JPH0541983A - 細胞培養用基材およびその製造方法 - Google Patents

細胞培養用基材およびその製造方法

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JPH0541983A
JPH0541983A JP3224788A JP22478891A JPH0541983A JP H0541983 A JPH0541983 A JP H0541983A JP 3224788 A JP3224788 A JP 3224788A JP 22478891 A JP22478891 A JP 22478891A JP H0541983 A JPH0541983 A JP H0541983A
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cells
culture
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sea
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Manabu Yamazaki
学 山崎
Michiko Tsuchida
路子 土田
Yuichi Mori
森  有一
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WR Grace and Co
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Abstract

(57)【要約】 【目的】剥離性の悪い細胞に対しても短時間で十分に細
胞が剥離する細胞培養用基材を提供すること。 【構成】LCSTを有する温度感応性高分子化合物と細
胞接着性物質からなる細胞培養用基材において、該細胞
培養用基材中の細胞接着性物質が架橋されている部分と
架橋されていない部分を海島構造状、海海構造状または
層状構造状に持つこと特徴とする細胞培養用基材および
その製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、細胞培養に適した基材
に関する。さらに詳しくは、細胞産生物を生産させるた
めに継代培養が必要な細胞の培養に適した基材に関す
る。また、本発明は細胞培養用基材の製造方法にも関す
る。
【0002】
【従来の技術】今日の細胞培養技術は、1)細胞産生物
の生産、2)生体の病変部や欠損部への補綴材、3)薬
剤の毒性および薬理活性評価用のシュミレーターなどに
利用されている。
【0003】以下に上記の応用分野を中心として従来技
術について概観する。
【0004】今日、細胞培養に使用されている動物細胞
は2種類に分類される。即ち、接着非依存性細胞(anch
orage independent cells)と接着依存性細胞(anchora
gedependentcells)である。前者の接着非依存性細胞
は、生存、増殖、物質産生能などの細胞機能が細胞の足
場である基質が存在しなくても正常に発現される細胞で
ある。典型的な例としてミエローマ細胞、リンホーマ細
胞などから形成されるハイブリドーマがあげられる。
【0005】一方、後者の接着依存性細胞は、生存、増
殖、物質産生能などの細胞機能が細胞の足場である基質
が存在しなくては正常に発現されない細胞である。初代
培養細胞をはじめとした正常二倍体細胞の大部分は接着
依存性である。さらに無限に増殖可能な樹立細胞系に
も、接着依存性を示すものが数多く知られている。例え
ば、インターフェロン、インターロイキンなどのサイト
カイン類、エリスロポエチン、コロニー・ステュミレイ
ティング・ファクター、トロンボボエチンなどの各種分
化成長ホルモン、組織プラスミノーゲンアクチべータ
ー、ワクチンなどの有用な細胞産生物を生産する樹立細
胞系にも接着依存性を示すものが多く知られている。従
って、これら有用な細胞産生物の生産のためにも接着依
存性細胞の培養技術の確立は非常に重要である。
【0006】一般に細胞を物質生産のために利用する場
合、細胞を高機能を維持した状態で大量にかつ高密度に
培養することが重要である。ところが、動物細胞は微生
物細胞と比較して老廃物の蓄積および酸素をはじめとし
た栄養物の供給不足の影響を受け易く、高密度で大量に
培養する時にその機能を維持することが極めて困難であ
る。
【0007】接着非依存性細胞の場合には、浮遊培養法
が最も適当であると考えられている。撹拌下に浮遊培養
法を行えば、細胞老廃物の速やかな除去および栄養物の
効率的な供給が可能であり、大量かつ高密度化を目的と
した装置のスケール・アップが容易だからである。しか
し、接着依存性細胞の場合には、細胞の足場としての基
質が必要なために浮遊培養法を適用することができな
い。そこで従来、種々の接着依存性細胞の培養器が開発
されてきた。例えば実験室的に少量の細胞を培養する場
合には、一般的にはデイッシュ型、フラスコ型、プレー
ト型などの細胞培養器が広く使用されている。しかし、
これらの容器は細胞を大量に効率良く培養したい場合に
は不適当である。このため、細胞が接着する基質面積を
全体の容積に対して大きくすることによって大量培養を
可能にするために、以下のような工夫が行われてきた。
【0008】 細胞培養用のガラスビンを回転させ壁
面全体に細胞を増殖させるローラーびん法: 細胞接着用の板を培養溶液中に平行に並べその間に
培養液を循環させるマルチトレー法: プラスチックフィルムを渦巻状にしたものを円筒内
に挿入し横に回転させながら細胞を接着させた後にフィ
ルム間に培養液を循環させるコイル培養法: 半透過性を有する中空糸膜を用いて中空糸の外面に
細胞を接着させ内側に培養液を循環させることにより、
中空糸膜から栄養物を補給し、老廃物を除去する中空糸
培養法: 充填したガラスビーズに細胞を接着させその間隙に
培養液を循環させる充填ガラスビーズ法: マイクロビーズを培養液中に浮遊させマイクロビー
ズ表面に細胞を接着させて撹拌下に培養を行う疑似浮遊
培養法(マイクロビーズ培養法)である。
【0009】以上のように、細胞を高密度で大量培養す
ることにより有用な細胞産生物を効率良く大量に生産さ
せるために、培養装置および培養基材の形状に重点をお
いた開発が従来進められてきた。しかし近年、接着依存
性細胞の活性あるいは機能維持および発現には培養基材
の性質が著しく関連していることがわかってきて、上述
したように培養基材の形状により酸素をはじめとした栄
養素の効率的供給あるいは細胞老廃物の効率的除去のみ
では細胞を長期間にわたり、その活性および特異的な機
能を維持した状態で培養することがほとんど不可能であ
るということがわかってきた。そこで培養基材の性質を
種々変えることにより細胞の活性、機能維持を向上させ
る試みが近年活発に行われはじめた。現在、細胞培養容
器の材質として光学的透明性、無毒性、良好な機械的物
性および成型性、低コストなどの点からポリスチレンが
広く使用されている。しかしポリスチレン表面は疎水性
が強く、細胞活性維持のために細胞の接着が著しく阻害
されるという重大な欠点を有している。そこでポリスチ
レン表面をコロナ放電処理することにより表面にのみ陰
イオン基を導入し親水性を付与することにより細胞の接
着性、増殖性を改善した細胞培養基材が開発され広く使
用されている。しかしこの程度の改善では細胞の特異的
な機能を発現させそれを維持することが困難であること
がわかってきて最近では培養細胞の環境を細胞が生体内
に存在する状態に出来るだけ近づけることにより細胞の
接着、増殖、分化、物質産生能などの機能を向上させる
研究が行われてきた。即ち、細胞外マトリックスを細胞
基材に組合せる方法である。
【0010】ところで、生体内での細胞外マトリックス
の機能についての研究が近年急速に進み、従来から知ら
れていた細胞を支持、固定化するという単純な受動的な
役割だけではなく、細胞機能を能動的に制御する機能も
有していることが分かってきた。
【0011】例えば、細胞外マトリックスの主成分であ
るコラーゲンには10種以上あることが発見されてお
り、それぞれのコラーゲンは決まった細胞によって合成
され、一定の組織に局在し、そして異なる細胞機能を制
御する役割を有していることが解明されつつある。ま
た、同一タイプのコラーゲンでも、高次構造の変性ある
いは種々の官能基を導入するなどの改質によっても細胞
機能に影響があることがわかってきた。
【0012】また、細胞外マトリックスの第2成分であ
る、フィブロネクチン、ラミニン、ビトロネクチン、プ
ロテオグリカン、グリコサミノグリカンなどは、コラー
ゲンおよび細胞膜に対して特異的な結合部位を有し、細
胞の基質への接着に重要な役割を果たしている。なお、
接着性タンパク質はそれぞれ一定種の細胞、コラーゲン
に特異的に結合する。例えば、フィブロネクチンは主と
して繊維芽細胞およびI型、II型のコラーゲンに、ラミ
ニンは上皮、内皮細胞およびIV型コラーゲンにそれぞれ
特有の結合部位を有している。更に上記の細胞外マトリ
ックス以外にも細胞機能に大きな影響を与えるものとし
てコラーゲンの熱変性物であるゼラチン、細胞膜上の糖
鎖に特異的に結合するレクチン、フィブロネクチンなど
の結合部位である接着性オリゴペプチド、イガイから得
られた細胞接着蛋白等が知られている。上記の細胞の接
着、増殖を制御する因子を培養基材に組合せた例として
は、コラーゲンをコーティングした培養基材(K.Yoshiz
ato.et al..Annals ofPlastic Surgery.13.9.1984)、
またフィブロネクチンをコーティングした基材(F.Grin
nell.Expl.Cell Res.102.51.1976)、またイガイから得
られた細胞接着蛋白をコーティングした基材(P.T.Picc
iano.et all..In Vitro Cellular andDevelopmental Bi
ology 22(3).24A.1986)などが開発され、細胞接着およ
び増殖効果の改善が認められている。さらには生体由来
の細胞外基質のかわりにガラクトース末端を側鎖に有す
るポリスチレンをコーティングした基材(赤池敏宏ら、
人工臓器、17.227.1988)が開発され特に肝細胞の接着
性の向上および生存性の維持が認められている。従来、
培養条件が厳しく接着が非常に困難であった細胞も上記
したような方法で表面を処理した培養基材を用いること
によって培養が可能になってきた。以上述べたように、
栄養素への効率的な補給および老廃物の効率的な除去が
可能な細胞培養法の開発、細胞の特異的な機能を維持す
ることを目的として細胞接着・増殖因子をくみこんだ培
養基材の開発が進んできたにも拘らず、現在の技術には
下記のような重大な問題点が残されていた。
【0013】接着依存性細胞の重要な特徴は、細胞が培
養基材に接着し、増殖し、基材表面を完全に覆ってしま
うとコンタクト・インヒビションという機能が働きそれ
以上の細胞増殖が停止してしまうという性質である。し
たがって細胞を更に増殖させるためには細胞を新しい培
養基材に植え替える継代操作が必要となる。
【0014】従来、基材表面に接着し、増殖した細胞を
脱離させる継代操作にはトリプシン、コラゲナーゼ、な
どの蛋白分解酵素、カルシウムイオンの錯体化合物であ
るEDTAなどが一般的に用いられてきたがこれらの細
胞脱離剤は下記のように細胞機能および細胞培養工程に
重大な障害をもたらす。
【0015】1)従来の細胞脱離剤は培養基材と細胞の
間の結合を破壊するのみならず細胞と細胞の間のあらゆ
る結合を破壊してしまう。細胞間の結合にはタイトジャ
ンクション、ギャップジャンクション、デスモゾームと
呼ばれる3種類の結合様式があることがわかっていて、
細胞同士が集合してタイトジャンクションが形成される
と細胞集合体としての物質透過に対してのバリヤーとし
ての働き生体内部の特異的環境が維持される。またギャ
ップジャンクションが形成されるとその結合を通じて隣
り合う細胞間の情報および物質の交換が行われる。一
方、デスモゾームはタイトジャンクション、ギャップジ
ャンクションの結合が維持されるように細胞集合体を機
械的に保持する。したがって細胞はそれ自身単独では活
性、機能の発現は困難であり上述した細胞間結合によっ
て社会を形成してはじめて機能が発現するものと考えら
れている(B.Alberts.et al.゛Molecular Bioloby of t
heCell″.3rd edn.Garland Publishing.Inc..NewYork&L
ondon P.673.1983)。したがって従来の細胞脱離剤は高
度に機能が維持された状態で培養された細胞に対しても
継代時に致命的な障害を与えてしまう。
【0016】2)細胞膜上にはホルモン、神経伝達物質
などの種々の信号物質に対するリセプターが存在し、細
胞はこれらの信号物質とリセプターの特異的反応により
遠隔制御を受けかつ行っている。蛋白分解酵素などの従
来の細胞脱離剤はこれらの細胞膜リセプターを破壊して
しまうことがわかっている(C.Sung.et al..BiochemPha
rmocol.38.696.1989)。したがって従来の技術によって
継代された細胞を特異的生理活性を有する信号物質によ
りその機能をコントロールすることはほとんど不可能で
ある。
【0017】3)一般的に細胞培養液中には栄養素とし
て血清が添加されていて血清中には強力なトリプシン阻
害物質が存在する。このため、トリプシン処理の継代時
には、あらかじめ緩衝液で充分細胞を洗浄しトリプシン
阻害物質を除去しておくことが必要である。この洗浄工
程は操作を煩雑にするばかりでなく細胞培養にとって致
命的な汚染の重大な原因にもなる。すでに述べたように
細胞外マトリックスなどの細胞の接着、増殖、分化など
の機能の発現を促進させる因子を用いた培養基材の進展
にもかかわらず、細胞を回収、継代する際に従来の細胞
脱離剤を用いれば上述(1)、(2)の理由によりせっ
かく維持された細胞の高機能性が著しく損なわれること
になる。この問題が高機能性を維持した細胞を培養する
技術の大きな障害になっている。
【0018】一方、従来の細胞脱離操作は大量培養技術
にも致命的な欠点をもたらす。即ち接着依存性細胞は培
養液中の初期細胞濃度が低すぎると細胞は基質に接着し
ても増殖および物質産生機能を十分に発揮することがで
きないといわれている。特に採取が困難な初代培養細胞
あるいは正常二倍体細胞などの場合は、初めから大容量
の培養液中で培養することは細胞濃度が低くなりすぎる
ので、小容量の培養装置を用いて段階的に細胞継代を繰
り返しながら大容量化しなければならない。即ち通常、
大量培養時には数回の細胞回収、継代の操作が必要にな
る。したがって(3)の理由により従来の細胞脱離法は
特に大量培養時の致命的欠隔である操作装置の煩雑化お
よび汚染の大きな危険性にもつながることになる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、回収時や継
代時の細胞機能の劣化、操作の繁雑さ、汚染の危険性と
いった従来の細胞培養技術の問題点を解決した細胞培養
用基材を提供することを目的とする。
【0020】かかる目的に沿った技術として、本発明者
らは温度感応性高分子化合物を用いた細胞培養技術を開
発してきた。しかしながら、細胞の剥離性は細胞の種類
によってまちまちであるため、これらの技術を用いても
剥離するのに時間がかかったり、剥離の程度が十分でな
い細胞がわずかながら存在することが明らかになった。
そこで本発明は、剥離性の悪い細胞に対しても短時間で
十分に細胞が剥離する細胞培養用基材を提供することを
目的としている。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、LCST
を有する温度感応性高分子化合物と細胞接着性物質から
なる細胞培養用基材において、該細胞培養用基材中の細
胞接着性物質が、架橋されている部分と架橋されていな
い部分を海島構造状、海海構造状または層状構造状で持
つことを特徴とする細胞培養用基材を提供する本発明に
より達成された。
【0022】本発明の細胞培養用基材に使用する細胞接
着性物質は、試料として与えられた細胞を変性すること
なく接着する物質を1以上含み、コラーゲンを50%以
上含有するものを意味する。細胞を変性することなく接
着する物質としては、コラーゲン、フィブロネクチン、
ビトロネクチン、ラミニン、プロテオグリカン、グリコ
サミノグリカンなどの細胞外マトリックス成分や、コラ
ーゲンの熱変性物であるゼラチンやその他のコラーゲン
誘導体、細胞膜上の糖鎖に親和力を有するコンカナバリ
ンA(Con A)などのレクチン、イガイ由来の接着タン
パク質、フィブロネクチンと細胞との接着部位に対応す
る接着性オリゴペプチドなどが挙げられる。一方、細胞
接着性物質に含有させることができるコラーゲンの種類
は、特に限定されない。したがって、各種タイプのコラ
ーゲン単体やそれらの混合物を広く用いることができ
る。
【0023】本発明の細胞培養用基材に使用するLCS
Tを有する温度感応性高分子とは、水に対する溶解度温
度係数が負を示す高分子化合物であり、低温にて生成す
る高分子化合物と水分子との水素結合に依存する水和物
(オキソニウムヒドロキシド)が、高温で分解し脱水和
することにより、高分子化合物同士が凝集し沈殿する特
徴を有する。LCST(Lower Critical Solution Temp
erature)とは、このような温度感応性高分子化合物の
水和と脱水和の転移温度をいう(例えば、ハスキンズ
(M. Haskins)らの J. Macromol, Sci.-Chem., A2
(8), 1441 (1968) 参照)。したがって、温度感応性高分
子化合物は、LCSTより高い温度では非水溶性で固体
状態であり、温度をLCSTより低くすることによって
可逆的に水溶性になる。
【0024】本発明では、培養温度より低いLCSTを
有する温度感応性高分子化合物を使用する。このような
高分子化合物であれば、その構造を問わず広く使用する
ことができる。該温度感応性高分子化合物は、細胞培養
温度では水に不溶性の固体状態あるため、細胞接着性物
質と温度感応性高分子化合物とからなる層を足場として
細胞が接着、増殖することができる。また、温度をLC
ST以下にすることによって高分子化合物は水に可溶性
になるため増殖した細胞は足場を失い、細胞間の結合を
損なわずしかも細胞膜表面のタンパク質を損傷すること
なく増殖細胞を回収することができる。したがって、細
胞接着性物質と温度感応性高分子化合物とからなる本発
明の基材を用いれば、トリプシンやEDTAといった剥
離剤を使用せずに、機能を損なうことなく細胞を簡単に
剥離して回収することができる。本発明で使用すること
ができる温度感応性高分子化合物としては、ポリN置換
アクリルアミド誘導体、ポリN置換メタアクリルアミド
誘導体およびこれらの共重合体、ポリビニルメチルエー
テル、ポリエチレンオキサイド、エーテル化メチルセル
ロース、ポリビニルアルコール部分酢化物などが挙げら
れる。特に好ましいのは、ポリN置換アクリルアミド誘
導体、ポリN置換メタアクリルアミド誘導体またはこれ
らの共重合体、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニル
アルコール部分酢化物である。
【0025】好ましい高分子化合物を以下にLCSTが
低い順に列挙する。 ポリ−N−アクリロイルピペリジン; ポリーN−n−プロピルメタアクリルアミド; ポリーN−イソプロピルアクリルアミド; ポリーN,N−ジエチルアクリルアミド; ポリーN−イソプロピルメタアクリルアミド; ポリーN−シクロプロピルアクリルアミド; ポリーN−アクリロイルピロリジン; ポリーN,N−エチルメチルアクリルアミド; ポリーN−シクロプロピルメタアクリルアミド; ポリーN−エチルアクリルアミド 上記の高分子は、単一の単量体を重合したものであって
も、他の単量体と共重合したものであってもよい。共重
合する単量体は、親水性単量体、疎水性単量体のいずれ
であってもよい。一般的には、親水性単量体と共重合す
るとLCSTは上昇し、疎水性単量体と共重合するとL
CSTは下降する。したがって、これらを適宜選択する
ことによって所望のLCSTを有する高分子化合物を得
ることもできる。
【0026】親水性単量体としては、N−ビニルピロリ
ドン、ビニルピリジン、アクリルアミド、メタアクリル
アミド、N−メチルアクリルアミド、ヒドロキシエチル
メタアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒ
ドロキシメチルメタアクリレート、ヒドロキシメチルア
クリレート、酸性基を有するアクリル酸、メタアクリル
酸およびそれらの塩、ビニルスルホン酸、スチルスルホ
ン酸およびそれらの塩、ビニルスルホン酸、スチルスル
ホン酸など、並びに塩基性を有するN,N−ジメチルア
ミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエ
チルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル
アクリルアミドおよびそれらの塩などが挙げられるが、
これらに限定されるものではない。
【0027】一方、疎水性単量体としては、エチルアク
リレート、メチルメタクリレート、グリシジルメタクリ
レートなどのアクリレート誘導体およびメタクリレート
誘導体、N−n−ブチルメタアクリルアミドなどのN置
換アルキルメタアクリルアミド誘導体、塩化ビニル、ア
クリロニトリル、スチレン、酢酸ビニルなどが挙げられ
るが、これらに限定されるものではない。
【0028】本発明で使用する温度感応性高分子化合物
は、分子量が1.0x105以上であるのが好ましい。さ
らに好ましくは1.0x106以上である。分子量が小さ
いと、細胞接着性物質と温度感応性高分子化合物とを含
有する層が、細胞を播種したときにその一部が剥離して
しまうため、十分に細胞を脱離することができない。な
お、ここでいう分子量とは、粘度から求めた平均分子量
をさす。例えば、ポリ−N−イソプロピルアクリルアミ
ドの平均分子量と極限粘度との関係は、下記の式で表さ
れる。
【0029】
【式1】 本発明の細胞培養用基材は、細胞接着性物質に架橋され
ている部分とされていない部分が海島構造状、海海構造
状または層状構造状に形成されていることを特徴とす
る。
【0030】細胞接着性物質の代表例であるコラーゲン
は一般に培養状態において線維を形成し、生体内と同様
の構造をとることが知られている。そして、このように
線維を形成したコラーゲンは、培養液に溶解することは
ほとんどない。しかし、温度感応性高分子化合物とコラ
ーゲンが共存する系においては、コラーゲンが本来有す
る線維形成能を十分に発揮することができないため、細
胞が基材に接着する前に基材中のコラーゲンの一部が培
養液に溶出してしまう。その結果、細胞の接着性や増殖
性が悪くなって系の利用性を損なう場合もある。かかる
事態に対処するために、本発明の細胞培養用基材のコラ
ーゲンには部分的に架橋が導入されている。架橋を導入
することによって、コラーゲンは培養液に対して不溶性
になるため、細胞を基材に十分に接着させることができ
るのである。
【0031】一方、細胞は細胞膜表面にモザイク状に存
在する結合サイトにより細胞培養用基材に接着して増殖
する。この接着様式は多点接着であるため、接着点の数
が多ければ多いほど細胞の接着強度は強くなって剥離し
にくくなる。従って、細胞培養用基材からの剥離性が悪
い細胞を培養する際は、このような接着点をある程度少
なくする方が有利である。そこで、本発明の細胞培養用
基材は、細胞接着性物質に架橋が導入されている部分と
されていない部分が混在する構造にして、細胞が主とし
て架橋が導入されている部分に接着するようにしてい
る。
【0032】具体的には、細胞接着性物質に架橋が導入
されている部分とされていない部分が、海島構造状、海
海構造状または層状構造状に存在する。本発明の細胞培
養用基材は、これら3つの構造のいずれかのみからなっ
ていても、これら3つの構造が混在していてもよい。ま
た、これらの構造は規則性をもっていてもいなくてもよ
い。
【0033】海島構造状である場合は、架橋が導入され
ている部分が海と島のいずれになっていてもよい。架橋
が導入されている部分が島であっても海であっても、島
のサイズおよび島と島の間の距離は培養する細胞のサイ
ズ以下であるのが望ましい。これらのサイズの平均は両
方とも、50μm以下であるのが好ましく、20μm以下
であればより好ましい。また、下限は通常0.1μmであ
る。
【0034】海海構造状または層状構造状である場合
は、その周期が培養する細胞のサイズの2倍以下である
のが好ましい。ここで、周期とは細胞培養用基材をある
一線で切ったときに、隣あう2つの部分(架橋されてい
る部分とされていない部分)の距離の平均値をいう。周
期は100μm以下であるのが好ましく、40μm以下で
あればより好ましい。
【0035】本発明の細胞培養用基材中に含有させる細
胞接着性物質のうち架橋されているものの総面積は、細
胞の増殖面積の50%以下あるのが望ましい。また、3
0%以下であればより望ましい。
【0036】細胞接着性物質へ架橋を導入する方法は、
特に限定されるものではなく、一般的に用いられる方法
であればいかなる方法であってもよい。例えば、グルタ
ールアルデヒドなどを用いた化学的処理法、オゾン処理
法、紫外線処理法、電子線処理法、プラズマ処理法など
を用いることができる。架橋されている部分とされてい
ない部分とを本発明のように海島構造状、海海構造状ま
たは層状構造状にするには、紫外線処理法、電子線処理
法、プラズマ処理法が適していると思われる。本発明の
細胞培養用基材に含有させる細胞接着性物質と温度感応
性高分子化合物との重量比は、1:9から1:49の範
囲内にすれば細胞の接着、増殖、剥離性が良好であるた
め好ましい。より好ましい範囲は、1:9から1:39
である。また、本発明の細胞培養用基材においては、細
胞接着性物質と温度感応性高分子化合物の構造は、特に
制限されるものではなく、どのような構造をとっていて
もよい。
【0037】本発明の細胞培養用基材は、上記の細胞接
着性物質と温度感応性高分子化合物からなるコーティン
グ層と支持体から形成されているのが一般的である。し
かし、支持体上にコーティングされていない基材も本発
明の範囲に含まれる。乾燥後のコーティング層の厚みは
0.5μm以上であるのが好ましく、1.0μm以上であれ
ばより好ましい。コーティング層の厚みは、基材を形成
する物質の密度を1.0と考えて、混合物溶液の濃度と
乾燥前のコーティング層の厚みから計算して求める。コ
ーティング層の厚みが0.5μm以下であると、細胞の脱
離性が悪くなったり、脱離までの時間が非常に長くなっ
たりして、性能が不安定になる。細胞接着性物質と温度
感応性高分子化合物からなる層のコーティングは、支持
体の全表面にわたってもよいし、一部であってもよい。
【0038】本発明において、コーティングされる支持
体は、透明または半透明であるのが好ましい。とくに、
細胞を顕微鏡下で観察するのに十分な透明性を有してい
ることが好ましい。材料は、ガラス、ポリスチレン、ポ
リプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミ
ド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリメチル
メタクリレート、アクリル系樹脂などの透明または半透
明の材料を広く用いることができる。また、物質透過性
を有する膜を使用するのも好ましい。そのような膜の例
として、再生セルロース、セルロースアセテート、コラ
ーゲン、キトサンなどの半透膜や、ポリプロピレン、セ
ルロースアセテート、テフロンTM、ポリフッ化ビニリデ
ンなどの多孔質膜などを挙げることができるが、これら
に限定されるものではない。支持体の形状は、ディッシ
ュ、プレート、ボトル、チューブ、フラスコ、フィルム
などが一般的であるがこれらに限定されるものではな
い。本発明の細胞培養用基材は、通常用いられている当
業者に自明な方法で製造することができ、その方法は特
に制限されない。例えば、溶媒キャスティング法やディ
ップ法を用いれば簡便に製造することができる。
【0039】上記の細胞培養用基材は、(a)細胞接着
性物質と温度感応性高分子化合物とを含有する層を形成
し、(b)この層中の細胞接着性物質に架橋されている
部分と架橋されていない部分を海島構造状、海海構造状
または層状構造状になるように形成させる本発明の製造
方法によって製造するのが望ましい。本発明の方法を用
いることによって、安定した性能を有する細胞培養試験
用基材を極めて効率的に製造することができる。工程
(a)においては、キャスト法やディップ法など層を形
成させることができる方法を広く用いることができる。
したがって、細胞接着性物質と温度感応性高分子化合物
の層を別々に形成させるような方法を採ることもでき
る。工程(b)においては、架橋を導入しうる反応を広
く用いることができる。経済性を考慮すれば、上記の構
造を有するマスクを用い、紫外線により架橋を導入する
のが望ましい。紫外線の照射量(照射強度x時間:25
4nm)は、100〜10,000J/m2とするのが好まし
く、500〜8,000J/m2とすればより好ましい。1
00J/m2以下では紫外線照射の効果がほとんどなく、
また、10,000J/m2以上では細胞がほとんど剥離し
ない。なお、254nm以外の波長の紫外線を使用する場
合は、254nmの紫外線を上記の範囲で照射したときと
同程度の架橋を生じる量を照射する。紫外線照射は1回
であっても、複数回であってもよい。
【0040】以上述べたように、本発明の細胞培養用基
材は、細胞の回収、継代操作の重大な問題点である、ト
リプシンの細胞脱離用酵素を始めとする脱離剤による細
胞機能障害、洗浄操作などの工程の繁雑さ、工程複雑化
に伴う汚染の危険性などをすべて解決している。すなわ
ち、本発明の細胞培養用基材を用いれば、単純な工程で
細胞を高機能下に維持したまま回収、継代し、多くの有
用な細胞産生物を生産することができる。また、脱離し
にくい細胞を用いたときでも短時間で細胞を剥離するこ
とができる。しかも、本発明の細胞培養用基材を用いれ
ば、これらの効果を安定に発揮し、しかも再現性高く目
的を達することができる点にも特徴がある。また、本発
明の製造方法を用いれば、性能が安定した細胞培養用基
材を簡便な方法で製造することができる。
【0041】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的
に説明するが本発明の範囲は特許請求の範囲の記載によ
り定まるものであり、以下の実施例により制限を受ける
ものではない。 (実施例1)0.5%(w/v)牛真皮ペプシン可溶化タイ
プIコラーゲン溶液(pH3)(KOKEN CELLGEN I-PC、
(株)高研製)と、0.5%(w/v)ポリ−N−イソプロピ
ルアクリルアミド(平均分子量3.5×106、以下 PNI
PAAm)水溶液(塩酸でpH3に調製、この溶液はオート
クレーブ処理後再溶解したもの)を、コラーゲンとPNIP
AAmの混合比が1対9になるように混合し、キャスティ
ング溶液を調製した。このキャスティング溶液の400
μlを市販のφ35mmディッシュ(Falcon#3001、日本ベ
クトン製)に分注し、すばやく均一にのばしてコーティ
ングした。その後、10℃のインキュベーター内で約5
時間乾燥させた。乾燥後のコーティング層の厚みは、約
2μmである。このディッシュにステンレス製のメッシ
ュ(500メッシュ)を乗せ、紫外線照射装置(XX−
100、波長254nm、フナコシ製)で10分間紫外線
を照射した。このときの紫外線のエネルギーは約10,
000J/m2であった。コーティングおよび紫外線の照
射は、無菌的な環境下で行った。このディッシュにpH
3の蒸留水(37℃)を2ml加え、37℃で2時間放置
した。その後、この蒸留水を取り除き、クマジーブリリ
アントブルー(R−250)(37℃)でコラーゲンを
染色した。2時間後37℃の脱色液(体積比、酢酸:メ
タノール:水=1:1:8)で洗浄し、未反応の染色液
を取り除いた。37℃で乾燥した後、顕微鏡下で紫外線
照射部分と未照射部分の染色の程度を比較した。結果は
図1に示すとおりであった。メッシュのパターン状に未
照射部分はほとんど染色されず照射部分だけが濃紺に染
色された。このことにより、海島構造状にコラーゲンに
架橋を導入できることが証明された。 (実施例2および比較例1)実施例1に示した方法でデ
ィッシュにコーティング層を形成させ、その後、表1に
示すような条件でメッシュ(500メッシュ)をいれて
紫外線を照射し、培養評価を行った。このメッシュを用
いて架橋を導入すると、架橋されたところの総面積は4
1%となった。
【0042】また、比較例としてメッシュを入れないで
紫外線照射したものも同時に培養評価した。
【0043】以下に培養評価実験の内容を示す。ヒト真
皮由来の線維芽細胞をダルベッコ改変イーグル培地(以
下D−MEM、10%牛胎児血清含有、GIBCO社
製)を用いて、最終細胞濃度が約2x105細胞/mlに
なるように細胞懸濁液を作製し、37℃に保温した。ま
た、ディッシュはあらかじめ37℃に保温しておいたプ
レート(マイクロウォームプレート、北里サプライ製)
の上に乗せ保温し、細胞懸濁液を2ml注入した。これを
素早く37℃の炭酸ガスインキュベーター(5%炭酸ガ
ス)内に移し3日間培養した。
【0044】細胞の接着、増殖性と剥離性については、
位相差顕微鏡下で観察し以下の式に従い、接着、増殖率
と剥離率を計算した。なお、接着、増殖性の観察は37
℃で行い、剥離性の観察は、ディッシュを氷上に移し3
分間放置したのち室温において行った。
【0045】
【式2】 結果を表1に示す。メッシュを使用した系では、メッシ
ュを用いない系に比較して、細胞の接着、増殖性はやや
悪くなるものの、剥離性は大幅に改善され、さらに、メ
ッシュを使用しない系では、細胞の剥離に約3〜5分か
かるのに比べ、メッシュの系では約1分で細胞が剥離
し、剥離スピードの改善も確認された。
【0046】
【表1】 (実施例3および比較例2)実施例1、実施例2および
比較例1に示した方法と同様にコーティングおよび細胞
評価を行った。ただし、メッシュの代わりに石英ガラス
に線幅6μm、周期10μmの層状のパターンが刻れてい
るフォトマスクを用いた。このマスクを用いて架橋を導
入すると、架橋されたところの総面積は40%となっ
た。また、細胞はヒト絨毛膜由来の線維芽細胞を用い、
培地としてイーグル培地を用いた。
【0047】結果を表2に示す。実施例2と同様に、マ
スクを使用した系では、マスクを用いない系に比較し
て、細胞の接着、増殖性はやや悪くなるものの、剥離性
は大幅に改善され、さらに、剥離スピードの改善も確認
された。
【0048】
【表2】 (実施例4および比較例3)実施例1、実施例2および
比較例1に示した方法と同様にコーティングおよび細胞
評価を行った。ただし、コラーゲンとPNIPAAmの
混合比を1:19にし、さらにメッシュの代わりに石英
ガラスに周期10μmの海海構造のパターンが刻まれて
いるフォトマスクを用いた。このマスクを用いて架橋を
導入すると、架橋された部分の総面積は30%となっ
た。また、細胞はIMR−90(ヒト胎児肺由来の線維
芽細胞株)を用いた。また、培地はD−MEMを用い
た。
【0049】結果を表3に示す。実施例2および3と同
様にマスクを使用した系では、マスクを用いない系に比
較して、細胞の接着、増殖性はやや悪くなるものの、剥
離性は大幅に改善され、さらに剥離スピードの改善も確
認された。
【0050】
【表3】
【0051】
【発明の効果】本発明の細胞培養用基材を用いることに
よって、細胞の回収、継代操作の重大な問題であった剥
離剤による細胞機能障害や、洗浄操作などによる工程の
複雑化に伴う汚染の危険性を回避できるようになった。
したがって、本発明の細胞培養用基材を用いれば、細胞
を高機能下に維持したまま簡便な操作により再現性よく
回収、継代することができるため、多くの細胞産生物の
生産が可能になった。さらに、今までは剥離性が不十分
であったり、剥離までの時間がかかりすぎていた細胞に
対しても、十分な剥離性を短時間で可能とすることがで
きるようになった。
【0052】また、本発明の製造方法によれば、性能が
安定した細胞培養用基材を簡便な方法で製造することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)および(b)は倍率170倍の顕微鏡写
真である。(a)は使用したステンレスメッシュ(50
0メッシュ、線幅18μm)である。(b)は、コラー
ゲンとPNIPAAmの混合比が1:9のコーティング
にメッシュを用いて紫外線を照射し、未架橋のコラーゲ
ンを洗浄した後、クマジーブリリアントブルー(R−2
50)で架橋したコラーゲンを染色したものである。黒
い部分が架橋したコラーゲンを示している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 土田 路子 神奈川県厚木市戸室671−1 SAT I II ATSUGI 306 (72)発明者 森 有一 神奈川県横浜市金沢区釜利谷町1642−212 B−4

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】LCSTを有する温度感応性高分子化合物
    と細胞接着性物質からなる細胞培養用基材において、該
    細胞培養用基材中の細胞接着性物質が,架橋されている
    部分と架橋されていない部分を海島構造状、海海構造状
    または層状構造状に持つこと特徴とする細胞培養用基
    材。
  2. 【請求項2】 (a)細胞接着性物質と温度感応性高分子化合物とを含
    有する層を形成する工程 (b)この層中の細胞接着性物質に架橋されている部分
    と架橋されていない部分を海島構造状、海海構造状また
    は層状構造状になるように形成させる工程 からなる請求項1の細胞培養用基材の製造方法。
JP3224788A 1991-08-09 1991-08-09 細胞培養用基材およびその製造方法 Pending JPH0541983A (ja)

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EP92250209A EP0529751A1 (en) 1991-08-09 1992-08-10 Cell culture substrate, test material for cell culture and preparations thereof

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2005108554A1 (ja) * 2004-05-11 2005-11-17 Shukokai Incorporated 腫瘍ワクチンなどへの養子免疫細胞
WO2023074649A1 (ja) * 2021-10-26 2023-05-04 住友化学株式会社 細胞培養基材

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US8075882B2 (en) 2004-05-11 2011-12-13 Shukokai Incorporated Adoptive immune cells for tumor vaccines
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