JP3069403B2 - 亜酸化チタンの製造方法 - Google Patents
亜酸化チタンの製造方法Info
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Description
ラー、蒸着材等に用いる亜酸化チタンの製造方法に係
り、中でも蒸着材として好適な亜酸化チタンの製造方法
に関する。
り還元反応によって茶褐色、灰色、黒紫色あるいは黒色
など多様な色調を現出するうえに、良好な導電性能を有
するため有色顔料や各種材料の導電性フィラーとして汎
用されているが、近時、光学系、オプトエレクトロニク
ス等の分野で基材面に二酸化チタンの薄膜を形成するた
めの蒸着材料として利用が図られている。
二酸化チタンを水素またはアンモニア等のガスで高温還
元する方法(特公昭59−50604 号公報、特開昭57−2053
22号公報) 、二酸化チタンと金属チタンの混合物を真空
中または還元雰囲気中で加熱する方法(特開昭49−5432
号公報) が典型的な技術として知られている。これらの
方法は固相−気相系あるいは固相−固相系の原料組成に
よる還元反応を利用するもので、得れる亜酸化チタンは
一般にTiO、Ti2 O3 、Ti3 O5 、Ti4 O 7、
Ti5 O9 の組成を有し、いずれも焼結体である。
被膜は、抵抗加熱、電子ビーム加熱等で溶解したのち基
材面に真空蒸着する方法で形成されるが、この際、前記
のTiOやTi2 O3 はガス吸収作用を起し、またTi
4 O 7やTi5 O9 は逆にガス発生作用を起して真空槽
内の雰囲気を一定に保ち得ない。その点、Ti3 O5 は
減圧、高温雰囲気下で極めて安定であるが、前記の従来
技術で製造されたTi3 O5 で表わされる亜酸化チタン
焼結体(以下、単に亜酸化チタンという。)を蒸着材と
した場合には、真空加熱状態でのスプラッシュ現象が著
しく多発する。スプラッシュ現象が多く発生すると、基
材面への均一な蒸着が阻害されるばかりでなく、蒸着装
置に蒸着物が付着したり、電子銃フィラメントが酸化変
質する等のトラブルを招く。この現象を避けるために、
スプラッシュが鎮静化してから膜付け操作をおこなうこ
ともできるが、この場合には時間のロスが大きくなる。
従って、二酸化チタン形成薄膜材料に求められる要件
は、ガス発生やガス吸収を起さず、かつスプラッシュ現
象を生起せず、不純物の少ないものが好ましいとされて
いる。
酸化チタンの製造方法として、粒度80μm 以下の水素化
チタン粉末と二酸化チタンとの混合物をペレット状に成
形し、 700〜1600℃の温度域において真空または不活性
ガス雰囲気下で加熱焼成する技術が、本出願人によって
開発されている(特開平1−290529号公報) 。
製造される亜酸化チタンが蒸着に好適な粒子状態を呈し
ており、またガス成分や不純物の含有量を効果的に低減
化されているため、スプラッシュやアウトガスの発生は
従来技術に比べてかなり減少させることが可能となる。
しかしながら、この製法で得られる亜酸化チタンは不純
物も少なくガス発生もないが、スプラッシュ現象に対す
る防止効果については十分とはいえない。
亜酸化チタンを得るというこれまでの製造技術とは全く
異なるプロセスによって蒸着材用亜酸化チタンを製造す
る方法を対象とするもので、その目的は蒸着時の真空加
熱段階におけるスプラッシュ現象を効果的に低減化し得
る蒸着用亜酸化チタンの製造方法を提供することにあ
る。
めの本発明による蒸着材用亜酸化チタンの製造方法は、
二酸化チタンと、水素化チタン粉末との混合物をペレッ
ト状に成形した後、該ペレットを真空雰囲気下において
加熱することにより脱水素処理を施し、次いで不活性ガ
ス雰囲気下で溶解して得られることを構成上の特徴とす
るものである。
法、塩素法のいずれの方法で製造されたものでもよく、
また結晶型はアナターゼ型、ルチル型、ブルカイト型の
いずれであっても差し支えない。該二酸化チタンは粉末
として使用されるが、その粒度には特に制約はない。た
だし、二酸化チタンとしての純度が可能な限り高いもの
が好ましい。二酸化チタンと共用する他方の原料となる
水素化チタンも粉末として使用されるが、該水素化チタ
ン粉末は通常市販のものを適宜選択して用いることがで
きる。
タン粉末との混合物とし、該混合物を予めペレット状に
成形したのち、真空雰囲気下において、電気炉等により
所定の温度域、好ましくは 400〜800 ℃に加熱すること
により脱水素処理を施し、次いで溶解工程にかけられ
る。ペレット成形は、通常の油圧式または機械式のプレ
ス装置を用いておこなわれるが、金型のかじり防止と離
型性を良くするため必要に応じて適宜なバインダー成分
を添加してもかまわない。水素化チタン粉末と二酸化チ
タン粉末とを混合する際には、配合割合を重量比で1:
8〜9の範囲に設定し、乾式もしくは湿式法によって混
合される。
はヘリウムのような不活性ガス雰囲気下に保持された溶
解炉に移し、炉内の水冷ハースに充填した後、プラズマ
アーク溶解法、非消耗アーク溶解法、エレクトロスラグ
溶解法等を適宜に選択して行われるが、本発明において
は非消耗アーク溶解法が、装置が簡略で操作も容易であ
ることから好ましい。好適な溶解条件は、炉内の雰囲気
をアルゴンによって大気との対流を防止し得る程度の加
圧状態に保ちつつ、原料の量比に応じて印加する電流や
電圧を適宜の範囲に設定した非消耗アーク溶解によって
行なわれる。
生成した亜酸化チタンを製品として取り出す。
水素化チタン粉末との混合物をペレット状に成形し、単
に不活性ガス雰囲気下で非消耗アーク溶解することによ
り僅か10分程度の短時間でTi3 O5 を主体とする低次
酸化形態の亜酸化チタンに転化する。この際、溶解工程
がアルゴン等の不活性ガスで対流を防止し得る程度の加
圧状態でおこなわれ、しかも短時間で溶解を終了するか
ら、大気による汚染は除去され、高純度の亜酸化チタン
を効率良く製造し得る。
熱段階でスプラッシュ現象を生じない高品質の亜酸化チ
タンを安価に製造することが可能となる。
明する。 実施例1 粒径45μm 以下の水素化チタン粉末と、二酸化チタン粉
末を1:9の重量比で配合し、乾式混合機で12時間混合
した。この混合粉末を機械式のプレス成形装置を用いて
直径10mm、厚さ4mmの錠剤形ペレットとした。得られた
ペレットを石英製のルツボに入れて電気炉に移し、炉内
を1Torr以下の真空雰囲気に保持して、700 ℃で1時間
加熱することにより脱水素処理を施した後炉冷した。次
いで、このペレットを非消耗アーク炉の銅製の水冷ハー
スに40g 充填し、炉内をアルゴンガスで完全に置換した
後、アルゴンによって大気圧より若干加圧状態で保持し
しつつ、電流200A、電圧25V を印加して10分間アーク溶
解し、その後、炉内の雰囲気をそのまま保持して炉冷し
た。
た結果、その化学組成はTi3 O5 であることが確認さ
れた。この亜酸化チタン試料をEB溶解炉で溶解し、真
空下におけるスプラッシュの状況を観察したところ、ス
プラッシュ現象は見られなかった。
した以外は実施例1と同様にして実験を行なった結果、
実施例1と同様の成果が得られた。
粉末4445g を配合し、乾式混合機で12時間混合したの
ち、機械式成形プレスを用いて直径10mm、厚さ4mmの錠
剤形ペレットに成形した。ついで、このペレットを真空
雰囲気炉に入れ、1220℃の温度で8時間加熱して還元焼
成した。得られた焼結体は黒紫色を呈しており、その化
合物組成を粉末X線回折法で測定した結果、Ti3 O5
であることが確認された。この亜酸化チタンをEB溶解
炉で溶解し、真空下でスプラッシュの状況を観察したと
ころ、スプラッシュ現象が多く発生した。
とを1:9の重量比で配合し、乾式混合機で12時間混合
した。この混合粉末を油圧式成形プレスを用いて直径10
mm、厚さ4mmの錠剤形ペレットに成形した。次いで該ペ
レットを真空雰囲気炉に充填し、炉内を1Torr以下の真
空度に保持しながら、1300℃で3時間の加熱焼成を行っ
た後、炉冷した。得られた生成物を粉末X線回折法で測
定したところ、Ti3 O5 の組成を有する亜酸化チタン
であることが確認された。この亜酸化チタン試料をEB
溶解炉で溶解し、真空雰囲気下におけるスプラッシュ現
象を観察したところ、多数のスプラッシュ現象が見られ
た。
異なり、二酸化チタンと、水素化チタン粉末とを特定の
割合で混合したのちペレット状に成形し、該ペレットを
真空雰囲気下で加熱することにより脱水素処理を施した
ものを、不活性ガス雰囲気下で溶解することにより、T
i3 O5 の組成を有する亜酸化チタンが得られる。この
亜酸化チタンは、従来の亜酸化チタンに見られる様な、
蒸着時の真空加熱下で発生するスプラッシュ現象が生起
せず、常に円滑な高品質のチタン系蒸着薄膜を形成し得
る蒸着材を提供することが可能となった。また、本発明
方法は、その工程が簡略であり、装置上とも特段の配慮
を要さず、かつ単時間の処理で所期の製品を製造し得る
為、コスト面でも大巾に改善される。
Claims (2)
- 【請求項1】 二酸化チタンと、水素化チタン粉末との
混合物をペレット状に成形した後、該ペレットを真空雰
囲気下において、加熱することにより脱水素処理を施
し、次いで不活性ガス雰囲気下で溶解して得られること
を特徴とする亜酸化チタンの製造方法。 - 【請求項2】 溶解時の雰囲気をアルゴンガス雰囲気下
に保持し、非消耗アーク溶解法によって溶解する請求項
1記載の亜酸化チタンの製造方法。
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1991
- 1991-06-27 JP JP3185479A patent/JP3069403B2/ja not_active Expired - Fee Related
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