JP4822177B2 - テニスラケットフレーム - Google Patents

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Description

本発明は、テニスラケットフレームに関し、詳しくは、繊維強化樹脂製のフレームを備え、強化繊維を改良してラケットフレームの剛性、反発性および面安定性の向上を図るものである。
近年、特に女性やシニア層のために、少ない力で飛び性能の高いラケットへの要望が強まっている。そのため、ラケットフレームの材料は、金属や木材ではなく、軽量で比強度が高く、設計自由度も高い繊維強化樹脂が主流となっている。
しかしながら、ラケットフレームとボールとの二物体が衝突する観点からみると、エネルギー保存則により、ラケットフレームが軽くなるとボールの反発係数が低下する。よって、ラケットフレームの軽量化は反発性能の低下を招くこととなる。
前記問題を解決するには、フレームの厚みを増加させることや、重心を先寄りにすることによりスイング方向の慣性モーメントを高めることが考えられる。しかしながら、軽量性を維持しながらフレームの厚みを増加させると、肉厚が薄くなり、強度や剛性を低下させることになる。また、スイング方向の慣性モーメントを大きくすれば、プレーヤーにはラケットが重く感じられ、操作性を悪化させる。そのほか、フレームに反発構造を搭載することも考えられるが、反発構造の搭載は重量増加を招き、操作性が悪化してしまう。そこで、ラケットフレームの軽量性を維持しながら、剛性を高め、操作性と反発性の両立を図ることが課題となっている。
ところで、図12に示す特許第2940397号(特許文献1)や特開平10−24575号(特許文献2)では、ラケットフレームやゴルフクラブシャフトなどの繊維強化樹脂製の成型品の表面に(硬質)炭素膜を形成することにより、該成型品の耐摩耗性や耐スクラッチ性を高めることが提案されている。しかしながら、これらは、成型品の表面処理を行うだけであり、成型品の剛性や強度を向上させるものではない。
特許第2940397号公報 特開平10−24575号公報
本発明は前記問題に鑑みてなされたもので、軽量性を維持しながら、剛性が高く、優れた反発性と面安定性を併せ持つテニスラケットフレームの提供を課題としている。
前記課題を解決するために、本発明は、繊維強化樹脂のテニスラケットフレームであって、
ダイヤモンド状カーボン(DLC)膜からなる硬質層を備えた炭素繊維をマトリクス樹脂で含浸したプリプレグシートと、
前記硬質層を備えていない炭素繊維をマトリクス樹脂で含浸したプリプレグシートと、 の積層体からなり、
前記硬質層を備えたプリプレグシートは、前記炭素繊維がクロスに編組された後に該クロスの表面が前記硬質層で被覆されていることを特徴とするテニスラケットフレームを提供している。
前記のように、硬質炭素膜をダイヤモンド状カーボン(DLC)膜で形成しているこのDLC膜はアモルファス構造で、ダイヤモンドに近い高い硬度を有し、耐摩性、耐食性、平面平滑性に優れた特性を有する。なお、DLC膜の厚みは、重量増加抑制と硬度向上のバランスより10〜0.1μmの範囲で選択し、好ましくは約1μm程度としている。
前記硬質炭素膜、特に、DLCは、わずかな厚みでも、基材に対して高い硬度を付与することができるため、この硬質炭素膜を前記強化繊維の表面に被覆することにより、重量増加を抑えながら、剛性、耐摩耗性、平滑性を高めることができる。従って、硬質炭素膜で被覆された炭素繊維を強化繊維とした繊維強化樹脂製品のラケットフレーム自体の剛性を高めることができ、反発性が向上すると共に、打球時のフレーム変形によるエネルギーロスも少なくなり、面安定性が向上する。
前記硬質炭素膜の形成方法には、高周波プラズマCVD法や、イオン化蒸着法、アークイオンプレーティング法などが挙げられる。いずれも200℃以下で成膜可能であるが、量産性等に鑑み、高周波プラズマCVD法が好ましい。
前記硬質層を備えていない炭素繊維からなる強化繊維の方向が一定方向になるように引き揃えてマトリクス樹脂で含浸したプリプレグシートの形態で用い、該プリプレグシートの積層体でラケットフレームを形成している。
炭素繊維は、通常、マトリクス樹脂を含浸させてプリプレグとして成形の際に、マトリクス樹脂との密着力を向上させるために、液相酸化、電解酸化、気相酸化等の酸化表面処理が行われる。
また、高次加工性を向上させるために、炭素繊維表面にはサイジング剤がコーティングされる。このサイジング剤としては、エポキシ系などの有機化合物、あるいは無機化合物が用いられるが、マトリクス樹脂がエポキシ樹脂である場合、マトリクス樹脂との関係では、エポキシ系が選定されることが多い。
本発明で用いられる炭素繊維は、前記酸化表面処理された炭素繊維でも、有機化合物や無機化合物からなるサイジング剤でコーティングされた炭素繊維でも、あるいは、表面処理もサイジング処理も施されている炭素繊維でもよい。
しかしながら、本発明の炭素繊維は、表面にサイジング剤が付与され、該サイジング剤を洗浄した後に炭素繊維表面に前記硬質炭素膜を被覆していることが好ましい。
即ち、前述のサイジング処理により、炭素繊維にエポキシ樹脂等のサイジング剤がコーティングされている場合、硬質炭素膜との密着性が悪くなりやすいため、このサイジング剤を取り除いた後に硬質炭素膜を被覆することが好ましい。これにより、炭素繊維と硬質炭素膜の密着性が高まり、成型品であるラケットフレームの剛性も向上する。
なお、サイジング剤の洗浄は、MEK等の溶剤を用いた超音波洗浄などで行うことができる。
また、プリプレグシートは、通常は、繊維にマトリクス樹脂を含浸しながら、繊維方向が一定方向となるようにドラムに巻付け、一定量巻きつけた後にドラムから切り取り、約80度〜100度の熱をかけて擬似硬化状態としたプリプレグシートが用いられる。これは、繊維方向が一方向であることにより、様々な変形に対応させて繊維角度を自由に調整、配置することができるためである。
しかしながら、一方向の繊維には硬質炭素膜を被覆することが難しいため、本発明の硬質層で被覆された炭素繊維を強化繊維するプリプレグシートでは、繊維方向を経糸と緯糸を交差させたクロス状と編組した後に、硬質炭素膜で被覆し、この状態でエポキシ樹脂を含浸させたプリプレグシートとしている。
テニスラケットフレームを構成する繊維強化樹脂の強化繊維は炭素繊維以外に、例えば、フレームの外面側等にガラス繊維を配置してもよく、炭素繊維と共に他種の強化繊維も含んでいることが好ましい。
しかしながら、強化繊維の殆どを炭素繊維とし、該炭素繊維の表面を前記硬質炭素膜で被覆することにより、ラケットフレームの剛性を高め、反発性を向上させることができる。
本発明のテニスラケットフレームは、プリプレグシートを10層程度積層して成型することが好ましく、前記硬質層を備えた炭素繊維を強化樹脂とするプリプレグシートは、そのうち少なくとも1層、より好ましくは、2層以上7層以下が好ましい。これは、硬質層を8層以上とすると、フレーム重量の増加量が大きくなり、面安定性を悪化させることに因る。さらには、3層以上5層以下とすることが好ましい。
上述したように、本発明の繊維強化樹脂製のラケットフレームでは、強化繊維のうちの炭素繊維は硬質炭素膜で被覆して硬度を向上させいるため、重量増加を抑制しながら、ラケットフレーム自体の剛性を高めることができ、ラケットフレームの反発性と面安定性を向上させることができる。
また、炭素繊維にサイジング処理が施されている場合は、サイジング剤を洗浄した後に硬質炭素膜を被覆することにより、炭素繊維と硬質炭素膜との密着性を高めることができる。
以下、発明の実施形態を図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態はいずれも本発明を硬式テニス用ラケットに適用したものである。
図1乃至図3は、本発明の実施形態に係るラケットフレーム11を示す。
ラケットフレーム11は、ヘッド部12、スロート部13、シャフト部14、グリップ部15を連続して形成し、ヘッド部12とシャフト部14とを連結するスロート部13を二股状としている。スロート部13の両側枠の間にはヨーク部16を設け、ヘッド部12と共に打球面Fを囲むガット張架部Gを形成している。ヘッド部12の外側にはガット溝18を凹設している。
前記ラケットフレーム11は、炭素繊維22にエポキシ樹脂を含浸してなるプリプレグシート21(21a、21b)を巻回した積層体からなる連続パイプ形状よりなる。
詳しくは、ラケットフレーム11は、図2(A)(B)に示すように、前記プリプレグシート21を10層に積層してなり、内層から3層目と8層目に硬質層Aを形成している。この硬質層Aは、図3(A)に示すように、繊維方向がクロス状となるように編組された炭素繊維22の表面に、図3(B)に示すように、厚さ1μmのDLC膜23を形成し、このDLC膜23で被覆された炭素繊維(以下「被膜繊維」という)24にエポキシ樹脂を含浸してなる繊維強化樹脂プリプレグシート21aで構成されている。
前記硬質層A以外の層は、ドラムワインディング法により、繊維方向が一方向となるように引き揃えられた炭素繊維22にエポキシ樹脂を含浸して作製された繊維強化樹脂プリプレグシート21bで構成されている。
前記構成のテニスラケットフレーム11は、該ラケットフレーム11を構成する10層のうち2層が、前記被膜繊維24を用いた繊維強化樹脂プリプレグシート21aからなる硬質層Aであるため、該硬質層Aで炭素繊維22の硬度が高まることにより、ラケットフレーム11の剛性も向上し、反発性および面安定性が高まる。また、前記DLC膜23は極めて薄く、被膜による重量増加がほとんどないため、ラケットフレーム11の剛性と軽量性を両立することができる。
図4および図5は第二実施形態を示している。
本実施形態では、硬質層Aに用いられる炭素繊維22’が、図4に示すように、繊維本体22aの表面にエポキシ系のサイジング剤22bが付与されたものであり、図5に示すように、このサイジング剤22bを洗浄により取り除いた後の繊維本体22aの表面に前記DLC膜23を被覆して被膜繊維24を形成している。
図6は本発明の第三実施形態を示している。
本実施形態では、ラケットフレーム11を構成する10層の繊維強化樹脂プリプレグシート21のうち、内層から2層目、4層目、6層目、8層目、10層目を前記プリプレグシート21aからなる硬質層Aとし、他の層は、前記被膜繊維24を用いていないプリプレグシート21bで構成している。
図7は本発明の参考実施形態を示している。
参考実施形態では、ラケットフレーム11の全層を硬質層Aで構成している。即ち、ラケットフレーム11を構成する繊維強化樹脂プリプレグシート21の全てを、被膜繊維24を用いた前記プリプレグシート21aとしている。
(実施例)
以下の表1に示すとおり、被膜繊維の有無、炭素繊維のサイジン剤洗浄処理(前処理)の有無、硬質層Aの層数、を異ならせた実施例1〜3、参考例1と比較例1を作製し、テニスラケットフレームの剛性、反発係数、反発領域を測定し、飛び性能と面安定性に関する実打テストも行った。
Figure 0004822177
実施例1〜3、参考例1および比較例1のいずれのラケットフレーム11も、繊維強化熱硬化性樹脂で成形した中空形状で、打球面Fの面積が100平方インチである同一形状とし、フレーム重量およびフレームバランスは表1に示すとおり設定した。
詳細には、ラケットフレーム11は炭素繊維22を強化繊維とし、マトリクスをエポキシ樹脂とした繊維強化熱硬化性樹脂のプリプレグシート21を、66ナイロンからなる内圧チューブを被覆したマンドレル上に積層し、10層からなる鉛直状の積層体を成形した。プリプレグ角度は、前記硬質層Aでは、±45°とし、他の層では0°、22°、30°、又は90°とした。マンドレルを抜き取って上記積層体を金型にセットした。金型を型締して、金型を150℃に昇温し、30分間の加熱を行うと同時に内圧チューブ内に9kgf/cmの空気圧を付加し、加圧保持し、加熱加圧成形により作成した。
使用するプリプレグシート21のうち、硬質層Aに用いられるプリプレグシート21aは、炭素繊維として、繊維方向がクロス状に配置された3Kカーボンクロス(東邦レーヨン製:W−3101)を用いた。この3Kカーボンクロスは、繊維表面にエポキシ系サイジング剤が付与されている。
一方、硬質層A以外の層に用いられるプリプレグシート21bは、炭素繊維をエポキシ樹脂に浸漬しながら、ドラムに一定の繊維方向となるように巻きつけ、一定量巻き付けた後にドラムから切り取り、約80℃〜100℃の熱をかけて擬似硬化させたプリプレグを用いた。炭素繊維としては、東レ社製(T300、700、800、M46J)を用いた。
前記DLC膜の形成には、図8に示すように、高周波プラズマCVD装置31を用いた。この装置31の真空容器32の内部には、平板状のアノード電極33とカソード電極34が相対向して設置され、該カソード電極34上に基材35(3Kカーボンクロス)を載せ、前記真空容器32内に原料ガス36を導入して一定の真空度を維持しながら、前記カソード電極34に接続されている13.56MHzの高周波電源37から高周波電力を供給して、前記アノード電極33とカソード電極34間にプラズマを発生させることにより、前記基材35の表面に厚さ1μmのDLC膜を形成した。
炭素繊維(3Kカーボンクロス)の前処理(サイジング剤洗浄処理)は、MEK溶剤を用いた超音波洗浄により行った。
(実施例1)
前記第一実施形態同様、ラケットフレーム11を構成する10層のうち内側から3層目と8層目を、前記プリプレグシート21aを用いた硬質層Aとし、他の層は、被膜繊維を用いないプリプレグシート21bで構成した。ただし、硬質層Aで使用した炭素繊維は、表面に付与されているサイジング剤を洗浄せず、該サイジング剤の上からDLC膜を形成した。
(実施例2)
硬質層Aに使用した炭素繊維は、表面のサイジング剤を洗浄処理後にDLC膜を形成した。その他は実施例1と同一とした。
(実施例3)
前記第三実施形態同様、ラケットフレーム11を構成する10層のうち、内側から2層目、4層目、6層目、8層目、10層目を、前記プリプレグシート21aを用いた硬質層Aとし、他の層は、被膜繊維を用いないプリプレグシート21bで構成した。また、硬質層Aに使用した炭素繊維は、表面のサイジング剤を洗浄処理後にDLC膜を形成した。
参考例1
前記参考実施形態同様、ラケットフレーム11を構成する全10層を、前記プリプレグシート21aからなる硬質層Aとした。また、硬質層Aに使用した炭素繊維は、表面のサイジング剤を洗浄処理後にDLC膜を形成した。
(比較例1)
ラケットフレーム11を構成する全10層を、被膜繊維を用いないプリプレグシート21bで構成した。
(打球面剛性の測定)
図9(A)(B)に示すように、実施例および比較例のラケットフレーム11にストリングを張架したテニスラケットを水平に配置し、そのヘッド部12のトップ位置を受け治具41(R15)で支持すると共に、トップ位置から340mm離れた位置で、スロート部13の両側からヨーク部16にかけた位置を受け治具42(R15)で支持した。この状態で、受け治具41より受け治具42の方向へ170mm離れた位置に対して、加圧具43(R10)により上方より80kgfの荷重を加えて変位量(たわみ量)を測定し、加えた荷重値である80kgfを変位量(cm)で割って、その値を打球面の面外方向の剛性値とした。
(側圧剛性の測定)
図10に示すように、実施例および比較例のテニスラケットを横向きで打球面Fを垂直方向として保持している。この状態で上方のヘッド部12からサイド12sに対して、平板Pにより、80kgfの荷重を加えて変位量(たわみ量)を測定し、加えた荷重値である80kgfを変位量(cm)で割って、その値をヘッド部12の側面の面内方向の剛性値とした。
(最大反発係数、高反発領域の測定)
反発係数は、図11に示すように、実施例および比較例のテニスラケットフレーム11に、ストリングを縦60ポンド、横55ポンドの張力で張架し、各テニスラケットを垂直状態でフリーとなるようにグリップ部15を柔らかく固定し、その打球面にボール打出機から一定速度V1(30m/sec)でテニスボールを打球面に衝突させ、跳ね返ったボールの速度V2を測定した。反発係数は発射速度V1、反発速度V2の比(V2/V1)であり、反発係数が大きいほどボールの飛びが良いことを示している。このような方法で、最大反発係数および反発係数が0.380以上の高反発領域を測定した。
(飛び性能、面安定性評価)
中上級者(テニス歴10年以上で現在も週3日以上プレーする条件を満たす)50名が、実施例および比較例のラケットフレーム11にストリングを張架した各テニスラケットで打撃し、フィーリングを5点法(点が多いほど良い評価)で評価した。表1には、採点結果の平均値を示した。
表1から確認できるように、硬質層Aを全く形成しなかった比較例1は、少なくとも一部に硬質層Aを形成した実施例1〜3、参考例1に比して、フレームの剛性値が低く、最大反発係数および高反発領域も少なく、実打テストにおいても、飛び性能および面安定性に対する評価が低かった。
実施例1と実施例2を比較すると、実施例1よりも実施例2の方が、フレーム剛性値が高く、最大反発係数および高反発領域も高く、実打テストにおいても高評価となった。これは、実施例2が、硬質層Aに用いた炭素繊維のサイジング剤を洗浄した後にDLC膜を形成したことによって、炭素繊維とDLC膜の密着性が向上したことに因ると考えられる。
実施例2〜実施例3、参考例1を比較すると、硬質層Aの層数が増えるほど、フレーム剛性値および最大反発係数が高まり、高反発領域は広がり、飛び性能に対する評価も高まったが、面安定性の評価については、参考例1が実施例2、3よりも低くなった。これは、参考例1の全層の炭素繊維にDLC膜を形成したことで、フレーム重量の増加量が大きくなったためと認められる。
本発明の第一実施形態に係るラケットフレームの正面図である。 (A)は図1のII−II線概略断面図であり、(B)は積層構造を示す部分拡大断面図である。 硬質層の炭素繊維を示し、(A)は炭素繊維の配置形状を示し、(B)はDLC膜形成後の炭素繊維を示す斜視図である。 本発明の第二実施形態の硬質層に用いられる炭素繊維の断面図である。 炭素繊維のサイジング剤洗浄処理を示す拡大説明図である。 本発明の第三実施形態に係るラケットフレームの積層構造を示す部分拡大断面図である。 本発明の参考実施形態に係るラケットフレームの積層構造を示す部分拡大断面図である。 高周波プラズマCVD装置を示す概略図である。 (A)(B)はラケットフレームの打球面剛性測定方法を示す概略図である。 ラケットフレームの側圧剛性測定方法を示す概略図である。 ラケットの反発係数の測定方法を示す概略図である。 従来例の図である。
符号の説明
11 テニスラケットフレーム
21、21a、21b 繊維強化樹脂プリプレグシート
22、22’ 炭素繊維
22a 繊維本体
22b サイジング剤
23 DLC膜
24 被膜繊維
A 硬質層

Claims (2)

  1. 繊維強化樹脂のテニスラケットフレームであって、
    ダイヤモンド状カーボン(DLC)膜からなる硬質層を備えた炭素繊維をマトリクス樹脂で含浸したプリプレグシートと、
    前記硬質層を備えていない炭素繊維をマトリクス樹脂で含浸したプリプレグシートと、 の積層体からなり、
    前記硬質層を備えたプリプレグシートは、前記炭素繊維がクロスに編組された後に該クロスの表面が前記硬質層で被覆されていることを特徴とするテニスラケットフレーム。
  2. 前記硬質層の厚さは1〜0.1μmとし、該硬質層が被覆される前記炭素繊維の表面はサイジング処理がなされている請求項1に記載のテニスラケットフレーム。
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