JP2010279452A - 脳波測定用の生体電極 - Google Patents

Abstract

【課題】脳波測定に際して被検者に嫌気を与えずに済む乾式構造のものとし、加えて脳波測定に際して手間を要しない構造のものとする。
【解決手段】本生体電極１は、脳波を測定するために、図１（Ａ）に示すような頭皮６の複数の所定位置に配される乾式構造の電極で、当該生体電極１の電極本体２の表面に、導電性の両面テープによって接着される、本実施の形態では金メッキが施された極小径で極薄な金属基板４と、この金属基板４に、本実施の形態では、半田付けによって固着される四つの極小径で極細な金属リング５ａ〜５ｄとからなる電極媒体３を備えるもので、脳波測定に際しては、図１（Ｂ）に示すような態様で金属リング５ａ〜５ｄを頭皮６に接触させて行われる。
【選択図】図１

Description

本発明は、脳波を測定するために頭皮に配される生体電極に関するものである。

頭皮に配されて、当該頭皮に現れた信号電圧を検出することにより脳波の測定に供される生体電極は、従来からある（特許文献１）。
例えば、この特許文献１に係る脳波測定用プローブ（生体電極）１００は、図４に示すような構造をなしている。即ち、プローブ１００は、プローブ本体１０１が嵌着部１０２、筒体１０３、摺動筒１０４及び固定部１０５から構成されており、このうちの嵌着部１０２は、表面が金めっきされた黄銅製で導通性を有し、その外周に外ねじ１０２ａが形成され、また、摺動筒１０４は、嵌着部１０２に固着された筒体１０３に摺動可能に配置され、この摺動筒１０４の先端には、固定部１０５を介して有底筒状の脳波電極１０６が固定されている。この脳波電極１０６は、当該脳波電極１０６と嵌着部１０２との間に介装される、導通性のばね１０７を通じて嵌着部１０２に電気的に接続されている。
そして、プローブ本体１０１には、当該プローブ本体１０１に着脱可能なように筒状体のチップホルダー１０８が取り付けられ、このチップホルダー１０８の保持棒にチップ１０９が保持されており、このチップ１０９は、塩化物水溶液からなる電解液がゲル化剤によってコロイド状にゲル化されたものである。
このような構造のプローブ１００を用いて脳波測定する場合には、プローブ１００の嵌着部１０２の外ねじ１０２ａを、図示しない脳波測定用プローブ装着具に取り付けられているホルダーに螺着させて行うようになっている。

しかしながら、上述した従来の脳波測定用プローブは、チップのみが交換可能なために安価であるが、脳波測定に際しては電解液を浸み込ませたチップを頭皮に直接接触させる、言うなれば湿式構造のものであり、この点で電極に導電用の銀ペーストを塗り付けたもので測定する場合と同様に、測定に際しては頭部毛髪を掻き分けて接触を確実にするための手間を要し、また、測定後にはプローブを接触させた頭皮の部位を洗浄しなければならない煩雑さがあり、結果として被検者には嫌気を与えてしまう、という問題がある。
実開平５−４８９０３号公報（第４〜６頁、図１〜３）

解決しようとする問題点は、脳波測定に際して被検者に嫌気を与えずに済む、言うなれば乾式構造のものとし、加えて脳波測定に際して手間を要しない構造のものとする点である。

本発明の請求項１に係る脳波測定用の生体電極は、脳波を測定するために頭皮の複数の所定位置に配される生体電極において、この生体電極の電極本体の表面に、例えば導電性の両面テープなどによって接着される金属基板と、この金属基板に、例えば半田付けなどによって固着され、脳波測定に際して前記頭皮に接触させる一つ若しくは二つ以上の金属リング又はコイル状に巻回された金属リングとからなる電極媒体を備えるもので、脳波測定に際しては上述の金属リングを、頭部毛髪を掻き分けなくても毛髪をすり抜けて頭皮に容易に接触させることができるため手間を要せず、また、かかる接触に際しては従来のような湿式電極でなく乾式電極のため測定後における接触部位の洗浄を要せず、結果として、脳波測定のときに被検者に嫌気を与えずに済み、脳波測定に際して使い勝手のよい構造のものとなっている。尚、本構造の生体電極においても、従来の湿式構造のものと同様に、正確に脳波測定を行えることはもちろんである。
ところで、上記金属リングの具体的形状は、円形状や楕円形状、或いは円弧形状や楕円弧形状などの適宜な湾曲形状を含む形状である。また、上記金属リングは、一連のコイル状に巻回されてなるものであってもよい。

本発明の脳波測定用の生体電極は、この生体電極を構成する電極媒体の金属リングを頭皮に接触させて脳波測定ができる乾式構造のものとしているので、脳波測定に際して手間を要せず、また、測定後における接触部位の洗浄を要せず、結果として、脳波測定のときに被検者に嫌気を与えずに済み、脳波測定に際して使い勝手のよい利点がある。

本発明の実施の形態に係る脳波測定用の生体電極を図１〜３を参照して説明する。
本脳波測定用の生体電極１は、脳波を測定するために、図１（Ｂ）に示すような用い方で、図１（Ａ）に示すような頭皮６の複数の所定位置に配される（この電極の配置は、国際標準方式の１０−２０法として規定されている。）乾式構造の電極である。
この生体電極１の構造を図１，２を参照して説明する。尚、図１（Ａ）においては、所定位置に配される生体電極１が簡略化されて図示されている。また、図２（Ａ）は、所定方向から視た斜視図で、同図（Ｂ）は、同図（Ａ）の平面図である。
この生体電極１は、当該生体電極１の電極本体２の表面に、導電性の両面テープ（図示せず）によって接着される、本実施の形態では金メッキが施された極小径で極薄な金属基板４と、この金属基板４に、本実施の形態では、半田付けによって固着される四つの極小径で極細な金属リング５ａ〜５ｄとからなる電極媒体３を備えるもので、脳波測定に際しては、図１（Ｂ）に示すような態様で金属リング５ａ〜５ｄを頭皮６に接触させて行われる。尚、金属リング５ａ〜５ｄには、本実施の形態では、金属基板４と同様に金メッキが施されている。
ところで、生体電極１の電極本体２自体は、図１（Ｂ）に示すように、電極ホルダー７内に収容され、被覆された電極リード線（図示せず）に接続された皿状の小電極である。したがって、本生体電極１は、このような電極本体２に上述のようにして取り付けられる電極媒体３により構成されている。

次に、本生体電極１を用いた脳波測定のしかたを説明する。
本生体電極１を用いた脳波測定に際しては、前準備は特に要せず、本生体電極１の金属リング５ａ〜５ｄを、上述の１０−２０法に従って頭皮６の所定位置のところに順次接触させるセットを行ってから、例えばヘッドギヤなどを装着して上記接触が保持されるようにすればよい。ところで、かかる接触に際しては、金属リング５ａ〜５ｄが頭部毛髪をすり抜けて頭皮６に容易に達するので、頭部毛髪を掻き分けなくてもよく手間を要しない。これは、頭皮６の複数個所に同様なセットをしなければならない脳波測定の場合、極めて使い勝手をよくしている。また、かかる接触に際しては従来のような湿式電極でなく乾式電極のため測定後における接触部位の洗浄を要せず、結果として、脳波測定のときに被検者に嫌気を与えずに済み、この点においても使い勝手をよくしている。
そして、頭皮６の所定位置のところにセットされた本生体電極１によって微弱な信号電圧が検出され、かかる信号電圧が、差動増幅器（図示せず）を介してコンピュータ（図示せず）に取り込まれることにより、かかるコンピュータ内で適宜なソフトウェア処理がなされ、モニター（図示せず）に脳波が直接、或いは何らかの加工（例えば、スペクトル解析など）が施されて出力表示される。

ところで、上述した実施の形態では、生体電極１においては電極媒体３に金属リング５ａ〜５ｄを備えたものであったが、例えば図３に示すような三つの略半楕円形状の金属リング９ａ〜９ｃを金属基板４に半田付けなどによって固着させた電極媒体８としてもよい。このような電極媒体８は、特に毛髪の薄い人に有用と考えられる。けだし、金属リング９ａ〜９ｃのような場合には、金属リング５ａ〜５ｄと比較して、頭皮６との接触を大きくすることができるため、当該接触が小さいがために生ずる痛みなどの苦痛を軽減できるからである。
但し、図３（Ａ）は、ある方向から視た斜視図であり、また、同図（Ｂ）は、同図（Ａ）とは異なる方向から視た斜視図である。

本発明の脳波測定用の生体電極は、脳波測定に際して被検者に嫌気を与えずに済む乾式構造のものであると同時に、脳波測定に際して手間を要しない構造のものであり、有用価値が高いと言える。

本発明の実施の形態に係る脳波測定用の生体電極の使用状態図である。 図１の生体電極に備えられた電極媒体の詳細図である。 図２の電極媒体とは異なる構成の電極媒体の詳細図である。 従来の脳波測定用プローブの断面構成図である。

１ 生体電極
２ 電極本体
３，８ 電極媒体
４ 金属基板
５ａ〜５ｄ 金属リング
６ 頭皮
９ａ〜９ｃ 金属リング

Claims (1)

1. 脳波を測定するために頭皮の複数の所定位置に配される脳波測定用の生体電極において、
   この生体電極の電極本体の表面に接着される金属基板と、この金属基板に固着され、脳波測定に際して前記頭皮に接触させる一つ若しくは二つ以上の金属リング又はコイル状に巻回された金属リングとからなる電極媒体を備えてなることを特徴とする脳波測定用の生体電極。

Images