JPH0545891U - 蓄電池用電槽 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 リブの長所を失わず、しかも導体を短くする
ことができる蓄電池用電槽を提供する。 【構成】 隔壁２に複数の縦リブ３を有する蓄電池用電
槽において、隔壁貫通孔１０に近いリブ３ｄを低くし、
隔壁貫通孔１０から遠いリブ３ｂほど高くする。セル間
接続部に近いリブを低くし、セル間接続部から遠いリブ
ほど高くしてあるので、隣接セルの接続部がより近接す
る。従って、導体をより短くすることができ、導体によ
る蓄電池の重量増加を防ぐことができる。また、蓄電池
を放電した場合でも、導体抵抗の増加による性能低下が
ない。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、蓄電池用電槽に関する。

【０００２】

【従来の技術】

蓄電池用電槽の隔壁には、極板群に向かって複数本のリブが設けられている。 図２は、その従来例を示す鉛蓄電池の要部略断面図である。隔壁２から極板群４ に接するまでの長さは、全てのリブ３ａで同じある。鉛蓄電池では、同図に示す 如く、陰極導体７ａと陽極導体８ａとが、抵抗溶接等の方法によって、隔壁２の 隔壁貫通孔１０で一体に接続されている。

【０００３】 リブは使用中に発生するガスを逃すのに役立つとともに、電解液の循環を良く するといった性能面での効果がある。また、製造面では電槽に極板群を挿入する 時に挿入抵抗が少ないという効果を有していると共に、設計面では同じ外形寸法 の電槽であってもリブの形状を変えるだけで電池の容量を変えうることを可能に している。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記のような電槽を用いた蓄電池では、隔壁貫通溶接を行なう 場合、リブの高さが高くなればなるほど導体の長さを長くしなければならず、蓄 電池の重量が増加する。さらに、蓄電池を放電した場合、導体の長さの増加によ る抵抗増大が電圧性能低下をもたらすといった欠点もある。

【０００５】 この考案は上記のような課題を解決するために成されたものであり、その目的 とするところは、リブの長所を損わず、なおかつ、前記のような欠点を解消する ことができる蓄電池用電槽を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】 そこで、隔壁に複数の縦リブを有する蓄電池用電槽において、隔壁貫通孔に近 いリブを低くし、隔壁貫通孔から遠いリブほど高くしたことを特徴とする蓄電池 用電槽とすることにより、前記課題を解決するものである。

【０００７】

【作用】

セル間接続部に近いリブを低くし、セル間接続部から遠いリブほど高くしてあ るので、隣接セルの接続部をより近接させることができる。従って、導体をより 短くすることができるので、電気抵抗の増大を防ぐことができる。一方、セル間 接続部から遠い方のリブが高くしてあるので、極板はセル内でうまく支持されガ タつくことがない。さらに、セル内空間自体は従来とおなじであり、リブの機能 はなんら損なわれることがない。

【０００８】

【実施例】

本考案を、その実施例を示す図により説明する。図１は、本考案の１実施例で ある蓄電池電槽を用いた蓄電池の要部略断面図である。電槽１の隔壁２には、隔 壁２から極板群４に向かって複数本のリブ３が設けてあり、隔壁貫通孔１０に近 いリブ３ｄの長さは短く、遠くのリブ３ｃ，３ｂほど長くしてある。これにより 、図３に示す如く、陰極導体７ｂ及び陽極導体８ｂの長さを、従来の蓄電池（図 ２）のリブ３ａとの差の長さ分、短くすることができる。すなわち、図３のリブ ３ｂの長さＬｂを図２のリブ３ａの長さＬａの数倍程度にすることで、各導体７ ｂ、８ｂの長さｌｂを、従来の導体７ａ、８ａの長さｌａより短くできることを 特徴とするものである。

【０００９】 本考案は、極板群を隔壁貫通孔付近ではできるだけ隔壁に近づけるため、リブ 相互の寸法関係を変えることで実現せんとするものである。他の方法、例えば厚 さの異なるスペーサーを挿入することでも可能であるが、製造工程や部品材料の 管理等の点から、本考案によるものが最適である。

【００１０】

【考案の効果】 本考案による蓄電池用電槽によれば、隔壁貫通孔に近いリブを低くし、隔壁貫 通孔から遠いリブほど高くしてあるので、隣接セルの接続部がより近接する。従 って、導体をより短くすることができ、導体による蓄電池の重量増加を防ぐこと ができる。また、蓄電池を放電した場合でも、導体抵抗の増加による性能低下が ない。本考案の実用的効果は大きい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の１実施例である蓄電池用電槽を用いた
蓄電池の要部略断面図である。

【図２】従来の蓄電池用電槽を用いた蓄電池の略縦断面
図である。

【図３】本考案の１実施例である蓄電池用電槽の略縦断
面図である。

【符号の説明】

１ 電槽 ２ 隔壁 ３ リブ ４ 極板群 ５ 陰極板 ６ 陽極板 ７ 陰極導体 ８ 陽極導体 ９ セパレーター １０ 隔壁貫通孔

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 隔壁（２）に複数の縦リブ（３）を有す
   る蓄電池用電槽において、 隔壁貫通孔（１０）に近いリブ（３ｄ）を低くし、隔壁
   貫通孔（１０）から遠いリブ（３ｂ）ほど高くしたこと
   を特徴とする蓄電池用電槽。