JP2771395B2 - 内接噛合遊星歯車構造 - Google Patents

内接噛合遊星歯車構造

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JP2771395B2
JP2771395B2 JP20229692A JP20229692A JP2771395B2 JP 2771395 B2 JP2771395 B2 JP 2771395B2 JP 20229692 A JP20229692 A JP 20229692A JP 20229692 A JP20229692 A JP 20229692A JP 2771395 B2 JP2771395 B2 JP 2771395B2
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gear
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H57/00General details of gearing
    • F16H57/04Features relating to lubrication or cooling or heating
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  • Mechanical Engineering (AREA)
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  • General Details Of Gearings (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、減速機、あるいは増速
機、特に、小型で高出力が要請される減速機あるいは増
速機に適用するのに好適な、内接噛合遊星歯車構造に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、第1軸と、該第1軸に設けた偏心
体を介して、この第1軸に対して偏心回転可能な状態で
取付けられた外歯歯車と、該外歯歯車が内接噛合する内
歯歯車と、前記外歯歯車に該外歯歯車の自転成分のみを
伝達する手段を介して連結された第2軸と、を備えた内
接噛合遊星歯車構造が広く知られている。
【0003】この構造の従来例を図9及び図10に示
す。この従来例は、前記第1軸を入力軸、第2軸を出力
軸とすると共に、内歯歯車を固定することによって上記
構造を「減速機」に適用したものである。
【0004】入力軸1には所定位相差(この例では18
0°)をもって偏心体3a 、3b が嵌合されている。な
お、偏心体3a と3b は一体化されている。それぞれの
偏心体3a 、3b には軸受4a 、4b を介して2枚の外
歯歯車5a 、5b が取付けられている。この外歯歯車5
a 、5b には内ローラ孔6が複数個設けられ、内ピン7
及び内ローラ8が嵌合されている。
【0005】外歯歯車を2枚(複列)にしているのは、
主に伝達容量の増大、強度の維持、回転バランスの保持
を図るためである。
【0006】前記外歯歯車5a 、5b の外周にはトロコ
イド歯形や円弧歯形等の外歯9が設けられている。この
外歯9はケーシング12に固定された内歯歯車10と内
接噛合している。内歯歯車10の内歯は具体的には外ピ
ン11が外ピン孔13に遊嵌され、回転し易く保持され
た構造とされている。
【0007】前記外歯歯車5a 、5b を貫通する内ピン
7は、出力軸2のフランジ部14に固着又は嵌入されて
いる。
【0008】入力軸1が1回転すると偏心体3a 、3b
が1回転する。この偏心体3a 、3b の1回転により、
外歯歯車5a 、5b も入力軸1の周りで揺動回転を行お
うとするが、内歯歯車10によってその自転が拘束され
るため、外歯歯車5a 、5bは、この内歯歯車10に内
接しながらほとんど揺動のみを行うことになる。
【0009】今、例えば外歯歯車5a 、5b の歯数を
N、内歯歯車10の歯数をN+1とした場合、その歯数
差は1である。そのため、入力軸1の1回転毎に外歯歯
車5a、5b はケーシング12に固定された内歯歯車1
0に対して1歯分だけずれる(自転する)ことになる。
これは入力軸1の1回転が外歯歯車の−1/Nの回転に
減速されたことを意味する。
【0010】この外歯歯車5a 、5b の回転は内ローラ
孔6及び内ピン7の隙間によってその揺動成分が吸収さ
れ、自転成分のみが該内ピン7を介して出力軸2へと伝
達される。
【0011】ここにおいて、内ローラ孔6a 、6b 及び
内ピン7(内ローラ8)は「等速度内歯車機構」を形成
している。
【0012】この結果、結局減速比−1/Nの減速が達
成される。
【0013】なお、この従来例では、当該内接噛合遊星
歯車構造の内歯歯車を固定し、第1軸を入力軸、第2軸
を出力軸としていたが、第2軸を固定し、第1軸を入力
軸、内歯歯車を出力軸とすることによっても減速機を構
成可能である。更に、これらの入出力を逆転させること
により増速機を構成することも可能である。
【0014】ところで、前述したように、内ピン7に
は、内ローラ孔6a 、6b とで構成される等速度内歯車
機構の一方の要素である円弧歯形を形成するという機能
と、外歯歯車5a 、5b の自転による回転力を出力軸2
に伝達するキャリア体としての機能とがあるが、特にこ
のうちの前者の機能を良好に確保するためには、内ピン
7の外周で自由に回転することのできる内ローラ8の存
在が必須であった。この内ローラ8は、その機能上硬質
の素材でその外周及び内周の双方を同軸に且つ精度良く
加工する必要があったため、コスト高になり易いという
問題があった。
【0015】そこで、この内ピン7の等速度内歯車機構
の一方の要素である円弧歯形を形成するという機能と、
外歯歯車5a 、5b の自転による回転力を出力軸2に伝
達するキャリア体としての機能とを分離し、内ローラ8
を無くしても該内ローラ8を有すると同様の性能を得ら
れるようにしたものが提案されている(実開昭59−1
27951)。
【0016】この構造を図11及び図12に示す。
【0017】この構造は、外歯歯車の自転成分を伝達す
る手段として、該外歯歯車5a 、5b に設けた内ピン孔
19a 、19b に対して等速度内歯車機構を構成し得る
内ピン7と、該内ピン7の外歯歯車自転成分相当の回転
を受ける円環状の支持リング17と、出力軸2に形成し
たフランジ部14から突出され、前記支持リング17と
連結・固定されたキャリヤ体16とを有する。
【0018】前記内ピン7は、前記フランジ部14と支
持リング17とにそれぞれブッシュ18a 、18b を介
して回転自在に嵌入されている。即ち、この内ピン7は
キャリヤ体16の存在により出力軸2と強固に連結され
る必要がないため、自身が回転できる構成とすることが
でき、その結果、従来の内ローラ8が省略できているも
のである。前記円環状の支持リング17は、前記キャリ
ヤ体16の先端部分に組込まれている。
【0019】キャリヤ体16は、支持リング17の回転
力を出力軸に伝達する機能のみを有すれば良いため、外
歯歯車5a 、5b の対応部分には、揺動しても該キャリ
ヤピン16と干渉しないだけの大きめの通し孔20a 、
20b が設けられている。
【0020】なお、図8において符号15a 、15b は
出力軸2の軸受、21は内ピン7の軸方向の位置決めを
するための内ピン押え板、22は鋼板軌道輪、23は内
ピン押えボルトである。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の減速機は、図9、図11から明らかなよう
に、減速機構部分で生じる荷重変動や出力軸2に作用す
る相手機械からの外部ラジアル荷重を、出力軸2を支え
る一対の軸受15a 、15b によって支持していたた
め、支持の安定性を増大させるためには、一般に図9、
図11のY区間を長く、且つX区間をできるだけ短くす
ることが必要であった。
【0022】ところが、X区間を短くすることは困難で
あるため、必然的にY区間を長くしなければならず、結
果として減速機の軸方向長さが長くなってしまうという
問題があった。
【0023】又、図11、図12に示す構造にあって
は、キャリヤ体16を出力軸2と一体に形成していたた
め、製造が極めて難しく、コスト高となり、内ローラ8
を省略したことによるコスト低減効果が減殺されてしま
うという問題もあった。
【0024】更に、内ピン7を自由回転可能に支持する
に当り、内ピン押え板21、鋼板軌道輪22、内ピン押
えボルト23等を必須としていたため、部品点数、組立
て工数が多くなるという問題もあった。
【0025】更に、この内ピン押え板21、鋼板軌道輪
22により内ピン7が押えられているため、ブッシュ1
8a 、18b への潤滑油の供給が行われにくい構造とな
っていた。このことは、換言すると自己潤滑性のよい材
質からなるブッシュ18a 、18b を必要とするため、
部品点数、組立工数が多くなる上に、部品の材料自体も
高くつくことを意味していた。
【0026】一方、減速機の取付け方向に自在性を持た
せるためには、即ち、どの方向に取付けても外部やモー
タ側へ潤滑油が漏れないようにするためには、いわゆる
グリース潤滑がよいとされているが、グリース潤滑とし
た場合には、流動性が良くないだけに更に内ピン7とブ
ッシュ18a 、18b との潤滑が困難になるという問題
もあった。より具体的に言うと、内ピン7とブッシュ1
8a 、18b との間の隙間に入って潤滑の機能を果たし
得るグリースは極少量であり、この少量のグリースが荷
重、熱、液体の剪断を受けて劣化する。この場合、この
劣化したグリースが、ブッシュ18a 、18b の外側に
あってまだ劣化していないグリースとスムーズに交換さ
れる場合には特に問題とならないが、上記構造を採用し
た減速機にあっては、当該劣化していないグリースとの
交換が非常に行われにくく、そのため頻繁にメインテナ
ンスを実施しなければならないという問題があったもの
である。
【0027】本発明は、このような従来の問題に鑑みて
なされたものであって、剛性が高く安定性があり、且つ
部品点数を少なくして低コスト化及び組立工数の低減化
を図ると共に、グリース潤滑を良好に機能させ、長期に
亘って初期の性能を維持することのできる、いわゆるキ
ャリア付きの内接噛合遊星歯車構造を提供することをそ
の目的としている。
【0028】
【課題を解決するための手段】本発明は、第1軸と、該
第1軸に設けた偏心体を介してこの第1軸に対して偏心
回転可能な状態で取付けられた外歯歯車と、該外歯歯車
が内接噛合する内歯歯車と、前記外歯歯車に該外歯歯車
の自転成分のみを伝達する手段を介して連結された第2
軸と、を備え、且つ、前記自転成分を伝達する手段とし
て、前記外歯歯車に設けた内ピン孔に対して等速度内歯
車機構を構成し得る内ピンと、該内ピンの外歯歯車自転
成分相当の回転を受ける円環状の支持リングと、前記第
2軸に形成したフランジ部から突出され、前記支持リン
グと連結・固定されたキャリア体と、を有する内接噛合
遊星歯車構造において、前記円環状の支持リング及び第
2軸のフランジ部を、前記外歯歯車を挾んで配置すると
共に、この支持リング及びフランジ部の双方を一対の軸
受を介してケーシングに両持ち支持し、前記内ピンに、
前記円環状の支持リング及び第2軸のフランジ部から軸
方向に延在する突出部を設け、該突出部に潤滑油を接触
させたことにより、上記課題を解決したものである。
【0029】なお、この内接噛合遊星歯車構造の潤滑方
法としてグリース潤滑を採用し、前記突出部の周囲にグ
リース保持部を設け、該グリース保持部内のグリースを
前記突出部に接触させるようにすると、減速機をどの方
向に取付けても外部やモータ側に潤滑油を漏らすことな
く、且つ流動性の良くないグリースであっても劣化した
グリースとグリース保持部内の新しいグリースとの交換
を良好に行わせることができる。
【0030】又、前記内ピンの表面に多孔質の皮膜処
理、例えば燐酸塩皮膜処理を行うと、その多孔質特有の
毛細管現象により、劣化した潤滑油と新しい潤滑油との
交換を一層円滑に行わせることができるようになる。
【0031】
【作用】本発明においては、キャリヤ体を外歯歯車を貫
通して配置し、外歯歯車を円環状の支持リング及び第2
軸のフランジ部で挟み込み、且つ、この支持リング及び
フランジ部の双方を一対の軸受を介してケーシングに両
持ち支持するようにしている。その結果、減速機構部の
剛性、安定性を格段に向上させることができる。
【0032】又、本発明においては、内ピンに円環状の
支持リング及び第2軸のフランジ部から軸方向に延在す
る突出部を設け、この突出部に潤滑油を接触させるよう
にした。
【0033】具体的には、この突出部は、内ピンの長さ
を支持リングとフランジ部の外側端距離よりも長くして
おくことにより得ることができる。この突出部があるこ
とにより、たとえグリースのような流動性が良くない潤
滑油を用いたとしても、従来に比べ非常に円滑な潤滑機
能を長期に亘って維持できるようになった。
【0034】更に、この突出部が存在することにより、
内ピン自体が軸方向に移動して外れてしまうのを、該突
出部の端部をベアリングやハウジングで押える等の簡易
な手段で阻止できるようになる。従って従来の内ピン押
え板や鋼板軌道輪等が不要になり、部品点数、組立工数
の削減が図れるため、コスト低減を実現することができ
るようにもなる。
【0035】なお、内ピンの表面に多孔質の皮膜処理、
例えば燐酸塩皮膜処理を行うようにすると、当該多孔質
特有の毛細管現象により、該多孔質の皮膜部分を介して
潤滑油の移動がより容易に行えるようになるため、一層
潤滑機能の高い構造とすることができるようになる。
【0036】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0037】図1は、本発明にかかる内接噛合遊星歯車
構造が適用された減速機の断面図であり、図2は、その
II−II線断面図、図3は内ピン107の端部付近の要部
拡大断面図である。
【0038】以下の説明においては、図9、10及び図
11、12に示す従来公知例の構成と同一又は類似の部
分については下2桁が同一の番号を付すものとする。
【0039】出力軸102のフランジ部114には、該
フランジ部114とは別部材とされたキャリヤピン(キ
ャリヤ体)116の一端が嵌入(圧入)されている。こ
のキャリヤピン116の他端には支持リング117が嵌
入(圧入)されており、この支持リング117及びキャ
リヤピン116によってキャリヤが構成されている。
【0040】フランジ部114、キャリヤピン116、
及び支持リング117は、一対の軸受115a 、115
b によってケーシング112に両持ち支持されている。
【0041】キャリヤピン116には、そのほぼ中央に
パイプ状のスペーサ125が嵌入(圧入)されている。
従って、キャリヤピン116の支持リング117、ある
いはフランジ部114への嵌入深さに多少のばらつきが
あったとしても、このスペーサ125の機能により支持
リング117及びフランジ部114の距離は必ず一定に
維持され、しかも4本ある全てのキャリヤピン116の
部分において同一の距離を容易に確保することができ
る。
【0042】外歯歯車105a 、105b にはキャリヤ
ピン116の貫通するキャリヤピン孔(通し孔)120
が形成されている。このキャリヤピン孔120は、外歯
歯車105a 、105b が揺動しても、なおキャリヤピ
ン116と外歯歯車105a、105b が接触しない大
きさとされている。
【0043】ここで、内ピン107は、支持リング11
7とフランジ部114の内ピン保持孔126a 、126
b に遊嵌され、自由に回転できるようになっている。こ
の内ピン107の長さLp は、支持リング117とフラ
ンジ部114との外側端長さLf よりも十分長くなって
いると共に、軸受け115a 、115b の内側端長さL
b よりは短くなっている。具体的には、この実施例にお
いては、Lb −Lp =2mmとなっている。これにより、
内ピン107はその端部がフランジ部114及び支持リ
ング117の外側端より突出する突出部129a 、12
9b が形成されることになる。
【0044】内ピン107は、その長さLp と軸受け1
15a 、115b の外側端長さLbとの差の分(この実
施例では2mm)だけ軸方向に移動可能である。フランジ
部114と支持リング117の外側端長さLf が軸受け
115a 、115b の内側端長さLb よりも十分短いた
め、ここにグリース保持部130a 、130b が形成さ
れる。このグリース保持部130a 、130b は、この
実施例では単なる段付きとして形成されているが、グリ
ースの流動性が、例えばJIS K2220に示される
NLGI No で1号より硬いグリースが突出部129
a 、129b の周りに塗布されているため、該グリース
を十分保持可能である。
【0045】又、この内ピン107の表面には、多孔質
の燐酸塩皮膜が形成してある。
【0046】なお、内ピンの突出部129a 、129b
の具体的な長さは、実用上は内ピン径の0.2倍から2
倍程度とするのが最良である。
【0047】次に、この実施例の作用を説明する。
【0048】外歯歯車105a 、105b が入力軸10
1の回転と共に揺動回転し、内歯歯車110の内歯に相
当する外ピン111と外歯歯車105a 、105b との
噛合によって入力軸101の回転が外歯歯車105a 、
105b の減速された回転(自転)となるのは、従来の
公知例と全く同様である。
【0049】この外歯歯車105a 、105b の回転
は、内ピン孔119と内ピン107との隙間によりその
揺動成分が吸収され、自転成分のみが該内ピン107を
介して出力軸102のフランジ部114と支持リング1
17とに伝達される。支持リング117に伝達された回
転力は、キャリヤピン116を介して出力軸102に伝
達される。
【0050】出力軸102に作用する外部ラジアル荷重
は軸受115a と、キャリヤピン116及び支持リング
117を介して軸受115a とで両持ちで受止められる
ため、内ピン107には外部ラジアル荷重が影響しな
い。
【0051】この実施例によれば、減速機構部を一対の
軸受115a 、115b で両持ち支持するようにしてあ
るため、極めて剛性が高く、又フランジ部114、キャ
リヤピン116、支持リング117の連結を非常に簡単
に且つ高精度に行うことができ、更に内ピン107の内
ローラをも省略して、より低コスト化が図れるという効
果が得られる。
【0052】又、内ピン107は、出力軸102のフラ
ンジ部114及び支持リング117の内ピン保持孔12
6a 、126b に遊嵌されているため、自由に回転する
ことが可能であり、これにより内ピン孔119a 、11
9b と内ピン107との噛合時に生ずる滑りを良好に吸
収することもできる。
【0053】更に、内ピン107は、遊嵌支持されてい
ることから、内ピン孔119a 、119b との噛合によ
る荷重を受けたときに弾性変形を生じ易く、これにより
加工、組立、あるいは分解、再組立に伴う誤差を良好に
吸収することができる。しかも、この内ピン107が弾
性変形したとしても、減速機全体の剛性は内ピン107
ではなく、ケーシング112に両持ち支持されたフラン
ジ部114、キャリヤピン116及び支持リング117
によって確保されるため、極めて安定性のある運転を継
続することができる。
【0054】又、内ピン107の突出部129a 、12
9b が、内ピン保持孔126a 、126b に保持されな
がら、フランジ部114及び支持リング117の外側に
突出し、グリース保持部130a 、130b 内に進入し
た構造となっているため、この突出部129a 、129
b がグリース保持部130a 、130b 内でゆっくりと
回転するにつれ、グリースが内ピン保持孔126a 、1
26b 内に円滑に供給される。しかも、内ピン107に
はその表面に多孔質の燐酸塩皮膜処理がなされているた
め、この部分にいわゆる毛細管現象が生じ、内ピン保持
孔126a 、126b へのグリース供給がより容易に行
われるようになる。
【0055】即ち、内ピン保持孔126a 、126b と
内ピン107との隙間に入って潤滑に寄与するグリース
は極少量であり、容易に劣化するが、内ピン保持孔の外
部にあってまだ劣化していないグリースとの交換がこの
突出部129a 、129b のグリース内進入によって容
易に行われるため、(取付方向に自在性を持たせるため
に流動性の良くないグリースをその潤滑素材として用い
た場合でも)長期に亘って潤滑機能を維持することがで
きるようになるものである。
【0056】これにより内接噛合遊星歯車構造全体とし
ての性能向上及び寿命向上が期待できる。
【0057】又、この突出部129a 、129b の存在
より、軸受115a 、115b による「(若干の移動を
許容した)軸方向押え」が容易にできるようになり、従
来のような内ピンを遊嵌保持するために内ピン押え板や
鋼板軌道輪のような部品を省略することができ、一層の
構造の簡略化ができる。
【0058】次に、図4及び図5に頻繁に分解・組立を
することを前提としたタイプの実施例を示す。この実施
例では、キャリヤピン216の一端部に止め輪224を
配置し、他端部にねじ部227を設けると共に、フラン
ジ部214、スペーサ225、及び支持リング217
を、この止め輪224とねじ部227に螺合するナット
228とによって強く挟み込むことにより、組付けを行
うようにしている。従って何回でも分解組立が可能であ
る。
【0059】しかも、キャリヤピン216をいわゆる段
付ボルトにするのではなく、止め輪224を使用するよ
うにしたため、この段付部で応力集中が起ったりするの
を防止することができる。しかも、段付のキャリヤピン
ではいわゆる芯無しの研削盤で加工することができない
ため、高コスト、低精度が避けられないが、この実施例
では止め輪224を使用しているため、芯無しの研削盤
での加工が可能であり、低コスト化、高精度化を実現す
ることができる。
【0060】その他の構成は前記従来例あるいは前記実
施例とほぼ同様であるため、前述したように同一又は類
似の部分には下2桁が同一符号を付すに止どめ、重複説
明を省略する。
【0061】なお、図6は、図4、図5に示した減速機
の外観形状を示す側面図、図7は同平面図、図8は同正
面図である。
【0062】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、減
速機構部が一対の軸受によって両持ち支持されているた
め、減速機の全長を短くすることができ、又、支持リン
グ及びキャリヤ体を備えた構成でありながら構造が非常
に簡単で且つ高精度な組み立てができる。又、内ピンの
組込み構造も非常に簡単であるため、全体として更に高
精度且つ低コスト化が実現できる。更に内ピンの突出部
の存在により、取付方向の自在性を確保するためにたと
えグリースのような流動性の良くない潤滑油を使用した
としても、内ピンを長期に亘って良好に潤滑するこがで
きるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る内接噛合遊星歯車構造が適用され
た減速機の断面図
【図2】図1のII−II線に沿う断面図
【図3】図1の内ピンの端部付近を示す要部拡大断面図
【図4】本発明の他の実施例に係る減速機の断面図
【図5】図4の V−V 線に沿う断面図
【図6】図4に示した減速機の外観形状を示す側面図
【図7】図4に示した減速機の外観形状を示す平面図
【図8】図4に示した減速機の外観形状を示す正面図
【図9】従来の内接噛合遊星歯車構造が適用された基本
的な減速機を示す断面図
【図10】図9の X−X 線に沿う断面図
【図11】従来の内接噛合遊星歯車構造が適用された減
速機で、且つ、内ピンの他にキャリアピンを備える減速
機の断面図
【図12】図11のXII −XII 線に沿う断面図
【符号の説明】
1、101…入力軸 2、102…出力軸 3a 、3b 、103a 、103b 、203a 、203b
…偏心体 5a 、5b 、105a 、105b 、205a 、205b
…外歯歯車 6a 、6b …内ローラ孔 7、107、207…内ピン 8a 、8b …内ローラ 10、110、210…内歯歯車 11、111、211…外ピン 14、114、214…出力軸のフランジ部 15a 、15b …115a 、115b 、215a 、21
5b …軸受 16、116、216…キャリヤピン 17、117、217…支持リング 119a 、119b 、219a 、219b …内ピン孔 124a 、124b 、224a 、224b …内輪 125a 、125b 、225a 、225b …外輪 126a 、126b 、226a 、226b …内ピン保持
孔 129a 、129b 、229a 、229b …突出部 130a 、130b 、230a 、230b …グリース保
持部

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1軸と、該第1軸に設けた偏心体を介し
    てこの第1軸に対して偏心回転可能な状態で取付けられ
    た外歯歯車と、該外歯歯車が内接噛合する内歯歯車と、
    前記外歯歯車に該外歯歯車の自転成分のみを伝達する手
    段を介して連結された第2軸と、を備え、且つ、前記自
    転成分を伝達する手段として、前記外歯歯車に設けた内
    ピン孔に対して等速度内歯車機構を構成し得る内ピン
    と、該内ピンの外歯歯車自転成分相当の回転を受ける円
    環状の支持リングと、前記第2軸に形成したフランジ部
    から突出され、前記支持リングと連結・固定されたキャ
    リア体と、を有する内接噛合遊星歯車構造において、 前記円環状の支持リング及び第2軸のフランジ部を、前
    記外歯歯車を挾んで配置すると共に、この支持リング及
    びフランジ部の双方を一対の軸受を介してケーシングに
    両持ち支持し、 前記内ピンに、前記円環状の支持リング及び第2軸のフ
    ランジ部から軸方向に延在する突出部を設け、該突出部
    に潤滑油を接触させたことを特徴とする内接噛合遊星歯
    車構造。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記突出部の周囲にグ
    リース保持部を設け、該グリース保持部内のグリースを
    前記突出部に接触させたことを特徴とする内接噛合遊星
    歯車構造。
  3. 【請求項3】請求項1又は2において、前記内ピンの表
    面に多孔質皮膜処理を行ったことを特徴とする内接噛合
    遊星歯車構造。
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