JPH054818A - 亜酸化チタンの製造方法 - Google Patents
亜酸化チタンの製造方法Info
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Abstract
合粉末を原料とし、これを真空雰囲気下において加熱す
ることにより、脱水素処理を施した後、不活性ガ 【効果】 従来の還元焼結法とは異なり、二酸化チタン
粉末と水素化チタン粉末との混合粉末を、真空雰囲気下
において加熱することにより、脱水素処理を施した後、
不活性ガス雰囲気下で溶解することによって蒸着時の真
空加熱過程で発生するスプラッシュ現象を効果的に低減
化でき、常に円滑で高品質のチタン系被膜を形成するこ
とができる亜酸化チタンを安価に製造することが可能と
なる。
Description
ラ−、蒸着材等に用いる亜酸化チタン製造方法に関する
ものである。
ンとは異なり、還元反応によって茶褐色、灰色、黒紫色
あるいは黒色など多様の色調を現出するうえに、良好な
導電性を有するため、有色顔料や各種材料の導電性フィ
ラ−として汎用されているが、近時、光学系、オプトエ
レクトロニクス等の分野で基材面に二酸化チタンの薄膜
を形成するための蒸着材料として利用が図られている。
二酸化チタンを水素またはアンモニア等のガスで高温還
元する方法(特公昭59-50604号公報、特開昭57-205322
号公報)、二酸化チタンと金属チタンの混合物を真空中
または還元雰囲気中で加熱する方法(特開昭49-5432号
公報)が典型的な技術としてしられている。これらの方
法は固相−気相系あるいは固相−固相系の原料組成によ
る還元反応を利用する
被膜は、抵抗加熱、電子ビ−ム加熱 とした場合には、真空加熱状態でのスプラッシュ現象が
著しく多発する。スプラッシュ現象が多く発生すると、
基材面への均一な蒸着が著しく阻害されるばかりでな
く、蒸着装置に蒸着物が付着したり、電子銃フィラメン
トが酸化変質する等のトラブルを招く。この現象を避け
るために、スプラッシュが鎮静化してから膜付け操作を
行うこともできるが、この場合には時間のロスが大きく
なる。従って、二酸化チタン形成薄膜材料に求められる
要件は、ガス発生やガス吸収を起こさず、かつスプラッ
シュ現象を生起せず、不純物の少ないものが好ましいと
されている。
酸化チタンの製造方法として、粒度80μm以下の水素化
チタン粉末と二酸化チタンとの混合物を700〜1600℃の
温度域において真空または不活性ガス雰囲気下で加熱焼
成する技術が、本出願人によって開発されている(特開
平1−290529号公報)。
製造される亜酸化チタンが蒸着に好適な粒子状態を呈し
ており、またガス成分や不純物の含有量を効果的に低減
化されているため、スプラッシュやアウトガスの発生は
従来技術に比べてかなり減少させることが可能となる。
しかしながら、この製法で得られる亜酸化チタンは不純
物も少なくガス発生もないが、スプラシュ現象に対する
防止効果については十分とはいえない。
亜酸化チタンを得るというこれまでの製造技術とは全く
異なるプロセズによって蒸着材用亜酸化チタンを製造す
る方法を対象とするもので、その目的は蒸着時の真空加
熱段階におけるスプラッシュ現象を効果的に低減化し得
る蒸着用亜酸化チタンの製造方法を提供することにあ
る。
めの本発明による蒸着材用亜酸化チタンの製造方法は、
二酸化チタンと水素化チタン粉末との混合粉末を、真空
雰囲気下において加熱することにより脱水素処理を施
し、次いで不活性ガス雰囲気下で溶解することを構成上
の特徴とするものである。
法、塩素法のいずれの方法で製造されたものでもよく、
また結晶型はアナタ−ゼ型、ルチル型、ブルカイト型の
いずれであっても差し支えない。該二酸化チタンは粉末
として使用されるが、その粒度には特に制約はない。た
だし、二酸化チタンとしての純度が可能な限り高いもの
が好ましい。二酸化チタンと共用する他方の原料となる
水素化チタンも粉末として使用されるが、該水素化チタ
ン粉末は通常市販のものを適宜選択して用いることがで
きる。
等によって均一に混合された混合粉末を形成したのち、
真空雰囲気下において、電気炉等により所定の温度域、
好ましくは400〜800℃に加熱することにより脱水素処理
を施し、次いで溶解工程にかけられる。水素化チタン粉
末と二酸化チタン粉末とを混合して原料とする際には、
配合割合を重量比で1:8〜9の範囲に設定し、上記の
機械的手段で乾式もしくは湿式法によって混合する。
粉末をアルゴン又はヘリウムのような不活性ガス雰囲気
に保持された溶解炉に移し、炉内の水冷ハ−スに充填し
た後、プラズマア−ク溶解法、非消耗ア−ク溶解法、エ
レクトロスラグ溶解法等を適宜選択して行われるが、本
発明においては非消耗ア−ク溶解法が装置が簡略で操作
も容易であることから好ましい。好適な溶解条件は、炉
内の雰囲気をアルゴンガスによって大気との対流を防止
し得る程度の加熱状態に保ちつつ、原料の量比に応じて
印加する電圧や電流を適宜の範囲に設定した非消耗ア−
ク溶解によって行われる。
生成した亜酸化チタンを製品として取り出す。
と水素化チタン粉末との混合粉末を真空雰囲気下におい
て加熱することによって脱水素処理を施し、次いで不活 酸化チタンに転化する。この際、溶解工程がアルゴン等
の不活性ガスで大気との対流を防止し得る程度の加圧状
態で行われ、しかも短時間で溶解を終了するから、大気
による汚染は除去され、高純度の亜酸化チタンを効率良
く製造し得る。
熱段階でスプラッシュ現象を生じない高品質の亜酸化チ
タンを安価に製造することが可能となる。
説明する。 実施例1 二酸化チタン粉末と水素化チタン粉末とを9:1の重量
比で配合し、ボ−ルミルを用いて12時間乾式混合して
混合粉末とした。ついで、この混合粉末を耐熱ルツボに
入れて電気炉に移し、炉内を1Torr以下の真空に保持し
ながら700℃の温度で1時間加熱することにより脱水素処
理を施し、そのまま炉冷した。その後該混合粉末を非消
耗ア-ク炉の銅製の水冷ハ-スに20g充填し、炉内をアル
ゴンガスで完全に置換した後、アルゴンガスによって大
気圧より若干加圧状態で保持しつつ、電流 200A、電圧
25Vを印加して 10分間ア−ク溶解し、炉内の雰囲気を
そのまま保持して炉冷した。
の化合物組成を粉末X線解折法で測 で溶解し、真空下でスプラッシュの状況を観察したとこ
ろ、スプラッシュ現象は認められなかった。
合粉末を 80g、電流400A、電圧 35V、溶解時間を 5
分間とした以外は実施例1と同様にして実験を行った。
の化合物組成を粉末X線解折法で測 で溶解し、真空下でスプラッシュの状況を観察したとこ
ろ、スプラッシュ現象は認められなかった。
合し、乾式混合機で 12時間混合したのち、機械式成形
プレスを用いて直径10mm、厚さ4mmの錠剤形ペレットに
成形した。ついで、このペレットを真空雰囲気炉に入
れ、1220℃の温度であ8時間加熱して還元焼成した。得
られた焼結体は黒紫色を呈しており、その化 この亜酸化チタンをEB溶解炉で溶解し、真空下でスプ
ラッシュの状況を観察したところ、スプラッシュ現象が
多く発生した。
元焼結法とは異なり、二酸化チタン粉末と水素化チタン
粉末との混合粉末を、真空雰囲気下において加熱するこ
とにより脱水素処理を施し、次いで不活性ガス雰囲気下
で溶解することにより蒸着時の真空加熱過程で発生する
スプラッシュ現象を効果的に低減化することができる亜
酸化チタンを製造することができる。したがって、常に
円滑で高品質のチタン系蒸着薄膜を形成するための蒸着
材を安価に生産供給することが可能となる。
Claims (2)
- 【請求項1】 二酸化チタン粉末と水素化チタン粉末と
の混合粉末を、真空雰囲気下において加熱することによ
り脱水素処理を施し、次いで不活性ガス雰囲気下で溶解
することにより得られることを特徴とする亜酸化チタン
の製造方法。 - 【請求項2】 溶解時の雰囲気をアルゴンガス雰囲気下
に保持し、非消耗ア−ク溶解法によって溶解する請求項
1記載の亜酸化チタンの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18049391A JP3186793B2 (ja) | 1991-06-26 | 1991-06-26 | 亜酸化チタンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP18049391A JP3186793B2 (ja) | 1991-06-26 | 1991-06-26 | 亜酸化チタンの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH054818A true JPH054818A (ja) | 1993-01-14 |
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Family
ID=16084204
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18049391A Expired - Lifetime JP3186793B2 (ja) | 1991-06-26 | 1991-06-26 | 亜酸化チタンの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3186793B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0601761A1 (en) * | 1992-11-30 | 1994-06-15 | Shiseido Company Limited | Manufacturing method of pigment including lower titanium oxide |
JP2014144884A (ja) * | 2013-01-28 | 2014-08-14 | Nisshin Seifun Group Inc | 不定比酸化物粒子およびその製造方法 |
CN105692694A (zh) * | 2016-02-29 | 2016-06-22 | 西安电子科技大学 | Ti3O5/TiO2混晶纳米纤维的制备方法 |
CN105887182A (zh) * | 2014-12-15 | 2016-08-24 | 盱眙新远光学科技有限公司 | 一种五氧化三钛晶体的制作工艺 |
CN106830066A (zh) * | 2017-03-03 | 2017-06-13 | 攀枝花学院 | 三氧化二钛及其制备工艺和应用 |
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JP5296619B2 (ja) * | 2009-07-03 | 2013-09-25 | 東邦チタニウム株式会社 | 亜酸化チタンの製造方法 |
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1991
- 1991-06-26 JP JP18049391A patent/JP3186793B2/ja not_active Expired - Lifetime
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