JPH0546270B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 （産業上の利用分野） この発明は、コンベアラインによる塗装装置な
どに挿入された塗装前処理工程などの水洗処理装
置に関する。

（従来の技術） 例えば、コンベアラインによる塗装装置の前処
理工程は少くとも水洗、脱脂、水洗、皮膜化成、
水洗、乾燥の工程をライン上に配置する必要があ
り、ラインの長大化、設備の大型化を招き、また
脱脂、皮膜化成の廃液を浄化するために大掛りな
処理施設や多量の処理剤を要し、塗装コストを大
巾に引上げる要因になつている。

このような前処理工程を改善し、脱脂工程を省
略したものがある。すなわち、常時定量的に給排
水される70℃〜100℃の洗水（純水に近い程効果
的）に超音波振動などの洗滌力を加えて、処理物
を浸漬させることによつて、輪送途中などに付着
した油脂類を洗い落すようにしたもので、コンベ
アラインの短縮化、廃液処理設備の縮小化もしく
は省略が可能で、さらに皮膜化成後の水洗にも同
様に設備することで、水洗能力を高め、乾燥工程
を省略できる。

しかしこのような脱脂を兼ねた水洗装置は、前
記のように微少な油脂類の洗滌には充分効果があ
る反面、加工時の冷却または潤滑用とか輸送時な
どの保護用に多量の油脂類の付着した処理物に対
しては必ずしも充分な洗滌ができない場合がある
という問題がある。

（発明が解決しようとする課題） この発明の目的は、上記のような問題があるの
に鑑み、70℃〜100℃の洗水による水洗処理装置
を用いて工程の簡素化、廃液処理施設の縮小化な
どの利点を損うことなく、多量に油脂類が付着し
た処理物も洗滌できるようにした塗装前処理装置
などの水洗処理装置を提供しようとするものであ
る。

〔発明の構成〕

（課題を解決するための手段） 上記の目的を達成するため、の発明の塗装前処
理装置などの水洗装置は、コンベアラインに沿う
細長い水洗処理槽に、常時定量的に給排水される
70℃〜100℃の洗水を満たし、コンベアにより輸
動される処理物を浸漬して通過させるようにした
水洗処理装置において、この水洗処理槽よりコン
ベア進行方向後方のコンベアライン上に、第２サ
ンプを備えた第２シヤワー水洗室、さらにその後
方に第１サンプを備た第１シヤワー水洗室を配置
し、前記水洗処理槽よりオーバーフローした洗水
を上記第２サンプに貯溜し、第２サンプよりオー
バーフローした洗水を第１サンプに貯溜すると共
に、第２シヤワー水洗室のシヤワー洗水として、
その第２サンプの貯溜洗水を汲上げて供給し、第
１シヤワー水洗室のシヤワー洗水として第１サン
プの貯溜洗水を汲上げて、脱脂剤を混入しながら
供給するようにしたものである。

（作用） このようにしたので、コンベアラインにより輸
動される処理物は、先ず第１シヤワー水洗室に入
り、脱脂剤の混つたシヤワー洗水を浴びて、付着
した油脂類の大部分が洗い流され、ままた浮き上
がるようになる。脱脂剤はシヤワー洗水に注入し
ながら使れるので、効率がよく、注注入量を調整
するこにより必要最小限の使用量になる。シヤワ
ー洗水は第１サンプ内に戻り、サンプ内洗水には
脱脂剤およびび油脂類が混入し、再循環によつて
混入量が増大するが、第２サンプより常時流入さ
れる洗水により薄められ、総合的にはそれ程濃度
が高くない。爾後の廃水処理が容易である。

処理物引続いて第２シヤワー水洗室に入り、第
２サンプから汲み上げたシヤワー洗水が付着して
いる脱脂剤混りの洗水や油脂類を洗い落す。この
場合第２サンプの洗水は水洗処理槽から流入した
熱湯なので洗滌力が強い。そしてここに持ち込ま
れる脱脂剤の量は極く少量なので、第２サンプへ
の混入濃度は極めて稀薄であり、絶えず給される
洗水にさらに薄められ、第２サンプの洗水を循環
使用することによる不都合はない。

次いで処理物は、水洗処理槽へ浸漬され、その
熱湯により残溜した油脂類を綺麗に洗い落されて
次工程の皮膜化成処理に送られる。

（実施例） 以下この発明の実施例を示す図に就いて説明す
る。

図は塗装前処理工程の工程図である。

コンベアライン１は適当間隔に吊下げた処理物
２を輸動する。このコンベアライン１に沿つて、
第１シヤワー水洗室３、第２シヤワー水洗室４、
水洗処理槽５、皮膜化成処理槽６、第３シヤワー
水洗室７および水洗処理槽８が順次配置される。

水洗処理槽５，８および皮膜化成処理槽６は舟
底形に形成され、これらの上を通るコンベアライ
ン１は同様の舟底形に敷設されて、処理物２は順
次槽内に入り込んで進む。

第１、第２、第３シヤワー水洗室３，４，７は
トンネル型で、両側にシヤワーノズル１０が配設
され、処理物２はその間を通る。また各シヤワー
水洗室３，４，７の底部には第１サンプ１１、第
２サンプ１２、第３サンプ１３が備えられ、その
中の洗水をポンプ１４で汲上げててそれぞれのシ
ヤワーノズル１０にシヤワー洗水を供給する。シ
ヤワー洗水は各サンプ１１，１２，１３内に落
ち、循環供給される。

水洗処理槽５内には、70℃〜100℃に加熱され
た洗水（純水に近いものが選ばれる）が満たされ
る。その温度を保持するためには、蒸気または給
湯管９により熱湯が供給される。また洗水は常に
定量的に給排水される。その定量供給は上記蒸
気、熱湯で行われ、この供給により、コンベア進
行方向と逆方向の流れが作られる。同時に超音波
発振装置１５により洗水に超音波振動が与えられ
る。

水洗処理槽５からオーバーフローした洗水は前
記第２サンプ１２に貯溜され、第２サンプ１２か
らオーバーフローした洗水は第１サンプ１１に貯
溜され、ここでオーバーフローした洗水が排出管
１６を介して排水される。

また第１シヤワー水洗室１１では、ポンプ１４
とシヤワーノズル１１とを結ぶ配管１７の途中に
脱脂剤供給管１８が接続され、所要量の脱脂剤を
シヤワー洗水に混入させるようになつている。

水洗処理槽８には、前記水洗処理槽５と同様に
70℃〜100℃の洗水が定量的に給排水して貯えら
れ、超音波発振装置１５が備えられる。オーバー
フローした洗水は第３サンプ１３に貯溜され第３
シヤワー水洗室７のシヤワー洗水に供せられる。

以上のように構成され、コンベアライン１に沿
つて輸動される処理物２は、先ず第１シヤワー水
洗室３で脱脂剤の混入したシヤワー洗水で洗われ
付着した油脂類を大部分除かれて第２シヤワー水
洗室４に入り、ここで熱湯に近いシヤワー洗水で
洗われ、さらに水洗処理槽５の洗水に浸漬されて
油脂類その他を綟麗に洗い落されて、皮膜化成処
理槽６に送られる。

皮膜化成処理槽６を出た処理物２は、第３シヤ
ワー水洗室７および水洗処理槽８により皮膜化成
液をすみずみまで洗い落とされる。水洗処理槽８
を出た処理物２は、自然により直ちに自然乾燥さ
れ、塗装工程に送られる。

水洗処理槽５に供給される洗水は、コンベア進
行方向と逆に第２サンプ１２、第１サンプ１１へ
と流れるので、処理物は進行と共に綺麗な洗水で
洗滌される。

〔発明の効果〕

この発明に係る塗装前処理工程などの水洗処理
装置は、上記のような構成、作用を有するもので
処理物表面に多量に付着した油脂類を最小限の脱
脂剤を用いて洗滌することができ、コンベアライ
ンの短縮化、前処理工程および廃液処理施設の規
模を縮少し、塗装コストを低減する効果がある。

【図面の簡単な説明】

図はこの発明の実施例を示す工程図である。 １……コンベアライン、２……処理物、３……
第１シヤワー水洗室、４……第２シヤワー水洗
室、５……水洗処理槽、６……皮膜化成処理槽、
１０……シヤワーノズル、１１……第１サンプ、
１２……第２サンプ、１８……脱脂剤供給管。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ コンベアラインに沿う細長い水洗処理槽に、
   常時定量的に給排水される70℃〜100℃の洗水を
   満たし、コンベアにより輪動される処理物を浸漬
   して通過させるようにした水洗処理装置におい
   て、この水洗処理槽よりコンベア進行方向後方の
   コンベアライン上に、第２サンプを備えた第２シ
   ヤワー水洗室、さらにその後方に第１サンプを備
   えた第１シヤワー水洗室を配置し、前記水洗処理
   槽よりオーバーフローした洗水を上記第２サンプ
   に貯溜し、第２サンプよりオーバーフローした洗
   水または別個に供給する洗水を第１サンプに貯溜
   すると共に、第２シヤワー水洗室のシヤワー洗水
   として、この第２サンプの貯溜洗水を汲上げて供
   給し、第１シヤワー水洗室のシヤワー洗水として
   第１サンプの貯留洗水を汲上げて供給し、かつ第
   １シヤワー洗水には必要に応じて、脱脂剤を混入
   するようにしたことを特徴とする塗装前処理工程
   などの水洗処理装置。