましい。 しかし、脳波電極と電解液を内蔵したプローブを１回使用したのみで廃棄するの は、測定コストが高くなる。また、交換に際しては、プローブをホルダーから取 り外す必要が有り、プローブから伸びるリード線の取り扱いも面倒である不具合 がある。

【０００５】 そこで本考案は、チップのみが交換可能であり、測定ごとに交換しても測定コ ストの安くて取り扱いが簡単な脳波測定用プローブを提供することを目的とする ものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

かかる目的を達成するため、本考案は、プローブ本体に保持された脳波電極と 、プローブ本体に着脱自由のチップホルダーで保持され、電解液がコロイド状に ゲル化したチップからなり、プローブ本体にチップホルダーを装着するとチップ が脳波電極に接触して半電池を構成するようにする。

【０００７】

【作用】

すなわち、チップがコロイド状にゲル化した電解液からなり、しかも脳波電極 が取付競れたプローブ本体に着脱自由のチップホルダーで保持されているので、 チップのみが交換可能である。従って、測定ごとに交換しても測定コストの安く て取り扱いも簡単である。

【０００８】

【実施例】

以下に図面に示す実施例に基いて本考案を具体的に説明する。図５は、ナイト キャップ状の脳波測定用プローブ装着具を示すが、円環ベルト 41 および３本の 頭覆いベルト 42 は、２本の平行なワイヤーからなり、第一接続具 43 および第 二接続具 44 によって接続され、ナイトキャップ状の帽子が形成されている。第 一接続具 43 および第二接続具 44 内を円環ベルト 41 および頭覆いベルト 42 のワイヤーが摺動自由に挿通されており、ワイヤーの摺動抵抗が所定の大きさに なるように設計されている。つまり、ワイヤーが不本意に摺動することはないが 、強制的に摺動させることにより、ナイトキャップ状の帽子を頭部の大きさに対 応して調節できるようになっている。そして、ワイヤーには所定数、例えば２１ 個のホルダー１が所定位置に取り付けられている。なお、図５では１個のホルダ ーのみを図示した。

【０００９】 ホルダー１を図４に基づいて説明すると、被嵌着部 11 は、内面にプローブ取 付用の内ねじ11a が形成された円環体であり、例えば表面が金めっきされた黄銅 製であって導通性を有する。被嵌着部 11 には、軽量な筒体 12 が取り付けられ ている。そして、リード線３が被嵌着部 11 に接続されているが、このリード線 ３は頭覆いベルト 42 に沿ってコンパクトに取り回されており、例えば２１本の リード線３をまとめて図示略の脳波計に接続される。

【００１０】 次に、図１および図２に基づいて本考案のプローブを説明すると、プローブ本 体 20 は、嵌着部 21 、筒体 28 、摺動筒 26 および固定部 27 からなる。嵌着 部 21 は、例えば表面が金めっきされた黄銅製であって導通性を有し、その外周 に外ねじ21a が形成されており、嵌着部 21 をホルダー１の被嵌着部 11 に螺着 できるようになっている。なお、嵌着部 21 と被嵌着部 11 の結合は螺着に限ら れず、圧入嵌合であってもよい。嵌着部 21 に固着された筒体 28 に摺動筒 26 が摺動可能に接続され、摺動筒 26 の先端には固定部 27 を介して有底筒状の脳 波電極 22 が固定されている。脳波電極 22 は、例えば銀ー塩化銀からなる電極 板であり、脳波電極 22 と固定部 27 の間に環状溝である係止部 29 が形成され ている。そして、嵌着部 21 と脳波電極 22 の間には、例えばりん青銅で形成さ れて導通性を有するばね 24 が介装されており、嵌着部 21 と脳波電極 22 は電 気的に接続されている。

【００１１】 一方、チップ 23 は、ＫＣｌ，ＲｂＣｌ，ＣｓＣｌ，ＮａＣｌ，ＬｉＣｌ，Ｃ ａＣｌ₂，ＭｇＣｌ₂などの塩化物水溶液からなる電解液がゲル化剤によってコロ イド状にゲル化したものである。チップホルダー 25 は、内径が脳波電極 22 の 外径に等しい筒状体であり、その先端から中心方向に伸びる複数本の保持棒25b でチップ 23 を保持している。また、チップホルダー 25 の尾端部には環状の係 止突起25a が形成されている。

【００１２】 従って、チップホルダー 25 をプローブ本体 20 に差し込むと、係止突起25a が係止部 29 に係合して固定され、チップホルダー 25 を引き抜くと簡単に取り 外すことができる。そして、チップホルダー 25 をプローブ本体 20 に装着する と、図３に示すように、脳波電極 22 とチップ 23 が接触し、両者で半電池を構 成する。

【００１３】 しかして、脳波の測定に際しては、被検者の頭部に円環ベルト 41 と頭覆いベ ルト 42 からなるナイトキャップ状のプローブ装着具を被せるが、第一接続具 4 3 および第二接続具 44 を調節して頭部の大きさに調節し、爪 21 を所定位置の 頭皮に接触させる。このとき、ホルダー１に本考案のプローブが装着してある。 つまり、プローブ本体 20 の嵌着部 21 がホルダー１の被嵌着部 11 に螺着され るが、これによって脳波電極 22 はリード線３に電気的に接続されるとともに、 チップ 23 はばね 24 の弾発力によって頭皮に確実に接触し、チップ 23 から電 解液が滲出して正確に脳波を測定することができる。測定が完了すると、チップ ホルダー 25 をホルダー１の被嵌着部 11 に螺着されたプローブ本体 20 から抜 き、次の測定のために新しいチップ 23 を前記の方法でプローブ本体 20 に取り 付ける。このように、チップ 23 のみをワンタッチできわめて簡単に交換するこ とができる。

【００１４】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案の脳波測定用プローブは、チップのみを簡単に交 換することができ、測定ごとに交換しても測定コストが安くて取り扱いが簡単な 脳波測定用プローブとすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】プローブ本体の説明図である。

【図２】チップの説明図である。

【図３】プローブの断面図である。

【図４】ホルダーの断面図である。

【図５】脳波測定用プローブ装着具の斜視図である。

【符号の説明】

１ ホルダー ２０ プローブ本体 ２２ 脳波電極 ２３ チップ ２５ チップホルダー ３ リード線

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 プローブ本体に保持された脳波電極と、
   該プローブ本体に着脱自由のチップホルダーで保持さ
   れ、電解液がコロイド状にゲル化したチップからなり、
   該プローブ本体にチップホルダーを装着するとチップが
   脳波電極に接触して半電池を構成することを特徴とする
   脳波測定用プローブ。