JPH0544554A - デイーゼルエンジンの燃料噴射制御装置 - Google Patents

デイーゼルエンジンの燃料噴射制御装置

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Publication number
JPH0544554A
JPH0544554A JP20163891A JP20163891A JPH0544554A JP H0544554 A JPH0544554 A JP H0544554A JP 20163891 A JP20163891 A JP 20163891A JP 20163891 A JP20163891 A JP 20163891A JP H0544554 A JPH0544554 A JP H0544554A
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JP
Japan
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crank angle
fuel
valve
fuel injection
diesel engine
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Application number
JP20163891A
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English (en)
Inventor
Naohiko Oikawa
直彦 笈川
Kanji Kizaki
幹士 木崎
Yoshiyasu Ito
嘉康 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Publication of JPH0544554A publication Critical patent/JPH0544554A/ja
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B3/00Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition
    • F02B3/06Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition with compression ignition

Landscapes

  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • High-Pressure Fuel Injection Pump Control (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】低回転時において、圧電素子に連続して電圧を
印加することなく適正なタイミングでスピル弁を駆動
し、圧電素子での電荷リークによる噴射量不足を防止し
て始動性の向上を図る。 【構成】燃料噴射制御装置は燃料噴射ポンプ1、燃料噴
射ノズル4、ピエゾ素子30を有するピエゾスピル弁2
3、電磁式回転数センサ43を備えている。CPUはデ
ィーゼルエンジン2の回転数が所定値よりも低い場合、
前回の瞬間最大回転時から今回の瞬間最大回転時までの
経過時間を算出し、その経過時間に基づいて、前記瞬間
最大回転時から印加開始クランク角に相当する時間が経
過したときピエゾ素子30に電圧を印加してピエゾスピ
ル弁23を閉弁させる。また、CPUは印加停止クラン
ク角に相当する時間が経過したときピエゾ素子30への
電圧印加を停止してピエゾスピル弁23を開弁させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はディーゼルエンジンの燃
料噴射制御装置に係り、特に圧電素子を用いた燃料噴射
制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、圧縮着火を行うディーゼルエ
ンジンの低速運転時や低負荷運転時においては、燃焼室
に噴射された燃料が着火遅れにより爆発的に燃焼して、
燃焼騒音や排気ガス中の窒素酸化物(NOX )が増大す
ることがある。これに対しては、燃料の主噴射に先立っ
てパイロット噴射を行うことが有効とされている。この
パイロット噴射は、その時々の噴射期間に噴射される全
燃料噴射量のうちの一部を主噴射に先立って予備的に噴
射させ、そのパイロット噴射による燃料を着火させて燃
焼室内の温度を充分に高め、その後に続く主噴射の燃料
着火を効果的に行わせるものである。
【0003】前記パイロット噴射及び主噴射を行うため
に、燃料噴射ポンプの高圧室内の高圧燃料を低圧側へ溢
流させるスピル通路を設け、このスピル通路に電磁スピ
ル弁を配設した技術が知られている。この技術では、電
磁スピル弁を閉弁又は開弁させて高圧室内の燃料の圧力
を調整することにより、燃料噴射弁にてパイロット噴射
及び主噴射を行わせるようにしている。
【0004】また、特開昭61−160563号公報に
開示された技術では、前記電磁スピル弁に代えて高速応
答性に優れた圧電素子を有するピエゾスピル弁を用いて
いる。このピエゾスピル弁は、前記スピル通路に配設さ
れた弁体と、所定の電圧が印加されることにより伸縮動
作して前記弁体を移動させ、その弁体にて前記スピル通
路を開閉させるピエゾ素子とを備えている。そして、ピ
エゾ素子に電圧を印加してスピル弁を駆動し、燃料噴射
ポンプにおける高圧室内の燃料圧力を調整し、燃料噴射
弁にてパイロット噴射及び主噴射を行わせるようにして
いる。
【0005】ところで、前記各スピル弁を備えた燃料噴
射制御装置においては、電磁スピル弁及びピエゾスピル
弁のオン・オフ時期が、電磁ピックアップ式回転数セン
サにより所定クランク角毎に発生されるパルス信号に基
づいて決定される。この回転数センサは磁束の変化を検
出するタイプのセンサである。そのため、例えば始動時
等の極低回転(例えば150rpm以下)時には、パル
ス信号の一部が欠落してしまい、適正なタイミングで前
記電磁スピル弁等をオン・オフ制御することができなく
なる問題がある。
【0006】そこで、燃料噴射制御が電磁スピル弁を用
いて実行される場合においては、エンジン始動時にパル
ス信号とは関係なく常時電磁スピル弁を噴射状態にする
(連続通電する)ことで前記問題解消を図っている。そ
のため、このような対策をピエゾスピル弁にも適用し、
ピエゾ素子に電圧を連続して印加することが考えられ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、連続通電に
よりピエゾ素子に蓄えられた電荷は時間の経過とともに
徐々にリークし、電圧が低下する。そのため、ピエゾ素
子に印加される電圧は所定電圧に達することがなく、同
ピエゾ素子の伸長量が減少する。従って、本来ならばピ
エゾ素子が所定量伸長して弁体にてスピル通路を閉塞す
べきところを、低回転時には同弁体の移動量が不足して
スピル通路の気密性が低下し、この部分から燃料がリー
クする。これにより、燃料噴射弁から要求噴射量が得ら
れず、始動困難となってしまう。
【0008】また、エンジン始動時においてピエゾ素子
に電圧を連続して印加することは、燃料噴射を停止する
ために吸入ポートが開いている期間にも電圧が印加され
ていることになる。従って、この期間にピエゾ素子に電
圧を印加することは何の意味もなく、エネルギを無駄に
消費していることになる。
【0009】本発明は前述した事情に鑑みてなされたも
のであって、その目的は、低回転時において圧電素子に
連続して電圧を印加しなくても適正なタイミングでスピ
ル弁を駆動することができ、圧電素子での電荷リークに
よる噴射量不足を防止して始動性の向上を図ることが可
能なディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置を提供する
ことにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明においては図1に示すように、ディーゼル
エンジンM1の回転に基づきプランジャM2を駆動させ
ることにより高圧室M3内へ燃料を吸入し加圧する高圧
ポンプM4と、前記高圧ポンプM4の高圧室M3で加圧
された高圧燃料を前記ディーゼルエンジンM1に噴射す
る燃料噴射弁M5と、前記燃料噴射弁M5にて燃料噴射
を行わせるべく、電圧印加により伸縮動作する圧電素子
M6にて弁体M7を移動させて閉弁及び開弁を行わせ、
前記高圧室M3内の燃料の圧力を調整するスピル弁M8
と、前記ディーゼルエンジンM1の所定のクランク角毎
にパルス信号を出力する電磁式クランク角センサM9
と、前記ディーゼルエンジンM1の回転数が所定値以上
の場合において、前記クランク角センサM9によるクラ
ンク角が予め定めた印加開始クランク角のときに前記圧
電素子M6に電圧を印加してスピル弁M8を閉弁させ、
クランク角センサM9によるクランク角が予め定めた印
加停止クランク角のときに前記圧電素子M6への電圧印
加を停止してスピル弁M8を開弁させ、前記燃料噴射弁
M5にて燃料噴射を行わせる第1の噴射制御手段M10
と、前記ディーゼルエンジンM1の回転数が所定値より
も低い場合において、所定気筒での瞬間最大回転時から
次に燃焼する気筒での瞬間最大回転時までの経過時間を
算出し、その経過時間に基づいて、前記瞬間最大回転時
から前記印加開始クランク角に相当する時間が経過した
とき前記圧電素子M6に電圧を印加してスピル弁M8を
閉弁させるとともに、その後の前記印加停止クランク角
に相当する時間が経過したとき前記圧電素子M6への電
圧印加を停止してスピル弁M8を開弁させ、前記燃料噴
射弁M5にて燃料噴射を行わせる第2の噴射制御手段M
11とを備えている。
【0011】
【作用】ディーゼルエンジンM1が回転すると、その回
転に基づき高圧ポンプM4のプランジャM2が作動し、
高圧室M3内へ燃料を吸入し加圧する。この加圧された
高圧燃料は燃料噴射弁M5に供給され、同燃料噴射弁M
5から前記ディーゼルエンジンM1に噴射される。この
とき、スピル弁M8の圧電素子M6は電圧印加により伸
縮動作し、弁体M7を移動させて閉弁及び開弁を行わ
せ、前記高圧室M3内の燃料の圧力を調整する。この圧
力の調整により前記燃料噴射弁M5にて燃料噴射が行わ
れる。このようなディーゼルエンジンM1の運転時に
は、電磁式クランク角センサM9から所定のクランク角
毎にパルス信号が出力される。
【0012】そして、前記ディーゼルエンジンM1の回
転数が所定値以上の場合、第1の噴射制御手段M10
は、前記クランク角センサM9によるクランク角が予め
定めた印加開始クランク角のときに前記圧電素子M6に
電圧を印加してスピル弁M8を閉弁させる。また、第1
の噴射制御手段M10は、前記クランク角センサM9に
よるクランク角が予め定めた印加停止クランク角のとき
に前記圧電素子M6への電圧印加を停止してスピル弁M
8を開弁させる。これにより前記燃料噴射弁M5にて燃
料噴射が行われる。
【0013】一方、前記ディーゼルエンジンM1の回転
数が所定値よりも低い場合、第2の噴射制御手段M11
は、所定気筒での瞬間最大回転時から次に燃焼する気筒
での瞬間最大回転時までの経過時間を算出する。そし
て、第2の噴射制御手段M11は、前記経過時間に基づ
いて、前記瞬間最大回転時から前記印加開始クランク角
に相当する時間が経過したとき前記圧電素子M6に電圧
を印加してスピル弁M8を閉弁させる。また、第2の噴
射制御手段M11は、前記印加停止クランク角に相当す
る時間が経過したとき前記圧電素子M6への電圧印加を
停止してスピル弁M8を開弁させる。これにより前記燃
料噴射弁M5にて燃料噴射が行われる。
【0014】すなわち、低回転時にはクランク角センサ
M9にパルス信号の欠落が起こる可能性があるが、クラ
ンク角センサM9によらずに瞬間最大回転時の間の経過
時間に基づき燃料射が確実に行われる。
【0015】
【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例を図面に
基いて詳細に説明する。図2は本実施例の燃料噴射制御
装置を備えた過給機付ディーゼルエンジン2の概略構成
を示す図であり、図3は高圧ポンプとしての分配型燃料
噴射ポンプ1の断面図である。燃料噴射ポンプ1は、デ
ィーゼルエンジン2のクランク軸44にベルト等を介し
て駆動連結されたドライブプーリ3を備えている。そし
て、ドライブプーリ3の回転によって燃料噴射ポンプ1
が駆動され、ディーゼルエンジン2の気筒(この場合は
4気筒)毎に設けられた燃料噴射弁としての燃料噴射ノ
ズル4に燃料が圧送されて燃料噴射を行う。
【0016】ドライブプーリ3にはドライブシャフト5
が連結され、そのドライブシャフト5には、べーン式ポ
ンプよりなる燃料フィードポンプ(図では90度展開さ
れている)6と、円板状のパルサ7とが取付けられてい
る。パルサ7の外周面には、ディーゼルエンジン2の気
筒数と同数の欠歯(この場合4個)が等角度間隔で形成
され、さらに隣接する欠歯間には14個ずつ(合計で5
6個)の突起が等角度間隔で形成されている。そして、
前記ドライブシャフト5の基端部(図の右端部)は、図
示しないカップリングを介してカムプレート8に接続さ
れている。パルサ7とカムプレート8との間にはローラ
リング9が設けられ、そのローラリング9にはカムプレ
ート8のフェイスカム8aに対向する複数のカムローラ
10が取付けられている。そして、カムプレート8はス
プリング11によって常にカムローラ10に付勢係合さ
れている。
【0017】カムプレート8には燃料加圧用プランジャ
12が一体回転可能に取付けられており、前記ドライブ
シャフト5の回転力がカップリングを介してカムプレー
ト8に伝達されることにより、同カムプレート8及びプ
ランジャ12が回転しながら図中左右方向へ往復駆動さ
れる。プランジャ12はポンプハウジング13に形成さ
れたシリンダ14に嵌挿されており、これらのプランジ
ャ12の先端面(図の右端面)とシリンダ14の内底面
との間が高圧室15となっている。プランジャ12の先
端側外周には、ディーゼルエンジン2の気筒数と同数の
吸入溝16及び分配ポート17が形成されている。ま
た、吸入溝16及び分配ポート17に対応して、ポンプ
ハウジング13には吸入ポート19及び分配通路18が
形成されている。
【0018】そして、ドライブシャフト5の回転に基づ
き燃料フィードポンプ6が駆動されると、図示しない燃
料タンクからの燃料が燃料供給ポート20を介して燃料
室21内へ供給される。また、プランジャ12が図中左
方向へ移動(復動)して高圧室15が減圧される吸入行
程においては、吸入溝16の一つが吸入ポート19と連
通して、燃料室21から高圧室15へ燃料が導入され
る。一方、プランジャ12が図中右方向へ移動(往動)
して高圧室15が加圧される圧縮行程においては、分配
通路18から各気筒毎の燃料噴射ノズル4へ燃料が圧送
されて噴射される。
【0019】前記ポンプハウジング13には、高圧室1
5と燃料室21とを連通させる燃料溢流用のスピル通路
22が形成され、その途中にスピル弁としてのピエゾス
ピル弁23が設けられている。ピエゾスピル弁23は、
前記高圧室15内の燃料の圧力を調整することにより、
前記燃料噴射ノズル4にて主噴射及び同主噴射に先立つ
パイロット噴射を行わせるためのものである。
【0020】ピエゾスピル弁23は上下動可能な弁体2
4を備えており、この弁体24は、弁座25に接触する
ことにより同スピル通路22を閉塞(閉弁)し、同弁座
25から離間することによりスピル通路22を開放(開
弁)する。前記弁体24を駆動してスピル通路22を開
閉させるために、弁体24の下側にはスプリング26の
付勢力が作用し、同弁体24の上側には燃料による圧力
が作用するようになっている。すなわち、弁体24の直
下にはスプリング26が圧縮状態で配設されており、ス
ピル通路22が開放されるようにスプリング26が弁体
24を常に上方へ付勢している。
【0021】また、弁体24の上方には変圧室27が形
成されており、この変圧室27内の燃料が小径の連通孔
28を介し前記弁体24を下方へ押圧している。前記変
圧室27の容積を変えて、弁体24上面に作用する燃料
の押圧力を調整するために、その変圧室27の上側に
は、圧電素子としてのピエゾ素子30とピストン29と
が配設され、同変圧室27の下側にスプリング31が配
置されている。スプリング31はピストン29を常に上
方へ付勢している。また、ピエゾ素子30は、PZT等
からなる板状部材を複数枚積層した構造をなし、電荷が
供給されると伸張してスプリング31の付勢力に抗しピ
ストン29を下動させ、電荷が放電されると収縮してス
プリング31の付勢力によるピストン29の上動を許容
する。
【0022】さらに、前記変圧室27内の燃料がリーク
により減少した場合においても弁体24の挙動を安定化
させるために、変圧室27と高圧室15とがリセット通
路32によって連通可能となっている。このリセット通
路32の開閉は、プランジャ12の回転運動と往復運動
とが所定のタイミングとなったときに行われる。このリ
セット通路32の開閉により、ピエゾ素子30が伸張す
る前に変圧室27に燃料が補充され、変圧室27内の初
期圧力が一定にリセットされる。
【0023】ここで、前記ピエゾスピル弁23による燃
料の噴射制御を図5〜図9に従って簡単に説明する。ま
ず、図5はプランジャ12が同図の左方へ移動(復動)
する燃料吸入行程を示しており、この状態ではプランジ
ャ12の吸入溝16が吸入ポート19と連通するととも
に、分配ポート17が分配通路18から遮断されてい
る。そして、ピエゾ素子30が収縮し弁体24がスピル
通路22を開放している。このため、燃料は吸入ポート
19から高圧室15内へ吸入され、さらにはリセット通
路32を通って変圧室27に導かれる。
【0024】前記状態から、図6に示すようにプランジ
ャ12が回転を伴って同図の右方へ移動(往動)する
と、吸入ポート19及びリセット通路32がともに遮断
され、高圧室15内の燃料が加圧され始める。このとき
には、ピエゾ素子30はまだ収縮されたままであり、ス
ピル通路22は開かれている。
【0025】図7に示すように、ピエゾ素子30に所定
の電圧が印加されると、圧電効果によりピエゾ素子30
が伸張する。これにより変圧室27内の燃料が加圧さ
れ、その燃料の押圧力がスプリング26の付勢力に打ち
勝って弁体24を下動させ、スピル通路22を閉塞す
る。このとき、プランジャ12の往動で高圧室15が加
圧されても、弁体24の受圧面積差と変圧室27の圧力
が高くなっていることで、弁体24は閉弁し続ける。そ
して、図8に示すようにプランジャ12の分配ポート1
7が分配通路18と連通すると、燃料噴射ノズル4から
燃料が噴射される(燃料噴射開始)。
【0026】所定の噴射量を得た時に、図9で示すよう
にピエゾ素子30の電荷が放出されると、ピエゾ素子3
0は収縮し変圧室27の圧力が低下する。すると、スプ
リング26の付勢力によって弁体24が上動し、スピル
通路22が開放される。これにより、高圧室15内の高
圧の燃料が燃料室21へ溢流され、噴射が停止する(燃
料噴射停止)。
【0027】従って、ピエゾスピル弁23のピエゾ素子
30に電圧を印加するタイミング、ピエゾ素子30の電
荷を放電させるタイミングを調節することにより、パイ
ロット噴射量、パイロット噴射の開始時期及び停止時
期、主噴射量、主噴射の開始時期及び停止時期を制御す
ることが可能である。
【0028】図2及び図3に示すように、前記ポンプハ
ウジング13の下側には、燃料噴射時期制御用のタイマ
装置(図では90度展開されている)34が設けられて
いる。タイマ装置34は、ドライブシャフト5の回転方
向に対するローラリング9の位置を制御することによ
り、フェイスカム8aがカムローラ10に係合する時
期、すなわちカムプレート8及びプランジャ12の往復
動タイミングを制御するものである。
【0029】このタイマ装置34は油圧によって作動さ
れるものであり、タイマハウジング35と、同タイマハ
ウジング35内に嵌装されたタイマピストン36と、同
じくタイマハウジング35内一側の低圧室37にてタイ
マピストン36を他側の加圧室38へ押圧付勢するタイ
マスプリング39等とから構成されている。そして、タ
イマピストン36はスライドピン40を介して前記ロー
ラリング9に接続されている。
【0030】タイマハウジング35の加圧室38には、
燃料フィードポンプ6により加圧された燃料が導入され
るようになっている。そして、その燃料圧力とタイマス
プリング39の付勢力との釣り合い関係によってタイマ
ピストン36の位置が決定される。また、タイマピスト
ン36の位置が決定されることによりローラリング9の
位置が決定され、カムプレート8を介してプランジャ1
2の往復動タイミングが決定される。
【0031】タイマ装置34の燃料圧力を制御するため
に、加圧室38と低圧室37とを繋ぐ連通路42にはタ
イミングコントロールバルブ41が設けられている。タ
イミングコントロールバルブ41はデューティ制御され
た通電信号によって開閉制御される電磁弁であり、同タ
イミングコントロールバルブ41の開閉制御によって加
圧室38内の燃料圧力が調整される。そして、その燃料
圧力調整によってプランジャ12のリフトタイミングが
制御され、各燃料噴射ノズル4からの燃料噴射時期が調
整される。
【0032】なお、前記ローラリング9の上部には、電
磁式クランク角センサとしての回転数センサ43が前記
パルサ7の外周面に対向して取付けられている。この回
転数センサ43は電磁ピックアップコイルよりなり、パ
ルサ7の突起等が横切る際に、それらの通過を検出して
エンジン回転数NEに相当するタイミング信号(エンジ
ン回転パルス)を出力する。つまり、回転数センサ43
は前記ディーゼルエンジン2の所定のクランク角(1
1.25°CA)毎に図11に示すような「0」〜「1
3」の14個のパルス信号を出力する。また、この回転
数センサ43は前記ローラリング9と一体であるため、
タイマ装置34の制御動作に関わりなく、プランジャリ
フトに対して一定のタイミングで基準となるタイミング
信号を出力する。
【0033】次に、ディーゼルエンジン2について説明
する。図2に示すように、このディーゼルエンジン2で
はシリンダ45、ピストン46及びシリンダヘッド47
によって各気筒毎に対応する主燃焼室48が形成されて
いる。また、シリンダヘッド47には、同じく各気筒毎
に対応して副燃焼室49が設けられており、これらの副
燃焼室49は前記主燃焼室48に連通している。そし
て、各副燃焼室49に各燃料噴射ノズル4から噴射され
る燃料が供給される。また、各副燃焼室49には、始動
補助装置としての周知のグロープラグ50がそれぞれ取
付けられている。
【0034】ディーゼルエンジン2には吸気管52及び
排気管55がそれぞれ接続され、その吸気管52にはタ
ーボチャージャ53のコンプレッサ54が配設され、排
気管55にはターボチャージャ53のタービン56が配
設されている。また、排気管55には過給圧を調節する
ウェイストゲートバルブ57が取付けられている。
【0035】また、ディーゼルエンジン2には、排気管
55内の排気の一部を吸気管52の吸入ポート58へ還
流させるための還流管59が設けられている。還流管5
9の途中には排気の還流量を調節するEGRバルブ60
が設けられ、このEGRバルブ60はバキュームスイッ
チングバルブ(VSV)61の制御によって開閉制御さ
れる。
【0036】さらに、吸気管52の途中には、アクセル
ペダル62の踏込量に連動して開閉されるスロットルバ
ルブ63が設けられている。また、そのスロットルバル
ブ63に平行してバイパス路64が形成され、その途中
には、各種運転状態に応じてアクチュエータ68によっ
て開閉制御されるバイパス絞り弁65が設けられてい
る。アクチュエータ68は、二つのVSV66,67の
制御によって駆動される。バイパス絞り弁65は各種運
転状態に応じて開閉制御されるものであって、例えば、
アイドル運転時には騒音振動等の低減のために半開状態
に制御され、通常運転時には全開状態に制御され、さら
に運転停止時には安全のために全閉状態に制御される。
【0037】そして、上記のように燃料噴射ポンプ1及
びディーゼルエンジン2に設けられたピエゾスピル弁2
3、タイミングコントロールバルブ41、グロープラグ
50及び各VSV61,66,67は、電子制御装置
(以下単に「ECU」という)71にそれぞれ電気的に
接続され、同ECU71によってそれらの駆動タイミン
グが制御される。
【0038】前記ディーゼルエンジン2の運転状態を検
出する手段として、前記回転数センサ43に加えて以下
のセンサが設けられている。すなわち、エアクリーナ6
9を介して吸気管52に吸い込まれる空気の吸気温度を
検出する吸気温センサ72、スロットルバルブ63の開
閉位置からディーゼルエンジン2の負荷に相当するアク
セル開度を検出するアクセル開度センサ73、吸入ポー
ト58内の吸入圧力を検出する吸気圧センサ74、ディ
ーゼルエンジン2の冷却水温を検出する水温センサ7
5、ディーゼルエンジン2のクランク軸44の回転基準
位置、例えば特定気筒の上死点に対するクランク軸44
の回転位置を検出するクランク角センサ76が設けられ
ている。
【0039】前記ECU71には、上述した各センサ4
3,72〜76がそれぞれ接続されている。そして、E
CU71は各センサ43,72〜76から出力される信
号に基づいて、ピエゾスピル弁23、タイミングコント
ロールバルブ41、グロープラグ50及びVSV61,
66,67等を好適に制御する。
【0040】次に、前述したECU71の構成につい
て、図4のブロック図に従って説明する。ECU71は
第1の噴射制御手段及び第2の噴射制御手段を構成する
中央処理装置(CPU)81、所定の制御プログラム及
びマップ等を予め記憶した読み出し専用メモリ(RO
M)82、CPU81の演算結果等を一時記憶するラン
ダムアクセスメモリ(RAM)83、予め記憶されたデ
ータを保存するバックアップRAM84等と、これら各
部と入力ポート85及び出力ポート86等とをバス87
によって接続した論理演算回路として構成されている。
【0041】入力ポート85には、前記吸気温センサ7
2、アクセル開度センサ73、吸気圧センサ74及び水
温センサ75がバッファ88,89,90,91、マル
チプレクサ93及びA/D変換器94を介して接続され
ている。同じく、入力ポート85には、前記回転数セン
サ43及びクランク角センサ76が波形整形回路95を
介して接続されている。そして、CPU81は入力ポー
ト85を介して入力される各センサ43,72〜76等
の検出信号を入力値として読み込む。また、出力ポート
86には各駆動回路96,97,98,99,100,
101を介してピエゾピル弁23、タイミングコントロ
ールバルブ41、グロープラグ50及びVSV61,6
6,67等が接続されている。
【0042】そして、CPU81は各センサ43,72
〜76から読み込んだ入力値に基づき、ピエゾスピル弁
23、タイミングコントロールバルブ41、グロープラ
グ50及びVSV61,66,67等を好適に制御す
る。
【0043】次に、前記のように構成された本実施例の
作用及び効果を図10のフローチャートに基づいて説明
する。CPU81はまずステップ101において、回転
数センサ43によるエンジン回転数NEが所定回転数
(例えば150rpm)以上であるか否かを判定する。
このエンジン回転数NEは、クランク角毎に変化する瞬
間の回転数の平均値である。つまり、図11及び図13
(a)で示すように実際のエンジン回転数は、ディーゼ
ルエンジン2の1サイクル内においてクランク角毎に変
動しており、特に爆発行程後(回転数センサ43からの
13番目のパルス信号発生時)にはエンジン回転数が瞬
間的に最も高くなっている。このため、前記瞬間回転数
の変動の平均値をとってエンジン回転数NEとしてい
る。
【0044】前記ステップ101においてエンジン回転
数NEが所定回転数(150rpm)以上であると、C
PU81は回転数センサ43から出力されるパルス信号
に基づいて常に瞬間の回転数を演算可能であると判断
し、ステップ102で通常の燃料噴射制御を実行する。
この燃料噴射制御は、例えば予めROM82に記憶され
ているマップを参照して行われる。
【0045】すなわち、図12に示すように、基準とな
るクランク角θ0 からの印加開始クランク角TDLA,
TDLC、印加停止クランク角TDLB,TDLDをそ
れぞれ読み込む。ここで、印加開始クランク角TDLA
は、パイロット噴射を開始させるためにピエゾ素子30
に電圧を印加するときのクランク角であり、印加停止ク
ランク角TDLBは、パイロット噴射を停止させるため
にピエゾ素子30への電圧印加を停止するときのクラン
ク角である。また、印加開始クランク角TDLCは、主
噴射を開始させるためにピエゾ素子30に電圧を印加す
るときのクランク角であり、印加停止クランク角TDL
Dは、主噴射を停止させるためにピエゾ素子30への電
圧印加を停止するときのクランク角である。
【0046】そして、CPU81は前記クランク角が印
加開始クランク角TDLA,TDLCのときに駆動回路
96を介してピエゾ素子30に電圧を印加してピエゾス
ピル弁23を閉弁させ、印加停止クランク角TDLB,
TDLDのときに前記ピエゾ素子30への電圧印加を停
止してピエゾスピル弁23を開弁させ、前記燃料噴射ノ
ズル4にてパイロット噴射及び主噴射を行わせる。
【0047】CPU81は、前記ステップ101におい
てエンジン回転数NEが所定回転数(150rpm)よ
りも低いと、図13(b)において破線で示すように、
回転数センサ43からのパルス信号の一部が欠落して瞬
間の回転数を演算できない箇所(同図において限界回転
数よりも低い箇所)があると判断する。そして、CPU
81はステップ103において、前回処理で記憶した瞬
間最大回転時刻Tpk(i-1) を読み出す。
【0048】続いて、CPU81はステップ104〜1
09で今回の瞬間最大回転時刻Tpk(i) を求めるための
処理を行う。まず、CPU81はステップ104で回転
数NEp の初期設定を行う。この回転数NEp として
は、前記所定回転数(150rpm)よりも若干低い値
である100rpmが設定される。次に、CPU81は
ステップ105において、所定のクランク角(11.2
5°CA)に要する時間TS1125を算出する。その
ためにCPU81は、例えば図11に示すように、13
番目のパルスの立下がりの時刻を読み込むとともに、そ
の11.25°CA後に発生する0番目のパルスの立下
がりの時刻を読み込む。そして、CPU81は両時刻の
差を求め、これを11.25°CAに要する時間TS1
125とする。次に、CPU81はステップ106へ移
行し、前記ステップ105での時間TS1125に基づ
きそのときの瞬間回転数NEi を算出する。この瞬間回
転数NEi の算出は、11.25°CAに要する時間T
S1125をかろうじて演算できる領域、つまり、その
ときの瞬間回転数NEi が回転変動成分の高回転側にあ
る場合(図13(b)において限界回転数よりも高い場
合)にのみ行われる。
【0049】さらに、CPU81はステップ107にお
いて、前記ステップ106での瞬間回転数NEi が、前
記ステップ104での回転数NEp よりも高いか否かを
判定する。瞬間回転数NEi が回転数NEp よりも高い
(NEi >NEp )と、CPU81は同瞬間回転数NE
i が上昇していると判断し、ステップ108でこの瞬間
回転数NEi を新たな回転数NEp とし、前記ステップ
105〜107の処理を繰り返す。そして、ステップ1
07において瞬間回転数NEi が回転数NEp以下(N
Ei ≦NEp )になると、CPU81は同瞬間回転数N
Ei の上昇が止まり最大値になったと判断し、このとき
の瞬間回転数NEi を今回燃焼した気筒での瞬間最大回
転数とする。
【0050】続いて、CPU81はステップ109にお
いて、瞬間回転数NEi が瞬間最大回転数になったとき
の時間である瞬間最大回転時刻Tpk(i) を読み込み、ス
テップ110において、前記ステップ102と同様にし
て印加開始クランク角TDLA,TDLC及び印加停止
クランク角TDLB,TDLDをそれぞれ読み込む。そ
して、CPU81は、前記ステップ103及びステップ
109での瞬間最大回転時刻Tpk(i-1) ,Tpk(i) をも
とに、ステップ111でクランク角が180°CA経過
するのに要する時間T180CA(i-1) を、次式に基づ
いて算出する。
【0051】 T180CA(i-1) =Tpk(i) −Tpk(i-1) このように時間T180CA(i-1) を算出するのは、瞬
間最大回転時刻Tpk(i) ,Tpk(i-1) が図11及び図1
3(c)で示すように、回転数センサ43から13番目
のパルス信号が出力される時刻とほぼ一致し、しかも、
両瞬間最大回転時刻Tpk(i-1) ,Tpk(i) 間のクランク
角が約180°CAであるからである。
【0052】次に、CPU81はステップ112へ移行
し、パイロット噴射を実行するための印加開始時刻TA
及び印加停止時刻TB 、主噴射を実行するための印加開
始時刻TC 及び印加停止時刻TD を、次式によりそれぞ
れ算出する。
【0053】 TA =Tpk(i) +(TDLA/180)×T180CA(i-1) TB =Tpk(i) +(TDLB/180)×T180CA(i-1) TC =Tpk(i) +(TDLC/180)×T180CA(i-1) TD =Tpk(i) +(TDLD/180)×T180CA(i-1) なお、CPU81はステップ113で次回の演算に備
えて今回の瞬間最大回転時刻Tpk(i) を前回の瞬間最大
回転時刻Tpk(i-1) とし、さらに同時刻をステップ11
4で記憶する。そして、CPU81はステップ115に
おいて、図13(d)で示すように、前記通電開始時刻
TA ,TC に駆動回路96を介してピエゾ素子30に電
圧を印加してピエゾスピル弁23を閉弁させ、通電停止
時刻TB ,TD に前記ピエゾ素子30への電圧印加を停
止してピエゾスピル弁23を開弁させ、前記燃料噴射ノ
ズル4にてパイロット噴射及び主噴射を行わせる。これ
らのパイロット噴射及び主噴射は吸入ポート19が閉じ
ている期間に行われる。
【0054】このように本実施例では、エンジン回転数
NEが所定回転数(150rpm)以上の場合、回転数
センサ43によるクランク角が予め定めた印加開始クラ
ンク角TDLA,TDLCのときにピエゾ素子30に電
圧を印加してピエゾスピル弁23を閉弁させ、前記クラ
ンク角が予め定めた印加停止クランク角TDLB,TD
LDのときに前記ピエゾ素子30への電圧印加を停止し
てピエゾスピル弁23を開弁させ、前記燃料噴射ノズル
4にてパイロット噴射及び主噴射を行わせている(ステ
ップ102)。また、エンジン回転数NEが所定回転数
(150rpm)よりも低い場合、前回の瞬間最大回転
時刻Tpk(i-1) から今回の瞬間最大回転時刻Tpk(i) ま
での経過時間T180CA(i-1) を算出する(ステップ
111)。この経過時間T180CA(i-1) は、所定気
筒の燃焼開始時期から、次に燃焼開始する気筒の燃焼開
始時期までの経過時間に相当する。そして、前記経過時
間T180CA(i-1) に基づいて、瞬間最大回転時Tpk
(i) から印加開始クランク角TDLA,TDLCに相当
する通電開始時刻TA ,TC が経過したときピエゾ素子
30に電圧を印加してピエゾスピル弁23を閉弁させる
とともに、その後の印加停止クランク角TDLB,TD
LDに相当する通電停止時刻TB ,TD が経過したとき
ピエゾ素子30への電圧印加を停止してピエゾスピル弁
23を開弁させ、燃料噴射ノズル4にてパイロット噴射
及び主噴射を行わせる(ステップ115)ようにした。
【0055】そのため、エンジン回転数NEが所定回転
数よりも低い低回転時には回転数センサ43にパルス信
号の欠落が起こる可能性があるが、同回転数センサ43
によらずに瞬間最大回転時刻Tpk(i-1) ,Tpk(i) の間
の経過時間T180CA(i-1) に基づき、パイロット噴
射及び主噴射が確実に行われる。
【0056】従って、本実施例では始動時等の極低回転
時にピエゾ素子30に電圧を連続して印加しなくても適
正なタイミングでピエゾスピル弁23を駆動することが
できるので、ピエゾ素子30での電荷リークによる噴射
量不足を防止して始動性の向上を図ることができる。ま
た、本実施例では従来技術と異なり、吸入ポート19が
開いている期間には電圧が印加されないので、その分消
費エネルギを低減して燃費向上を図ることもできる。
【0057】なお、本発明はパイロット噴射を行わない
ディーゼルエンジン2にも適用可能である。
【0058】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、デ
ィーゼルエンジンの回転数が所定値よりも低い場合にお
いて、所定気筒での瞬間最大回転時から、次に燃焼する
気筒での瞬間最大回転時までの経過時間を算出し、その
経過時間に基づいて、瞬間最大回転時から印加開始クラ
ンク角に相当する時間が経過したとき圧電素子に電圧を
印加してスピル弁を閉弁させるとともに、その後の印加
停止クランク角に相当する時間が経過したとき圧電素子
への電圧印加を停止してスピル弁を開弁させ、燃料噴射
弁にて燃料噴射を行わせるようにしたので、低回転時に
おいて圧電素子に連続して電圧を印加しなくても適正な
タイミングでスピル弁を駆動することができ、圧電素子
での電荷リークによる噴射量不足を防止して始動性の向
上を図ることが可能になるという優れた効果を発揮す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の概念構成図である。
【図2】本発明を具体化した一実施例におけるディーゼ
ルエンジンの燃料噴射制御装置を示す概略構成図であ
る。
【図3】一実施例における分配型燃料噴射ポンプを示す
断面図である。
【図4】一実施例におけるECUの構成を示すブロック
図である。
【図5】一実施例において、プランジャが復動して高圧
室内に燃料が吸入される状態を示す部分断面図である。
【図6】一実施例において、図5の状態からプランジャ
が往動して高圧室内の燃料が加圧される状態を示す部分
断面図である。
【図7】一実施例において、図6の状態からピエゾ素子
が伸張してスピル通路が閉塞された状態を示す部分断面
図である。
【図8】一実施例において、燃料が噴射される状態を示
す部分断面図である。
【図9】一実施例において、図8の状態からピエゾ素子
が収縮して燃料噴射が停止する状態を示す部分断面図で
ある。
【図10】一実施例の作用を説明するためのフローチャ
ートである。
【図11】一実施例においてエンジン回転数信号と、ク
ランク角に対するエンジン回転数の変動との関係を示す
図である。
【図12】一実施例において、エンジン回転数が限界回
転数以上の場合の電圧印加指令信号と噴射率との関係を
示す図である。
【図13】一実施例において、エンジン回転数が限界回
転数よりも低い場合のエンジン回転数と瞬間最大回転数
と電圧印加指令信号との関係を示す図である。
【符号の説明】
1…高圧ポンプとしての燃料噴射ポンプ、2…ディーゼ
ルエンジン、4…燃料噴射弁としての燃料噴射ノズル、
12…プランジャ、15…高圧室、23…スピル弁とし
てのピエゾスピル弁、24…弁体、30…圧電素子とし
てのピエゾ素子、43…電磁式クランク角センサとして
の回転数センサ、81…第1の噴射制御手段及び第2の
噴射制御手段を構成するCPU

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディーゼルエンジンの回転に基づきプラ
    ンジャを駆動させることにより高圧室内へ燃料を吸入し
    加圧する高圧ポンプと、 前記高圧ポンプの高圧室で加圧された高圧燃料を前記デ
    ィーゼルエンジンに噴射する燃料噴射弁と、 前記燃料噴射弁にて燃料噴射を行わせるべく、電圧印加
    により伸縮動作する圧電素子にて弁体を移動させて閉弁
    及び開弁を行わせ、前記高圧室内の燃料の圧力を調整す
    るスピル弁と、 前記ディーゼルエンジンの所定のクランク角毎にパルス
    信号を出力する電磁式クランク角センサと、 前記ディーゼルエンジンの回転数が所定値以上の場合に
    おいて、前記クランク角センサによるクランク角が予め
    定めた印加開始クランク角のときに前記圧電素子に電圧
    を印加してスピル弁を閉弁させ、クランク角センサによ
    るクランク角が予め定めた印加停止クランク角のときに
    前記圧電素子への電圧印加を停止してスピル弁を開弁さ
    せ、前記燃料噴射弁にて燃料噴射を行わせる第1の噴射
    制御手段と、 前記ディーゼルエンジンの回転数が所定値よりも低い場
    合において、所定気筒での瞬間最大回転時から次に燃焼
    する気筒での瞬間最大回転時までの経過時間を算出し、
    その経過時間に基づいて、前記瞬間最大回転時から前記
    印加開始クランク角に相当する時間が経過したとき前記
    圧電素子に電圧を印加してスピル弁を閉弁させるととも
    に、その後の前記印加停止クランク角に相当する時間が
    経過したとき前記圧電素子への電圧印加を停止してスピ
    ル弁を開弁させ、前記燃料噴射弁にて燃料噴射を行わせ
    る第2の噴射制御手段とを備えたことを特徴とするディ
    ーゼルエンジンの燃料噴射制御装置。
JP20163891A 1991-08-12 1991-08-12 デイーゼルエンジンの燃料噴射制御装置 Pending JPH0544554A (ja)

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