JPH0543890A

JPH0543890A - 洗浄剤組成物

Info

Publication number: JPH0543890A
Application number: JP20300991A
Authority: JP
Inventors: Kiriko Fukuda; 桐子福田; Mitsuo Kondo; 三雄近藤
Original assignee: Kao Corp
Current assignee: Kao Corp
Priority date: 1991-08-13
Filing date: 1991-08-13
Publication date: 1993-02-23

Abstract

(57)【要約】【構成】リン酸エステル系界面活性剤、糖系界面活性
剤及びカルシウム感受性Ｎ−アシルアミノ酸型界面活性
剤を含有する洗浄剤組成物。【効果】低刺激で泡立ち及び洗浄力に優れ、かつ使用
感の良好な洗浄剤組成物を得る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は洗浄剤組成物に関し、更
に詳しくは低刺激で洗浄力に優れ、かつさっぱりとした
感触の得られる洗浄剤組成物に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、洗浄剤組成物には、従来用いられ
てきた石けん、アルキルサルフェート、アルキルエーテ
ルサルフェート等に代えて皮膚への刺激性の低減された
リン酸エステル系界面活性剤が使用されるようになって
きている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記リ
ン酸エステル系界面活性剤は、水中のカルシウムイオン
と容易に結合し、不溶性塩として析出してしまうため、
特に硬度の高い水を用いた場合、洗浄性及び起泡性が低
下してしまう。更にこの塩は皮膚や毛髪に付着するた
め、洗浄後の感触の変化、すなわち、表面の潤滑性が低
下し、毛髪のきしみ感又は皮膚のかさつき、粉っぽさを
もたらすという難点がある。

【０００４】また、リン酸エステル系界面活性剤を沐浴
剤として多量の水道水とともに用いる場合、スカムの形
成が目立つため、感触の悪化による不快感を覚える人も
あり、問題となっている。

【０００５】そこで、きしみ等の不快感がなく、硬水又
は多量の水とともに用いても良好な洗浄性、起泡性及び
洗浄後の感触の得られる洗浄剤組成物の開発が望まれて
いた。

【０００６】したがって、本発明の目的は、低刺激で洗
浄力に優れ、きしみやつっぱり感を生じることなく、か
つさっぱりとした感触の得られる洗浄剤組成物を提供す
ることにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記状況
に鑑み鋭意研究を行った結果、リン酸エステル系界面活
性剤と特定の界面活性剤とを組合せて使用することによ
り前記目的を達成できることを見出し、本発明を完成す
るに至った。

【０００８】すなわち、本発明は、下記（Ａ）、（Ｂ）
及び（Ｃ）を含有することを特徴とする洗浄剤組成物を
提供するものである。（Ａ）一般式（１）で表わされるリン酸エステル系界
面活性剤

【０００９】

【化４】

【００１０】（式中、Ｒ¹は炭素数８〜１８の飽和又は
不飽和の炭化水素基を示し、Ｘ及びＹはそれぞれ水素原
子、アルカリ金属、アンモニウム又は炭素数２〜３のヒ
ドロキシアルキル基を有するアルカノールアミンを示
し、ｌは０〜１０の数を示す。）

【００１１】（Ｂ）一般式（２）で表わされる糖系界
面活性剤

【００１２】

【化５】

【００１３】（式中、Ｒ²は炭素数８〜１８の直鎖又は
分岐鎖のアルキル、アルケニル又はアルキルフェニル基
を示し、Ｒ³は炭素数２〜４のアルキレン基を示し、Ｇ
は炭素数５〜６の還元糖を示し、ｍは０〜１０の数を示
し、ｎは１〜１０の数を示す。）

【００１４】（Ｃ）一般式（３）で表わされるカルシ
ウム感受性Ｎ−アシルアミノ酸型界面活性剤

【００１５】

【化６】

【００１６】（式中、Ｒ⁴ＣＯは炭素数１０〜１６の直
鎖アシル基を示し、ｎは１〜５の数を示し、Ｍはアルカ
リ金属又は無機もしくは有機アンモニウムを示す。）

【００１７】本発明の成分（Ａ）である一般式（１）で
表わされるリン酸エステル系界面活性剤としては、エチ
レンオキサイドの付加モル数が０〜３のものが好まし
く、特にエチレンオキサイドが付加しておらず、炭素数
１２〜１４のアルキル基を有するものが好ましい。この
ようなリン酸エステル系界面活性剤は単独で又は２種以
上を組合せて使用できる。

【００１８】なお、成分（Ａ）は前記一般式（１）で表
わされるものの他、下記一般式（４）で表わされるリン
酸ジエステル化合物を含有してもよい。

【００１９】

【化７】

【００２０】（式中、Ｒ⁵及びＲ⁶は炭素数８〜１８の
飽和又は不飽和炭化水素基を示し、Ｘは水素原子、アル
カリ金属、アンモニウム又は炭素数２〜３のヒドロキシ
アルキル基を有するアルカノールアミンを示し、ｍ及び
ｎはそれぞれ０〜１０の数を示す。）

【００２１】これらの好ましい具体例としては、モノ−
ラウリルリン酸ナトリウム、モノ−ラウリルリン酸ジエ
タノールアミン、モノ−ラウリルリン酸トリエタノール
アミン、モノ−ラウリルリン酸カリウム、モノ−ミリス
チルリン酸ナトリウム、モノ−ミリスチルリン酸カリウ
ム、モノ−ミリスチルリン酸ジエタノールアミン、モノ
−ミリスチルリン酸トリエタノールアミン等が挙げられ
る。

【００２２】前記成分（Ａ）は本発明の洗浄剤組成物中
に５〜５０重量％（以下％で示す）、特に５〜４０％配
合されていることが好ましい。

【００２３】本発明の成分（Ｂ）の糖系界面活性剤とし
ては、前記一般式（２）中、Ｒ²が炭素数８〜１８、特
に１０〜１４のアルキル基（ラウリル、ミリスチル等）
であるものが好ましい。また、親水基のサッカライド部
分は、炭素数５〜６の還元糖（一般式（２）中、Ｇ）を
基本単位とする。還元糖としては、グルコース、ガラク
トース、フラクトース等が好ましい。サッカライド平均
糖重合度ｎは１〜１０であり、特に１〜４が好ましい。
ｎはＲ²中のアルキル基に由来する物性を考慮して選択
することが好ましく、例えばＲ²が炭素数８〜１１の疎
水基の場合、１〜1.4 を、炭素数１２〜１４の疎水基で
ある場合、 1.5〜4.0 を選択することが好ましい。な
お、ｎはプロトンＮＭＲ法で求められる。

【００２４】前記成分（Ｂ）は本発明の洗浄剤組成物中
に 0.1〜４０％、特に５〜２０％配合されることが好ま
しい。

【００２５】本発明の洗浄剤組成物の成分（Ｃ）である
前記一般式（３）で表わされるカルシウム感受性Ｎ−ア
シルアミノ酸型界面活性剤は、水道水中のカルシウムと
反応して潤滑性の高い板状結晶を生成する性質を有する
ものである。

【００２６】上記成分（Ｃ）において、前記一般式
（３）中のＲ⁴ＣＯは炭素数１０〜１６の直鎖アシル基
であり、特に炭素数１０〜１４の直鎖アシル基（カプリ
ノイル、ラウロイル、ミリストイル等）であることが好
ましい。炭素数が１６を超えると、生成する板状結晶の
潤滑性が低下するため好ましくない。また、炭素数が８
未満であると、泡立ちが低下するため好ましくない。ま
た、ｎは１〜５の数であり、板状結晶の潤滑性の観点か
ら、１〜２が特に好ましい。

【００２７】前記成分（Ｃ）の化合物とカルシウムとの
反応により生成する板状結晶の潤滑性は、例えば、乾燥
豚皮（「アロアスク」、抗体化成工業製）を生理食塩水
で再生したものの上における板状結晶の静摩擦係数を測
定することにより求められ、該係数が含水時から乾燥後
までブランクの場合より低いものを良好と評価する。

【００２８】また、上記成分（Ｃ）の化合物は、Ｎ−ア
シル基が上記直鎖状のアシルで構成される２級アミド型
構造であることが非常に重要である。即ち、Ｎ−アシル
基を構成するアシル基が分岐状であったり、又はアミド
構造が３級アミド型の場合は、板状結晶の生成が抑制さ
れたり、生成した結晶の物性が潤滑性に乏しく、べたつ
きの多いものであったりするため好ましい感触を得難
い。

【００２９】更に、上記成分（Ｃ）の化合物において、
前記一般式（３）中の対イオンを構成するＭとしては、
ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属又は無機もしく
は有機アンモニウムが挙げられる。ここで、有機アンモ
ニウムとは、モノエタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン、ア
ルキルアミン、塩基性アミノ酸等の有機アミン化合物の
酸型をいう。

【００３０】上記成分（Ｃ）の含有量は、本発明の組成
物中、好ましくは５％以上、より好ましくは２０〜８０
％である。含有量が５％未満であると、すすぎ時に生成
した板状結晶に起因する、さっぱりとした良好な使用感
が得られ難い。

【００３１】本発明の成分（Ａ）、（Ｂ）及び（Ｃ）の
総配合量は、洗浄剤組成物の剤型により異なるが、液状
洗浄料の場合組成物中３〜３０％、ペースト状洗浄料の
場合１５〜７０％、固形洗浄料の場合７０〜９５％であ
る。

【００３２】本発明の洗浄剤組成物には、その他の界面
活性剤、例えばアルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸
塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、アルキルベン
ゼンスルホン酸塩、Ｎ−アシルサルコシン塩、Ｎ−アシ
ル−Ｎ−メチルタウリン塩、アルファオレフィンスルホ
ン酸塩、高級脂肪酸エステルスルホン酸塩、アルキルエ
ーテル酢酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢
酸塩、脂肪酸石けん等のアニオン性界面活性剤、脂肪酸
アミド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等のノニ
オン性界面活性剤、イミダゾリン系、ベタイン系等の両
性界面活性剤を本発明の効果を損なわない範囲で配合す
ることができる。

【００３３】更に、その他の添加剤として、洗浄剤に通
常用いられる成分を本発明の効果を損なわない範囲で任
意に併用することができる。例えば、プロピレングリコ
ール、ソルビトール、グリセリン等の保湿剤、カルボキ
シビニルポリマー、メチルセルロース、エタノール、ポ
リオキシエチレングリコールジステアレート等の粘度調
整剤、パール化剤、香料、色素、紫外線吸収剤、酸化防
止剤、殺菌剤、抗炎症剤、防腐剤などを配合することが
できる。

【００３４】

【発明の効果】本発明による洗浄剤組成物は、皮膚に対
し低刺激で洗浄力に優れ、かつ泡立ちも良好で、硬水や
多量の水道水とともに用いてもきしみ感、かさつき等を
生じることなく、かつさっぱりとした感触の得られる使
用感の良好なものである。

【００３５】

【実施例】以下に本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明がこれらに限定されるものでないことはい
うまでもない。

【００３６】実施例１下記表１に示す組成の洗浄剤組成物を調製した。１０名
のパネラーにより１５度硬水（ドイツ硬度）を用いて手
洗い試験を行い、洗浄時の泡立ち、洗浄後のしっとり感
及びさっぱり感について以下に示す基準により官能評価
を行った。結果を表１に示す。

【００３７】泡立ち非常に良い ◎ 良い ○ あまりよくない △ 悪い ×しっとり感及びさっぱり感非常にある ◎ ある ○ あまりない △ 全くない ×

【００３８】

【表１】

【００３９】本実施例で得られた洗浄剤は比較品と比
べ、泡立ちが良好であり、かつ洗浄後のしっとり感及び
さっぱり感に優れるものであった。

【００４０】実施例２下記組成の液体洗浄剤を調製した。ラウリルフォスフェートセスキトリエタノールアミン 10（重量％）アルキルサッカライド[C_12,13-O-(G)_2.5]^*2 15 Ｎ−ラウロイル−β−アラニンカリウム塩 6 ココジエタノールアミド 2 ココイミダゾリニウムベタイン 4 黄色４号微量香料微量イオン交換水バランス *2 Ｃ_12,13はドデシル基、トリデシル基の混合物（平
均炭素数12.5）を示す。Ｇはグルコースを示す。

【００４１】本実施例で得られた洗浄剤は、皮膚に対し
低刺激で高洗浄力及び高起泡性を有し、使用感も良好で
あった。

【００４２】実施例３下記組成のクリーム状洗浄剤を調製した。ラウリルフォスフェートジトリエタノールアミン 10（重量％）ミリスチルフォスフェートジトリエタノールアミン 15 アルキルサッカライド[C₁₂-O-(G)_1.45]^*3 15 Ｎ−ミリストイル−β−アラニントリエタノールアミン 10 キサンタンガム 1 グリセリン 5 カルボキシビニルポリマー 1 精製水バランス *3 Ｃ₁₂はラウリル基を示す。Ｇはグルコースを示す。

【００４３】本実施例により得られた洗浄剤は、皮膚に
対し低刺激で高洗浄力及び高起泡性を有し、かつ使用感
も良好であった。

【００４４】実施例４下記組成の沐浴剤を調製した。ラウリルフォスフェートジトリエタノールアミン 20（重量％）ミリスチルフォスフェートジトリエタノールアミン 10 アルキルサッカライド[C_12,13-O-(G)_2.5]^*4 15 Ｎ−ラウロイルグリシントリエタノールアミン 10 エデト酸２ナトリウム 0.3 プロピレングリコール 10 香料 2.5 黄色４号適量精製水バランス *4 Ｃ_12,13はドデシル基とトリデシル基との混合物
（平均炭素数12.5）を示す。Ｇはグルコースを示す。

【００４５】本実施例で得られた沐浴剤は、多量の浴槽
中の湯とともに用いても分散性、泡立ち、洗浄力がとも
に良好で、かつスカムを形成しないため、使用感が非常
に良好であった。

【００４６】実施例５下記組成のベビー用シャンプーを調製した。ラウリルフォスフェートセスキトリエタノールアミン 5（重量％）アルキルサッカライド[C₁₂-O-(G)_2.5]^*5 4 Ｎ−ラウロイル−β−アラニンカリウム塩 3 プロピレングリコール 3 イオン交換水バランス *5 Ｃ₁₂はラウリル基を示す。Ｇはグルコースを示す。

【００４７】本実施例で得られたベビー用シャンプー
は、皮膚に対し低刺激で高洗浄力、高起泡性を有し、使
用感も良好であった。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号庁内整理番号ＦＩ技術表示箇所Ｃ１１Ｄ 1:10 1:68）

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】次の成分（Ａ）、（Ｂ）及び（Ｃ）を含
有することを特徴とする洗浄剤組成物。（Ａ）一般式（１）で表わされるリン酸エステル系界
面活性剤【化１】（式中、Ｒ¹は炭素数８〜１８の飽和又は不飽和炭化水
素基を示し、Ｘ及びＹはそれぞれ水素原子、アルカリ金
属、アンモニウム又は炭素数２〜３のヒドロキシアルキ
ル基を有するアルカノールアミンを示し、ｌは０〜１０
の数を示す。）（Ｂ）一般式（２）で表わされる糖系界面活性剤【化２】（式中、Ｒ²は炭素数８〜１８の直鎖又は分岐鎖のアル
キル、アルケニル又はアルキルフェニル基を示し、Ｒ³
は炭素数２〜４のアルキレン基を示し、Ｇは炭素数５〜
６の還元糖を示し、ｍは０〜１０の数を示し、ｎは１〜
１０の数を示す。）（Ｃ）一般式（３）で表わされるカルシウム感受性Ｎ
−アシルアミノ酸型界面活性剤【化３】（式中、Ｒ⁴ＣＯは炭素数１０〜１６の直鎖アシル基を
示し、ｎは１〜５の数を示し、Ｍはアルカリ金属又は無
機もしくは有機アンモニウムを示す。）