JPH0543612A - マクロモノマー及びその製造方法 - Google Patents
マクロモノマー及びその製造方法Info
- Publication number
- JPH0543612A JPH0543612A JP23242691A JP23242691A JPH0543612A JP H0543612 A JPH0543612 A JP H0543612A JP 23242691 A JP23242691 A JP 23242691A JP 23242691 A JP23242691 A JP 23242691A JP H0543612 A JPH0543612 A JP H0543612A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- macromonomer
- polymer
- molecule
- compound
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
- Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 紫外線、電子線の照射で容易に重合しうるラ
ジカル重合性のマクロモノマーとその製造方法を提供す
る。 【構成】 で表されるマクロモノマー(但し、式中R1,R2はH
またはC1〜5のアルキル基、Zはラジカル重合性単量
体単位からなる数平均分子量が1,000〜50,00
0の重合体である)。
ジカル重合性のマクロモノマーとその製造方法を提供す
る。 【構成】 で表されるマクロモノマー(但し、式中R1,R2はH
またはC1〜5のアルキル基、Zはラジカル重合性単量
体単位からなる数平均分子量が1,000〜50,00
0の重合体である)。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、紫外線や電子線で容
易に重合しうるラジカル重合性の良好な新規マクロモノ
マー及びその製造方法に関するものである。
易に重合しうるラジカル重合性の良好な新規マクロモノ
マー及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】分子の片末端に重合性基を持つマクロモ
ノマーは、構造が明確に制御された機能性グラフトポリ
マーを製造できることから、該マクロモノマー自体の製
造方法をはじめとして、その応用に関しても広範囲な分
野で検討されている。
ノマーは、構造が明確に制御された機能性グラフトポリ
マーを製造できることから、該マクロモノマー自体の製
造方法をはじめとして、その応用に関しても広範囲な分
野で検討されている。
【0003】マクロモノマーの製造については、例え
ば、平成1年9月20日、アイピーシー出版局発行の山
下雄也編著:「マクロモノマーの化学と工業」の「第2
章マクロモノマーの合成(39〜77頁)」を始めとし
て多くの方法が既に提案されている。
ば、平成1年9月20日、アイピーシー出版局発行の山
下雄也編著:「マクロモノマーの化学と工業」の「第2
章マクロモノマーの合成(39〜77頁)」を始めとし
て多くの方法が既に提案されている。
【0004】かゝるマクロモノマーを構成している分子
の片末端の重合性基としては、従来からアクリロイル
基、メタクリロイル基、スチリル基、ビニルベンジル
基、アリル基、ビニルシリル基、ビニルエーテル基、ジ
シクロペンタジエニル基、イソプロペニルフェニル基、
5−ノルボルネン2−イル基などが知られている。
の片末端の重合性基としては、従来からアクリロイル
基、メタクリロイル基、スチリル基、ビニルベンジル
基、アリル基、ビニルシリル基、ビニルエーテル基、ジ
シクロペンタジエニル基、イソプロペニルフェニル基、
5−ノルボルネン2−イル基などが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これらの重合性基のう
ち、アリル基、ビニルシリル基、ビニルエーテル基、ジ
シクロペンタジエニル基、イソプロペニルフェニル基、
5−ノルボルネン2−イル基などは一般にその他の不飽
和基に比べると、ラジカル重合性に劣る。したがって、
かゝる重合性基を片末端に持つマクロモノマーは、ラジ
カル重合法によって単独重合させる場合や、他の低分子
量モノマーと共重合させる場合には、マクロモノマーが
未反応のまゝ残存し易い。
ち、アリル基、ビニルシリル基、ビニルエーテル基、ジ
シクロペンタジエニル基、イソプロペニルフェニル基、
5−ノルボルネン2−イル基などは一般にその他の不飽
和基に比べると、ラジカル重合性に劣る。したがって、
かゝる重合性基を片末端に持つマクロモノマーは、ラジ
カル重合法によって単独重合させる場合や、他の低分子
量モノマーと共重合させる場合には、マクロモノマーが
未反応のまゝ残存し易い。
【0006】一方、アクリロイル基、メタクリロイル
基、スチリル基あるいはビニルベンジル基などの不飽和
基は、上記アリル基などの不飽和基に比べるとラジカル
重合性が良好であるため、これらの重合性基を有するマ
クロモノマーは、通常のラジカル重合開始剤を用いたラ
ジカル重合用マクロモノマーとして工業的にも多く使用
されている。
基、スチリル基あるいはビニルベンジル基などの不飽和
基は、上記アリル基などの不飽和基に比べるとラジカル
重合性が良好であるため、これらの重合性基を有するマ
クロモノマーは、通常のラジカル重合開始剤を用いたラ
ジカル重合用マクロモノマーとして工業的にも多く使用
されている。
【0007】前記の重合性基中、スチリル基あるいはビ
ニルベンジル基は、紫外線や電子線によるラジカル重合
性が低いため、これら重合性基を持つマクロモノマーを
紫外線や電子線で重合させるには好ましくない。これに
対し、アクリロイル基やメタクリロイル基、特にアクリ
ロイル基は、紫外線や電子線による重合性が良好であ
る。
ニルベンジル基は、紫外線や電子線によるラジカル重合
性が低いため、これら重合性基を持つマクロモノマーを
紫外線や電子線で重合させるには好ましくない。これに
対し、アクリロイル基やメタクリロイル基、特にアクリ
ロイル基は、紫外線や電子線による重合性が良好であ
る。
【0008】しかしながら、高速硬化という点では、ア
クリロイル基にも限界があり、より高速硬化性を高める
ためには、光増感剤の使用量を増したり、紫外線あるい
は電子線のパワー高める方法を採用せざるを得ないのが
現状であるが、光増感剤の増量や紫外線あるいは電子線
のパワー高める方法を採用すると、硬化物の着色が著し
くなったり、高エネルギーの使用により硬化物に気泡が
発生し易い。また、マクロモノマーに併用する低分子の
モノマーやオリゴマーが揮発して照射源や装置を汚染す
るなどのトラブルが生じるため、温和な条件下でも高速
硬化が可能なマクロモノマーの出現が要望されている。
クリロイル基にも限界があり、より高速硬化性を高める
ためには、光増感剤の使用量を増したり、紫外線あるい
は電子線のパワー高める方法を採用せざるを得ないのが
現状であるが、光増感剤の増量や紫外線あるいは電子線
のパワー高める方法を採用すると、硬化物の着色が著し
くなったり、高エネルギーの使用により硬化物に気泡が
発生し易い。また、マクロモノマーに併用する低分子の
モノマーやオリゴマーが揮発して照射源や装置を汚染す
るなどのトラブルが生じるため、温和な条件下でも高速
硬化が可能なマクロモノマーの出現が要望されている。
【0009】この発明の発明者等は、前記の問題点を解
決するために鋭意検討した結果、紫外線や電子線の照射
によってもトラブルの生ずることのないこの発明のマク
ロモノマー及びその製造方法を完成するに至った。
決するために鋭意検討した結果、紫外線や電子線の照射
によってもトラブルの生ずることのないこの発明のマク
ロモノマー及びその製造方法を完成するに至った。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明のマクロモノマ
ーは、下記の化1で表される。(但し、R1,R2はH
またはC1〜5のアルキル基、Zはラジカル重合性単量
体単位からなる数平均分子量が1,000〜50,00
0の重合体)
ーは、下記の化1で表される。(但し、R1,R2はH
またはC1〜5のアルキル基、Zはラジカル重合性単量
体単位からなる数平均分子量が1,000〜50,00
0の重合体)
【0011】
【化1】
【0012】一方、この発明のマクロモノマーの製造方
法は、前記のマクロモノマーの製造において、化2の化
合物(但し、R1、R2はHまたはC1〜5のアルキル
基)と、カルボキシル基、アミノ基またはフェノール性
水酸基から選ばれた1種の官能基を有する重合体とを反
応させることを特徴とするものである。
法は、前記のマクロモノマーの製造において、化2の化
合物(但し、R1、R2はHまたはC1〜5のアルキル
基)と、カルボキシル基、アミノ基またはフェノール性
水酸基から選ばれた1種の官能基を有する重合体とを反
応させることを特徴とするものである。
【0013】
【化2】
【0014】以下、この発明のマクロモノマーとその製
造方法について詳細に説明する。この発明のマクロモノ
マーは、分子の片末端に特定構造のアクリルアミドから
なる重合性基を持つもので、具体的には、前記化1の式
で示される構造の重合性基を有する化合物である。
造方法について詳細に説明する。この発明のマクロモノ
マーは、分子の片末端に特定構造のアクリルアミドから
なる重合性基を持つもので、具体的には、前記化1の式
で示される構造の重合性基を有する化合物である。
【0015】前記マクロモノマーの重合体部分Zは、ラ
ジカル重合性単量体単位からなり、ゲルパーミェーショ
ンクロマトグラフィーによって測定されたポリスチレン
換算の数平均分子量が1,000〜50,000の重合
体であり、好ましくは数平均分子量が1,000〜2
0,000の重合体である。数平均分子量が50,00
0を超える重合体は、前記化2の式の化合物との反応性
に劣る。
ジカル重合性単量体単位からなり、ゲルパーミェーショ
ンクロマトグラフィーによって測定されたポリスチレン
換算の数平均分子量が1,000〜50,000の重合
体であり、好ましくは数平均分子量が1,000〜2
0,000の重合体である。数平均分子量が50,00
0を超える重合体は、前記化2の式の化合物との反応性
に劣る。
【0016】前記の重合体を構成する単量体には、例え
ば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エ
チル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸
イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)
アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ス
テアリル、(メタ)アクリル酸ベヘニル、(メタ)アク
リル酸シクロヘキシルなどの(メタ)アクリル酸アルキ
ル類、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メ
タ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピルなどのOH基含
有(メタ)アクリレート類、スチレン、メチルスチレン
などのスチレン系単量体、(メタ)アクリロニトリル、
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル
類、パーフルオロアルキルアクリレート、ポリエチレン
グリコールモノ(メタ)アクリレートなどのラジカル重
合性単量体があり、これらラジカル重合性単量体は、単
独または2種以上を併用することができる。
ば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エ
チル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸
イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)
アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ス
テアリル、(メタ)アクリル酸ベヘニル、(メタ)アク
リル酸シクロヘキシルなどの(メタ)アクリル酸アルキ
ル類、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メ
タ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピルなどのOH基含
有(メタ)アクリレート類、スチレン、メチルスチレン
などのスチレン系単量体、(メタ)アクリロニトリル、
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル
類、パーフルオロアルキルアクリレート、ポリエチレン
グリコールモノ(メタ)アクリレートなどのラジカル重
合性単量体があり、これらラジカル重合性単量体は、単
独または2種以上を併用することができる。
【0017】この発明のマクロモノマーは、前記化2の
式で示される化合物と、分子の片末端にカルボキシル
基、アミノ基またはフェノール性水酸基から選ばれた1
種の官能基を有する重合体、好ましくはカルボキシル基
を有する重合体とを反応させることによって得ることが
できる。
式で示される化合物と、分子の片末端にカルボキシル
基、アミノ基またはフェノール性水酸基から選ばれた1
種の官能基を有する重合体、好ましくはカルボキシル基
を有する重合体とを反応させることによって得ることが
できる。
【0018】この発明のマクロモノマーは、具体的に
は、下記のような方法により製造することができる。ま
ず、チオグリコール酸、メルカプトプロピオン酸、チオ
サリチル酸、アミノエタンチオール、O−メルカプトフ
ェノールなどのカルボキシル基、アミノ基、フェノール
性水酸基を有する連鎖移動剤の存在下に、前記のラジカ
ル重合性単量体を有機溶剤中でラジカル重合させて、分
子の片末端にカルボキシル基、アミノ基、フェノール性
水酸基を有する重合体を得る。
は、下記のような方法により製造することができる。ま
ず、チオグリコール酸、メルカプトプロピオン酸、チオ
サリチル酸、アミノエタンチオール、O−メルカプトフ
ェノールなどのカルボキシル基、アミノ基、フェノール
性水酸基を有する連鎖移動剤の存在下に、前記のラジカ
ル重合性単量体を有機溶剤中でラジカル重合させて、分
子の片末端にカルボキシル基、アミノ基、フェノール性
水酸基を有する重合体を得る。
【0019】つぎに、この重合体と前記化2の構造を持
つ化合物とを反応させ、分子の片末端にアクリルアミド
基を持つマクロモノマーを得ることができる。この反応
は、触媒として4級アンモニウム塩を使用して温度50
℃以上、好ましくは80〜95℃で、有機溶媒中で行う
ことが好ましい。反応温度が50℃未満であると、反応
速度が遅い。
つ化合物とを反応させ、分子の片末端にアクリルアミド
基を持つマクロモノマーを得ることができる。この反応
は、触媒として4級アンモニウム塩を使用して温度50
℃以上、好ましくは80〜95℃で、有機溶媒中で行う
ことが好ましい。反応温度が50℃未満であると、反応
速度が遅い。
【0020】また、4,4−アゾビスシアノバレリック
酸やコハク酸パーオキシドなどのカルボキシル基含有ラ
ジカル重合開始剤、あるいは2,2−アゾビス(2−メ
チルプロピオンアミジン)などのアミノ基含有アゾアミ
ジン系ラジカル重合開始剤を使用して前記のラジカル重
合性単量体を重合し、分子の片末端にカルボキシル基、
アミノ基またはフェノール性水酸基を有する重合体を
得、得た重合体と化2の構造を持つ化合物とを反応させ
ることによっても分子の片末端にアクリルアミド基を持
つマクロモノマーを得ることができる。
酸やコハク酸パーオキシドなどのカルボキシル基含有ラ
ジカル重合開始剤、あるいは2,2−アゾビス(2−メ
チルプロピオンアミジン)などのアミノ基含有アゾアミ
ジン系ラジカル重合開始剤を使用して前記のラジカル重
合性単量体を重合し、分子の片末端にカルボキシル基、
アミノ基またはフェノール性水酸基を有する重合体を
得、得た重合体と化2の構造を持つ化合物とを反応させ
ることによっても分子の片末端にアクリルアミド基を持
つマクロモノマーを得ることができる。
【0021】化2で示されるマクロモノマー化剤は、例
えば、下記の化3の反応(但し、反応式中のR1,R2
はHまたはC1〜5のアルキル基)によって合成するこ
とができる。また、既存の合成品を使用することもでき
るが、これらのうち、特にR1、R2が共にメチル基で
ある化合物は市販されているのでこれを使用することも
可能である。
えば、下記の化3の反応(但し、反応式中のR1,R2
はHまたはC1〜5のアルキル基)によって合成するこ
とができる。また、既存の合成品を使用することもでき
るが、これらのうち、特にR1、R2が共にメチル基で
ある化合物は市販されているのでこれを使用することも
可能である。
【0022】
【化3】
【0023】この発明のマクロモノマーは、単独で重合
させることも可能であるが、他の単量体あるいはラジカ
ル重合性オリゴマーと共重合させて、グラフト共重合体
を得ることも可能である。
させることも可能であるが、他の単量体あるいはラジカ
ル重合性オリゴマーと共重合させて、グラフト共重合体
を得ることも可能である。
【0024】
【作用】この発明のマクロモノマーは、分子の片末端に
特定の構造のアクリルアミドからなる重合性基を有する
もので、ラジカル重合性に優れ、分子の片末端に(メ
タ)アクリロイル基やスチリル基などを有するマクロモ
ノマーに比べても、紫外線や電子線の照射において特に
高い重合活性を発揮する。
特定の構造のアクリルアミドからなる重合性基を有する
もので、ラジカル重合性に優れ、分子の片末端に(メ
タ)アクリロイル基やスチリル基などを有するマクロモ
ノマーに比べても、紫外線や電子線の照射において特に
高い重合活性を発揮する。
【0025】この発明のマクロモノマーの製造方法は、
特定構造の化合物、すなわち、分子内に1個のアクリル
アミド基とエポキシ基とを有する化合物と、前記エポキ
シ基とは反応するが、アクリルアミド基とは反応しない
基を片末端に持つ化合物、すなわち、片末端にカルボキ
シル基、アミノ基またはフェノール性水酸基から選ばれ
た1種の官能基を有する重合体とを反応させることによ
って、マクロモノマーを簡単かつ容易に製造することが
できる。
特定構造の化合物、すなわち、分子内に1個のアクリル
アミド基とエポキシ基とを有する化合物と、前記エポキ
シ基とは反応するが、アクリルアミド基とは反応しない
基を片末端に持つ化合物、すなわち、片末端にカルボキ
シル基、アミノ基またはフェノール性水酸基から選ばれ
た1種の官能基を有する重合体とを反応させることによ
って、マクロモノマーを簡単かつ容易に製造することが
できる。
【0026】
【実施例】以下、実施例及び参考例を示してこの発明を
より具体的に説明するが、これらの中で「部」とあるの
は「重量部」を示したものである。
より具体的に説明するが、これらの中で「部」とあるの
は「重量部」を示したものである。
【0027】実施例1 撹拌機、還流冷却器、滴下ロート、温度計および窒素ガ
ス吹き込み口を備えたガラスフラスコに、メタクリル酸
メチル30部、メルカプト酢酸10部およびトルエン3
0部を仕込み、滴下ロートにはメタクリル酸メチル70
部、トルエン30部およびアゾビスイソブチロニトリル
(以下AIBNと略記する)0.15部からなる溶液を
仕込んだ。ガラスフラスコの中に窒素ガスを吹き込みな
がら、溶液の温度を90℃にして滴下ロートの溶液を3
時間かけて滴下した。ついで、ガラスフラスコの中に窒
素ガスを吹き込みながら、溶液の温度を90℃にしてト
ルエン40部、AIBN0.8部からなる溶液を滴下ロ
ートで1.5時間かけて滴下し、その後さらに2時間反
応を継続させて重合を完結させた。得られた重合体は、
ゲルパーミェーションクロマトグラフィー(以下「GP
C法」という)によるポリスチレン換算の数平均分子量
が1,300で、重量平均分子量が2,000であっ
た。前記重合体溶液に、重合禁止剤のハイドロキノンモ
ノメチルエーテル200ppmを添加し、ついで、4級
アンモニウム塩を触媒とし、得られた重合体の酸価値の
1.1倍当量のN−〔4−(2,3−エポキシプロポキ
シ)−3,5−ジメチルベンジル〕アクリルアミドを前
記重合体溶液に加えて、温度90℃で6時間維持して重
合体末端のカルボキシル基と反応させた。酸価の減少か
ら求めた反応率は98%であった。以上の操作によっ
て、分子の片末端に前記特定構造のアクリルアミドを有
するポリメチルメタクリレート、すなわち、マクロモノ
マーを得、さらに、該マクロモノマーの一部をメタノー
ルと水の混合溶液に沈澱させ再沈精製を行った。
ス吹き込み口を備えたガラスフラスコに、メタクリル酸
メチル30部、メルカプト酢酸10部およびトルエン3
0部を仕込み、滴下ロートにはメタクリル酸メチル70
部、トルエン30部およびアゾビスイソブチロニトリル
(以下AIBNと略記する)0.15部からなる溶液を
仕込んだ。ガラスフラスコの中に窒素ガスを吹き込みな
がら、溶液の温度を90℃にして滴下ロートの溶液を3
時間かけて滴下した。ついで、ガラスフラスコの中に窒
素ガスを吹き込みながら、溶液の温度を90℃にしてト
ルエン40部、AIBN0.8部からなる溶液を滴下ロ
ートで1.5時間かけて滴下し、その後さらに2時間反
応を継続させて重合を完結させた。得られた重合体は、
ゲルパーミェーションクロマトグラフィー(以下「GP
C法」という)によるポリスチレン換算の数平均分子量
が1,300で、重量平均分子量が2,000であっ
た。前記重合体溶液に、重合禁止剤のハイドロキノンモ
ノメチルエーテル200ppmを添加し、ついで、4級
アンモニウム塩を触媒とし、得られた重合体の酸価値の
1.1倍当量のN−〔4−(2,3−エポキシプロポキ
シ)−3,5−ジメチルベンジル〕アクリルアミドを前
記重合体溶液に加えて、温度90℃で6時間維持して重
合体末端のカルボキシル基と反応させた。酸価の減少か
ら求めた反応率は98%であった。以上の操作によっ
て、分子の片末端に前記特定構造のアクリルアミドを有
するポリメチルメタクリレート、すなわち、マクロモノ
マーを得、さらに、該マクロモノマーの一部をメタノー
ルと水の混合溶液に沈澱させ再沈精製を行った。
【0028】精製したマクロモノマーを核磁気共鳴スペ
クトル及び赤外線吸収スペクトルにより片末端にアクリ
ルアミド基が導入されたことを確認した。核磁気共鳴ス
ペクトルを図1に示し、その測定条件と各シグナルの帰
属結果を下記に示す。また、赤外線吸収スペクトルを図
2に示す。
クトル及び赤外線吸収スペクトルにより片末端にアクリ
ルアミド基が導入されたことを確認した。核磁気共鳴ス
ペクトルを図1に示し、その測定条件と各シグナルの帰
属結果を下記に示す。また、赤外線吸収スペクトルを図
2に示す。
【0029】なお、図2の赤外線吸収スペクトルは、株
式会社日立製作所製270−30型を使用して、KBr
法によって測定したものである。 核磁気共鳴スペクトル(日本電子株式会社製FX−10
0) 溶媒 CDCL3 リファレンス TMS(テトラメチルシラン) 濃度 5% 測定温度 25℃ δ(ppm);0.60〜1.20 1.60〜2.20(5nH −CH2C(CH3)
−) 2.28(6H Ph−CH3) 3.60(3H −OCH3) 4.20(2H −NCH2−) 5.65(1H C=C−H) 6.20(2H H2C=C−) 6.30(1H H−N) 7.08(2H Ph−H)
式会社日立製作所製270−30型を使用して、KBr
法によって測定したものである。 核磁気共鳴スペクトル(日本電子株式会社製FX−10
0) 溶媒 CDCL3 リファレンス TMS(テトラメチルシラン) 濃度 5% 測定温度 25℃ δ(ppm);0.60〜1.20 1.60〜2.20(5nH −CH2C(CH3)
−) 2.28(6H Ph−CH3) 3.60(3H −OCH3) 4.20(2H −NCH2−) 5.65(1H C=C−H) 6.20(2H H2C=C−) 6.30(1H H−N) 7.08(2H Ph−H)
【0030】実施例2 ガラスフラスコにスチレン9部、メタクリル酸n−ブチ
ル15部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル6部、メ
ルカプト酢酸3部およびトルエン30部を仕込み、滴下
ロートにはスチレン21部、メタクリル酸n−ブチル3
5部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル14部、メル
カプト酢酸7部、トルエン30部およびAIBN0.1
5部を入れた以外は実施例1と同様にして重合を行い、
末端にカルボキシル基を有する重合体溶液を得た。得ら
れた重合体のGPC法によるポリスチレン換算の数平均
分子量は1,300で、重量平均分子量が2,240で
あった。ついで、実施例1と同様にして重合禁止剤、触
媒およびN−〔4−(2,3−エポキシプロポキシ)−
3,5−ジメチルベンジル〕アクリルアミドによる反応
を温度90℃で10時間実施した。この反応の酸価の減
少から求めた反応率は99%であった。以上の操作によ
って、分子の片末端に前記特定構造のアクリルアミドを
有するポリメチルメタクリレート(マクロモノマー)を
得た。
ル15部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル6部、メ
ルカプト酢酸3部およびトルエン30部を仕込み、滴下
ロートにはスチレン21部、メタクリル酸n−ブチル3
5部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル14部、メル
カプト酢酸7部、トルエン30部およびAIBN0.1
5部を入れた以外は実施例1と同様にして重合を行い、
末端にカルボキシル基を有する重合体溶液を得た。得ら
れた重合体のGPC法によるポリスチレン換算の数平均
分子量は1,300で、重量平均分子量が2,240で
あった。ついで、実施例1と同様にして重合禁止剤、触
媒およびN−〔4−(2,3−エポキシプロポキシ)−
3,5−ジメチルベンジル〕アクリルアミドによる反応
を温度90℃で10時間実施した。この反応の酸価の減
少から求めた反応率は99%であった。以上の操作によ
って、分子の片末端に前記特定構造のアクリルアミドを
有するポリメチルメタクリレート(マクロモノマー)を
得た。
【0031】実施例3 ガラスフラスコにメタクリル酸イソブチル30部、メル
カプト酢酸1.8部およびトルエン30部を仕込み、滴
下ロートにはメタクリル酸イソブチル70部、トルエン
30部およびAIBN0.15部を入れた以外は実施例
1と同様にして重合を行い、末端にカルボキシル基を有
する重合体溶液を得た。該重合体の数平均分子量は4,
780であった。ついで、実施例1と同様にして重合禁
止剤、触媒およびN−〔4−(2,3−エポキシプロポ
キシ)−3,5−ジメチルベンジル〕アクリルアミドに
よる反応を温度90℃で10時間実施した。この反応の
酸価の減少から求めた反応率は98%であった。以上の
操作によって、分子の片末端に前記特定の構造のアクリ
ルアミドを有するポリイソブチルメタクリレートを得
た。
カプト酢酸1.8部およびトルエン30部を仕込み、滴
下ロートにはメタクリル酸イソブチル70部、トルエン
30部およびAIBN0.15部を入れた以外は実施例
1と同様にして重合を行い、末端にカルボキシル基を有
する重合体溶液を得た。該重合体の数平均分子量は4,
780であった。ついで、実施例1と同様にして重合禁
止剤、触媒およびN−〔4−(2,3−エポキシプロポ
キシ)−3,5−ジメチルベンジル〕アクリルアミドに
よる反応を温度90℃で10時間実施した。この反応の
酸価の減少から求めた反応率は98%であった。以上の
操作によって、分子の片末端に前記特定の構造のアクリ
ルアミドを有するポリイソブチルメタクリレートを得
た。
【0032】参考例1 実施例3で得られたマクロモノマーを単独に、またはフ
ェノール−エチレンオキサイド変性単官能アクリレート
(アロニックスM−101;東亞合成化学工業株式会社
製)とUV硬化を行った。すなわち、前記のマクロモノ
マー溶液10g、光開始剤としてベンジルジメチルケタ
ール0.1gおよびメチルエチルケトン5gの混合溶液
をアルミニウム板に製膜し、集光型ランプ(80W/c
m)を用いて365nmの波長の光で560ミリジュー
ル/cm2のエネルギーを照射してUV硬化させた。具
体的には、ランプから10cmの距離を隔てた5m/分
の速度で移動するベルト上に試験片を載せ、試験片がラ
ンプの下を合計5回通過するようにした。得られた硬化
重合体は、GPC法によるポリスチレン換算の重量平均
分子量で21,100であった。また、前記のマクロモ
ノマー溶液7g、アロニックスM−101の1.5g、
ベンジルジメチルケタール0.1gおよびメチルエチル
ケトン1.5gの混合溶液を用い、上記と同様にしてU
V硬化させたところ、重量平均分子量が428,000
の重合体が得られた。
ェノール−エチレンオキサイド変性単官能アクリレート
(アロニックスM−101;東亞合成化学工業株式会社
製)とUV硬化を行った。すなわち、前記のマクロモノ
マー溶液10g、光開始剤としてベンジルジメチルケタ
ール0.1gおよびメチルエチルケトン5gの混合溶液
をアルミニウム板に製膜し、集光型ランプ(80W/c
m)を用いて365nmの波長の光で560ミリジュー
ル/cm2のエネルギーを照射してUV硬化させた。具
体的には、ランプから10cmの距離を隔てた5m/分
の速度で移動するベルト上に試験片を載せ、試験片がラ
ンプの下を合計5回通過するようにした。得られた硬化
重合体は、GPC法によるポリスチレン換算の重量平均
分子量で21,100であった。また、前記のマクロモ
ノマー溶液7g、アロニックスM−101の1.5g、
ベンジルジメチルケタール0.1gおよびメチルエチル
ケトン1.5gの混合溶液を用い、上記と同様にしてU
V硬化させたところ、重量平均分子量が428,000
の重合体が得られた。
【0033】
【発明の効果】この発明のマクロモノマーは、分子の片
末端に特定の構造のアクリルアミドからなる重合性基を
有するもので、紫外線や電子線の照射によって充分な重
合性能を発揮することができなかった従来のマクロモノ
マーと比較して、通常のラジカル重合開始剤によるラジ
カル重合はもとより、紫外線や電子線の照射によって単
独重合による高分岐状ポリマーや、他のビニル単量体や
ラジカル重合性オリゴマーとの共重合によるグラフトポ
リマーを効率よく、しかも容易に製造することができ、
組成、構造、分子量等が高度に制御された塗料、コーテ
ィング剤、接着剤あるいは成形材料などの高機能化に利
用できるものである。
末端に特定の構造のアクリルアミドからなる重合性基を
有するもので、紫外線や電子線の照射によって充分な重
合性能を発揮することができなかった従来のマクロモノ
マーと比較して、通常のラジカル重合開始剤によるラジ
カル重合はもとより、紫外線や電子線の照射によって単
独重合による高分岐状ポリマーや、他のビニル単量体や
ラジカル重合性オリゴマーとの共重合によるグラフトポ
リマーを効率よく、しかも容易に製造することができ、
組成、構造、分子量等が高度に制御された塗料、コーテ
ィング剤、接着剤あるいは成形材料などの高機能化に利
用できるものである。
【0034】この発明のマクロモノマーの製造方法は、
分子内にアクリルアミド基と、エポキシ基とを有する特
定構造の化合物と、片末端にカルボキシル基、アミノ
基、フェノール性水酸基から選ばれた官能基を有する重
合体との反応によって、簡単な工程で容易に、前記の優
れたマクロモノマーを得ることができるものである。
分子内にアクリルアミド基と、エポキシ基とを有する特
定構造の化合物と、片末端にカルボキシル基、アミノ
基、フェノール性水酸基から選ばれた官能基を有する重
合体との反応によって、簡単な工程で容易に、前記の優
れたマクロモノマーを得ることができるものである。
【図1】実施例1により得られたマクロモノマーの核磁
気共鳴スペクトルである。
気共鳴スペクトルである。
【図2】実施例1により得られたマクロモノマーの赤外
線吸収スペクトルである。
線吸収スペクトルである。
Claims (2)
- 【請求項1】 下記の化1(但し、R1,R2はHまた
はC1〜5のアルキル基、Zはラジカル重合性単量体単
位からなる数平均分子量が1,000〜50,000の
重合体)で表されるマクロモノマー。 【化1】 - 【請求項2】 請求項1記載のマクロモノマーの製造に
おいて、化2の化合物(但し、R1、R2はHまたはC
1〜5のアルキル基)と、カルボキシル基、アミノ基ま
たはフェノール性水酸基から選ばれた1種の官能基を有
する重合体とを反応させることを特徴とするマクロモノ
マーの製造方法。 【化2】
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23242691A JPH0543612A (ja) | 1991-08-21 | 1991-08-21 | マクロモノマー及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23242691A JPH0543612A (ja) | 1991-08-21 | 1991-08-21 | マクロモノマー及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0543612A true JPH0543612A (ja) | 1993-02-23 |
Family
ID=16939085
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23242691A Pending JPH0543612A (ja) | 1991-08-21 | 1991-08-21 | マクロモノマー及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0543612A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007094270A1 (ja) * | 2006-02-14 | 2007-08-23 | Kaneka Corporation | 極性官能基を有するビニル系重合体とその製造方法 |
-
1991
- 1991-08-21 JP JP23242691A patent/JPH0543612A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007094270A1 (ja) * | 2006-02-14 | 2007-08-23 | Kaneka Corporation | 極性官能基を有するビニル系重合体とその製造方法 |
JPWO2007094270A1 (ja) * | 2006-02-14 | 2009-07-09 | 株式会社カネカ | 極性官能基を有するビニル系重合体とその製造方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2873482B2 (ja) | 光架橋性樹脂組成物 | |
JP2020100852A (ja) | ブロックポリマ | |
EP1043313B1 (en) | Actinic radiation-curable acrylate compositions | |
US7763688B2 (en) | Soluble polymers comprising unsaturation and process for preparation thereof | |
JP4038600B2 (ja) | ヒドロキシアルキルフェノン誘導体及びその用途 | |
JP3721617B2 (ja) | ラジカル重合性マクロモノマー | |
JPH01319504A (ja) | 光開始剤としての共重合体 | |
US5274063A (en) | Vinyl polymer having (meth)acryloyl groups on the side chains and method for preparing same | |
JP3443970B2 (ja) | 光重合性樹脂組成物 | |
JPH0543612A (ja) | マクロモノマー及びその製造方法 | |
JP3087871B2 (ja) | 多分岐構造を有するマクロモノマーの製造方法 | |
JP2796883B2 (ja) | 溶液型塗料 | |
JP2019023319A (ja) | ブロックポリマ及びその製造方法 | |
JPH0617420B2 (ja) | ビニル樹脂エマルション | |
JP2949631B2 (ja) | グラフト共重合体の製造法 | |
JPH0253803A (ja) | スチレン系ミクロゲルの製造方法、塗膜性能向上剤.レオロジーコントロール剤及び熱可塑性樹脂の改質剤 | |
JPH01254719A (ja) | ポリシロキサン基含有重合体 | |
JP3087793B2 (ja) | マクロモノマー及びその製造方法 | |
JP2739180B2 (ja) | アクリレート系硬化性組成物 | |
JPS62513A (ja) | 光硬化性樹脂組成物 | |
JPH05295015A (ja) | マクロモノマーの製造方法 | |
JPH04252214A (ja) | (メタ)アクリロイル基を側鎖に有するビニル重合体 | |
JPH0423659B2 (ja) | ||
JPS6050368B2 (ja) | 光硬化性ヒドロゾル | |
JP3268829B2 (ja) | 感光性樹脂組成物 |