JPH0542477Y2 - - Google Patents

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JPH0542477Y2
JPH0542477Y2 JP14699288U JP14699288U JPH0542477Y2 JP H0542477 Y2 JPH0542477 Y2 JP H0542477Y2 JP 14699288 U JP14699288 U JP 14699288U JP 14699288 U JP14699288 U JP 14699288U JP H0542477 Y2 JPH0542477 Y2 JP H0542477Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、吸音(防音)・制振材、及びそれを
利用した車両のインシユレータダツシユに関す
る。更に詳しくは、繊維フエルト層材を吸音・制
振機能要素(エレメント)とする吸音・制振材に
関する。
〔従来の技術〕
密度や厚さが比較的大きな各種の繊維フエルト
層材や合成樹脂発泡層材はそれ自体かなり効果的
な吸音・制振性を有しており、その自体で、或は
他の層材料との複合(積層)形態で各種用途の吸
音・制振材が構成され、使用されている。
繊維フエルト層材はその原料繊維として、安価
な各種合成樹脂など、廃物となつた衣類・麻袋な
どの各種廃布類を解織して得た植物繊維・動物繊
維・合成繊維、ガラス(無機)繊維、その他の各
種くず繊維、木チツプ・紙・砂糖きび・竹等から
得られる雑繊維質、それ等の混合繊維等を活用す
ることができ、各種合成樹脂発泡層材よりも低コ
ストに量産することができる経済性、その他の有
利性があり、例えば車両のインシユレータダツシ
ユは該繊維フエルト層材を利用して構成したもの
が多い。
インシユレータダツシユA(第6図A,B,C)
は車両のエンジンルームBとキヤビンCとの隔壁
板Dのキヤビン側の外面に敷設してエンジンルー
ムB側からキヤビンC側への騒音・振動伝播を押
えるシート状部材であり、吸音・制振機能要素と
しての繊維フエルト層材1とその表面に貼合せた
軟質或は半硬質で充実肉質の合成樹脂やゴム等の
表皮層材2からなり、隔壁板Dの外面形状に対応
させて予め成形加工されており、又隔壁板Dの所
定の面位置に形成されている透孔Eを貫通して配
設されるステアリングシヤフト筒、電気配線挿通
用パイプ、その他の貫通配設部材Fの配設位置に
対応するインシユレータダツシユ面位置には予め
それ等の各貫通部材Fに対応する透孔3が形成さ
れている。2aは表皮層材2の外面に付与した加
飾のためのシボ等のエンボス凹凸模様である。
エンジンルームB側から隔壁板Dを介してキヤ
ビンC側へ伝播しようとする騒音・振動は隔壁板
Dのキヤビン側の外面に敷設されているインシユ
レータダツシユAの吸音・制振機能要素たる繊維
フエルト層材1により吸音・制振され、キヤビン
C側への伝播が押えられる。
〔考案が解決しようとする課題〕
繊維フエルト層材の吸音・制振効果は密度や厚
さを大きくすることによりレベル向上するが、密
度や厚さを過度に大きくすることは実用上におい
て他の種々の問題点を生じさせることになる。従
つて繊維フエルト層材自体の密度や厚さは実用上
に問題のない範囲の設定であつて、しかも吸音・
制振効果はより高レベルのものであるのがよく、
そのような繊維フエルト系の吸音・制振材の開発
が要望されていた。
又インシユレータダツシユAは配設状態におい
て、インシユレータダツシユA側の透孔3と該透
孔に挿通した貫通配設部材Fとの間に第6図Aの
ように隙間αが存在すると、その隙間を通してエ
ンジンルームB側の騒音が直接的にキヤビンC側
へ進入して透過損失数が悪くなり、吸音効果が減
殺される。そこでそのような隙間αは特殊なシー
ル材やコーキング材で閉塞処理するものである
が、狹い運転席足元空間での処理作業がありやり
にくく、又処理すべき箇所が通常数箇所にわたる
ので手間がかかり、非能率的で煩わしい作業であ
る。
この場合上記隙間αを生じさせないために、イ
ンシユレータダツシユAに予め形成する透孔3の
大きさをそれに挿入する部材Fの外形状よりも幾
分小さ目のものに設定し、その透孔3に部材Fを
挿入抵抗に抗して貫通させると、透孔3の内面周
りの繊維フエルト部分が部材Fの外面との摩擦力
で容易に引き延ばされて部材Fの挿入貫通過程で
第6図Bの符号1aのように表皮層材2の透孔か
らインシユレータダツシユAの外面側へつれ出さ
れて露出し(フエルト層材の突き上げ露出)体裁
上問題となり許容できない。
第6図Cのように繊維フエルト層材1について
の透孔はそれに挿入する部材Fの外形状よりも幾
分大き目のものに設定し、表皮層材2についての
透孔は部材Fの外形状よりも幾分小さ目のものに
設定することにより第6図Bのようなフエルト層
材の突き上げ露出1aを回避することができ、又
表皮層材2の透孔の孔縁部2bが貫通配設部材F
の外周面に密着して隙間αも閉塞される。しかし
隙間αを閉塞している表皮層材2の透孔の孔縁部
2bは肉厚の薄いものであるから、この部分での
騒音の透過損失数は悪く、吸音効果が低下する。
以上に鑑みて、本考案は繊維フエルト系の吸
音・制振材であつて吸音・制振効果レベルをより
高めたものを提供することを目的とする。又該繊
維フエルト系の吸音・制振材を使用して性能及び
配設性(取付性)をよくしたインシユレータダツ
シユを提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本考案は、繊維フエルト層材にウレタン液を含
浸させ、その含浸ウレタン液に水もしくは他の発
泡剤を使用させてウレタンフオーム化させた形態
の繊維フエルト層材とウレタンフオームとの複合
材からなる吸音・制振材である。
又上記の複合材を吸音・制振性能要素とする車
両のインシユレータダツシユである。
〔作用〕
ウレタン液はポリイソシアネート成分とポリオ
ール成分を主成分とする混合液剤であり、このウ
レタン液自体は公知である。該ウレタン液を繊維
フエルト層材に含浸させて水もしくは他の発泡剤
を作用させることにより該ウレタン液は弾性体生
成反応・発泡反応を生じてフオーム化し、フエル
ト繊維間にウレタンの発泡セルが形成される。
このように繊維フエルト層材にウレタン液を含
浸させ、その含浸ウレタン液に水もしくは他の発
泡剤を作用させてウレタンフオーム化させた形態
の繊維フエルト層材とウレタンフオームとの複合
材は、繊維フエルト層材だけの場合よりも高レベ
ルの吸音・制振性を示す。
繊維フエルト層材に含浸使用するウレタン液の
量(単位面積当りの含浸量)は、フエルト層材の
設定層厚内におけるフエルト繊維間にウレタンの
発泡セルが形成されるに足るだけの実際上少量の
ものであり、大幅なコスト高を招くようなことは
ない。
そして上記のような繊維フエルト層材とウレタ
ンフオームとの複合材を吸音・制振機能要素とす
る車両のインシユレータダツシユは、従来のよう
に繊維フエルト層材を吸音・制振機能要素とする
ものよりも吸音・制振効果レベルが高いものとな
る。
繊維フエルト層材のフエルト繊維はウレタンフ
オーム成分がバインダ剤として機能して互いに結
着され保形性が増強されるので、インシユレータ
ダツシユの配設状態においてインシユレータダツ
シユ側の透孔と該透孔に挿通した貫通配設部材と
の間に隙間を生じさせないように、透孔の大きさ
をそれに挿通する部材の外形状よりも幾分小さ目
のものに設定し、その透孔に部材を挿入抵抗に抗
して貫通させても前述第6図Bのようにフエルト
層材の突き上げ露出1aを生じることがなく、従
つてフエルト層材の突き上げ露出1aによる体裁
上の問題、隙間の存在による吸音効果の減殺の問
題、隙間閉塞のための後処理の問題等のない、配
設性(取付性)のよいインシユレータダツシユを
得ることができる。
〔実施例〕
繊維フエルト層材としては吸音・制振機能要素
として使用されている従来の各種繊維フエルト層
材をそのまま使用できる。例えば厚さ5〜30mm、
目付け量450〜3300g/m2のアクリル繊維等の合
成繊維フエルト層材などである。
繊維フエルト層材に含浸させるウレタン液はポ
リイソシアネート成分とポリオール成分を主成分
とする、粘度300〜1000cp程度に調節した混合液
剤である。繊維フエルト層材に対するウレタン液
含浸量は例えば75〜750g/m2に設定される。
ウレタン液を含浸させた繊維フエルト層材に作
用させる水の量は40〜110g/m2程度、水蒸気を
作用させる場合は20〜50g/m2程度である。
他の発泡剤はニトロアルカン・ニトロ尿素・ア
ルドオキシム・活性メチレン化合物・酸アミドな
どのエノル化し得る化合物、CCl3CH(OH)2
(HO)2CHCOOHなどの抱水化合物、NNエチレ
ン尿素化合物などの環状化合物、4員環カルボニ
ル化合物、3級アルコール、シユウ酸水和物、無
機系発泡剤等である。
具体的に、厚さ20mm・目付け量1500g/m2のア
クリル繊維フエルト層材を、粘度500cpのウレタ
ン液に浸漬してフエルト層材の各部にウレタン液
を十分に含浸させた後、二本ロールで過剰のウレ
タン液をしぼり出し、繊維フエルト層材のウレタ
ン液含浸量を3600g/m2にした。次いで該ウレタ
ン液含浸繊維フエルトに水を70g/m2程度吹き付
けて(水蒸気の場合は35g/m2程度)含浸ウレタ
ン液を弾性体生成反応・発泡反応を行わせ、乾燥
した。
これにより第1図の模型図に示したように含浸
ウレタン液がフオーム化しフエルト繊維間にウレ
タンの発泡セル1aが形成された、繊維フエルト
層材とウレタンフオームの複合材1Aを得た。こ
の複合材は含浸ウレタン液のフオーム化後も最初
の繊維フエルト層材の厚さである20mmがほぼ保た
れている。
この複合材1Aの表面に、第3図のように厚
さ、1.5mmの塩化ビニル樹脂表皮層材2を貼り合
せ、これをインシユレータダツシユAとして所要
に成形孔あけ加工した。このインシユレータダツ
シユAの吸音・制振効果は、前述従来の繊維フエ
ルト層材1を吸音・制振機能要素とするインシユ
レータダツシユよりも格段に優れる。
第2図は、繊維フエルト層材とウレタンフオー
ムの複合材1Aに塩化ビニル樹脂表皮層材2を貼
合せた本考案に係るインシユレータダツシユA
(第3図示)と、繊維フエルト層材1に塩化ビニ
ル樹脂表皮層材2を貼合せた従来のインシユレー
タダツシユA(第6図示)の騒音透過損失を測定
したグラフである。
上記両インシユレータダツシユは、いずれも塩
化ビニル樹脂表皮層材2と反対側の面に厚さ0.8
mmの鋼板を重ね合せ、その鋼板を音源側、塩化ビ
ニル樹脂表皮層材を受音側に向けて測定したもの
で、本考案のインシユレータダツシユの方が広い
範囲の周波数域において遮音性に優れていること
が分かる。
又該インシユレータダツシユAの透孔と該透孔
に挿通する貫通配設部材との間に隙間を生じさせ
ないように、透孔の大きさをそれを挿入する部材
の外形状よりも幾分小さ目のものに設定し、その
透孔に部材を挿入抵抗に抗して貫通させることに
より、前述作用の項で説明したようにフエルト層
材の突き上げ露出現象(第6図Bの1a)がな
く、体裁よく部材Fを挿入配設することができる
(第4図)、又隙間の存在による吸音効果の減殺の
問題、隙間閉塞のための後処理の問題等もない。
即ち配設性(取付性)のよいインシユレータダツ
シユを構成することができる。
第5図は該インシユレータダツシユAの吸音・
制振機能要素としての複合材1Aの裏面側に更に
メルシート(アスフアルト−ゴムブレンドシー
ト)4を貼り合せて制振作用を増強した層構成の
ものを示している。
〔考案の効果〕 以上のように、請求項1の吸音・制振材は従来
の繊維フエルト系のものよりも吸音・制振効果レ
ベルが高い特長を有する。
又該吸音・制振材を吸音・制振機能要素とする
インシユレータダツシユは、従来のように繊維フ
エルト層材を吸音・制振機能要素とするものより
も吸音・制振効果レベルが高く、又配設性のよい
ものとなる特長を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の吸音・制振材の断面模型図、
第2図は騒音透過損失測定グラフ、第3図はイン
シユレータダツシユの層構成を示す断面図、第4
図は配設されたインシユレータダツシユの貫通配
設部材部分の断面図、第5図はインシユレータダ
ツシユの他の層構成例の断面図、第6図A,B,
Cは夫々従来のインシユレータダツシユの貫通配
設部材部分の断面図である。 1Aは繊維フエルト層材とウレタンフオームと
の複合材、1は繊維フエルト、2は表皮層材、3
は透孔、Aはインシユレータダツシユ。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 1 繊維フエルト層材にウレタン液を含浸させ、
    その含浸ウレタン液に水もしくは他の発泡剤を
    作用させてウレタンフオーム化させた形態の繊
    維フエルト層材とウレタンフオームとの複合材
    からなる吸音・制振材。 2 請求項1の複合材を吸音・制振機能要素とす
    る車両のインシユレータダツシユ。
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