JPH0542392A - 鋼板の心合せ方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 鋼板の心ずれをラインセンタに合せて修正
し、安価で調整制御の簡単な鋼板心合せ方法を得る。 【構成】 シーム溶接ラインは、先行鋼板１ａの後端１
２ａと後行鋼板１ｂの先端１２ｂとを互いに重合せ、１
対の電極５が鋼板重合部１３を上下から挟付けて板幅方
向に溶接する。先行および後行鋼板の端部を別個に位置
調整するプレート式のサイドガイド７ａ，７ｂを設け
る。ラインセンタ１０に関して所望の位置に移動設定で
きかつ各サイドガイドの移動を阻止する基準ストッパ８
ａ，８ｂを各サイドガイドについて設ける。先行および
後行鋼板の板幅情報に基づいて各基準ストッパの位置を
設定する。先行および後行鋼板の端部をライン上の所定
位置に停止する。各サイドガイドを各ストッパに接触す
るまで移動する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、鋼板端部を相互に接続
するシーム溶接ラインに適用される鋼板心合せ方法に関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般のシーム溶接ラインは、先行鋼板の
後端と後行鋼板の先端とを互いに重ね合せて、１対の電
極が鋼板重合部を上下から挟み付けて板幅方向に溶接す
る。このシーム溶接のさいに、先行および後行鋼板の心
合せが必要になる。

【０００３】従来の鋼板心合せ方法の代表例を図４，５
に示す。図４に示す心合せ方法は、先行鋼板１ａと後行
鋼板１ｂとの各鋼板センタ１１ａ、１１ｂとラインセン
タ１０との各心ずれＡ、Ｂをそれぞれ検出し、先行鋼板
１ａのセンタ１１ａを基準にして後行鋼板１１ｂのセン
タ１１ｂのずれｃを演算し、クロスアジャスタ２を調節
して両者の心合せを行っている。

【０００４】しかし、この両鋼板は共にラインセンタか
ら心ずれのままであるのでいわゆる「くの字」溶接の問
題が残る。

【０００５】他方、図５に示す心合せ方法は、光電検出
器３を備えたサイドガイド４ａ，４ｂによって各鋼板１
ａ，１ｂの位置を拘束して、各鋼板の各心ずれＡ，Ｂを
検出している。その他は上述の図４の方法と同様であ
る。

【０００６】この心合せ方法も「くの字」溶接の問題が
あり、また、検出器、制御系が高価となる。

【０００７】さらに、実開平１−１００６７７号公報に
開示されている「鋼板の板合せ装置」では、ボックス型
チャンバに空気吹出し口を設け、鋼板を浮上させて鋼板
の心合せを行っている。

【０００８】しかし、この装置は設備費がかかる上に、
長尺厚板には有効ではない。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】先行鋼板と後行鋼板と
の心ずれを、ラインセンタを基準にして修正することに
より、安価で調整制御の簡単な鋼板心合せ方法を得るこ
とにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明の鋼板の心合せ方
法は、先行鋼板の後端と後行鋼板の先端とを互いに重ね
合せ、１対の電極が鋼板重合部を上下から挟み付けて板
幅方向に溶接するシーム溶接ラインにおいて、先行鋼板
の後端と後行鋼板の先端とを互いに独立して別個に位置
調節するプレート式のサイドガイドをそれぞれ設けるこ
と、ラインセンタに関して所望の位置に移動設定できか
つ前記の各サイドガイドの移動を互いに独立して阻止す
る基準ストッパを各サイドガイドについて設けること、
先行および後行鋼板の板幅情報にもとづいて前記の各基
準ストッパの位置を設定すること、先行鋼板の後端およ
び後行鋼板の先端をライン上の所定位置に停止するこ
と、前記の各サイドガイドを前記各ストッパに接触する
まで移動することからなる手段によって、上記課題を解
決している。

【００１１】

【作用】本発明の鋼板の心合せ方法においては、ライン
センタを基準にしている。基準ストッパは、ラインセン
タを基準にして鋼板情報にもとづいて移動設定される。
サイドガイドは、ラインセンタを基準にして板幅方向に
対称移動する。サイドガイドが基準ストッパに接触した
ときは、サイドガイドはそれ以上内側へは移動できな
い。

【００１２】基準ストッパおよびサイドガイドは先行お
よび後行鋼板についてそれぞれ別個に互いに独立して設
けられている。したがって、先行鋼板の後端および後行
鋼板の先端は互いに独立してラインセンタに心合せされ
る。

【００１３】

【実施例】図１から図３までを参照して、本発明の鋼板
の心合せ方法について説明する。本発明の方法が適用さ
れる一般のシーム溶接ラインの概要を図２に示す。この
シーム溶接ラインは、先行鋼板１ａの後端１２ａと後行
鋼板１ｂの先端１２ｂとを互いに重ね合せ、１対の電極
５が鋼板重合部１３を上下から挟み付けて板幅方向に溶
接する。このさい、先後端１２ｂ，１２ａがずれないよ
うに、クランプ６によって、各鋼板１ａ，１ｂを押さえ
付けている。

【００１４】図１，２に示すように、このシーム溶接ラ
インにおいて、先行鋼板１ａの後端１２ａと後行鋼板１
ｂと先端１２ｂとを互いに独立して別個に位置調節する
プレート式のサイドガイド７ａ，７ｂをそれぞれ設け
る。サイドガイド７ａ，７ｂはラインセンタ１０に関し
て板幅方向に対称的に移動できる。例えば、慣用のラッ
ク・ピニオン機構７１によって左右１対のサイドガイド
７ａまたは７ｂは、同時に互いに逆向きに移動する。

【００１５】各サイドガイド７ａ，７ｂについて、基準
ストッパ８ａ，８ｂが設けられる。基準ストッパ８ａ，
８ｂは、ラインセンタ１０に関して所望の位置に移動設
定できかつ各サイドガイド７ａ，７ｂの移動を互いに独
立して阻止する。先行および後行鋼板１ａおよび１ｂの
板幅情報にもとづいて各基準ストッパ８ａ，８ｂの位置
を設定する。基準ストッパ８ａ，８ｂは、慣用のねじー
ナット機構８１によって移動され、機構８１はハンドル
８２またはモータ８３によって駆動される。

【００１６】図２に示すように、先行鋼板１ａの後端１
１ａおよび後行鋼板１ｂの先端１１ｂをライン上の所定
位置に停止した後に、各サイドガイド７ａ，７ｂを各ス
トッパ８ａ，８ｂに接触するまで移動する。このように
して、鋼板１ａ，１ｂの先後端１１ｂ，１１ａがライン
センタ１０に関して同時に心合せされる。

【００１７】シーム溶接機と関連した本発明の方法の制
御系統を図３に示す。

【００１８】サイドガイド７ａ，７ｂの一例としては、
長さ４００ｍｍ×高さ２００ｍｍ×厚み１６ｍｍの鋼板
が好ましい。また、接合すべき鋼板のエッジ損傷を防止
するために、鋼板幅Ｗに対して、サイドガイドの間隔を
Ｗ＋（１０〜１５）ｍｍに設定すること、そして、サイ
ドガイドの押圧圧力を板厚に応じて２〜３段階に選択で
きるようにすることが好ましい。

【００１９】

【発明の効果】本発明によれば、鋼板のサイドガイドの
自動幅位置設定が可能となり、また、従来設置していた
クロスアジャスタを不要とすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】シーム溶接機に本発明の方法を適用した実施例
の正面図である。

【図２】図１の平面図である。

【図３】図１の実施例の概略構成線図である。

【図４】従来の鋼板心合せ方法の概略構成を示す平面図
である。

【図５】従来の別の方法の概略構成を示す平面図であ
る。

【符号の説明】

１ａ 先行鋼板 １ｂ 後行鋼板 ７ａ，７ｂ サイドガイド ８ａ，８ｂ 基準ストッパ １０ ラインセンタ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 先行鋼板の後端と後行鋼板の先端とを互
   いに重ね合せ、１対の電極が鋼板重合部を上下から挟み
   付けて板幅方向に溶接するシーム溶接ラインにおいて、
   先行鋼板の後端と後行鋼板の先端とを互いに独立して別
   個に位置調節するプレート式のサイドガイドをそれぞれ
   設けること、ラインセンタに関して所望の位置に移動設
   定できかつ前記の各サイドガイドの移動を互いに独立し
   て阻止する基準ストッパを各サイドガイドについて設け
   ること、先行および後行鋼板の板幅情報にもとづいて前
   記の各基準ストッパの位置を設定すること、先行鋼板の
   後端および後行鋼板の先端をライン上の所定位置に停止
   すること、前記の各サイドガイドを前記各ストッパに接
   触するまで移動することからなる鋼板の心合せ方法。