JPH0541723Y2 - - Google Patents
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- JPH0541723Y2 JPH0541723Y2 JP1987107796U JP10779687U JPH0541723Y2 JP H0541723 Y2 JPH0541723 Y2 JP H0541723Y2 JP 1987107796 U JP1987107796 U JP 1987107796U JP 10779687 U JP10779687 U JP 10779687U JP H0541723 Y2 JPH0541723 Y2 JP H0541723Y2
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Description
【考案の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本考案は野球用バツトに関するものである。
〔従来の技術〕
従来、ジユラルミンのようなアルミニウムを主
体とした軽金属製の野球用バツトは広く用いられ
ている。しかし、このような金属製バツトには、
折損しやすい、打球の衝撃で凹みやすい、打球時
の音が金属音であり、好ましくない等の欠点があ
る。このような欠点を除去するために、金属製バ
ツトの表面に炭素繊維強化樹脂層を形成させるこ
とが着想されるが、この場合には、電蝕作用によ
りかえつてその金属素管がもろくなり、折損しや
すくなるという危険性がある。また、金属の熱膨
張が正であるのに対し、炭素繊維は負であるた
め、接着界面での内部応力が大きくなり、その炭
素繊維強化樹脂層の剥離が開始すると、その剥離
は急速に進行することが考えられる。 一方、金属製バツトの内周面に炭素繊維強化樹
脂層を設けることが提案されているが、このもの
もやはり打球音の点で満足できるものではない。 〔考案が解決しようとする問題点〕 本考案は、打球時の打球音が良好で、しかも炭
素繊維強化樹脂層を表面に設けたにもかかわら
ず、電蝕の問題がなく、さらには、圧縮強さ、曲
げ強さ、トルク、耐久性に優れ、飛距離が大きな
繊維強化樹脂層を表面に形成した金属製野球用バ
ツトを提供しようとするものである。 〔問題点を解決するための手段〕 本考案に係る野球用バツトは、金属製素管1の
外周面に、プライマー塗膜層2、ガラス繊維強化
樹脂層3及び炭素繊維強化樹脂層4を順次一体に
積層してなるものである。 以下、本考案に係る野球用バツトを添付の図面
に基づき詳述する。 第1図は本考案に係る野球用バツトの概略斜視
図、第2図は第1図−の拡大縦断面図、第2
図は第1図の−の拡大縦断面図である。 図中、1は金属製素管、2はプライマー塗膜
層、3はガラス繊維強化樹脂層、4は炭素繊維強
化樹脂層である。 1の金属製素管としては、野球用バツト形状に
成形されたものを採用するのがよい。この素管を
形成する材料としては、軽量金属、例えばアルミ
ニウムを主体とする合金(ジユラルミン)等があ
げられる。この素管としては、厚さが打球部に於
て、1.5〜3.0mm、好ましくは約2mm程度のものが
よい。その理由は、厚さがあまり厚いものである
と重量が大きくなつて扱いにくくなり、逆に極端
に薄いと、たとえ繊維材料を設けたとしても総合
的に満足する強度が得られない。 プライマー塗膜層2を構成するプライマーとし
ては、フエノール樹脂や、エポキシ樹脂などの接
着性高分子を用いる。特にフエノール樹脂の使用
が素管としてのアルミニウム合金とその上に設け
られるガラス繊維強化樹脂との接着性を高め、ま
た絶縁性を有することから電蝕の発生を防止する
作用をも有する。 このプライマー塗膜層2は、プライマーの種類
によつても異なるが、一般的には、膜厚5〜
100μmの割合で接着性高分子を金属製素管1の表
面に塗布することによつて形成することができ
る。フエノール樹脂を用いる場合、その塗膜厚
は、5〜30μm、好ましくは5〜15μmで充分であ
る。 プライマー塗膜層が薄すぎると、素管1とガラ
ス繊維強化樹脂層2との強固な接着が得られず、
また電蝕発生防止効果が低下する。また、プライ
マー塗膜があまりにも厚くなると、かえつて接着
付与効果が低下するばかりか経済的に不利とな
る。 次に上記プライマー塗膜層2の上に設けるガラ
ス繊維としては、モノフイラメントの多数本束ね
たヤーンを織つた織物、例えば平織物、四枚朱子
織物、八枚朱子織物、綾織物あるいは多軸織物ま
たはヤーンを1方向に引き揃えてなるものなどを
用いることができる。 このガラス繊維強化樹脂は、通常、織物や一方
向引揃え繊維にエポキシ樹脂組成物などを含浸さ
せてなるプリプレグとして使用に供される。 本考案においては、平織クロスを用いることが
よく、しかもクロスを構成する縦糸がバツトの軸
と平行ないしほぼ平行となり、横糸がバツトの軸
と垂直ないしほぼ垂直となるように配置すること
がよい。 このように配置することにより、機械的強度を
向上させることができる。この場合、ほぼ平行と
は、軸方向に対し、0°±10°以内の角度を意味し、
ほぼ垂直とは、軸方向に対し、90°±10°以内の角
度を意味する。 さらに炭素繊維強化樹脂層4を形成するものと
しては、やはり織物を用いることがよく、これに
は炭素繊維単独からなるもの、炭素繊維とガラス
繊維または芳香族ポリアミド繊維とからなる混織
物などがあげられる。 これらの内でも炭素繊維と芳香族ポリアミド繊
維とからなり、縦糸が全て炭素繊維で、横糸が炭
素繊維2本に対して1本の割合で存在する組織形
態をとつている芳香族ポリアミド繊維と炭素繊維
との混合繊維からなる混織物がよい。このような
混織物は、炭素繊維のもつ高い弾性率と芳香族ポ
リアミド繊維のもつ引張強さ(ねばり強さ)の
為、耐久性が向上する。 これらの繊維織物はエポキシ樹脂組成物などを
含浸したプリプレグとして使用に供される。炭素
繊維と芳香族ポリアミド繊維からなる混織物をバ
ツトに適用する場合には、炭素繊維がバツトの軸
と平行となるよう位置させ、芳香族ポリアミド繊
維が軸と直交するように位置させることがよい。
このように配置することにより、バツトの弾性率
が向上し、又製造時において、芳香族ポリアミド
繊維が収縮してきちんと捲回され、良好なる成形
品が得られる。 本考案においては、金属素管1の表面に、プラ
イマー塗膜層2、ガラス繊維強化樹脂層3、炭素
繊維強化樹脂層4の順で形成させることが必要で
あり、これらの内のいずれの層が欠如しても、ま
たそれらの順序が入れ違つても本考案の目的は達
成できない。例えば、プライマー塗膜層2が欠如
すると、素管1と、ガラス繊維強化樹脂層3との
接着力が劣り、使用中に繊維強化樹脂層が剥離す
るようになる。また、ガラス繊維強化樹脂層3が
欠如すると、強度が低下し、打球の飛距離が落ち
る上、電蝕防止効果が著しく低下する。さらに、
炭素繊維強化樹脂層4が欠如すると、やはり所望
の弾性及び強度が得られず、満足できる打球の飛
距離が得られない。 一方、ガラス繊維強化樹脂層3と炭素繊維強化
樹脂層4とを入れ換えた場合(即ち、素管の上に
プライマー塗膜層その上に炭素繊維強化樹脂層を
積層し、最外層にガラス繊維強化樹脂層を設けた
場合)には、強度として満足するものが得られ
ず、飛距離も劣り、打球音が悪いばかりか、電蝕
防止効果が著しく低下する。 本考案のバツトを好ましく製造するには、野球
用バツト形状に成形された素管の表面を常法にて
研磨、脱脂、洗浄処理したのち、プライマーを塗
布し定着後ガラス繊維強化樹脂および炭素繊維強
化樹脂を巻き、それら樹脂を熱硬化させる。 〈考案の効果〉 本考案の野球用バツトは木製バツトの打球音と
同様の打球音を発するとともに、従来のに比して
飛距離が伸び、また、炭素繊維強化樹脂層が存在
するにも拘らず電蝕の発生がなく、さらには、ト
ルク、圧縮強度、曲げ強さなどの機械的特性にす
ぐれる。 なお、本考案のバツトのグリツプ部には、要す
れば、皮革やゴム被覆を施し、にぎり易さ、すべ
りにくさを付与してもよい。 〔実施例〕 次に本考案を実施例によりさらに詳細に説明す
る。 実施例 1 打球部に於ける厚さが2mmの野球用バツトの形
状に成形したジユラルミン製バツトの表面全体を
常法にて研磨、脱脂および洗浄処理した。 次いで、上記で処理したバツトの全面にフエノ
ール樹脂系プライマー(日本合成ゴム(株)、マイテ
イグリツプ9025)を、乾燥後の塗布量が膜厚5〜
15μmとなるように塗布したのち、190℃で20分間
加熱処理した。 次に、エポキシ樹脂を主体とする組成物を含浸
したガラス繊維平織物プリプレグ(平均直径9μm
のフイラメントを800本束ねたヤーンを平織りと
したもの)を、縦糸又は横糸がバツトの軸と平行
となり、横糸又は縦糸が軸と直角となるように巻
き、この上に炭素繊維と芳香族ポリアミド繊維と
の平織物プリプレグ(炭素繊維は、平均直径7μm
のフイラメントを3000本束ねたヤーン、芳香族ポ
リアミド繊維は平均直径12μmのフイラメントを
1000本束ねたヤーン)を巻いた。 次にその上に巾15mmのポリプロピレンフイルム
とポリエステルフイルムを、軸に対しほぼ垂直と
なるように密にらせん状に巻いた。なお、バツト
のグリツプ部、およびヘツド部は成型治具にて加
圧した。そして全体を加圧加熱し、プリプレグの
樹脂を硬化させ、冷却することにより、繊維強化
野球用バツトが得られた。 このバツトにつき、種々の物性を調べその結果
を後述の表に示した。 比較例 1〜5 比較のために、表面処理を施さないジユラルミ
ン製バツト(比較例1)、プライマー層のみを設
けないバツト(比較例2)、ガラス繊維強化樹脂
層のみを設けないバツト(比較例3)、炭素繊維
強化樹脂層のみを設けないバツト(比較例4)、
およびガラス繊維と炭素繊維強化樹脂層とを逆に
形成(ガラス繊維強化樹脂層を最外層となるよう
にしたもの)してなるバツト(比較例5)につ
き、物性を調べ、後記同表に示した。 なお、表に示した品質評価基準は次の通りであ
る。 〔打球音〕 木製バツトと同様の打球音を発するものをAと
し、金属製バツトによる打球音をCとし、その中
間のものをBとして評価した。 〔飛距離〕 金属製バツトによる飛距離を基準とし、次のよ
うにして評価した。 ◎……金属製バツトよりも非常に飛距離が伸び
る。 ○……金属製バツトよりも飛距離がやや伸びる。 ×……金属製バツトとほぼ同じ飛距離。 〔被覆層の剥離性〕 打撃による繊維強化樹脂層の剥離しやすさを
A,B,Cの3段階で評価し、剥離しにくいもの
をA,剥離しやすいものをC,その中間をBとし
た。 〔電蝕発生の有無〕 金属製素管の外周面に設けた被覆層の層構成か
ら判断した。 〔耐久性〕 長期間の使用に際しての折損のしやすさ及び凹
みやすさを総合的に考慮し、金属製バツトよりも
耐久性の非常にすぐれたものをA、金属製バツト
と同等の耐久性を持つものをC、及びその中間を
Bとした。 【表】
体とした軽金属製の野球用バツトは広く用いられ
ている。しかし、このような金属製バツトには、
折損しやすい、打球の衝撃で凹みやすい、打球時
の音が金属音であり、好ましくない等の欠点があ
る。このような欠点を除去するために、金属製バ
ツトの表面に炭素繊維強化樹脂層を形成させるこ
とが着想されるが、この場合には、電蝕作用によ
りかえつてその金属素管がもろくなり、折損しや
すくなるという危険性がある。また、金属の熱膨
張が正であるのに対し、炭素繊維は負であるた
め、接着界面での内部応力が大きくなり、その炭
素繊維強化樹脂層の剥離が開始すると、その剥離
は急速に進行することが考えられる。 一方、金属製バツトの内周面に炭素繊維強化樹
脂層を設けることが提案されているが、このもの
もやはり打球音の点で満足できるものではない。 〔考案が解決しようとする問題点〕 本考案は、打球時の打球音が良好で、しかも炭
素繊維強化樹脂層を表面に設けたにもかかわら
ず、電蝕の問題がなく、さらには、圧縮強さ、曲
げ強さ、トルク、耐久性に優れ、飛距離が大きな
繊維強化樹脂層を表面に形成した金属製野球用バ
ツトを提供しようとするものである。 〔問題点を解決するための手段〕 本考案に係る野球用バツトは、金属製素管1の
外周面に、プライマー塗膜層2、ガラス繊維強化
樹脂層3及び炭素繊維強化樹脂層4を順次一体に
積層してなるものである。 以下、本考案に係る野球用バツトを添付の図面
に基づき詳述する。 第1図は本考案に係る野球用バツトの概略斜視
図、第2図は第1図−の拡大縦断面図、第2
図は第1図の−の拡大縦断面図である。 図中、1は金属製素管、2はプライマー塗膜
層、3はガラス繊維強化樹脂層、4は炭素繊維強
化樹脂層である。 1の金属製素管としては、野球用バツト形状に
成形されたものを採用するのがよい。この素管を
形成する材料としては、軽量金属、例えばアルミ
ニウムを主体とする合金(ジユラルミン)等があ
げられる。この素管としては、厚さが打球部に於
て、1.5〜3.0mm、好ましくは約2mm程度のものが
よい。その理由は、厚さがあまり厚いものである
と重量が大きくなつて扱いにくくなり、逆に極端
に薄いと、たとえ繊維材料を設けたとしても総合
的に満足する強度が得られない。 プライマー塗膜層2を構成するプライマーとし
ては、フエノール樹脂や、エポキシ樹脂などの接
着性高分子を用いる。特にフエノール樹脂の使用
が素管としてのアルミニウム合金とその上に設け
られるガラス繊維強化樹脂との接着性を高め、ま
た絶縁性を有することから電蝕の発生を防止する
作用をも有する。 このプライマー塗膜層2は、プライマーの種類
によつても異なるが、一般的には、膜厚5〜
100μmの割合で接着性高分子を金属製素管1の表
面に塗布することによつて形成することができ
る。フエノール樹脂を用いる場合、その塗膜厚
は、5〜30μm、好ましくは5〜15μmで充分であ
る。 プライマー塗膜層が薄すぎると、素管1とガラ
ス繊維強化樹脂層2との強固な接着が得られず、
また電蝕発生防止効果が低下する。また、プライ
マー塗膜があまりにも厚くなると、かえつて接着
付与効果が低下するばかりか経済的に不利とな
る。 次に上記プライマー塗膜層2の上に設けるガラ
ス繊維としては、モノフイラメントの多数本束ね
たヤーンを織つた織物、例えば平織物、四枚朱子
織物、八枚朱子織物、綾織物あるいは多軸織物ま
たはヤーンを1方向に引き揃えてなるものなどを
用いることができる。 このガラス繊維強化樹脂は、通常、織物や一方
向引揃え繊維にエポキシ樹脂組成物などを含浸さ
せてなるプリプレグとして使用に供される。 本考案においては、平織クロスを用いることが
よく、しかもクロスを構成する縦糸がバツトの軸
と平行ないしほぼ平行となり、横糸がバツトの軸
と垂直ないしほぼ垂直となるように配置すること
がよい。 このように配置することにより、機械的強度を
向上させることができる。この場合、ほぼ平行と
は、軸方向に対し、0°±10°以内の角度を意味し、
ほぼ垂直とは、軸方向に対し、90°±10°以内の角
度を意味する。 さらに炭素繊維強化樹脂層4を形成するものと
しては、やはり織物を用いることがよく、これに
は炭素繊維単独からなるもの、炭素繊維とガラス
繊維または芳香族ポリアミド繊維とからなる混織
物などがあげられる。 これらの内でも炭素繊維と芳香族ポリアミド繊
維とからなり、縦糸が全て炭素繊維で、横糸が炭
素繊維2本に対して1本の割合で存在する組織形
態をとつている芳香族ポリアミド繊維と炭素繊維
との混合繊維からなる混織物がよい。このような
混織物は、炭素繊維のもつ高い弾性率と芳香族ポ
リアミド繊維のもつ引張強さ(ねばり強さ)の
為、耐久性が向上する。 これらの繊維織物はエポキシ樹脂組成物などを
含浸したプリプレグとして使用に供される。炭素
繊維と芳香族ポリアミド繊維からなる混織物をバ
ツトに適用する場合には、炭素繊維がバツトの軸
と平行となるよう位置させ、芳香族ポリアミド繊
維が軸と直交するように位置させることがよい。
このように配置することにより、バツトの弾性率
が向上し、又製造時において、芳香族ポリアミド
繊維が収縮してきちんと捲回され、良好なる成形
品が得られる。 本考案においては、金属素管1の表面に、プラ
イマー塗膜層2、ガラス繊維強化樹脂層3、炭素
繊維強化樹脂層4の順で形成させることが必要で
あり、これらの内のいずれの層が欠如しても、ま
たそれらの順序が入れ違つても本考案の目的は達
成できない。例えば、プライマー塗膜層2が欠如
すると、素管1と、ガラス繊維強化樹脂層3との
接着力が劣り、使用中に繊維強化樹脂層が剥離す
るようになる。また、ガラス繊維強化樹脂層3が
欠如すると、強度が低下し、打球の飛距離が落ち
る上、電蝕防止効果が著しく低下する。さらに、
炭素繊維強化樹脂層4が欠如すると、やはり所望
の弾性及び強度が得られず、満足できる打球の飛
距離が得られない。 一方、ガラス繊維強化樹脂層3と炭素繊維強化
樹脂層4とを入れ換えた場合(即ち、素管の上に
プライマー塗膜層その上に炭素繊維強化樹脂層を
積層し、最外層にガラス繊維強化樹脂層を設けた
場合)には、強度として満足するものが得られ
ず、飛距離も劣り、打球音が悪いばかりか、電蝕
防止効果が著しく低下する。 本考案のバツトを好ましく製造するには、野球
用バツト形状に成形された素管の表面を常法にて
研磨、脱脂、洗浄処理したのち、プライマーを塗
布し定着後ガラス繊維強化樹脂および炭素繊維強
化樹脂を巻き、それら樹脂を熱硬化させる。 〈考案の効果〉 本考案の野球用バツトは木製バツトの打球音と
同様の打球音を発するとともに、従来のに比して
飛距離が伸び、また、炭素繊維強化樹脂層が存在
するにも拘らず電蝕の発生がなく、さらには、ト
ルク、圧縮強度、曲げ強さなどの機械的特性にす
ぐれる。 なお、本考案のバツトのグリツプ部には、要す
れば、皮革やゴム被覆を施し、にぎり易さ、すべ
りにくさを付与してもよい。 〔実施例〕 次に本考案を実施例によりさらに詳細に説明す
る。 実施例 1 打球部に於ける厚さが2mmの野球用バツトの形
状に成形したジユラルミン製バツトの表面全体を
常法にて研磨、脱脂および洗浄処理した。 次いで、上記で処理したバツトの全面にフエノ
ール樹脂系プライマー(日本合成ゴム(株)、マイテ
イグリツプ9025)を、乾燥後の塗布量が膜厚5〜
15μmとなるように塗布したのち、190℃で20分間
加熱処理した。 次に、エポキシ樹脂を主体とする組成物を含浸
したガラス繊維平織物プリプレグ(平均直径9μm
のフイラメントを800本束ねたヤーンを平織りと
したもの)を、縦糸又は横糸がバツトの軸と平行
となり、横糸又は縦糸が軸と直角となるように巻
き、この上に炭素繊維と芳香族ポリアミド繊維と
の平織物プリプレグ(炭素繊維は、平均直径7μm
のフイラメントを3000本束ねたヤーン、芳香族ポ
リアミド繊維は平均直径12μmのフイラメントを
1000本束ねたヤーン)を巻いた。 次にその上に巾15mmのポリプロピレンフイルム
とポリエステルフイルムを、軸に対しほぼ垂直と
なるように密にらせん状に巻いた。なお、バツト
のグリツプ部、およびヘツド部は成型治具にて加
圧した。そして全体を加圧加熱し、プリプレグの
樹脂を硬化させ、冷却することにより、繊維強化
野球用バツトが得られた。 このバツトにつき、種々の物性を調べその結果
を後述の表に示した。 比較例 1〜5 比較のために、表面処理を施さないジユラルミ
ン製バツト(比較例1)、プライマー層のみを設
けないバツト(比較例2)、ガラス繊維強化樹脂
層のみを設けないバツト(比較例3)、炭素繊維
強化樹脂層のみを設けないバツト(比較例4)、
およびガラス繊維と炭素繊維強化樹脂層とを逆に
形成(ガラス繊維強化樹脂層を最外層となるよう
にしたもの)してなるバツト(比較例5)につ
き、物性を調べ、後記同表に示した。 なお、表に示した品質評価基準は次の通りであ
る。 〔打球音〕 木製バツトと同様の打球音を発するものをAと
し、金属製バツトによる打球音をCとし、その中
間のものをBとして評価した。 〔飛距離〕 金属製バツトによる飛距離を基準とし、次のよ
うにして評価した。 ◎……金属製バツトよりも非常に飛距離が伸び
る。 ○……金属製バツトよりも飛距離がやや伸びる。 ×……金属製バツトとほぼ同じ飛距離。 〔被覆層の剥離性〕 打撃による繊維強化樹脂層の剥離しやすさを
A,B,Cの3段階で評価し、剥離しにくいもの
をA,剥離しやすいものをC,その中間をBとし
た。 〔電蝕発生の有無〕 金属製素管の外周面に設けた被覆層の層構成か
ら判断した。 〔耐久性〕 長期間の使用に際しての折損のしやすさ及び凹
みやすさを総合的に考慮し、金属製バツトよりも
耐久性の非常にすぐれたものをA、金属製バツト
と同等の耐久性を持つものをC、及びその中間を
Bとした。 【表】
第1図は本考案の野球用バツトの概略斜視図、
第2図は第1図の−断面の拡大図、第3図は
第1図の−断面の拡大図を各示す。 1……金属素管、2……プライマー塗膜層、3
……ガラス繊維強化樹脂層、4……炭素繊維強化
樹脂層。
第2図は第1図の−断面の拡大図、第3図は
第1図の−断面の拡大図を各示す。 1……金属素管、2……プライマー塗膜層、3
……ガラス繊維強化樹脂層、4……炭素繊維強化
樹脂層。
Claims (1)
- 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 金属製素管1の外周面に、プライマー塗膜層
2、ガラス繊維強化樹脂層3及び炭素繊維強化
樹脂層4を順次一体に積層してなる野球用バツ
ト。 (2) 該ガラス繊維が平織クロスからなり、該クロ
スを形成するガラス繊維の縦糸又は横糸が、該
金属素管の長手方向に対し略直角となるように
配置されている実用新案登録請求の範囲第1項
の野球用バツト。 (3) 該炭素繊維が、炭素繊維と芳香族ポリアミド
繊維又はガラス繊維との混織物からなり、かつ
該芳香族ポリアミド繊維又はガラス繊維が該金
属素管の長手方向に対して略直角となるように
配置されている実用新案登録請求の範囲第1項
又は第2項の野球用バツト。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1987107796U JPH0541723Y2 (ja) | 1987-07-14 | 1987-07-14 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1987107796U JPH0541723Y2 (ja) | 1987-07-14 | 1987-07-14 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6412565U JPS6412565U (ja) | 1989-01-23 |
JPH0541723Y2 true JPH0541723Y2 (ja) | 1993-10-21 |
Family
ID=31342534
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1987107796U Expired - Lifetime JPH0541723Y2 (ja) | 1987-07-14 | 1987-07-14 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0541723Y2 (ja) |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5172536A (ja) * | 1974-12-20 | 1976-06-23 | Nippon Carbon Co Ltd | |
JPS6221380B2 (ja) * | 1980-08-22 | 1987-05-12 | Toyo Boseki |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4723061U (ja) * | 1971-04-07 | 1972-11-15 | ||
JPS60187776U (ja) * | 1984-05-22 | 1985-12-12 | 昭和アルミニウム株式会社 | 野球用バツト |
JPS6221380U (ja) * | 1985-07-19 | 1987-02-09 |
-
1987
- 1987-07-14 JP JP1987107796U patent/JPH0541723Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5172536A (ja) * | 1974-12-20 | 1976-06-23 | Nippon Carbon Co Ltd | |
JPS6221380B2 (ja) * | 1980-08-22 | 1987-05-12 | Toyo Boseki |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6412565U (ja) | 1989-01-23 |
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