JPH0544791A - 内接噛合遊星歯車構造 - Google Patents

内接噛合遊星歯車構造

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JPH0544791A
JPH0544791A JP22834291A JP22834291A JPH0544791A JP H0544791 A JPH0544791 A JP H0544791A JP 22834291 A JP22834291 A JP 22834291A JP 22834291 A JP22834291 A JP 22834291A JP H0544791 A JPH0544791 A JP H0544791A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 キャリヤピン(キャリヤ体)116を備えた
内接噛合遊星歯車構造において、剛性、安定性を高める
と共に全長を短くし、その結果、特に入力軸101と偏
心体103との連結の改良を可能として部品点数の削
減、組立工数の低減を図る。 【構成】 出力軸102のフランジ部114、キャリヤ
ピン116、支持リング117を、軸受115a 、11
5b によって両持ち支持し、この軸受115a 、115
b の間に減速機構部を配置する。入力軸101には、そ
の外周の一部を軸方向と平行にカットして横断面が略D
形のカット部分が形成してあり、このカット部分を利用
して入力軸101と偏心体103との円周方向の位置決
め(周り止め)がしてある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、減速機、あるいは増速
機、特に、小型で低コスト化が要請される減速機あるい
は増速機に適用するのに好適な、内接噛合遊星歯車構造
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、第1軸と、該第1軸に設けた偏心
体を介して、この第1軸に対して偏心回転可能な状態で
取付けられた外歯歯車と、該外歯歯車が内接噛合する内
歯歯車と、前記外歯歯車に該外歯歯車の自転成分のみを
伝達する手段を介して連結された第2軸と、を備えた内
接噛合遊星歯車構造が広く知られている。
【0003】この構造の従来例を図6及び図7に示す。
この従来例は、前記第1軸を入力軸、第2軸を出力軸と
すると共に、内歯歯車を固定することによって上記構造
を「減速機」に適用したものである。
【0004】入力軸1には偏心体3がキー30を介して
嵌合されている。この偏心体3には軸受4を介して外歯
歯車5が取付けられている。この外歯歯車5には内ロー
ラ孔6が複数個設けられ、内ピン7及び内ローラ8が嵌
合されている。
【0005】前記外歯歯車5の外周にはトロコイド歯形
や円弧歯形等の外歯9が設けられている。この外歯9は
ケーシング12に固定された内歯歯車10と内接噛合し
ている。内歯歯車10の内歯は具体的には外ピン11が
外ピン穴13に遊嵌され、回転し易く保持された構造と
されている。
【0006】前記外歯歯車5を貫通する内ピン7は、出
力軸2のフランジ部14に固着されている。
【0007】入力軸1が1回転すると偏心体3が1回転
する。この偏心体3の1回転により、外歯歯車5も入力
軸1の周りで揺動回転を行おうとするが、内歯歯車10
によってその自転が拘束されるため、外歯歯車5は、こ
の内歯歯車10に内接しながらほとんど揺動のみを行う
ことになる。
【0008】今、例えば外歯歯車5の歯数をN、内歯歯
車10の歯数をN+1とした場合、その歯数差は1であ
る。そのため、入力軸1の1回転毎に外歯歯車5はケー
シング12に固定された内歯歯車10に対して1歯分だ
けずれる(自転する)ことになる。これは入力軸1の1
回転が外歯歯車の−1/Nの回転に減速されたことを意
味する。
【0009】この外歯歯車5の回転は内ローラ孔6及び
内ピン7の隙間によってその揺動成分が吸収され、自転
成分のみが該内ピン7を介して出力軸2へと伝達され
る。
【0010】ここにおいて、内ローラ孔6及び内ピン7
(内ローラ8)は「等速度内歯車機構」を形成してい
る。
【0011】この結果、結局減速比−1/Nの減速が達
成される。
【0012】なお、この従来例では、当該内接噛合遊星
歯車構造の内歯歯車を固定し、第1軸を入力軸、第2軸
を出力軸としていたが、第2軸を固定し、第1軸を入力
軸、内歯歯車を出力軸とすることによっても減速機を構
成可能である。更に、これらの入出力を逆転させること
により増速機を構成することも可能である。
【0013】ところで、前述したように、内ピン7に
は、内ローラ孔6とで構成される等速度内歯車機構の一
方の要素である円弧歯形を形成するという機能と、外歯
歯車5の自転による回転力を出力軸2に伝達するキャリ
ア体としての機能とがあるが、特にこのうちの前者の機
能を良好に確保するためには、内ピン7の外周で自由に
回転することのできる内ローラ8の存在が必須であっ
た。この内ローラ8は、その機能上硬質の素材でその外
周及び内周の双方を同軸に且つ精度良く加工する必要が
あったため、コスト高になり易いという問題があった。
【0014】そこで、この内ピン7の等速度内歯車機構
の一方の要素である円弧歯形を形成するという機能と、
外歯歯車5の自転による回転力を出力軸2に伝達するキ
ャリア体としての機能とを分離し、内ローラ8を無くし
ても該内ローラ8を有すると同様の性能を得られるよう
にしたものが提案されている(実開昭59−12795
1)。
【0015】この構造を図8及び図9に示す。
【0016】この構造は、外歯歯車の自転成分を伝達す
る手段として、該外歯歯車5a 、5b に設けた内ピン孔
(内ローラ孔に相当)19a 、19b に対して等速度内
歯車機構を構成し得る内ピン7と、該内ピン7の外歯歯
車自転成分相当の回転を受ける円環状の支持リング17
と、出力軸2に形成したフランジ部14から突出され、
前記支持リング17と連結・固定されたキャリヤ体16
とを有する。
【0017】外歯歯車を2枚(複列)にしているのは、
主に伝達容量の増大、強度の維持、回転バランスの保持
を図るためである。なお、外歯歯車5a 、5b の偏心方
向は180°位相をずらしてある。
【0018】前記内ピン7は、前記フランジ部14と支
持リング17とにそれぞれブッシュ18a 、18b を介
して回転自在に嵌入されている。即ち、この内ピン7は
キャリヤ体16の存在により出力軸2と強固に連結され
る必要がないため、自身が回転できる構成とすることが
でき、その結果、従来の内ローラ8が省略できているも
のである。前記円環状の支持リング17は、前記キャリ
ヤ体16の先端部分に組込まれている。
【0019】キャリヤ体16は、支持リング17の回転
力を出力軸に伝達する機能のみを有すれば良いため、外
歯歯車5a 、5b の対応部分には、揺動しても該キャリ
ヤピン16と干渉しないだけの大きめの通し孔20a 、
20b が設けられている。
【0020】なお、図8において符号15a 、15b は
出力軸2の軸受、21は内ピン7の軸方向の位置決めを
するための内ピン押え板、22は鋼板軌道輪、23は内
ピン押えボルト、35は入力軸の出力軸側軸受である。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の減速機は、図6、図8から明らかなように、
減速機構部分で生じる荷重変動や出力軸2に作用する相
手機械からの外部ラジアル荷重を、出力軸2を支える一
対の軸受15a、15b によって支持していたため、支
持の安定性を増大させるためには、一般に図6、図8の
Y区間を長く、且つX区間をできるだけ短くすることが
必要であった。
【0022】ところが、X区間を短くすることは困難で
あるため、必然的にY区間を長くしなければならず、結
果として減速機の軸方向長さが長くなってしまうという
問題があった。
【0023】又、図8、図9に示す構造にあっては、キ
ャリヤ体16を出力軸2と一体に形成していたため、製
造が極めて難しく、コスト高となり、内ローラ8を省略
したことによるコスト低減効果が減殺されてしまうとい
う問題もあった。
【0024】更に、上述した2つの従来例を含めて、従
来この種の内接噛合遊星歯車構造においては、その入力
軸1と偏心体3、あるいは3a 、3b との結合は、キー
30及びキー溝31、32の組合わせによって行われて
いたため、加工工数、部品点数が多くなるだけでなく、
加工自体もエンドミル加工となるため効率が悪く、量産
性が低いという問題があった。
【0025】又、キー溝31、32において応力集中が
発生し易いという問題もあった。このため、入力軸1は
できる限り径を太くしたいという要請があったが、増減
速機の径方向のコンパクト性を実現するために、偏心体
の外径の拡大には強い制限があり、又、キー溝32の肉
厚確保の要請もあるために入力軸1の径を太くするには
限界があった。
【0026】ところで、同軸、あるいはほぼ同軸の2つ
の部材の円周方向の位置決め(いわゆる周り止め)を行
う方法として、その内側部材の外周の一部を軸方向と平
行にカットして横断面が略D形のカット部分を形成し、
このカット部分を利用して内側部材と外側部材との円周
方向の位置決めを行うようにする技術(図4参照)は、
一般的な汎用技術として公知である。
【0027】しかしながら、このような構造をこの種の
内接噛合遊星歯車構造の入力軸1と偏心体3、3a 、3
b との円周方向の位置決め構造として採用した場合に
は、必然的に出力軸側の軸受(一般的にはコストの関係
から玉軸受が用いられる)35が当該カット部分の平面
部に内接するような小径のものとならざるを得ないこと
から、強度上許容できないとうのが実情であった。又、
これについては、当該軸受35の内径を入力軸1と同径
とし、カット部分に充填材を封入することも考えられる
が、外歯歯車の偏心回転や片持ちとされた出力軸の撓み
等によりラジアル方向の力が常にかかる入力軸1の軸受
の構造としては適切なものとは言えなかった。
【0028】即ち、この「入力軸の外周の一部を軸方向
と平行にカットする方法」は強度上この種の内接噛合遊
星歯車構造に適用する構造としては採用し難いというの
が従来の実情であった。
【0029】本発明は、このような従来の種々の問題に
鑑みてなされたものであって、剛性が高く安定性があ
り、従って第1軸の第2軸側軸受の内径を小さくするこ
とを可能とし、その結果第1軸と偏心体との連結にキー
を使用しなくても済むようにして部品点数を低減し、低
コスト化及び組立工数の低減化を図ることのできる内接
噛合遊星歯車構造を提供することを目的とする。
【0030】
【課題を解決するための手段】本発明は、第1軸と、該
第1軸に設けた偏心体を介してこの第1軸に対して偏心
回転可能な状態で取付けられた外歯歯車と、該外歯歯車
が内接噛合する内歯歯車と、前記外歯歯車に該外歯歯車
の自転成分のみを伝達する手段を介して連結された第2
軸と、を備え、且つ、前記自転成分を伝達する手段とし
て、前記外歯歯車に設けた内ローラ孔に対して等速度内
歯車機構を構成し得る内ピンと、該内ピンの外歯歯車自
転成分相当の回転を受ける円環状の支持リングと、前記
第2軸に形成したフランジ部から突出され、前記支持リ
ングと連結・固定されたキャリア体と、を有する内接噛
合遊星歯車構造において、前記円環状の支持リング及び
第2軸のフランジ部を、前記外歯歯車を挾んで配置する
と共に、この支持リング及びフランジ部の双方を一対の
軸受を介してケーシングに両持ち支持し、前記第1軸の
外周の一部を軸方向と平行にカットして横断面が略D形
のカット部分を形成し、このカット部分を利用して該第
1軸と前記偏心体との円周方向の位置めを行ったことに
より、上記課題を解決したものである。
【0031】又、本発明は、請求項1において、前記第
1軸の第2軸側軸受の内径を第1軸の外径よりも若干の
み小さく設定し、僅かに残存するカット部分に充填材を
封入したことにより、同じく上記課題を解決したもので
ある。
【0032】
【作用】本発明においては、キャリヤ体を外歯歯車を貫
通して配置して該外歯歯車を円環状の支持リング及び第
2軸のフランジ部で挾み込み、且つ、この支持リング及
びフランジ部の双方を一対の軸受を介してケーシングに
両持ち支持するようにしている。その結果、減速機構部
の剛性、特にラジアル方向に対する剛性及び安定性を格
段に向上させることができる。
【0033】そして、この構成を採ったが故に、第2軸
側軸受の内径を小径化させることが可能となり、更に、
第1軸にその外周の一部を軸方向と平行にカットして横
断面が略D形のカット部分を形成することができるよう
になった。
【0034】偏心体はこのカット部分を含めた入力軸の
断面と同一の孔形状とすることにより円周方向の位置決
め(周り止め)を行うことができる。
【0035】この周り止め構造が採用できるようになっ
た結果、第1軸の外径形状及び偏心体の内径形状のカッ
ト部分の(従来の)鋭角部が鈍角へと変化し、応力集中
が起こり難くなった。又、偏心体の最小肉厚を規定して
いたキーが存在しなくなったため、第1軸の径をより大
きくすることが可能となると共に、該偏心体の外径を小
さくすることも可能となり、強度増強が実現できるほ
か、用途によっては一層の小形化を図ることができるよ
うにもなった。
【0036】又、従来第1軸のキー溝の加工はエンドミ
ル加工とせざるを得なかったため加工能率が非常に悪く
量産性に劣っていたが、このような略D形のカット部分
を形成する場合には、多数本の入力軸を並べた上で同時
にブローチ加工できるようになり、加工能率が格段に向
上し量産性が向上した。この結果更なるコストダウンが
できるようになった。
【0037】又、キーがない分当然に部品点数を減少さ
せることができ、組立て工数も減少した。
【0038】なお、第1軸の第2軸側軸受の内径は、上
記両持ち支持構造により前記カット部分の平滑面より完
全に小さな径としても特に問題はないが、第1軸の外径
よりも(カット部分が僅かに残存する程度に)若干のみ
小さく設定し、この僅かに残存するカット部分に充填材
を封入するようにしてもよい(請求項2)。
【0039】このようにすることにより、第2軸側軸受
部分の強度低下を最小に抑えることができるようにな
る。
【0040】なお、充填材としては、樹脂、あるいは半
田等が考えられる。
【0041】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0042】図1は、本発明にかかる内接噛合遊星歯車
構造が適用された減速機の断面図であり、図2は、その
II−II線断面図である。
【0043】以下の説明においては、図6、7及び図
8、9に示す従来公知例の構成と同一又は類似の部分に
ついては下2桁が同一の番号を付すものとする。
【0044】出力軸102のフランジ部114には、該
フランジ部114とは別部材とされたキャリヤピン(キ
ャリヤ体)116の一端が嵌入(圧入)されている。こ
のキャリヤピン116の他端には支持リング117が嵌
入(圧入)されており、この支持リング117及びキャ
リヤピン116によってキャリヤが構成されている。
【0045】フランジ部114、キャリヤピン116、
及び支持リング117は、一対の軸受115a 、115
b によってケーシング112に両持ち支持されている。
【0046】キャリヤピン116には、そのほぼ中央に
パイプ状のスペーサ125が嵌入(圧入)されている。
従って、キャリヤピン116の支持リング117、ある
いはフランジ部114への嵌入深さに多少のばらつきが
あったとしても、このスペーサ125の機能により支持
リング117及びフランジ部114の距離は必ず一定に
維持され、しかも4本ある全てのキャリヤピン116の
部分において同一の距離を容易に確保することができ
る。
【0047】入力軸101は、図3、図4に示すよう
に、その外周の一部が軸方向と平行にカットされ、横断
面が略D形のカット部分140が形成されている。又、
偏心体103はこのカット部分140の形状を含めた入
力軸101の横断面形状と同一形状の孔部141を備え
ており、この孔部141の嵌合により入力軸101と偏
心体103との円周方向の位置決め(周り止め)がなさ
れている(図4)。
【0048】なお、偏心体103の偏心方向とカット部
分の位置の関係については、強度、共用性(特に多数外
歯歯車の場合)等を考慮して決定する。
【0049】入力軸101の出力軸側軸受135の内径
は、該入力軸101の内径より僅かのみ小さく形成さ
れ、残存するカット部分(図5の斜線部分)に樹脂、あ
るいは半田等の充填材136が封入されている。これ
は、少しでも出力軸側の軸受135の内径を大きく確保
すること、カット部分の存在による強度低下を避けるこ
と、及びこの部分へのごみや鉄粉の侵入を抑えることを
意図したものである。
【0050】なお、内ピン107は、支持リング11
7、及びフランジ部114に圧入されている。従って、
自由な回転はできなくなっている。しかしながら、内
ピン107の形状が単純な円柱状であるため、硬質の素
材で高精度の加工を容易にできること、一対の軸受1
15a 、115b により減速機構を挾んで両持ち支持す
るような構造を採用したため、減速機全体の剛性を非常
に高めることができ、内ピン107を極めて安定した状
態で支持できること、更に、内ピン107とキャリヤ
ピン116とに分離する構成を取ったため、出力軸等か
ら流入するラジアル荷重をキャリヤピン116の方で受
け持つようになり、内ピン107には強いラジアル荷重
がかかったりする恐れがないため一層安定した状態で支
持できること等から、実用上内ローラを省略しても特に
問題はない。なお、内ピン107は「圧入」ではなく
「遊嵌」させるようにすることも可能である。
【0051】次に、この実施例の作用を説明する。
【0052】外歯歯車105が入力軸101の回転と共
に揺動回転し、内歯歯車110の内歯に相当する外ピン
111と外歯歯車105との噛合によって入力軸101
の回転が外歯歯車105の減速された回転(自転)とな
るのは、従来の公知例と全く同様である。
【0053】この外歯歯車105の回転は、内ピン孔1
19と内ピン107との隙間によりその揺動成分が吸収
され、自転成分のみが該内ピン107を介して出力軸1
02のフランジ部114と支持リング117とに伝達さ
れる。支持リング117に伝達された回転力は、キャリ
ヤピン116を介して出力軸102に伝達される。
【0054】出力軸102に作用する外部ラジアル荷重
は軸受115a と、キャリヤピン116及び支持リング
117を介して軸受115a とで両持ちで受止められる
ため、内ピン107には外部ラジアル荷重が影響しな
い。
【0055】又、フランジ部114、支持リング117
のラジアル方向の振れがほとんどなくなることから、入
力軸101にかかる外部ラジアル荷重も小さくなり、そ
の結果、入力軸101の軸受135、136、特に出力
軸側の軸受135付近の強度上の負担が小さくなり、こ
の部分の入力軸101の小径化、即ち、軸受135の小
形化が可能となる。その結果、「入力軸101の外周の
一部を軸方向に平行にカットし、このカット部分を利用
して入力軸101と偏心体103との円周方向の位置決
めをする」ことが可能となった。この位置決め構造を採
用できたことによる利点は「作用」の項で詳述した通り
である。
【0056】なお、本発明は外歯歯車が2枚のものにも
当然適用できる。その例を図10に示す。但し、同一又
は類似の部分に下2桁が同一の符号を付すにとどめ詳細
な説明は省略する。
【0057】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、減
速機構部が一対の軸受によって両持ち支持されているた
め、増減速機の全長を短くすることができ、又、支持リ
ング及びキャリヤ体を備えた構成でありながら構造を非
常に簡素化でき、高精度な組み立てができる。その結果
第1軸と偏心体との連結構造を合理的に改良できるよう
になり、全体として更に高強度且つ低コスト化が実現で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る内接噛合遊星歯車構造が
適用された減速機の断面図である。
【図2】図2は、図1のII−II線に沿う断面図である。
【図3】図3は、入力軸の正面図及び平面図である。
【図4】図4は、入力軸と偏心体との関係を示す断面図
である。
【図5】図5は、入力軸と偏心体、及び出力軸側軸受と
の関係を示す断面図である。
【図6】図6は、従来の内接噛合遊星歯車構造が適用さ
れた減速機を示す断面図である。
【図7】図7は、図6のVII −VII 線に沿う拡大断面図
である。
【図8】図8は、従来の内接噛合遊星歯車構造が適用さ
れた減速機の他の例を示す断面図である。
【図9】図9は、図8のIX−IX線に沿う断面図である。
【図10】図10は、本発明の他の実施例を示す断面図
である。
【符号の説明】
1、101、201…入力軸、 2、102、202…出力軸、 3、103、203…偏心体、 5、105、205…外歯歯車、 6a 、6b …内ローラ孔、 7、107、207…内ピン、 8a 、8b …内ローラ、 10、110、210…内歯歯車、 11、111、211…外ピン、 14、114、214…出力軸のフランジ部、 15a 、15b 、115a 、115b 、215a 、21
5b …軸受、 16、116、216…キャリヤピン、 17、117、217…支持リング、 135、235…出力軸側軸受、 140、240…入力軸のカット部分、 141…偏心体の孔部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石垣 厚 愛知県大府市朝日町六丁目1番地 住友重 機械工業株式会社名古屋製造所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1軸と、該第1軸に設けた偏心体を介し
    てこの第1軸に対して偏心回転可能な状態で取付けられ
    た外歯歯車と、該外歯歯車が内接噛合する内歯歯車と、
    前記外歯歯車に該外歯歯車の自転成分のみを伝達する手
    段を介して連結された第2軸と、を備え、且つ、前記自
    転成分を伝達する手段として、前記外歯歯車に設けた内
    ローラ孔に対して等速度内歯車機構を構成し得る内ピン
    と、該内ピンの外歯歯車自転成分相当の回転を受ける円
    環状の支持リングと、前記第2軸に形成したフランジ部
    から突出され、前記支持リングと連結・固定されたキャ
    リア体と、を有する内接噛合遊星歯車構造において、 前記円環状の支持リング及び第2軸のフランジ部を、前
    記外歯歯車を挾んで配置すると共に、この支持リング及
    びフランジ部の双方を一対の軸受を介してケーシングに
    両持ち支持し、 前記第1軸の外周の一部を軸方向と平行にカットして横
    断面が略D形のカット部分を形成し、このカット部分を
    利用して該第1軸と前記偏心体との円周方向の位置めを
    行ったことを特徴とする内接噛合遊星歯車構造。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記第1軸の第2軸側
    軸受の内径を第1軸の外径よりも若干のみ小さく設定
    し、僅かに残存するカット部分に充填材を封入したこと
    を特徴とする内接噛合遊星歯車構造。
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