JPH0721166U - 水洗式洗浄装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高品質の水洗式洗浄装置を提供すること。 【構成】 無公害のアルカリ性又は中性洗剤を使用する
脱脂剤噴射洗浄室を設けて、洗浄物の表面に付着する油
脂又は汚物を噴射洗浄し、熱湯を使用する熱湯噴射洗浄
室を設けて、上記脱脂剤噴射洗浄処理を終えた洗浄物に
熱湯噴射洗浄を実施して、残留油脂等を除去し、冷水を
使用する冷水噴射洗浄室を設けて、上記熱湯噴射洗浄処
理を終えた洗浄物に冷水噴射洗浄を施して洗浄物の表面
を清め、乾燥室を設けて、上記過程を終えた洗浄物に熱
風乾燥処理を行い洗浄物表面を完全に乾燥し、更に洗浄
物が上記各洗浄、乾燥区域を自由に通過できるようにエ
ンドレス搬送ベルトを設けて洗浄物を搬送し、又上記冷
水噴射洗浄室の次段階に更に純水噴射洗浄室を増設し
て、冷水噴射洗浄処理後、洗浄物表面に残存する雑質や
水跡を完全且つ徹底的に除去する事を特徴とする水洗式
洗浄装置。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は一種の洗浄装置、特に金属容器の洗浄に適した全自動搬送装置によ る水洗式洗浄装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般の伝統的な金属器具、金属容器又はステンレス鋼製の金属食器の加工成型 に於いて、製品完成後、更に研磨粉や研磨油で製品の表面を高速回転研磨し、艶 出しをする。又、研磨作業で製品の表面に付着した汚物・油脂等は洗浄で除去す る。しかし、研磨過程で塗敷した研磨粉や研磨油は製品の表面にこびり付いてい て、一般的な水洗装置ではなかなか完全に洗浄、除去し難い。そこでトリクロロ ・エタンやダイクロロ・ダイフルオロ・メタン等の有機溶剤で洗浄したりする。

【０００３】 最近、国際的な環境保護意識の高まりと共に、上記の環境汚染に最重な影響の あるトリクロロ・エタン等の有機溶剤は、やがては全面的に使用禁止となる可能 性がある。

【０００４】 この問題について、業者間では既に水洗式洗浄装置の開発使用に関する探索を 進めているが、従来の水洗装置では洗浄剤による数段階の洗浄過程を経ても、光 沢のある金属表面にはなお抹消しきれない水跡等が残留する。この水跡は洗浄過 程に於いて多段階の洗浄処理後、乾燥過程で金属表面に残留した水滴が乾いて形 成した残痕で、この水跡のため満足な洗浄効果と品質向上が得られなくなる。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

本考案者は４０余年、ステンレス製食器の製造・販売に携わっていた経験と、 絶え間なく先進諸国の関連技術を参照し、金属水洗装置について研究開発を続け ていたが、この間、日本の金属器具製造の主要地である新潟県燕市に於いて、多 数の大企業が無公害の洗浄器開発に乗り出し、１９９０年に日本金属家庭用品組 合が濃川技術開発グループの助成で多額の開発費を注ぎ込み無公害の洗浄机を開 発しようとしたが、洗浄効果が満足を得るまでには至らなかった。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記の課題を解決するため、この考案は水洗式洗浄装置を提供する事を目的と している。

【０００７】 この考案の技術手段として、連続する自動搬送ベルトの入口側から順を追って 無公害のアルカリ性又は中性洗剤使用の脱脂剤噴射洗浄室、熱湯噴射洗浄室、冷 水噴射洗浄室及び熱風乾燥室等の処理区域を設け、更に冷水噴射洗浄室の次段階 に、この考案では純水噴射洗浄室が設けてある。或いは又、冷水噴射洗浄室の次 段階に純水噴射洗浄室とジェット・エア排水室を併設して、金属の光沢表面に残 存する水跡を徹底的に除去できるようにしてある。或いは又、脱脂剤噴射洗浄室 と熱水噴射洗浄室と熱湯噴射洗浄室と冷水噴射洗浄室と純水噴射洗浄室の各接続 中間に、屈伸性グレート・カーテンを配置して各洗浄室の噴射水分が飛散して他 区域に入らないようにし、それぞれの区域で発生した不潔水分や噴水が各自の区 域内に止まるようにしてある。又、強力ジェット・エア排水室を設けて、金属表 面に付着した水滴を強制追放する手段により、金属表面に残留する水跡も霧状の 純水成分が僅か残存する状態になり、これは次段階の乾燥室での快速乾燥で完全 に消失するから、金属表面はきれいな光沢面となる。

【０００８】 この考案が提供する水洗式洗浄装置は、上記のように各噴射洗浄区域間に相当 な厚みを持つ屈伸性ロープ又は細長の布で構成する屈伸性グレート・カーテンを 設けて、金属器具がその間をくぐって各区域を自由に通過できるように搬送ベル トを配設し、更にグレート・カーテンの隔離で各区域内の噴水が金属表面から反 射飛散して次の区域に入り込まないようにして、金属器具の二次汚染を防止する 方式は、この考案の金属器具表面の水跡完全除去に関するもう一つの技術手段で ある。

【０００９】 更に又、この考案の技術手段として使用する熱風乾燥室は燃焼式乾燥法を採用 し、燃焼油バーナーを利用した加熱と熱交換手段により、燃焼室内で熱を上昇さ せ、更にファンの送風による循環対流で金属器具に対して充分な乾燥と水分除去 を実施しているから、二次汚染の問題がなく、又この方式は快速な乾燥処理がで きるから、燃料油の節約ともなる。

【００１０】

【作用】

上記の事情に鑑み、本考案者が開発した無公害高品質の水洗式洗浄装置は、従 来の有機溶剤使用の洗浄機に匹敵する効果を発揮できる上に、この考案の洗浄装 置の製作コストは先進国家で従来使用しているものに較べてほぼ三分の一である から経済的である。又、この考案の提供により、洗浄後の金属器具表面から完全 に水跡の汚染を除去し、器具表面の完璧な光沢を保持し得る優位な技術効果は、 金属器具の品質向上ともなり、更にこの考案に於いては廃棄水に公害や汚染の問 題が発生しない特長等は、金属器具製造産業の向上発展に大きく寄与する。

【００１１】

【実施例】

この考案の水洗式洗浄装置について、実施例を参照しながら説明する。

【００１２】 図１に示すように、この考案の水洗式洗浄装置は、エンドレスの網状搬送ベル ト１１と上部ギア１２−１２と下部ギア１３−１３を配設した連続搬送装置１０ 、上記搬送ベルト上下位置空間に、順を追って区分設置した脱脂剤噴射洗浄室２ ０、熱湯噴射洗浄室３０、冷水噴射洗浄室４０及び熱風乾燥室７０によって構成 し、更に冷水噴射洗浄室４０と乾燥室７０間に純水噴射洗浄室５０、又は純水噴 射洗浄室５０とジェット・エア排水室６０を増設してある。上記脱脂剤噴射洗浄 室２０は無公害のアルカリ性又は中性洗剤を使用し、熱湯との混合使用によって 洗浄物表面の油脂を噴射洗浄する。上記脱脂剤噴射洗浄は図３に示すように、ポ ンプＰ１でコントロールする噴水ノズル２１−２１を網状搬送ベルトの上下対応 する空間位置に配設して、洗浄物Ｗに対し密集した水柱噴射洗浄を実施する。こ の噴射洗浄を終えた洗浄物Ｗは第一屈伸性グレート・カーテン１００Ａを通って 第二段階の熱湯噴射洗浄室３０に入り、ポンプＰ２によって熱湯を搬送ベルト上 下空間に対応設置した噴水ノズル３１−３１に圧送して第二次洗浄作業を実施す る。ここで洗浄された洗浄物Ｗは第二屈伸性グレート・カーテン１００Ｂを通っ て第三段階の冷水噴射洗浄室４０に入り、上記と同じように配設したポンプＰ３ から噴水ノズル４１−４１に圧送する冷水で上記のように第三次噴射洗浄を実施 した後、第三屈伸性グレート・カーテン１００Ｃを通り純水噴射洗浄室５０に入 る。 上記純水噴射洗浄の主要目的は、冷水噴射洗浄後、洗浄物Ｗ表面に残留す る水分又は汚物をもう一度徹底的に洗浄除去する事にある。これはポンプＰ４に より噴水ノズル５１−５１に圧送された純水によって洗浄し、洗浄物Ｗ表面に残 存する水跡を除去し、更に次段階のジェット・エア排水室６０のジェット・エア 噴射ノズル６１によって洗浄物Ｗ表面に残った水分を完全に排除する。特に金属 洗浄物表面の凹部に溜っている水分も、このジェット・エア排水過程で完全に排 掃される。上記の過程を経た洗浄物Ｗは、熱風乾燥室７０内に送り込まれる。

【００１３】 図２と図３に示すように、上記乾燥室７０の一次側（入口）にはジェット・エ ア噴射ノズル６１が設けてあり、又、乾燥室７０の二次側（出口）にも同じよう にジェット・エア噴射ノズル７２を設けてある。この両側のノズルによって気圧 対流を形成して両ノズル６１，７２の位置で気流を遮断するエア・カーテンを構 成し、乾燥室７０内の熱エネルギーが外部に逸散するのを防止する。上記ノズル ６１，７２はコンプレッサーＣ１によって圧縮気体を供給している。

【００１４】 次に図４に示すように、上記乾燥室７０には燃料油バーナー７７と排気管７４ と恒温調節器（図示しない）を具備した恒温燃焼室７８を配設してあり、この装 置によって燃焼室７８の温度を所要の範囲内に調節する。上記バーナー７７の熱 エネルギーは熱交換パイプ７６と、その発散片７５の交換作用によって熱量を増 加し、続いて乾燥室７０上方部に配置したファン７１の対流吸排出によって熱風 を搬送ベルト１１下方部から対流的に上方部へ排送し、更に頂上部パイプ７３の 循環経路を経て燃焼室７８内に戻り、この繰返し循環作用で熱風を供給している 。ここで特記する事は、この考案に於ける乾燥室７０は、火力が強く省エネルギ ーで快速に加熱作業ができる燃焼室乾燥法を採用しているから、乾燥室７０は燃 料油バーナー７７の加熱手段と熱交換手段７５，７６，７８とファン７１の強制 送風によって、洗浄物Ｗに対して循環対流乾燥の目的を達成している事である。 これは一般に採用されている電気加熱器に存在する電力の多量消費と加熱予備時 間が非常に長いと言う欠点を完全に解消する事ができ、或いは又、ガス加熱方式 に存在する洗浄物Ｗの二次汚染の欠点をも解消している。これで分かるように、 燃料油燃焼式による間接乾燥手段はこの考案の独特的な創意に属する。

【００１５】 次にこの考案が採用している屈伸性グレート・カーテン１００は、図５に示す ように構造が非常に簡単で、頂上部に設けた固定部１０１は（流れ作業方向に対 して）相当な厚みを持たせてあり、その長さは搬送ベルトの幅にほぼ等しく、又 、固定部１０１の下方に密集状に配列固定した屈伸性ロープ１０２は、下方に自 然的垂下状態に設けてあり、上記ロープ１０２の長さは最少搬送ベルトに接触す る程度にして、ロープ１０２の持つ屈伸性によって各噴射洗浄区域間を遮断し、 各洗浄区域内の噴水による相互汚染を防止している。この屈伸性グレート・カー テンが水洗式洗浄過程全体に対する噴水隔離作用は相当重要な役割を果しており 、この考案の独創的構成でもある。

【００１６】 前述のように、この考案に於ける主要な改良点は冷水噴射洗浄室と熱風乾燥室 間に純水噴射洗浄室、或いは純水噴射洗浄室とジェット・エア排水室を増設する 事により、前段階での洗浄終了後洗浄物に残留する汚水分を徹底的に洗浄・除去 し、更に各洗浄室間に屈伸性グレート・カーテン１００を設置する事により、屈 伸式の遮断作用で洗浄物が自由に各区域を通過できると共に、ノズルからの噴水 飛散を各区域内に隔離できる構成は、この考案の創業とも言うべく、水洗式洗浄 の品質を大幅に向上させている。又、この考案の熱風乾燥室７０が採用する燃焼 式乾燥手段によって熱風乾燥速度と予備操作をより快速且つ効率的に向上し、エ ネルギー消費節約の効果を得られる事は、この考案の独特な創作であり、構造的 にも斬新性と実用性を兼ね備えるものである。

【００１７】

【考案の効果】

この考案による水洗式洗浄装置は、無公害の脱脂剤噴射洗浄室、熱湯噴射洗浄 室、冷水噴射洗浄室及び熱風乾燥室を設け、更に冷水噴射洗浄室の次段階に純水 噴射洗浄室を設置した構成により、金属器具表面に残留する油脂や汚染水跡等を 洗浄、除去し、或いは又、純水噴射洗浄室の次段階に更にジェット・エア排水室 を増設して金属表面凹部に残留する汚水分を一掃できることにより、後続段階の 乾燥室で熱風乾燥処理を終えた金属器具表面が汚染残留物のない綺麗な光沢面を 保持する事ができ、又、各噴射洗浄区域間に設けた屈伸性グレート・カーテンの 作用で各区域内の不清潔水分の相互飛散汚染を防止する事により、従来の水洗式 洗浄機の技術的問題点を完全に解決し、大幅に水洗式洗浄装置の洗浄品質を向上 させている。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の水洗式洗浄装置の側面図。

【図２】この考案の水洗式洗浄装置の横断面図。

【図３】図２の３−３線部分の縦断面図。

【図４】図２の４−４線部分の熱風乾燥室構造を示す横
断面図。

【図５】この考案の屈伸性グレート・カーテンを示す斜
視図。

【符号の説明】

１０ 搬送装置 １１ エンドレス網状搬送ベルト １２ 上部ギア １３ 下部ギア ２０ 脱脂剤噴射洗浄室 ３０ 熱湯噴射洗浄室 ４０ 冷水噴射洗浄室 ５０ 純水噴射洗浄室 ６０ ジェット・エア排水室 ７０ 熱風乾燥室 ３１，４１，５１ 噴水ノズル ６１，７２ エア・ノズル ７７ 燃焼油バーナー ７８ 恒温燃焼室 ７６ 熱交換パイプ ７１ ファン ７３ 循環パイプ １０２ 屈伸性ロープ Ｐ１，Ｐ２，Ｐ３ ポンプ Ｃ１ コンプレッサー

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 無公害のアルカリ性又は中性洗剤を使用
   する脱脂剤噴射洗浄室を設けて、洗浄物の表面に付着す
   る油脂又は汚物を噴射洗浄し、熱湯を使用する熱湯噴射
   洗浄室を設けて、上記脱脂剤噴射洗浄処理を終えた洗浄
   物に熱湯噴射洗浄を実施して、残留油脂等を除去し、冷
   水を使用する冷水噴射洗浄室を設けて、上記熱湯噴射洗
   浄処理を終えた洗浄物に冷水噴射洗浄を施して洗浄物の
   表面を清め、乾燥室を設けて、上記過程を終えた洗浄物
   に熱風乾燥処理を行い洗浄物表面を完全に乾燥し、更に
   洗浄物が上記各洗浄、乾燥区域を自由に通過できるよう
   にエンドレス搬送ベルトを設けて洗浄物を搬送し、又上
   記冷水噴射洗浄室の次段階に更に純水噴射洗浄室を増設
   して、冷水噴射洗浄処理後、洗浄物表面に残存する雑質
   や水跡を完全且つ徹底的に除去する事を特徴とする水洗
   式洗浄装置。
2. 【請求項２】 純水噴射洗浄室の後続段階としてジェッ
   ト・エア排水室を設けて、洗浄物が純水噴射洗浄処理を
   終えた後、更に強力なジェット・エアで洗浄物表面に付
   着する水滴を強制的に除去する事を特徴とする上記請求
   項１記載の水洗式洗浄装置。
3. 【請求項３】 脱脂剤噴射洗浄室と熱湯噴射洗浄室間、
   熱湯噴射洗浄室と冷水噴射洗浄室間、冷水噴射洗浄室と
   純水噴射洗浄室間の各接続部位に屈伸性グレート・カー
   テンを配置して、各区域内の汚水や水洗放水等が飛散し
   て次段階の洗浄室を汚染する事のないように防止してあ
   る事を特徴とする上記請求項１記載の水洗式洗浄装置。
4. 【請求項４】 燃焼油燃焼方式の乾燥手段を利用した乾
   燥室に於いて、バーナー加熱と熱交換とファンの送風循
   環対流によって洗浄物の乾燥を実施する事を特徴とする
   上記請求項１記載の水洗式洗浄装置。