JPH0545280Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はシートの外観を向上させるために座面
に吊込状の凹窪模様を有する自動車用シートに関
するものである。

（従来の技術とその問題点） 従来のこの種のシートは、表皮の裏面側に、一
定の間隔をあけて多数の吊紐を固定し、この吊紐
を表皮によつて被覆される発泡体製のクツシヨン
体内に引き込み、このクツシヨン体内のインサー
トワイヤ、或いはクツシヨン体を支持する支持部
材に吊紐の先端をホツグリング等で結着すること
により、表面に点状に多数の吊込状凹窪模様を形
成している。

従つて、斯る従来品は、表皮の裏面における所
定位置に多数の吊紐を固定し、この各吊紐をシー
トの内部方向に引つ張つて各吊紐を固定しなけれ
ばならないため、吊紐の表皮に対する取付手数、
吊紐の吊込工数などがかかるばかりか、クツシヨ
ン体内にインサートワイヤを埋設する必要があ
る。

なお、表皮の裏面に吊紐を取付けずに、表皮を
吊込むものとして、実開昭61−41000号公報に開
示されているようなものがある。しかし、これは
あらかじめ表皮の一部を圧潰して凹溝部を形成
し、これをクツシヨン体の表面に設けた切欠部に
接着するものであるため、表皮の凹溝部に吊込に
よるものの如く、装飾用の皺が生じない不具合が
ある。

そこで本考案は、前記表皮の吊紐による吊込に
よることなく、表面に装飾用の吊込状凹窪を形成
することを目的とするものである。

（問題点を解決すべき手段） 以上の目的を解決するための本考案は、モール
ド加工したクツシヨン主体の表面に、ウレタンフ
オームのスラブ材製クツシヨン補助体を接着する
と共に、クツシヨン補助体の表面からクツシヨン
主体内に渉る多数の凹窪を形成してなる発泡体製
クツシヨン主体と、このクツシヨン体を被覆する
表皮とからなり、該表皮はクツシヨン体の凹窪の
底部のみにおいて、該凹窪周囲のクツシヨン補助
体を圧潰して接着し、シートの座面に、多数の放
射状の皺を有する吊込凹窪模様を形成してなるも
のである。

従つて、表皮はクツシヨン体の凹窪内におい
て、クツシヨン体表面の弾力に抗して圧接して接
着されるため、その接着部周囲に皺が生じ、シー
トの座面に前記吊込によるものと略同一の吊込状
の凹窪模様が形成される。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。

第１図は本考案による自動車用シート（シート
クツシヨン）Ａを示し、その座面ａには、多数の
吊込状凹窪模様１，１……が形成されている。

これを第２図、第３図において具体的に説明す
ると、発泡体（ウレタンフオーム）製クツシヨン
体２，４はモールド加工したクツシヨン主体２
と、このクツシヨン主体２の上面に接着剤等によ
つて一体に接着したウレタンフオームのスラブ材
製クツシヨン補助体４とから構成されており、こ
のクツシヨン補助体４の表面からクツシヨン主体
２に渉つて、間隔をあけて摺鉢状の凹窪５，５を
複数個開穿してあり、その凹窪５，５の底部に設
けた接着剤（例えばホツトメルト）１０によつ
て、表皮５が接着されている。この接着によつて
クツシヨン補助体４に設けた凹窪５周縁が表皮５
によつて圧潰される。そのため、凹窪５内に接着
された表皮３１周囲には放射状に皺が生じるた
め、前記吊込状の凹窪模様１が形成される。

第３図は前記表皮５の接着方法を示し、クツシ
ヨン補助体４からクツシヨン主体２に設けた多数
の凹窪５，５……底部に接着剤１０を収容し、そ
のクツシヨン補助体４の上面に表皮３を被せ、次
に、各凹窪５……内に挿込む多数の棒状挿込体６
……を固定した加圧板８を下降し、各挿込体６…
…の先端に設けたゴム製の突子７を表皮３と共
に、クツシヨン体２，４の各凹窪５，５……内に
挿込んで加圧し、表皮３の一部を各凹窪５，５…
…の底部で接着する。すると、各凹窪５，５……
周囲の発泡体が圧潰されるため、接着した部分を
中心に放射状に表皮３に皺が生じ、前記吊込状の
凹窪模様１，１……がシートの表面に形成され
る。

（効果） 本考案によれば、モールド加工したクツシヨン
主体の表面に、ウレタンフオームのスラブ材製ク
ツシヨン補助体を接着すると共に、このクツシヨ
ン補助体の表面からクツシヨン主体内に渉つて、
多数の凹窪を点状に形成し、この凹窪内における
クツシヨン主体のみに表皮を接着しているので、
クツシヨン主体に対して柔軟なクツシヨン補助体
の凹窪周囲が表皮によつて引張られて圧潰され、
シートの座面に点状且つ放射状に皺を有する多数
の吊込状凹窪模様を形成できる。そのため、前記
従来品の如く、表皮の裏面側に多数の吊紐を固定
し、この各吊紐を夫々シートの内部方向に引つ張
つて表皮を吊込む必要がないので、作業性が頗る
良く、しかも、クツシヨン体の表面に設ける凹窪
の形状、大きさ、深さにより、所望の形状で、装
飾用の皺を放射状に有する吊込状凹窪模様を形成
できるため、前記従来品に比べ、外観に優れたも
のを提供できる。加えて、表皮をクツシヨン補助
体に対して硬いモールド加工したクツシヨン主体
の凹窪内に接着しているため、接着が確実にな
り、シートの長期使用によつて表皮の接着個所が
剥離することがない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は斜視
図、第２図は第１図における−線断面図、第
３図は接着方法を説明する断面図である。 図中、２，４はクツシヨン体、３は表皮、５は
凹窪、１０は接着剤を夫々示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 モールド加工したクツシヨン主体と、このクツ
   シヨン主体の表面に接着したウレタンフオームの
   スラブ材製クツシヨン補助体とからなるクツシヨ
   ン体と、 このクツシヨン体を被覆する表皮と、 からなり、 前記クツシヨン補助体の表面から、クツシヨン
   主体内に渉つて多数の凹窪を点状に形成し、 前記表皮は凹窪周囲のクツシヨン補助体を圧潰
   して、クツシヨン主体の凹窪内のみにおいて接着
   し、 シートの座面に多数の放射状の皺を有する吊込
   凹窪模様を点状に形成してなる自動車用シートの
   座面構造。