JPH0542332U - 積みブロツクのための補填プレート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 積みブロック群の最下段および最上段の後端
部に形出される空隙を隙間無く閉塞する。 【構成】 隣合う上下端用積みブロックＢ１の両控尻部
１２の多角形周縁の一部にそれぞれ添接される第１添接
縁１４および第２添接縁１５と、下から２段目乃至上か
ら２段目の中間用積みブロックＢ２の控尻部３の一部に
添接される第３添接縁１７と、第１、第２添接縁１４，
１５にそれぞれ連接された基端縁１６と、第１添接縁１
４に連接された第１横接続縁１８と、第２添接縁１５に
連接されて第１横接続縁１８と等長で平行な第２横接続
縁１９と、中間用補填プレートＰ２の一部に密接される
縦接続縁２０とを各上下端用補填プレートＰ１に形成す
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は擁壁などに使用される積みブロックを積み重ねたときに各積みブロ ック群の上下端の後端部に形出される空隙内に補填される補填プレートに関する 。

【０００２】

【従来の技術】

従来の技術としては例えば実公昭60-33161号公報がある。 この公報にはブロック積み工法において、下縁の両隅部を斜めに切断して形成 した隅切面を２個の間知石ブロックの控え上に載置し、上段の間知石ブロックの 控えの重量を上縁によって支持するようにした型枠兼用支持板が開示されている 。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記支持板を使用した場合には隣り合う両支持板間、および隣り合う間知石ブ ロックの両控え間に依然として空隙が形成されるので、流し込まれた生コンクリ ートがこの空隙を通じて洩出する問題点や、支持板とこの支持板に接する３つの 控えとの接触位置が支持板間で変動し、控えの配列状態が乱れて積みブロックの 積み重ね状態が不揃いとなる問題点がある。 本考案は上記問題点を解消してブロック積み工事を簡易化し、また、積みブロ ックの積み重ね姿勢を均整化することを課題とするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案の積みブロックのための補填プレートは最下段に配列される上下端用積 みブロックの控尻部と下から２段目に配列される中間用積みブロックの控尻部と の間の空隙、および、最上段に配列される上下端用積みブロックの控尻部と上か ら２段目に配列される中間用積みブロックの控尻部との間の空隙を横方向へ配列 された状態で閉塞する上下端用の補填プレートであって、隣合う前記上下端用積 みブロックの両控尻部の周縁のうち、下縁乃至上縁を除く半周縁に添接される第 １添接縁およびこの第１添接縁と対称な第２添接縁と、下から２段目乃至上から ２段目に配列される中間用積みブロックの控尻部の周縁の一部に添接される第３ 添接縁と、前記第１、第２添接縁にそれぞれ連接された基端縁と、前記第１添接 縁に連接された第１横接続縁と、前記第２添接縁に連接されて前記第１横接続縁 と等長で平行な第２横接続縁と、中間用積みブロックの控尻部間の空隙を閉塞す る中間用補填プレート列のうちの最下列乃至最上列の中間用補填プレートの一部 に密接される縦接続縁とを形成した構成を有する。

【０００５】

【作用】

上下端用補填プレートの第１添接縁および第２添接縁を、隣合う両上下端用積 みブロックの両控部の周縁のうち、下縁乃至上縁を除く半周縁にそれぞれ添接し 、第３添接縁を下から２段目乃至上から２段目の中間用積みブロックの控尻部の 一部に添接し、隣合う両上下端用補填プレートの第１横接続縁と第２横接続縁と を互に密接させ、縦接続縁を中間用補填プレート列のうちの最下列乃至最上列の 中間用補填プレートの一部に密接させた状態で、各上下端用の補填プレートを、 最下段の上下端用積みブロックの控尻部と、下から２段目の中間用積みブロック の控尻部との間の空隙および最下段の上下端用積みブロックと上から２段目の中 間用積みブロックの控尻部との間の空隙内に配列してその空隙を全閉状に閉塞す る。

【０００６】

【考案の効果】

本考案は前記したように構成してあるので、積みブロック群の最上段および最 下段の後端部に形出される空隙を上下端用の補填プレートによって隙間無く閉塞 することができ、積みブロック群の上下端に生コンクリートを流し込んだときに 生コンクリートの洩出を防止して生コンクリートを積みブロック間に充填するこ とができる。 また、下から２段目の中間用積みブロックの各控尻部および最上段の上下端用 積みブロックの各控尻部をそれぞれ適正な位置に積み込んで積みブロック群の積 み重ね形態を均整化することができる。

【０００７】 次に、本考案の第１実施例を図１〜図４にしたがって説明する。 擁壁Ｗを建造するために使用されて各段毎に積み重ねられる積みブロック群の うち、擁壁Ｗの周縁部以外の各段には正面形状が長方形状で擁壁Ｗの表層部に設 置される表板部１と、この表板部１の後側に連接された角錐状の胴部２と、この 胴部２の後端に連接されて背面形状が表板部１の正面形状より縮小された多角形 状の控尻部３とをそれぞれ有する中間用積みブロックＢ２がそれぞれ４５°傾斜 した同一の傾斜姿勢で横一列に配列されかつ各段毎に傾斜姿勢を交互に逆向きに して積み重ねられる。

【０００８】 擁壁Ｗの最下段に横一列に配列された積みブロック列上にはそれぞれ長方形状 の表板部１を有する第２段目の各中間用積みブロックＢ２が４５°傾斜した同一 の傾斜姿勢で横一列に配列されて積み重ねられ、第３段目の各中間用積みブロッ クＢ２は第２段目の各中間用積みブロックＢ２の上にこの第２段目の各中間用積 みブロックＢの傾斜角度を９０°反転した同一の傾斜姿勢で横一列に配列されて 積み重ねられる。各段の中間用積みブロックＢ２は同様にして傾斜角度を交互に ９０°反転した状態で下から上へ順に積み重ねられる。

【０００９】 擁壁Ｗを構成する積みブロック群の最下段および最上段に配列される各上下端 用積みブロックＢ１には正面形状が３つの直角と２つの鈍角とを有する五角形状 の表板部１１と、断面形状が表板部１１の正面形状と相似形で多角錐状の胴部１ ３と、背面形状が多角形（本例では表板部１１の正面形状とほぼ相似形状の五角 形）で多角形周縁１２ａを有する控尻部１２とがそれぞれ前から順に形成されて いる。

【００１０】 各積みブロックＢ１，Ｂ２を積み重ねるときに最下段に配列された各上下端用 積みブロックＢの控尻部１２と、下から２段目に配列された中間用積みブロック Ｂ２の控尻部３との間に形出される空隙および、最上段に配列される各上下端用 積みブロックＢ１の控尻部１２と、上から２段目に配列される中間用積みブロッ クＢ１の控尻部３との間に形出される空隙には横方向へ密接状態で配列されてそ の空隙を全閉状に閉塞する上下端用の各補填プレートＰ１が補填され、各段の中 間用積みブロックＢ２の控尻部３間に形出される空隙には各段毎に密接状態で横 １列に配列されてこの空隙を全閉状に閉塞する中間用各補填プレートＰ２が補填 される。

【００１１】 各上下端用各補填プレートＰ１および各中間用補填ブレートＰ２はそれぞれコ ンクリート板で形成されている。

【００１２】 各中間用補填プレートＰ２には同段内で隣合う両控尻部３の多角形外周縁３ａ の１辺にそれぞれ密接される第１受承縁５および第２受承縁６と、この両受承縁 ５，６に両端がそれぞれ連接された下接続縁７と、その両控尻部３の上隣りの控 尻部３の多角形外周縁３ａの２辺に密接されるＬ形状の支承縁８と、第１受承縁 ５に連接された第１横接続縁９と、この第１横接続縁９と等長かつ平行で第２受 承縁６に連接された第２横接続縁１０と、第２横接続縁１０および支承縁８にそ れぞれ連接された上接続縁２１とがそれぞれ形成されている。

【００１３】 各上下端用補填プレートＰ１には隣合う２つの上下端用積みブロックＢ１の両 控尻部１２の多角形周縁１２ａのうち、下端乃至上縁を除く内側半周縁にそれぞ れ添接される第１添接縁１４および第２添接縁１５が左右対称状に形成され、こ の両添接縁１４，１５はそれぞれく形状に曲折されている。

【００１４】 各上下端用補填プレートＰ１には両端が両添接縁１４，１５の内端にそれぞれ 連接されて擁壁Ｗの下端乃至上端に配置されて隣合う両控尻部１２間の間隙の長 さと等しい長さを有する水平状の基端縁１６がそれぞれ形成されている。

【００１５】 各上下端用補填プレートＰ１には下から２段目乃至上から２段目に配列される 中間用積みブロックＢ２の控尻部３の多角形外周縁３ａのうち、上下端用積みブ ロックＢ１の控尻部１２に対向する２辺に全長にわたって添接される第３添接縁 １７が形成され、この第３添接縁１７は本例ではＬ形状に曲折され、控尻部３の 外周縁の斜面形状に対応して斜面状に形成されている。

【００１６】 各上下端用補填プレートＰ１には第１添接縁１４の外端に連接された第１横接 続縁１８と、第２添接縁１５の外端に連接されて第１横接続縁１８と等長で平行 な第２横連接縁１９とが形成され、第１横接続縁１８は隣接する上下端用の補填 プレートＰ１の第２横接続縁１８に全長にわたって密接され、第２横接続縁１９ は隣接する上下端用の補填プレートＰ１の第１横接続縁１８に全長にわたって密 接される。

【００１７】 各上下端用補填プレートＰ１には第１横接続縁１８と第３添接縁１７とに連接 された縦接続縁２０がそれぞれ形成され、この縦接続縁２０は中間用補填プレー ト列の最下列乃至最上列の中間用補填プレートＰ２のうち、その上下端用補填プ レートＰ１の上隣り乃至下隣りに配置される中間用補填プレートＰ２の下接続縁 ７乃至上接続縁１０に全長にわたって密接される。

【００１８】 なお、段差を有する地面の上位に配列される上下端用積みブロックＢ１に適用 される上位の上下端用補填プレートＰ１はその下位に配列される上下端用補填プ レートＰ１を表裏反転した対称形状に形成される。

【００１９】 次に、上記した構成をもつ実施例の作用と効果を説明する。 本例では最下段に配列される上下端用積みブロックＢ１の控尻部１２と下から ２段目に配列される中間用積みブロックＢ２の控尻部３との間の空隙、および、 最上段に配列される上下端用積みブロックＢ１の控尻部１２と上から２段目に配 列される中間用積みブロックＢ２の控尻部３との間の空隙を横方向へ配列された 状態で閉塞する上下端用の補填プレートＰ１であって、隣合う前記上下端用積み ブロックＢ１の両控尻部１２の周縁１２ａのうち、下縁乃至上縁を除く半周縁に 添接される第１添接縁１４およびこの第１添接縁１４と対称な第２添接縁１５と 、下から２段目乃至上から２段目に配列される中間用積みブロックＢ２の控尻部 ３の多角形周縁３ａの２辺に添接される第３添接縁１７と、第１、第２添接縁１ ４，１５にそれぞれ連接された基端縁１６と、第１添接縁１４に連接された第１ 横接続縁１８と、前記第２添接縁１５に連接されて第１横接続縁１８と等長で平 行な第２横接続縁１９と、中間用積みブロックＢ２の控尻部３間の空隙を閉塞す る中間用補填プレート列のうちの最下列乃至最上列の中間用補填プレートＰ２の 一部に密接される縦接続縁２０とを形成してある。

【００２０】 このため、積みブロック群の最上段および最下段の後端部に形出される空隙を 上下端用の補填プレートＰ１によって隙間無く閉塞することができ、積みブロッ ク群の上下端に生コンクリートを流し込んだときに生コンクリートの洩出を防止 して生コンクリートを積みブロック間に充填することができる。

【００２１】 また、下から２段目の中間用積みブロックＢ２の各控尻部３および最上段の上 下端用積みブロックＢ１の各控尻部１２をそれぞれ適正な位置に積み込んで積み ブロック群の積み重形態を均整化することができる。

【００２２】 次に、図５に示す本考案の第２実施例について説明すると、本例では上下端用 補填プレートＰ１の第３添接縁１７の両側には等長で平行な２つの縦接続縁２０ Ａ，２０Ａが形成されている外は第１実施例と同様に構成されている。なお、中 間用補填プレートＰ２の支承縁８の両側には等長で平行な２つの上接続縁２１Ａ ，２１Ａが形成されている。

【００２３】 また、図６、図７に示す第３実施例では中間用積みブロックＢ２の控尻部３Ａ の背面形状が正八角形状に形成され、上下端用補填プレートＰ１に第３添接縁１ ７が添接される中間用積みブロックＢ２の控尻部３Ａの左隣り乃至右隣りの控尻 部３Ａの多角形外周縁３ａＡのうちの２辺に添接される第４添接縁２２が形成さ れ、第３、第４添接縁１７，２２がそれぞれく形状に曲折されている外は第１実 施例と同様に構成されている。なお、中間用補填プレートＰ２の支承縁８の一側 方には中間用積みブロックＢ２の控尻部３Ａの多角形周縁３ａＡの２辺に添接さ れる第２支承縁８Ａが形成されている。

【００２４】 また、図８、図９に示す第４実施例では上下端用積みブロックＢ１の控尻部１ ２Ａの背面形状が２つの直角と４つの鈍角とを有する六角形状で控尻部１２Ａの 多角形周縁１２ａＡが六角形となっており、上下端用補填プレートＰ１の第１、 第２添接縁１４Ａ，１５Ａが控尻部１２Ａの多角形周縁のうちの２辺と１／２辺 とにそれぞれ添接されるように構成されている外は第３実施例と同様に構成され ている。

【００２５】 なお、第２実施例〜第４実施例の作用と効果については第１実施例と同様であ るため、その説明を省略する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１実施例を示すもので、擁壁の一部
の背面図である。

【図２】擁壁の正面図である。

【図３】上下端用積みブロックの斜視図である。

【図４】第１実施例の上下端用補填プレートの平面図で
ある。

【図５】第２実施例を示す擁壁の一部の背面図である。

【図６】第３実施例を示す擁壁の一部の背面図である。

【図７】第３実施例を示す擁壁の一部の背面図である。

【図８】第４実施例を示す擁壁の一部の背面図である。

【図９】第４実施例を示す擁壁の一部の背面図である。

【符号の説明】

３ 中間用積みブロック １２ 上下端用積みブロックの控尻部 １４，１４Ａ 第１添接縁 １５，１５Ａ 第２添接縁 １６ 基端縁 １７ 第３添接縁 １８ 第１横接続縁 １９ 第２横接続縁 ２０，２０Ａ 縦続接縁 Ｂ１ 上下端用積みブロック Ｂ２ 中間用積みブロック Ｐ１ 上下端用補填プレート Ｐ２ 中間用補填プレート

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 最下段に配列される上下端用積みブロッ
   クの控尻部と下から２段目に配列される中間用積みブロ
   ックの控尻部との間の空隙、および、最上段に配列され
   る上下端用積みブロックの控尻部と上から２段目に配列
   される中間用積みブロックの控尻部との間の空隙を横方
   向へ配列された状態で閉塞する上下端用の補填プレート
   であって、隣合う前記上下端用積みブロックの両控尻部
   の周縁のうち、下縁乃至上縁を除く半周縁に添接される
   第１添接縁およびこの第１添接縁と対称な第２添接縁
   と、下から２段目乃至上から２段目に配列される中間用
   積みブロックの控尻部の周縁の一部に添接される第３添
   接縁と、前記第１、第２添接縁にそれぞれ連接された基
   端縁と、前記第１添接縁に連接された第１横接続縁と、
   前記第２添接縁に連接されて前記第１横接続縁と等長で
   平行な第２横接続縁と、中間用積みブロックの控尻部間
   の空隙を閉塞する中間用補填プレート列のうちの最下列
   乃至最上列の中間用補填プレートの一部に密接される縦
   接続縁とを形成したことを特徴とする積みブロックのた
   めの補填プレート。