JPH05208298A - 板継ぎ溶接方法およびその自動溶接装置 - Google Patents

板継ぎ溶接方法およびその自動溶接装置

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JPH05208298A
JPH05208298A JP1672692A JP1672692A JPH05208298A JP H05208298 A JPH05208298 A JP H05208298A JP 1672692 A JP1672692 A JP 1672692A JP 1672692 A JP1672692 A JP 1672692A JP H05208298 A JPH05208298 A JP H05208298A
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Kazuo Tanaka
中 一 男 田
Hiroshi Tanaka
中 浩 田
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MIYACHI IRON WORKS
MIYAJI TEKKOSHO KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 板継ぎにおいて高能率に溶接することができ
るとともに板材の反転工程、裏面はつり工程を不要とし
た板継ぎ溶接方法およびその自動溶接装置を提供する。 【構成】 溶接すべき板材(1,2)の長手方向両側か
ら均等に幅寄せする幅寄せ部材(13,13)により板
材相互の芯合わせを行ない、ついで板材(1,2)の突
合わせ端部間にルート間隔設定用スペーサ(22)を挿
入して溶接部(4)のルート間隔(L)を定めたのちス
ペーサ(22)を抜くと共に板材(1,2)をクランプ
し、その溶接部(4)の下面側に耐熱材料製の裏当材
(23)を前記ルート間隔(L)の下面を塞ぐように当
接してその裏当材(23)を板材(1,2)に押圧した
状態を保ちながら表面側から溶接を行なうことにより板
材相互を一体化することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は板継ぎ溶接方法およびそ
の自動溶接装置に関する。
【0002】
【従来の技術】建築用鉄骨、鋼橋、鋼構造物の主材の一
部または全部に溶接継手により継いだ板材を用いる場合
がある。このような板材は、厚みや幅の異なる板材を突
合わせ溶接して形成されるが、その板継ぎ工程には板材
の組立、突合わせ端部間の溶接部の表面溶接、板材反
転、裏面はつり、裏面溶接という手順による施工が必要
とされる。
【0003】すなわち上記組立には、図8に示すように
各板材1,2,1の表面に中心線3,3,3を画き、そ
の中心線3,3,3を相互に合致させて芯合わせを行な
い、ついで図10のように溶接部4,4の裏面側に板材
表面を平坦に揃えるため当板5を当て、板材1,2と当
板5とをシャコ万力6,6等により締付け、エンドタブ
が必要なときはその仮付溶接を行なったのち、溶接部3
の表面側から図11のように溶接7を行なう。しかるの
ち板材1,2を反転して図12のように裏面はつり8を
施し、そこに図13のように溶接9を行なったのち、溶
接熱により生じた板厚方向および板幅方向の歪を矯正し
て製品とされる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかるに従来の溶接方
法では、上記したように工程数が著しく多いうえ各工程
を順次行なうため無駄な待時間が多くなり、作業能率が
きわめて低く、そのためコストが嵩むという問題があっ
た。また表面溶接後板材を反転させる反転工程は、板材
が長尺化されていることと相俟って反転時の姿勢がきわ
めて不安定となり、危険を伴なう。また裏はつり作業は
多量の粉塵と大きな騒音を発生し、環境を悪化する。さ
らに溶接熱により生じる溶接変形を除去する矯正作業を
必要とするなどの種々の問題があった。
【0005】本発明はこれに鑑み、高能率に溶接するこ
とができるとともに板材の反転工程を不要とし、従来技
術が有する諸問題点を解消することを目的としてなされ
たものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記従来の技術が有する
課題を解決するため、本発明は、溶接すべき板材の長手
方向両側から均等に幅寄せする幅寄せ部材により板材相
互の芯合わせを行ない、ついで板材の突合わせ端部間に
ルート間隔設定用スペーサを挿入して溶接部のルート間
隔を定めたのちスペーサを抜くと共に板材をクランプ
し、その溶接部の下面側に耐熱材料製の裏当材を前記ル
ート間隔の下面を塞ぐように当接してその裏当材を板材
に押圧した状態を保ちながら表面側から溶接を行なうこ
とにより板材相互を一体化することを特徴とする板継ぎ
溶接方法を請求項1とし、請求項2は、接合すべき各板
材に対応して各板材の長手方向両側にそって配設され互
いに均等量離接方向に移動可能に設けられた幅寄せ部材
と、この板材の下面側に配置され板材の長手方向に移動
可能に設けられた架台と、この架台上に設置された機枠
にそって昇降自在に設けられ前記板材の突合わせ端部間
のルート間隔を定めるスペーサと、前記架台上に上下動
可能に設けられた機枠の上部に設けられる耐熱材料製の
裏当材と、前記ルート間隔にそって移動自在に設けられ
た溶接用トーチとを具備し、前記架台を移動させること
により前記スペーサおよび裏当材が選択的に板材の溶接
部に整合した位置におかれるようにしたことを特徴とす
る板継ぎ自動溶接装置であり、同3は、前記裏当材を機
枠にそって昇降自在に設けられた冷却用支持部材の上面
に支持し、この冷却用支持部材の下部にエアバッグを設
け、機枠昇降駆動手段により上昇させたのちエアバッグ
の膨脹により裏当材を溶接部下面に圧接するようにした
ことを特徴とするものである。
【0007】
【作用】接合すべき板材の各両側から幅寄せ部材により
均等に幅寄せして各板材相互の芯合わせを行ない、その
板材の突合わせ端部間にスペーサを進入させてルート間
隔を定め、板材をクランプするとともにスペーサを抜
く。ついで架台を所定量移動させて裏当材を溶接部の直
下に位置させ、裏当材を上昇させて板材の溶接部の下面
に圧接させた状態を保持して溶接用トーチにより表面側
から溶接を行なう。溶接後裏当材を下降させ、接合され
た板材を搬出することにより板継ぎが完了する。
【0008】
【実施例】以下、本発明を図面に示す実施例を参照して
説明する。
【0009】図1は本発明による自動溶接装置の全体構
成例を示しており、接合すべき板材1,2を搬送するロ
ーラコンベア10,11,12群を有し、第1コンベア
10と第2コンベア11との間に自動溶接装置が設置さ
れている。これらコンベアのローラは図示しない駆動源
により回転が与えられ、板材を搬送することができる。
【0010】前記第1、第2コンベア10,11の長手
方向両側には幅寄せ部材13,13が相対向するように
設けられており、均等量離接方向に移動するように形成
されている。
【0011】この幅寄せ部材13,13の移動手段は、
その一例について図2に略示平面を、図3にその断面を
示すように、コンベア10,11を横切るようにそのロ
ーラより下位に軸受14,14に支持されたネジ軸15
を有し、このネジ軸15はその中央から各端部方向にか
けて互いに反対ネジ16,16が刻設されており、これ
らネジ16,16に幅寄せ部材13,13の下部に垂下
するブラケット17,17のネジ孔が螺挿され、このネ
ジ軸15にはモータ18からチェン19を介して正逆回
転が与えられるようになっている。したがってネジ軸1
5の正転、逆転により左右の幅寄せ部材13,13が均
等に接近または離間するよう移動される。なおこの移動
手段は、ネジ軸15によれば最も簡単で確実な作動を行
なわせ得るが、他にリンク機構、カム機構等によっても
よい。
【0012】クランプは適宜な手段で板材1,2の溶接
部4の近傍を板幅方向の上下から挟持して拘束するもの
であればよく、図4に例示するように下部のクランプ部
材20は固定とし、上部のクランプ部材21は流体シリ
ンダ等により上下動させ、上下から板材1,2をクラン
プするようにされる。
【0013】スペーサ22および裏当材23は、図5に
示すように板材1,2の長手方向に移動する架台24上
に設けられ、この架台24は流体シリンダ25等の駆動
手段によりコンベアの外部において水平方向に定量移動
されるようになっている。なおこの駆動手段は、モータ
により駆動するピニオンを架台24のラックに噛合させ
るようにしてモータ駆動により移動させる構成としても
よい。
【0014】前記スペーサ22は、架台24上に固設の
機枠26にそって昇降自在に設けられ、このスペーサ2
2には架台24に固定された流体シリンダ27のロッド
28が結合され、流体シリンダ27の作動により板材
1,2間にルート間隔Lを定めるべく昇降されるように
なっている。
【0015】前記裏当材23はセラミック等の耐熱材料
からなり、図6に拡大断面を示すように、その上面には
前記ルート間隔Lの下部開口幅に相当する幅の弧状に凹
む凹部23aが形成されており、冷却用支持部材29の
上面に嵌合支持されている。この冷却用支持部材29は
機枠30内に昇降自在に支持され、架台24に固定され
た流体シリンダ31のロッド32が結合されていて機枠
30ごと昇降されるようになっている。なお上記冷却用
支持部材29は銅板等からなり、その内部には冷却水を
通す冷水用の孔33が設けられている。
【0016】前記冷却用支持部材29の下部の機枠30
内にはエアバッグ34が内蔵されてエアが給排自在とさ
れ、このエアバッグ34を膨脹させたとき上部の裏当材
23が板材1,2の下面に密着した状態を保つようにな
っている。なおこのエアバッグ34に代えて圧縮スプリ
ングを用いるようにしてもよく、その場合には冷却用支
持部材29は必ずしも水冷構造とせずともよい。
【0017】前記スペーサ22および裏当材23は、架
台24の移動により板材1,2の突合わせ端部の溶接部
4の下側に整合する位置を選択的にとるように設定され
ている。
【0018】前記板材1,2の溶接部4のおかれる位置
の上部には図7に例示するようにX,Y,Z方向に移動
可能な溶接ロボット35が設けられ、このロボット35
の溶接用トーチ36で溶接部4の溶接を行なうようにな
されている。この溶接用トーチ36の動作は溶接ロボッ
ト制御盤37により制御される。図1および図7におい
て38は作業床、39は溶接電源、40は溶接用操作
盤、40aは機械部操作盤、41は溶接材送給機を示
す。
【0019】次に上記実施例の作用を説明する。
【0020】板材1をコンベア12,11を通じて第1
コンベア10上へ送り込み(図5(A))、ついでスペ
ーサ22を流体シリンダ27の作動により上昇させ、続
いて接合すべき板材2を第2コンベア11上へ送り込
む。このとき第1、第2コンベア10,11の幅寄せ部
材13,13が互いに接近動作して板材1,2の中心が
一致されるとともに板材1,2の突合わせ端部間にスペ
ーサ22が介在してルート間隔Lが確保される(図5
(B))。この状態でクランプ部材20,21により板
材1,2を上下からクランプする一方、スペーサ22を
退没させる。
【0021】ついで流体シリンダ25を作動させて架台
24を移動させ、裏当材23を溶接部4の直下位置に位
置させ(図5(C))、流体シリンダ31を作動させて
機枠30を上昇させ、裏当材23を板材1,2の下面に
当てて裏当材23でルート間隔Lの下端を塞ぐ。その後
エアバッグ34に圧縮エアが供給され、冷却用支持部材
29を介して裏当材23が板材1,2の下面に圧着さ
れ、密着性が高められる。
【0022】こうしたのち溶接ロボット35が作動して
その溶接用トーチ36によりルート間隔Lが溶接材で埋
められ、板材1,2が一体的に接合される。溶接完了後
クランプ部材20,21によるクランプを解き、第1、
第2コンベア10,11を作動して板材1,2を搬送す
る。板材2の反対端にさらに板材を溶接する場合には、
前記と同様な手順により溶接することができる。これら
一連の動作は操作盤40,40aのスイッチ操作のみで
行なわれる。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、板
材の長手方向両側部から幅寄せして芯合わせするので、
従来のように板材に中心線を画いて目視により芯合わせ
する必要がなく、自動的に芯出しすることができる。ま
た板材の突合わせ端部の溶接部を表面側からのみ溶接を
行なうので、板材の反転および裏面はつり工程が不要と
なり、作業能率の向上と粉塵や騒音の発生もなくするこ
とができ、これらが相俟って板継ぎの自動化が図れ、ま
た幅方向、板厚方向ともクランプ状態で溶接するため溶
接変形が少なく、溶接後の歪矯正作業も殆んど省略する
ことができ、生産性を著しく高めながら作業環境を改善
することができる。
【0024】本発明の自動溶接装置によれば、板材の突
合わせ端部間のルート間隔を定めるスペーサとこのルー
ト間隔の下端を閉塞する裏当材とを架台上に設け、この
架台を移動することでルート間隔の形成と溶接時の受け
とを選択して行なうことができるので作業に無駄がな
く、請求項3のように裏当材をエアバッグにより背圧を
与えるようにすれば裏当材の板材への密着性を高めるこ
とができ、溶接状態を最良に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の全体構成例を示す斜視図、
【図2】本発明における板材の芯合わせの状態を示す略
示平面図、
【図3】幅寄せ部材の移動手段の一例を示す断面図、
【図4】クランプ状態を示す略示側面図、
【図5】(A)〜(D)はスペーサと裏当材との作動機
構の一例を示す説明図、
【図6】裏当材を含む拡大断面図、
【図7】溶接ロボットの一例を示す斜視図、
【図8】板継ぎを行なう板材の従来の芯合わせを示す平
面図、
【図9】同板材の側面図、
【図10】従来の溶接部のクランプ状態を示す斜視図、
【図11】従来の表面溶接後の状態を示す側面図、
【図12】従来の裏面はつり状態の側面図、
【図13】従来の裏面溶接後の状態を示す側面図。
【符号の説明】
1,2 板材 4 溶接部 13 幅寄せ部材 15 ネジ軸 20,21 クランプ部材 22 スペーサ 23 裏当材 24 架台 29 冷却用支持部材 34 エアバッグ 35 溶接ロボット 36 溶接用トーチ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶接すべき板材の長手方向両側から均等に
    幅寄せする幅寄せ部材により板材相互の芯合わせを行な
    い、ついで板材の突合わせ端部間にルート間隔設定用ス
    ペーサを挿入して溶接部のルート間隔を定めたのちスペ
    ーサを抜くと共に板材をクランプし、その溶接部の下面
    側に耐熱材料製の裏当材を前記ルート間隔の下面を塞ぐ
    ように当接してその裏当材を板材に押圧した状態を保ち
    ながら表面側から溶接を行なうことにより板材相互を一
    体化することを特徴とする板継ぎ溶接方法。
  2. 【請求項2】接合すべき各板材に対応して各板材の長手
    方向両側にそって配設され互いに均等量離接方向に移動
    可能に設けられた幅寄せ部材と、この板材の下面側に配
    置され板材の長手方向に移動可能に設けられた架台と、
    この架台上に設置された機枠にそって昇降自在に設けら
    れ前記板材の突合わせ端部間のルート間隔を定めるスペ
    ーサと、前記架台上に上下動可能に設けられた機枠の上
    部に設けられる耐熱材料製の裏当材と、前記ルート間隔
    にそって移動自在に設けられた溶接用トーチとを具備
    し、前記架台を移動させることにより前記スペーサおよ
    び裏当材が選択的に板材の溶接部に整合した位置におか
    れるようにしたことを特徴とする板継ぎ自動溶接装置。
  3. 【請求項3】前記裏当材を機枠にそって昇降自在に設け
    られた冷却用支持部材の上面に支持し、この冷却用支持
    部材の下部にエアバッグを設け、機枠昇降駆動手段によ
    り上昇させたのちエアバッグの膨脹により裏当材を溶接
    部下面に圧接するようにしたことを特徴とする請求項2
    記載の板継ぎ自動溶接装置。
JP4016726A 1992-01-31 1992-01-31 板継ぎ自動溶接装置 Expired - Lifetime JPH0825065B2 (ja)

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