JPH062647Y2 - 脳波測定用プローブ装着具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、脳波測定用のプローブ装着具に関するもので
ある。

〔従来技術とその問題点〕

脳波を測定するためには、頭部の所定部位に例えば２１
個もの数多く脳波電極を装着しなければならない。この
とき、頭部の皮膚と電極間のインピーダンスや電位差を
小さくするために、両者の接触を確実にする必要があ
り、従来は、例えば銀板からなる電極の表面に導電用の
銀ペーストを塗り付け、これを１枚ずつ、粘着剤が塗布
されたテープにて脳波測定点の頭部の皮膚に貼り付けて
いた。従って、測定を開始するまでに２〜３時間の準備
作業を要するとともに、銀板の着脱時に、被検者に少な
からず苦痛を与えていた。そして、銀板を除去した後に
頭部を洗浄して銀ペーストを取り除く必要があった。ま
た、電極の銀板は１cm²程度の大きさがあり、ペースト
を介して貼り付けても、その間に不純物が介在しやす
く、従って、測定が不正確になりやすいが、更には頭部
の皮膚が角質化していると、頭部の皮膚と電極間のイン
ピーダンスや電位差が大きくなって正確な測定が困難で
ある不具合があった。

そこで、例えば銀−塩化銀からなる脳波電極と塩化カリ
などの電解液を内蔵する脳波測定用プローブを使用し、
プローブ先端から突出して電解液が滲出するチップを頭
部の脳波測定点に接触させて脳波を測定することが検討
されている。かかるプローブを例えばナイトキャップ状
のプローブ装着具に所定個数装着して頭部に被ると、複
数個のブローブが同時に頭部に接触し、効率良く脳波を
測定することができる。このとき、衛生上の観点から、
測定が終了して次に他の被検者の脳波を測定するときに
プローブを取替える必要がある。しかしながら、プロー
ブを確実に取り付け、かつ簡単に取り外すのが困難であ
り、プローブの取替え作業が煩雑で手間を要していた。

〔考案の目的〕

そこで本考案は、簡単、かつ確実にプローブを着脱する
ことが可能な脳波測定用プローブ装着具を提供すること
を目的とするものである。

〔考案の構成とその作用〕

本考案の構成は、２本の平行なワイヤーもしくは紐から
なり、被検者の頭部周囲線を覆う円環ベルト部と、同じ
く２本の平行なワイヤーもしくは紐からなり、両端近傍
が円環ベルト部と交差して接続された複数個の頭覆いベ
ルト部と、頭覆いベルト部および円環ベルト部に取り付
けられた所定個数のプローブ保持駒とを備え、チップか
ら電解液が滲出する脳波測定用プローブがプローブ保持
駒に保持されてチップが被検者の頭部の脳波測定点に接
触する脳波測定用プローブ装着具であって、前記プロー
ブ保持駒は、中央にプローブ保持用の筒部を有し、ワイ
ヤーもしくは紐が嵌め込まれる一対の溝が表面に形成さ
れた平板状の固定駒と、固定駒の筒部に回動可能に嵌着
され、両端が切り欠かれた平板状の回動駒とからなり、
固定駒の溝にワイヤーもしくは紐を嵌め込んで回動駒を
回動させると溝が回動駒で覆われることを特徴とするも
のである。

すなわち、円環ベルト部と複数個の頭覆いベルト部とで
ナイトキャップ状の帽子を形成しているので、この帽子
を頭部に被ると、プローブ保持駒に保持されたプローブ
のチップが被検者の頭部に接触する。そして、プローブ
保持駒は、固定駒と回動駒からなり、回動駒を回動させ
ると、固定駒に形成された溝が露出し、ないし回動駒で
覆われるので、溝にワイヤーもしくは紐を嵌め込んで回
動駒を回動させ、もしくは回動駒を回動させて溝からワ
イヤーもしくは紐を取り出すことにより、円環ベルト部
ないし頭覆いベルト部にプローブ保持駒を着脱すること
ができ、着脱操作が極めて簡単である。

〔実施例〕

以下に図面に示す実施例に基いて本考案を具体的に説明
する。

第１図において、円環ベルト部１は、２本の平行なワイ
ヤーからなり、ワイヤーの端部が合成樹脂で成形された
第１接続具４で接続されて円環状になっている。つま
り、第２図に示すように、ワイヤーの一端側1aが第１接
続具４に固定され、他端側1bが第１接続具４に摺動自由
に挿通されている。ここで、ワイヤーの摺動抵抗が所定
の大きさになるように設計されており、ワイヤーが不本
意に摺動して円環ベルト部１の円周長が変化することは
ないが、他端側1bを把持して強制的に摺動させることに
よって、被検者の頭部周囲線の大きさに応じて円環ベル
ト部１の円周長を調節することができる。

円弧状をした３本の頭覆いベルト部２も２本の平行なワ
イヤーからなり、その両端近傍がそれぞれ円環ベルト部
１と第２接続具５によって交差しており、その交差位置
で円環ベルト部１に接続されている。従って、円環ベル
ト部１と３本の頭覆いベルト部２によってナイトキャッ
プ状の帽子が形成されている。合成樹脂で成形された第
２接続具５は、第３図に示すように、縦方向および横方
向に孔が穿設されており、この孔に円環ベルト部１およ
び頭覆いベルト部２が摺動自由に挿通されている。そし
て、頭覆いベルト部２のワイヤーを強制的に摺動させる
と、頭覆いベルト部２の円弧長が変化する。つまり、円
環ベルト部１の円周長を調節するとともに、頭覆いベル
ト部２の円弧長を調整することによってナイトキャップ
状をした帽子の大きさを自由に調整することができる。
また、第２接続具５を円環ベルト部１に沿って摺動させ
ると、頭覆いベルト部２がその軸線と直角方向に移動す
る。なお、ワイヤーに代えて紐を使用してもよい。

プローブ保持駒３は、合成樹脂製の４角形体であり、第
４図に示すように、４角形の平板状をした固定駒31と４
角形の両端が切り欠かれて６角平板状をした回動駒32か
らなっている。固定駒31の中央には、内面にねじ溝が形
成されてプローブを螺着して保持する筒部33が一体に連
設され、また、筒部33の外側には一対の溝34が形成され
ている。一方、回動駒32の中央には孔が穿設されて固定
駒31の筒部33に回動可能に嵌着されている。そして、回
動駒32の切欠き線35,35間の長さは固定駒31の溝34,34間
の長さにほぼ等しく、切欠き線35が溝34に一致するよう
に回動駒32を回動すると溝34が露出し、この状態から更
に回動駒32を回動すると溝34が回動駒32で覆われる。な
お、固定駒31の形状は例えば円形でもよく、この場合
は、回動駒32の形状は、両側に切欠き線35を有する長円
形になる。

脳波測定用プローブ６は、第５図に示すように、プロー
ブ保持駒３の筒部33に螺着しており、先端からチップ61
が突出しているが、例えば銀−塩化銀からなる脳波電極
と塩化カリなどの電解液を内蔵しており、半電池を構成
している。そして、チップ61が頭部に接触すると、電解
液がチップ61から滲出して脳波を測定できる。

しかして、プローブ保持駒３を円環ベルト部１ないし頭
覆いベルト部２に取り付けるときは、第４図に示すよう
に、固定駒31の溝34を露出させ、円環ベルト部１ないし
頭覆いベルト部２のワイヤーを溝34に嵌め込む。そし
て、回動駒32を回動させて、第６図に示すように、溝34
を回動駒32で覆う。これによって、円環ベルト部１ない
し頭覆いベルト部２のワイヤーが圧接され、ワイヤーと
の摺動抵抗によってプローブ保持駒３が不用意に移動し
ないようになる。そして、プローブ保持駒３を強制的に
摺動させることによって、プローブ保持駒３を円環ベル
ト部１ないし頭覆いベルト部２に沿って移動させること
ができる。従って、第２接続具５を円環ベルト部１に沿
って摺動させて頭覆いベルト部２をその軸線と直角方向
に移動させるとともに、プローブ保持駒３を円環ベルト
部１ないし頭覆いベルト部２に沿って移動させることに
よって、プローブ保持駒３の位置を自由に調整すること
ができる。なお、第１図においては１個のプローブ保持
駒３のみを図示したが、実際には例えば２１個のプロー
ブ保持駒３が取り付けられている。

脳波を測定するに際しては、被検者が頭部に円環ベルト
部１と頭覆いベルト部２からなるナイトキャップ状の帽
子を被る。そして、被検者の頭部の大きさと形状に応じ
て第１接続具４および第２接続具５を調整して円環ベル
ト部１の円周長と頭覆いベルト部２の円弧長を所定の長
さにし、更にはプローブ保持駒３を円環ベルト部１ない
し頭覆いベルト部２に沿って移動させ、プローブ６のチ
ップ61が所定の脳波測定点に接触するようにればよい。
測定が完了してプローブ保持駒３を取り外すには、回動
駒32を回動させて溝34を露出させ、円環ベルト部１ない
し頭覆いベルト部２のワイヤーから抜けばよく、きわめ
て簡単に取り外すことができる。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案の脳波測定用プローブ装着
具は、プローブ保持駒が固定駒と回動駒からなり、回動
駒を回動させると、固定駒に形成された溝が露出し、な
いし回動駒で覆われるようにしたので、溝にワイヤーも
しくは紐を嵌め込んで回動駒を回動させ、もしくは回動
駒を回動させて溝からワイヤーもしくは紐を取り出すこ
とにより、円環ベルト部ないし頭覆いベルト部にプロー
ブ保持駒を着脱することができ、簡単、かつ確実にプロ
ーブを着脱することが可能な脳波測定用プローブ装着具
とすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例の斜視図、第２図、第３図、第４
図はそれぞれ要部の斜視図、第５図は要部の一部断面
図、第６図は要部の斜視図を示す。 １…円環ベルト部、２…頭覆いベルト部 ３…プローブ保持駒、31…固定駒 32…稼動駒、33…筒部 34…溝、４…第１接続具 ５…第２接続具、６…脳波測定用プローブ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ａ６１Ｂ 5/0492 8119−4Ｃ Ａ６１Ｂ 5/04 ３００ Ｎ 8826−4Ｃ ３２０ Ｓ (56)参考文献 特開 昭52−81981（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−249436（ＪＰ，Ａ) 実開 平３−16905（ＪＰ，Ｕ) 実公 平１−15364（ＪＰ，Ｙ２)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】２本の平行なワイヤーもしくは紐からな
   り、被検者の頭部周囲線を覆う円環ベルト部と、同じく
   ２本の平行なワイヤーもしくは紐からなり、両端近傍が
   該円環ベルト部と交差して接続された複数個の頭覆いベ
   ルト部と、該頭覆いベルト部および円環ベルト部に取り
   付けられた所定個数のプローブ保持駒とを備え、チップ
   から電解液が滲出する脳波測定用プローブが該プローブ
   保持駒に保持されて該チップが被検者の頭部の脳波測定
   点に接触する脳波測定用プローブ装着具であって、 前記プローブ保持駒は、中央にプローブ保持用の筒部を
   有し、ワイヤーもしくは紐が嵌め込まれる一対の溝が表
   面に形成された平板状の固定駒と、固定駒の筒部に回動
   可能に嵌着れさ、両端が切り欠かれた平板状の回動駒と
   からなり、固定駒の溝にワイヤーもしくは紐を嵌め込ん
   で回動駒を回動させると該溝が回動駒で覆われることを
   特徴とする脳波測定用プローブ装着具。