JPH0541794B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、少なくとも１つの開放位置で保持さ
れた、フラツプ、蓋又はドア等の、ほぼ水平な旋
回軸を中心にして旋回可能な部分のための重量釣
り合わせ及び保持装置として構成されたガスばね
に関する。

従来技術 このような旋回可能な部分のためには２つのガ
スばねを使用することが知られている。同様に、
ドイツ連邦共和国特許出願公告第2513302号明細
書によれば、上方旋回可能な部分を種種異なる開
放位置で保持するために、ストロークに応じて作
用するロツク装置を備えたガスばねを設けること
が知られている。このロツク装置は、ガスばね内
部に配置された移し通路がストロークに応じて閉
じられるように構成されている。

発明が解決しようとする問題点 前記公知のガスばねにおいては、大きい開放角
度を得るためには、旋回部分をガスばね内部の移
し通路の閉鎖区分を越えて開放方向に移動させる
必要がある。特に旋回部分の重量が比較的軽いも
のである場合は、ガスばねの接合部分及びヒンジ
部をより強い構造に設計して、ロツク装置に勝る
力が加えられた時でも前記接合部及びヒンジ部が
壊われることがないようにしなければならない。

そこで本発明の課題は、水平な軸を中心にして
旋回可能な部分の少なくとも２つの開放位置のた
めの保持装置及び重量釣り合わせ装置として作用
する初めに述べた形式のガスばねで、前記公知構
造の欠点を避けることができ、ガスばねのヒンジ
部及び接合部が最も広い範囲にわたつて、付加的
な操作力にさらされない状態で維持できるように
することである。

問題点を解決するための手段 前記問題点を解決した本発明によれば、２つの
ガスばねのうちの第１のガスばねが、前記旋回可
能な部分の全移動運動範囲にわたつて作用する外
方向の押し出し力を有しており、これに対して第
２のガスばねが旋回可能な部分の移動範囲の初め
の部分にわたつて作用する外方向の押し出し力と
付加的な力の自由移動範囲とを有している。

作 用 ガスばねの結合箇所の幾何学的な状態及び旋回
可能な部分の開放位置の幾何学的な状態に基づい
て、第１の開放位置で第１のガスばねの外方向押
し出し力が作用し、これに対して第２のガスばね
は旋回可能な部分の第１の開放位置への移動範囲
の最後で外方向の押し出し力を加えるようになつ
ている。従つて旋回可能な部分は２つのガスばね
の外方向の押し出し力によつて第１の開放位置で
保持される。旋回可能な部分を水平軸を中心とし
てさらに開放させるためには第１のガスばねの外
方向押し出し力によつて補助する必要があり、こ
れに対して第２のガスばねは付加的な力の自由移
動範囲で作業する。蓋の完全な開放位置では、第
１のガスばねの十分な外方向押し出し力が作用す
るので、旋回可能な部分は固定保持される。

実施態様 本発明の実施態様によれば第２のガスばねの長
さは、ピストンロツドがシリンダから完全に外へ
出た時に、旋回可能な部分の第１の開放位置に相
当する程度に設計されている。旋回可能な部分の
最大開放位置は、外方向の押し出力によつて第１
のガスばねの移動運動が安全に行なわれ、第２の
ガスばねが力の自由移動範囲内にあるために外方
向の押し出し力を加えないことによつて得られ
る。

本発明の別の実施態様によれば、第２のガスば
ねの力の自由移動範囲が、シリンダ又はピストン
のいずれか一方に沿つてスライド可能なスリーブ
によつて形成されていて、旋回可能な部材又はこ
の部材が連接されている不動の部分のうちのいず
れか一方に連接されている。

実施例 次に図面に示した実施例について本発明の構成
を具体的に説明する。

第１図においてハウジング１として形成された
不動の部分は、水平方向に延びる旋回軸３を備え
た蓋２として形成された旋回可能な部分を有して
いる。第１のガスばね４は蓋２に設けられた継手
５とハウジング１に設けられた継手６とに取りつ
けられている。これらの継手５，６は例えば蓋２
又はハウジング１に設けられたジヤーナルによつ
て形成されており、これらの継手５，６にいずれ
の場合でもガスばね４のジヨイントアイが係合し
ている。ガスばね４は圧縮ガスばねとして形成さ
れていて、圧縮ガスの充てんされたシリンダ１０
を有しており、これに対してピストンロツド１１
はシリンダ１０内で軸方向可動にガイドされてい
て外部に対してシールされている。蓋２の他方側
には第２のガスばね７が配置されており、この第
２のガスばね７は継手８を介して蓋２に接続され
ていて、継手９を介してハウジング１に接続され
ている。継手８のためのジヨイントアイはスリー
ブ１２の端部に固定されていて、このスリーブ１
２は第２のガスばねのシリンダ１４に軸方向移動
可能に配置されている。シリンダ１４内には圧縮
ガスが充てんされており、これに対してピストン
ロツド１３はシリンダ１４内で軸方向可動にガイ
ドされていて、外部に対してシールされている。
力の自由移動範囲１５はシリンダ１４に設けられ
たスリーブ１２の軸方向の可動性によつて得られ
る。

図面で示された、蓋２を有するハウジング１は
例えば、乾燥させるために夜の間開けておくこと
のできる第１の開放位置と、整備又は修理するた
めにより大きい角度で開けられる第２の開放位置
とを必要とするコピー機に使用される。第１の開
放位置を得るために蓋２は簡単に持ち上げられ、
次いでガスばね４，７の外方向の押し出し力によ
つて、第２のガスばね７のピストンロツド１３が
シリンダ１４から外へ出て最大外方向押し出し距
離に達するまで（第１図参照）蓋２を上方へ押し
やる。第１のガスばね４の外方向押し出し力は蓋
２をさらに開けるためには十分でないので、第１
の安定した開放位置が得られる（第１図参照）。
第１のガスばね４の外方向押し出し力は、蓋２が
所望の最大開放位置（第２図参照）で保持される
のに十分である。この第２の開放位置を得るため
に（第１の開放位置から出発して）、蓋２は手に
よつて持ち上げられ、この開放運動は第１のガス
ばね４の外方向押し出し力によつて補助される。
これに対して第２のガスばね７においては、スリ
ーブ１２がシリンダ１４に沿つてシフトすること
によつて力の自由移動範囲１５が作用する。第２
の開放位置は第１のガスばね４だけによつて維持
される。蓋２を閉じる時には、まず第１のガスば
ね４の外方向押し出し力に打ち勝ち、次いで第１
の開放位置に達してから第２のガスばね７の外方
向押し出し力に打ち勝つ力を蓋２に加える。

２つのガスばね４，７を組み込んだことによる
構造上の理由及び支えられる蓋２の重量に基づい
て、いずれの場合でも、その開放位置に従つて、
付加的な圧力の自由移動範囲を有する、ばね行程
の長いガスばねとばね行程の短かいガスばねとの
組み合わせによつて、旋回部分を２つの安定した
開放位置で保持するための非常に簡単な解決策が
提供される。もちろんこのようなガスばねの組み
合わせを１つの構造ユニツト、つまり、第１図及
び第２図に示された２つのガスばねと、ガスばね
の両端部にそれぞれヒンジ結合されハウジング１
及び蓋２に固定するための固定部材とから成る構
造ユニツトに組み立てることも可能である。さら
に、ガスばね４を変化させることによつて、蓋２
の第１の開放位置と第２の開放位置との間でさら
に別の安定した支持位置を得ることもできる。こ
れは例えばドイツ連邦共和国特許出願公告第
2513302号明細書に開示された、移動通路のため
の、行程に応じて作動する公知のロツク装置によ
つて得られる。

第３図には、第１図及び第２図で示された装置
の作動形式が概略的に示されている。第３図の上
側では第１のガスばね４の構造が示されていて、
下側では第２のガスばね７の構造が示されてい
る。第３図のａ、つまり位置ａ（第１図、第２図
には示されていない）において蓋２は完全に閉じ
られていてほぼ水平に位置している。この位置で
２つのガスばね４，７のばね力は、軸３を中心に
して作用する蓋２の重量モーメントに打ち勝つに
は不十分である。これは継手５，６，８，９の幾
何学上の位置に基づいている。このような幾何学
上の配置形式に基づいて、軸３を中心とした付加
的なガスばね力のモーメントは、ガスばね４，７
と軸３との間の作動ライン間のレバーアームが短
かいために小さい。従つて、ロツク部材が蓋２を
ほぼ水平な位置で閉じなくても安定した位置が得
られる。

第３図のｂ、つまり位置ｂ（第１図に対応する）
を得るためには蓋２に小さい開放モーメントが加
えられるが、この手動操作力はガスばね４，７に
よつて補助される。蓋２を位置ｂに向かつてやや
旋回させると、ガスばね４，７のレバーアームは
軸３に関連して、蓋２がガスばね４，７の協働作
用によつてゆつくりと位置ｂに向かつてさらに移
動せしめられる状態にある。位置ｂでは第２のガ
スばね７はその最大長さに達し、第２のガスばね
７のピストン２０はシリンダ１４の終端壁２１に
突き当る。従つて第２のガスばね７は、それ以上
の力及びモーメントを軸３を中心にして加えるこ
とはできない。第１のガスばね４のばね力は、こ
のばね力自体によつて軸３を中心にして加えられ
るモーメントが蓋２をさらに開けるのには不十分
な程度に選定されている。従つて、位置ｂもまた
安定した位置である。この位置ｂから出発して位
置ｃ（第３図のｃ）を得るために、再び蓋２に小
さい開放力を加える必要がある。第１のガスばね
４のばね力に補助されて手動によつて蓋２を位置
ｂから位置ｃに動かす時に、第１のガスばね４と
軸３との間のレバーアームはさらに延長され、軸
３を中心として蓋２の重量モーメントはさらに減
少されるので、位置ｃに達する前に、軸３を中心
とした第１のガスばね４のモーメントは、蓋２の
重量によつて軸３を中心にして加えられるモーメ
ントに打ち勝つ。従つて、位置ｂと位置ｃとの間
で位置ｃに達する直前の最終運動範囲は第１のガ
スばね４のばね力だけによつて得られる。位置ｃ
における最終的なピストンロツド１１のシリンダ
１０に関連した外方向ストロークは、例えばシリ
ンダ１０の終端壁２３（ストツパ手段）において
ピストン２２（ストツパ手段）が支えられること
によつて制限されている。従つて位置ｃもやはり
安定した位置である。位置ｂから位置ｃへの移動
運動範囲の間で第２のガスばね７のスリーブ１２
はシリンダ１３に沿つてスライドする。このよう
な、ガスばねのシリンダに沿つてスライドするス
リーブは、例えばドイツ連邦共和国特許出願公告
第2849267号明細書、第５ページに記載されてい
る。

本発明の原理は図示の実施例を用いて詳細が記
載されているが、もちろんこの本発明の原理から
逸脱することなしに種種異なる変化実施例が可能
である。

効 果 以上のように本発明によれば、ガスばねのヒン
ジ部及び接合部は広い範囲にわたつて付加的な操
作力にさらされることはなく、従つてヒンジ部及
び接合部、ひいてはガスばね全体の耐用年数が延
長された。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の１実施例によるガスばねを有
する、水平軸を中心に旋回可能な部材の第１の安
定開放位置を示した概略的な斜視図、第２図は第
１図による旋回可能な部材の完全開放位置、つま
り第２の安定開放位置を示した概略的な斜視図、
第３図は、旋回可能な部材がそれぞれ安全閉鎖位
置、第１の安定開放位置、第２の安定開放位置に
ある時の、上側列が第１のガスばね、下側列が第
２のガスばねの状態をそれぞれ示した概略的な側
面図である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 少なくとも１つの開放位置で保持された、フ
   ラツプ、蓋又はドア等の、ほぼ水平な旋回軸３を
   中心にして旋回可能な部分２のための重量釣り合
   わせ及び保持装置として構成されたガスばねにお
   いて、前記旋回可能な部分２が前記開放位置で２
   つのガスばね４，７の作用を受けており、各ガス
   ばね４，７は旋回可能な部分２と不動の部分１と
   に連接されていて、圧縮ガスの充てんされたシリ
   ンダ１０，１４を有しており、これに対してピス
   トンロツド１１，１３は前記シリンダ１０，１４
   内で外部に対してシールされて軸方向可動にガイ
   ドされており、前記２つのガスばね４，７のうち
   第１のガスばね４が、前記旋回可能な部分２の全
   移動運動範囲にわたつて作用する外方向の押し出
   し力を有しており、これに対して第２のガスばね
   ７が旋回可能な部分２の移動範囲の初めの部分に
   わたつて作用する外方向の押し出し力と付加的な
   力の自由移動範囲１５とを有していることを特徴
   とする、ガスばね。 ２ 第２のガスばね７の長さが、この第２のガス
   ばねのピストンロツド１３が対応するシリンダ１
   ４から安全に外へ出た時に旋回可能な部分２の第
   １の開放位置に相当する程度に設計されている。
   特許請求の範囲第１項記載のガスばね。 ３ 第１のガスばね４の長さが、この第１のガス
   ばねのピストンロツド１１が対応するシリンダ１
   ０から完全に外へ出た時に、旋回可能な部分２の
   最大開放位置に相当する程度に設計されている、
   特許請求の範囲第１項又は第２項記載のガスば
   ね。 ４ 第２のガスばね７の力の自由移動範囲１５
   が、シリンダ１４又はピストンロツド１３のいず
   れか一方に沿つてスライド可能なスリーブ１２に
   よつて形成されていて、旋回可能な部分２又はこ
   の部分２が連接されている不動の部分１のうちの
   いずれか一方に連接されている、特許請求の範囲
   第１項から第３項までのいずれか１項記載のガス
   ばね。 ５ 前記旋回可能な部分２が第１の安定位置ａか
   ら第２の安定位置ｂを通つて第３の安定位置ｃへ
   移動可能であつて、前記旋回可能な部分２が前記
   第１の安定位置ａで旋回軸３を中心とした最大重
   力モーメントを及ぼし、前記第１及び第２のガス
   ばね４，７の合計したばね力が前記第１の安定位
   置ａにおいて前記最大重力モーメントに打ち勝つ
   ためには不十分な大きさであつて、前記旋回可能
   な部分２が前記第２の安定位置ｂで前記軸線３を
   中心とした減少された重力モーメントを及ぼし、
   前記第２のガスばね７が前記第２の安定位置ｂで
   その移動範囲の第１の部分にわたつて完全に引き
   伸ばされ、前記第１及び第２のガスばね４，７の
   合計したばね力が、前記第２の安定位置ｂで前記
   減少された重量モーメントに打ち勝つために十分
   な大きさであつて、前記第２の安定位置ｂにおけ
   る前記第１のガスばね４のばね力は前記減少され
   た重量モーメントに打ち勝つためには不十分な大
   きさであつて、前記旋回可能な部分２が前記第３
   の安定位置ｃで前記旋回軸３を中心にしてさらに
   減少された重量モーメントを及ぼし、前記第２の
   ガスばね７が前記第３の安定位置ｃで前記付加的
   な力の自由移動範囲１５にわたつて引き伸ばさ
   れ、前記第１のガスばね４が前記第３の安定位置
   ｃで、蓋２の前記さらに減少された重量モーメン
   トに打ち勝つために十分大きいばね力を加え、前
   記旋回可能な部分２は前記第３の安定位置ｃで、
   前記第１のガスばね４のストツパ手段２２，２３
   が互いに突き当ることによつてそれ以上の運動が
   妨げられる、特許請求の範囲第１項から第４項ま
   でのいずれか１項記載のガスばね。