JPH0548269U - 低挿入力形コネクタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本考案はチューニングホーク形雌側コンタクト
を備えたコネクタの低挿力化にある。 【構成】本考案は雄側コネクタの中心の挿抜方向にスリ
ットを設けることにより、目的を達成したものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、低挿入力形コネクタに関するもので、特にチューニングホーク形 雌側コンタクトを備えたコネクタの雄側コンタクトにかかるものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、電気コネクタのコンタクトの形状として、チューニングホーク形（音叉 ），リーフ形（片持はり），ベローズ形，ピン・ソケット形，バック形（突き当 ）等々種々のものがある。 図４は、従来一般に広く使用されているチューニングホーク形の雌雄一組のコ ンタクトを示したものである。図４において、（１）は雌側コンタクトであって 、ばね性の優れた金属材料で作られ、形状が音叉に似ているところから、音叉形 コンタクトとも呼ばれている。（２）は雄側コンタクトであって、雌側コンタク ト（１）の二又間の間隙（１１）に圧入されることにより、雌側コンタクト（１ ）と接続し、電気的接続が達成される。 このチューニングホーク形のコンタクトはばね性のある板材を打ち抜き加工 のみで形成でき、曲げ加工を必ずしも必要としないので、比較的に寸法精度が良 く、かつ量産性も良い、コネクタに組込まれた状態では、挿抜時に挿入及び抜 去のそれぞれにおける挿入，抜去の成功感触をはっきりと確認できるという特徴 を有するものである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来のチューニングホーク形コンタクトは、上記のような優れた特徴を有する ものではあるが、その一方次のような技術的に解決すべき課題をもつ。 ばねとして比較的硬い、ばね定数の大きいコンタクトとなるので、多数芯の コネクタになると挿入力が大きくなり、ある程度以上の多数芯コネクタには不向 きである。 印刷配線板のように板厚公差の大きいものに取付けて使用した場合には、各 芯の挿入力差が大きくなって、挿入力に均一性を与えることが困難である。

【０００４】

【考案の目的】

この考案の目的は上記課題を解決した低挿入力のチューニングホーク形雄側コ ンタクトを備えた多数芯コネクタの提示による。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

この考案は、雌側がチューニングホーク形である雌雄一組のコンタクトにおい て、雄側コンタクトに挿抜方向のスリットを入れることにより、前記課題を解決 し、この考案の目的を達成することができる。

【０００６】

【作用】

雌側がチューニングホーク形のコンタクトにおいて、雄側コンタクトにも挿抜 方向のスリットを入れると、雌雄コンタクトの挿入時の挿入力極大部が殆ど消滅 し、見掛け上挿入力が低減し、芯数が多くなってもその割合に挿入力は大きくな らない。 また、雄側コンタクトにスリットを設けることにより、弾力性及び柔軟性が付 与され、挿入力に融通性が生じ、挿嵌相手に寸法的な多少の誤差があっても、雄 コンタクトの挿入をスムーズに行い得、見掛け上コンタクトごとの挿入力差がな くなり、挿入力の均一化が得られる。

【０００７】

【実施例】

以下、図面に基づきこの考案を実施例によって詳細に説明する。 図１はこの考案に係るチューニングホーク形雌側コンタクトを備えた低挿入力 形コネクタの一具体例を示したものである。図１において、（１）は雌側コンタ クトであり、従来のチューニングホーク形の雌側コンタクトと本質的に同じであ って、変りはない。（２）は雄側コンタクトであって、スリット（２１）が設け られている。 図２はこの考案において、雌雄コンタクトを挿嵌したときの変位量（挿入量） と挿入力との関係を示したものである。なお、図２における破線で示す曲線は、 従来のチューニングホーク形雌側コンタクトを備えたコネクタの場合を示したも のである。 図２から明らかように、従来のコネクタではチューニングホーク形の雌コンタ クト（１）に雄コンタクト（２）を挿入していくと、前記図４のように挿入の容 易性や円滑性を目的として設けられた雄側コンタクト（２）の先端の錐状部分（ ２２）までは挿入量に応じて挿入力は比例的に増大していくが、錐状部分（２２ ）を越えても挿入力が増大していき、明らかに錐状部分（２２）を越えきったと ころで挿入力が本来のあるべき挿入力に迄降下する。即ち、この錐状部分（２２ ）を越えても挿入が増大することが挿入力極大部を形成し、この挿入力極大部は 、コネクタ挿嵌時の挿入成功感触を与えるという利点はあるものの、この極大部 分の圧力部分だけ、挿入力を余分に必要とすることになり、この余分が芯数が多 くなればなる程比例して増大して、コネクタの挿抜力を大きくすることになる。 しかしながら、この考案によれば、図２における実線の曲線が示すように、雄 側コンタクト（２）にスリット（２１）を設けると、従来と比較して挿入力を小 さくすることができるだけでなく、挿入力極大部分も殆ど生じない。即ち従来の コンタクトにおける余分な挿入力を必要とせず、その分挿入力の低減として現れ る。 図３Ａ，Ｂ，Ｃはこの考案に係るスリットを有する雄側コンタクトの種々の例 を示したものである。 Ａ図は雄側コンタクトのスリットの先端部に外側に向けた突起（２３）を設け たものである。この突起（２３）を設けることにより、コネクタ挿嵌時の挿入成 功感触を得ることができる。 Ｂ図は、スリットを先端の錐状部分（２２）よりも深い所まで設けたもので、 このようにスリット（２１）を深くすると挿入時にこの雄側コンタクト（２）の 錐状部分（２２）（テーパ部）が変形することにより、挿入角度（θ）が見掛け 上少なくなり、挿入力が低減するという利点がある。 Ｃ図はスリットの奥に膨大部（２４）を設けたもので、このようにすることに より、Ｂ図の場合よりも一層挿入角度（θ）が見掛け上少なくなり、挿入力が低 減する。

【０００８】

【考案の効果】 この考案は、雄側コンタクトにスリットを設けることにより、挿入時の殆ど 挿入力極大部を生じることがないのでその分芯数の多いコネクタを提供すること ができる。また、雄側コンタクトのスリットの先端部分に突起を設けることによ り、コネクタの挿抜時において挿入，抜去の成功感触をはっきりと知覚すること ができる。 また、雄側コンタクトにスリットを設けることにより、雄コンタクトに柔軟 性が加わり、コンタクトそれぞれの挿入力差が小さくなって、板厚公差の比較的 大きい印刷配線板に対しても比較的均一性のある挿入力を与えることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案に係る低挿入力形コネクタの説明図で
ある。

【図２】この考案低挿入力コネクタと従来コネクタにお
ける変位量と挿入力との関係う示す図である。

【図３】この考案における雌側コンタクトの各種の例示
図である。

【図４】従来のチューニングホーク形雄側コンタクトを
備えたコネクタの説明図である。

【符号の説明】

（１） 雌側コンタクト （２） 雄側コンタクト （２１） スリット （２２） 錐状部分 （２３） 突起 （２４） 膨大部

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 雌側がチューニングホーク形の雌雄一組
   のコンタクトを設けてなるコネクタにおいて、 前記雄側コンタクトには、雌側コンタクトとの挿嵌部に
   スリットを設けてなることを特徴とする低挿入力形コネ
   クタ。
2. 【請求項２】 雄側コンタクトのスリットの先端部に突
   起を設けてなることを特徴とする請求項１の低挿入力形
   コネクタ。