JPH0543468Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案はチツプ状電子部品の整列装置に関し、
詳しくは、リードレスタイプの電子部品を磁石上
に吸着して整列させて順次移動させる装置に関す
るものである。

従来の技術 近年、電子回路装置の高密度実装化に伴い、抵
抗やダイオード等の電子部品は小型化される傾向
にある。この種の小型化されたチツプ状電子部品
（以下、単にチツプ部品と称す）としてリードレ
スタイプのダイオードの具体例を第４図を参照し
ながら説明する。同図に於いて１は円筒状のガラ
ス管、２，２はこのガラス管１の両端に嵌合する
スラグ電極で、その材質は鉄ニツケル合金等の強
磁性体の金属材を用いその表面に銅を被覆してい
る。また、上記スラグ電極２，２はガラス管１に
内嵌する小径のスラグ部２ａ，２ａと、このスラ
グ部２ａ，２ａの端面に形成された、外径がガラ
ス管１より若干大径のフランジ部２ｂ，２ｂとか
ら成り、このフランジ部２ｂ，２ｂの端面とガラ
ス管１の端面との間には隙間が形成される。３は
上記スラグ部２ａ，２ａの端面間に挟持された半
導体ペレツトである。

上述するようなリードレスタイプのダイオード
４等のチツプ部品を整列状態で後工程に送り出す
装置として、ボウル内周方向を振動を加えてボウ
ル内のチツプ部品を移動させるパーツフイーダが
多用されている。この種パーツフイーダ５は第５
図に示すように、上方に向かつて断面積が増大す
る逆円錐状のボウル６の器壁内面に螺旋状のワー
ク搬送経路７を形成し、上記ボウル６に振動発生
装置（図示せず）によつて内周方向の振動を与
え、上記ワーク搬送経路７上のチツプ部品４を移
動させるものである。このように、整列して搬送
されるチツプ部品４は、ボウル６上端に設けられ
た排出口からシユート８により後続工程に送出さ
れる。

考案が解決しようとする問題点 ところで、上述するようなパーツフイーダ５で
は、ボウル６を振動させながらチツプ部品を整列
搬送させるので、チツプ部品同士、及びチツプ部
品と器壁内面とが振動しながら激しく接触する。
このために、チツプ部品の表面が摩耗する等し
て、品質を著しく低下させていた。また、上記パ
ーツフイーダ５では、振動や接触等により騒音も
大きく、チツプ部品を整列した状態で安定して移
動させるために装置自体が複雑化すると共に、ボ
ウル６内の残留したチツプ部品のチエツクが容易
でない等の問題点があつた。

問題点を解決するための手段 本願は、両端に強磁性体の電極を有する複数個
のチツプ状電子部品及びこの部品の長さ寸法が磁
極間の厚み寸法が略等しい磁石を具備し、この磁
石上に配置した上記チツプ状電子部品を磁気的に
吸着して一定間隔に整列させ、整列した複数のチ
ツプ状電子部品の一方端から新たなチツプ状電子
部品を前記磁石上に供給することにより、磁化さ
れた電極相互の反発力によつて、整列したチツプ
状電子部品を他方端に向かつて移動させることを
特徴とするチツプ状電子部品の整列移動装置を提
供するものである。ここで電子部品の強制移動
は、部品供給側の端部から新しい部品を磁石上に
押し込むことにより、磁石上で整列した電子部品
を順次送り出すこととなる。

作 用 本考案に係るチツプ状電子部品の整列移動装置
では、供給されるチツプ部品は磁界の方向と一致
する定方向で磁石上に吸着され、しかも吸着され
たチツプ部品の電極は磁気誘導により磁化される
ので、各チツプ部品は磁石上に一定間隔を保つて
整列した状態で吸着される。また、搬送時には磁
化された電極の反発力によりチツプ部品を順次移
動させることができる。

実施例 本考案に係るチツプ状電子部品の整列移動装置
の一実施例を第１図及び第３図を参照しながら説
明する。但し、第４図と同一部分には同一参照符
号を付して、重複説明は省略する。４，４……は
強磁性体の電極２，２を両端に有する円柱状のチ
ツプ部品で、例えばリードレスタイプのダイオー
ド、１０はこのダイオード４，４……の長さ寸法
l₁と磁極間の厚み寸法l₂とが略同寸法（l₁≒l₂）の
磁石で、例えば永久磁石のアルニコ磁石である。
この磁石１０の磁極は、第２図の横断面図に示す
ように図中左端をＮ極、図中右端をＳ極とするの
で、磁界の方向は同図の矢印線で示すＮ極から始
まつてＳ極で終わるような磁力線１０ａ，１０ａ
……で示される。従つて、上記磁石１０上にダイ
オード４を供給すると、このダイオード４は、そ
の長手方向が磁界の方向（即ち、磁石１０の厚さ
方向）と一致する方向で吸着される。このように
吸着されたダイオード４は、その電極２，２が磁
気誘導により磁化されるため、供給されるダイオ
ード４，４……連は一定の間隔を保つて磁石１０
上に整列した状態で吸着される。この状態のダイ
オード４，４……を移動させるためには、例えば
第３図に示すように図中右端からダイオード４を
供給することにより、その前方の各ダイオード
４，４……は互いの反発力によつて一定の間隔を
保つた状態で図中左方へ移動する。

尚、上記実施例では、リードレスタイプのダイ
オードに適用した場合について記載したが、本考
案では上記ダイオードに限定されず、その形状も
円柱状に限らない。また、チツプ部品の搬送経路
も直線状に限定されず、曲線状でもかまわない。

考案の効果 本考案に係るチツプ状電子部品の整列移動装置
によれば、磁石上に一定の間隔を保つてチツプ部
品を整列した状態で吸着し、磁化された電極の反
発力によつてチツプ部品を容易に移動させるよう
にしたから、チツプ部品同士の接触等による騒音
が殆ど発生せず、摩耗によるチツプ部品の品質劣
化を招くことは皆無となると共に、残留したチツ
プ部品のチエツクは一目瞭然となる。しかも極め
て簡易な構成で上記目的を達成できる実用価値の
高い装置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るチツプ状電子部品の整列
移動装置の部分斜視図、第２図は上記整列移動装
置の横断面図、第３図は整列移動装置の平面図、
第４図はリードレスタイプのダイオードの縦断面
図、第５図はパーツフイーダの断面図である。 ２……電極、４……ダイオード（チツプ状電子
部品）、１０……磁石。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 両端に強磁性体の電極を有する複数個のチツプ
   状電子部品及びこの部品の長さ寸法が磁極間の厚
   み寸法に略等しい磁石を具備し、この磁石上に配
   置した上記チツプ状電子部品を磁気的に吸着して
   一定間隔に整列させ、整列した複数のチツプ状電
   子部品の一方端から新たなチツプ状電子部品を前
   記磁石上に供給することにより、磁化された電極
   相互の反発力によつて、整列したチツプ状電子部
   品を他方端に向かつて移動させることを特徴とす
   るチツプ状電子部品の整列移動装置。