JPH0545344U - バタフライ弁 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 異種のフランジ規格に適合した適正な位置決
め状態が得られ、汎用性を確保するとともに、孔開け加
工を簡単にして、加工ミスの誘発を抑える。 【構成】 弁箱２のボルト配設部２Ａにアダプタ保持ブ
ロック５，５を設け、このアダプタ保持ブロック５，５
のアダプタ嵌合部６に、異種のフランジ規格に適合する
複数種類のアダプタ１０の中から選択したアダプタ１０
を嵌合し、アダプタ保持ブロック５，５の保持片７，７
に形成した第１基準孔８，８とアダプタ１０に形成した
第２基準孔１１にピン１３を挿通して、アダプタ１０の
ボルト挿通孔１２をアダプタ保持ブロック５，５のボル
ト挿通大孔９，９に臨ませるようにしてある。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、連結パイプの端部に設けられたフランジ間に接続されるバタフライ 弁に関する。

【０００２】

【従来の技術】

この種のバタフライ弁として、図７に示すように、弁体１を収納した弁箱２の ボルト配設部２Ａに、特定のフランジ規格にのみ適合するボルト挿通孔３，３を 形成して、これらボルト挿通孔３，３にボルト４を挿通することにより、パイプ の端部に設けられたフランジに対する弁箱２の位置決め接続を行っていた。とこ ろが、このような位置決め構造では、適正な位置決め状態を得ることができる反 面、一種類のフランジ規格に対してのみ適合できるだけで、異種のフランジ規格 には適合しないため汎用性に欠ける問題がある。そこで、図８に示すように、複 数のボルト４の挿通を許容する長孔状のボルト挿通孔３，３を形成して、このボ ルト挿通孔３，３内の径の異なる孔部を適宜選択して、ここに適合するボルト４ を挿通することにより、複数のフランジ規格に対応できるように構成したものが 提供されている。しかし、この種の位置決め構造では、長孔状のボルト挿通孔３ ，３の中間孔部を選択して、ここにボルト４を挿通した場合、弁箱２が下方に落 下したり、斜めに傾くおそれがあり、適正な位置決め接続を妨げる欠点があると ともに、長孔状のボルト挿通孔３，３は、長軸方向両端部の曲率半径が互いに異 なる変形した長孔によって形成されたものであるから、その孔開け加工が比較的 煩雑である難点を有し、加工ミスを誘発するおそれもある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

解決しようとする問題点は、適正な位置決め状態を得られる構造では汎用性に 欠け、汎用性にすぐれた位置決め構造では、適正な位置決め接続が妨げられると ともに、孔開け加工が比較的煩雑であり、したがって加工ミスを誘発するおそれ があるなどの点である。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、アダプタ嵌合部の軸方向両側に互いに対向する保持片を配設し、こ れら保持片に同心の第１基準孔と同心のボルト挿通大孔とをそれぞれ形成したア ダプタ保持ブロックが弁箱のボルト配設部に設けられ、第２基準孔と特定のフラ ンジ規格にのみ適合するボルト挿通孔を形成した複数種類のアダプタから選択し て前記アダプタ嵌合部に嵌合されたアダプタの前記第２基準孔と、前記アダプタ 保持ブロックの第１基準孔に止め部材を挿通して、前記ボルト挿通大孔にボルト 挿通孔を臨ませるように構成したことを特徴とし、適正な位置決め状態が得られ 、汎用性を確保するとともに、孔開け加工を簡単にして加工ミスの誘発されるお それをきわめて少なくする目的を達成した。

【０００５】

【作用】

本考案によれば、アダプタをアダプタ保持ブロックのアダプタ嵌合部に嵌合し たのち、第２基準孔を第１基準孔に連通させ、ここに止め部材を挿通してアダプ タ保持ブロックによりアダプタを保持することで、この保持されたアダプタのボ ルト挿通孔がアダプタ保持ブロックのボルト挿通大孔に臨出する。ボルト挿通大 孔およびここに臨出したボルト挿通孔にボルトを挿通することにより、保持され ているアダプタによって特定されるフランジ規格に対応した位置決め接続を行う ことができる。したがって、アダプタを適宜選択してアダプタ保持ブロックのア ダプタ嵌合部に嵌合することにより、異種のフランジ規格に応じた位置決め接続 が可能となる。また、第１基準孔、第２基準孔、ボルト挿通大孔およびボルト挿 通孔は、正円径孔または角孔によって形成できるから、孔開け加工が簡単である 。

【０００６】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。図１は、本考案の要部を 示す正面図、図２は、図１の側面図である。なお、前記図７および図８の従来例 と同一もしくは相当部分には同一符号を付して説明する。図１において、弁体１ を収納した弁箱２のボルト配設部２Ａに、アダプタ保持ブロック５，５が溶接に よって取付けられている。アダプタ保持ブロック５，５は、図３に示すように、 アダプタ嵌合部６の軸方向両側に互いに対向する保持片７，７を配設し、これら 保持片７，７の上部に同心の第１基準孔８，８が形成され、第１基準孔８，８の 下部に同心のボルト挿通大孔９，９が形成されている。なお、第１基準孔８，８ は正円径の小孔によってなり、ボルト挿通大孔９，９は、比較的大きい正方形孔 によってなる。アダプタ保持ブロック５，５のアダプタ嵌合部６には、それぞれ 図４に示すアダプタ１０が嵌合して保持される。アダプタ１０には、第２基準孔 １１と特定のフランジ規格にのみ適合するボルト挿通孔１２が形成されている。

【０００７】 したがって、図５および図６で示すように、アダプタ１０をアダプタ保持ブロ ック５，５のアダプタ嵌合部６に嵌合したのち、第２基準孔１１を第１基準孔８ ，８に連通させ、ここにピン（止め部材）１３を挿通して、アダプタ保持ブロッ ク５，５によりアダプタ１０を保持することで、この保持されたアダプタ１０の ボルト挿通孔１２がアダプタ保持ブロック５，５のボルト挿通大孔９，９に臨出 する。ボルト挿通大孔９，９およびここに臨出したボルト挿通孔１２にボルト４ を挿通することにより、保持されているアダプタ１０によって特定されるフラン ジ規格に対応した位置決め接続を行うことができる。そのために、種々異なるフ ランジ規格のボルトピッチサ−クルに合わせたボルト挿通孔１２が形成されてい るアダプタ１０を複数種類用意しておき、これら異種のフランジ規格に適合する アダプタ１０を適宜選択して、これをアダプタ保持ブロック５，５のアダプタ嵌 合部６に嵌合することにより、異種のフランジ規格に応じた位置決め接続が可能 となるので汎用性を確保できる。しかも、アダプタ１０は、アダプタ嵌合部６に がたつくことなく嵌合保持されているので、適正な位置決め状態を容易に得るこ とができる。さらに、第１基準孔８，８、第２基準孔１１およびボルト挿通孔１ ２を正円径孔とし、ボルト挿通大孔９，９を角孔（正円径大孔でもよい）として 形成しているので、孔開け加工を簡単に行うことができるから加工ミスを誘発す るおそれはない。また、本考案によれば、ピン１３を第１基準孔８と第２基準孔 １１および第１基準孔８に挿通し、ボルト４をボルト挿通大孔９とボルト挿通孔 １２およびボルト挿通大孔９に挿通する単純な作業によって、異種のフランジ規 格に応じた位置決め接続が可能となるので、接続作業性にすぐれていることは言 うまでもない。

【０００８】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案は、異種のフランジ規格に適合した適正な位置決 め状態が得られるので、汎用性が確保されるとともに、孔開け加工を簡単に行う ことができるから加工ミスを誘発するおそれはない。また、ピン（止め部材）を 第１基準孔および第２基準孔に挿通し、ボルト４をボルト挿通大孔とボルト挿通 孔に挿通する単純な作業によって、異種のフランジ規格に応じた位置決め接続が 可能となるので、接続作業性にすぐれている。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の要部を示す正面図である。

【図２】図１の側面図である。

【図３】アダプタ保持ブロックの拡大斜視図である。

【図４】アダプタの一例を示す拡大斜視図である。

【図５】アダプタ保持ブロックによるアダプタの保持状
態を示す拡大正面図である。

【図６】図５のア−ア線断面図である。

【図７】従来のバタフライ弁の一例を一部切欠して示す
正面図である。

【図８】従来のバタフライ弁の他例を一部切欠して示す
正面図である。

【符号の説明】

２ 弁箱 ２Ａ 弁箱のボルト配設部 ３ ボルト挿通孔 ４ ボルト ５ アダプタ保持ブロック ６ アダプタ嵌合部 ７ 保持片 ８ 第１基準孔 ９ ボルト挿通大孔 １０ アダプタ １１ 第２基準孔 １２ ボルト挿通孔 １３ ピン（止め部材）

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 アダプタ嵌合部の軸方向両側に互いに対
   向する保持片を配設し、これら保持片に同心の第１基準
   孔と同心のボルト挿通大孔とをそれぞれ形成したアダプ
   タ保持ブロックが弁箱のボルト配設部に設けられ、第２
   基準孔と特定のフランジ規格にのみ適合するボルト挿通
   孔を形成した複数種類のアダプタから選択して前記アダ
   プタ嵌合部に嵌合されたアダプタの前記第２基準孔と、
   前記アダプタ保持ブロックの第１基準孔に止め部材を挿
   通して、前記ボルト挿通大孔にボルト挿通孔を臨ませる
   ように構成したことを特徴とするバタフライ弁。