JPH0540347U - 方向制御弁のパイロツト回路切り換え装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 油圧式掘削機に多機能を有する作業機アタッ
チメントを装着すると、アタッチメントを操作するため
のレバーまたはペダルが増加するので、その数を可能な
限り少なくし、かつ、アタッチメントが持つ各種機能を
円滑に活用することができるようにする。 【構成】 操作レバー１，２の先端に押しボタンスイッ
チ１ａ，２ａを設け、これらの押しボタンスイッチのＯ
Ｎ，ＯＦＦによってパイロット圧比例制御弁３，４と、
油圧アクチュエータに圧油を供給する方向制御弁５，
６，７との間に設けた電磁弁８，９，１０，１１を作動
させる。これにより、パイロット圧比例制御弁３，４か
ら前記方向制御弁に至るパイロット回路を電磁弁によっ
て切り換えることができ、１本の操作レバーで２種類の
作業機操作が可能となる。従って、操作レバー、ペダル
の増加を抑えて作業機アタッチメントの各種操作を円滑
に行うことができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、油圧アクチュエータに供給する圧油の流れを切り換える方向制御弁 のパイロット回路切り換え装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

油圧式掘削機は、上部旋回体にブームの一端を軸着し、揺動自在の前記ブーム の他端に軸着したアームを介して各種作業機アタッチメントを装着することがで き、リーチが長いので、バケットによる土砂等の掘削、積み込みの他、油圧ブレ ーカ装着による岩石等の破砕、クラッシャ装着による構造物の破砕、クランプ装 置装着による各種材料、製品のハンドリング等極めて汎用性に富んでいる。油圧 式掘削機のこのような特性を利用して従来から多様な作業機アタッチメントが開 発され、使用されている。図２はその一例として、油圧式掘削機３０にハンドリ ング装置を装着した場合を示している。このハンドリング装置はアーム３１の先 端に装着され、油圧モータを動力源とする回転装置３２と、回転装置３２の被回 転側に取着したクランプ装置３３と、クランプ装置３３を左右方向に揺動する図 示しない揺動シリンダとによって構成されている。またハンドリング操作時に車 体を安定させるため、油圧式掘削機３０にはフロントアウトリガ３４および図示 しないサイドアウトリガが装着されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

油圧式掘削機の作業機アタッチメントとして上記ハンドリング装置を装着した 場合、ブーム、アームの駆動と上部旋回体の旋回操作およびハンドリング装置の 前傾・後傾操作は従来の作業機操作レバーを操作することによって行うことがで きる。そこで、クランプ装置の開閉、回転、揺動およびアウトリガの張り出し・ 格納の各操作を行うには、４個の操作レバーまたは操作ペダルを増設する必要が ある。しかし、既に左右走行レバー２本と作業機操作レバー２本とが運転席近傍 に配設されているので、操作レバーあるいは操作ペダルの増設に当たって、設置 スペースの面で厳しい制約を受けるとともに、操作レバー、ペダルの増加によっ て作業機操作性が低下し、操作ミスを誘発するおそれがある。

【０００４】 本考案は上記従来の問題点に着目し、操作レバー、ペダルの数を可能な限り少 なくし、かつ、作業機アタッチメントに付与された各種機能を円滑に活用するこ とができるような、方向制御弁のパイロット回路切り換え装置を提供することを 目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために本考案に係る方向制御弁のパイロット回路切り換え 装置は、操作レバーをＸ軸方向またはＹ軸方向に操作することにより、パイロッ ト圧比例制御弁を介して複数個の方向制御弁スプールにパイロット圧を導くパイ ロット回路において、前記パイロット圧比例制御弁と方向制御弁との間にパイロ ット回路を切り換える電磁弁を設け、操作レバーに設けた押しボタンスイッチの ＯＮ，ＯＦＦによって電磁弁を駆動し、別に設けた方向制御弁スプールにパイロ ット圧を導く構成とした。

【０００６】

【作用】

上記構成によれば、操作レバーに押しボタンスイッチを設け、この押しボタン スイッチのＯＮ，ＯＦＦによってパイロット圧比例制御弁と方向制御弁との間に 設けた電磁弁を作動させる構成としたので、パイロット圧比例制御弁から方向制 御弁に至るパイロット回路を前記電磁弁によって切り換えることができる。従っ て１本の作業機操作レバーで２個の作業機を操作することができるようになり、 多機能を備えた作業機アタッチメントを装着した場合でも、操作レバー、ペダル の増加を抑制することができる。

【０００７】

【実施例】

以下に本考案に係る方向制御弁のパイロット回路切り換え装置の実施例につい て、図面を参照して説明する。 図１は作業機アタッチメントとしてハンドリング装置を装着した油圧式掘削機 において、操作レバーから方向制御弁に至るパイロット回路の概略説明図で、前 記方向制御弁からハンドリング装置を駆動する各油圧アクチュエータに圧油が供 給される。油圧式掘削機に従来から搭載されている方向制御弁によって、ブーム およびアーム操作、ハンドリング装置の前傾・後傾操作、上部旋回体の旋回操作 を行うことができ、増設した方向制御弁によってクランプ装置の３６０゜回転、 左右方向への揺動、クランプの開閉、アウトリガの張り出し・格納の各操作がで きるようになっている。なお図１では、本考案に直接関係のないパイロット回路 、油圧ポンプから各方向制御弁スプールに至る主油圧回路ならびに各方向制御弁 スプールからアクチュエータに至る油圧回路の記載は省略してある。

【０００８】 油圧式掘削機の運転席近傍には２本の操作レバー１，２が設けられ、操作レバ ー１は上部旋回体の旋回とアームの操作とを行い、操作レバー２は垂直面内での ハンドリング装置の前傾・後傾とブーム操作とを行うことになっている。前記旋 回操作あるいは各作業機操作は、操作レバーのストロークに応じてパイロット圧 比例制御弁（以下ＰＰＣ弁という）３，４から方向制御弁５，６のバルブスプー ルにパイロット圧を作用させて油圧回路を切り換え、各アクチュエータに圧油を 供給することによって行われる。

【０００９】 方向制御弁５のバルブスプール５ａはハンドリング装置前・後傾用、方向制御 弁６のバルブスプール６ａは上部旋回体の旋回用である。また増設した方向制御 弁７には、クランプ装置揺動用バルブスプール７ａ、クランプ装置回転用バルブ スプール７ｂ、クランプ開閉用バルブスプール７ｃ、アウトリガ駆動用バルブス プール７ｄが組み込まれている。

【００１０】 前記操作レバー１，２の上端には、それぞれ押しボタンスイッチ１ａ，２ａが 設けられ、押しボタンスイッチ１ａの電気配線は、ＰＰＣ弁３，４と方向制御弁 ５，６，７との間に設置された電磁弁８，９に接続され、押しボタンスイッチ２ ａの電気配線は電磁弁１０，１１に接続されている。

【００１１】 前記ＰＰＣ弁３，４から方向制御弁５，６に至るパイロット回路のうち、パイ ロット回路１２，１３はそれぞれ電磁弁８，９とパイロット回路１４，１５とを 介して上部旋回体旋回用バルブスプール６ａの両端に接続され、パイロット回路 １６，１７はそれぞれ電磁弁１０，１１とパイロット回路１８，１９とを介して ハンドリング装置前・後傾用バルブスプール５ａの両端に接続されている。また 上記操作レバー１，２とは別に、アウトリガ駆動用操作レバーが運転席近傍に設 けられ、ハンドリング装置のクランプ開閉用ペダルが運転室の床面に設けられて いて、クランプ開閉用バルブスプール７ｃ、アウトリガ駆動用バルブスプール７ ｄはいずれもケーブルを介して操作される。

【００１２】 操作レバー１の押しボタンスイッチ１ａを押すとＯＮとなり、電磁弁８および ９が励磁され、押しボタンスイッチ１ａを再度押すとＯＦＦとなり、電磁弁８， ９は消磁される。従って、押しボタンスイッチ１ａをＯＦＦにしたまま操作レバ ー１を左または右旋回側に操作すると、パイロット圧が上部旋回体旋回用バルブ スプール６ａに作用して、上部旋回体が左または右方向に旋回するが、押しボタ ンスイッチ１ａをＯＮにした後操作レバー１を左または右旋回側に操作すると、 パイロット圧はＰＰＣ弁３からパイロット回路１２、電磁弁８、パイロット回路 ２０またはパイロット回路１３、電磁弁９、パイロット回路２１を経てクランプ 装置回転用バルブスプール７ｂの右端または左端に作用し、クランプ装置が左ま たは右回転する。これと同様に、操作レバー２の押しボタンスイッチ２ａを押す とＯＮとなり、電磁弁１０および１１が励磁され、押しボタンスイッチ２ａを再 度押すとＯＦＦとなり、電磁弁１０，１１は消磁される。従って、押しボタンス イッチ２ａをＯＦＦにしたまま操作レバー２を前傾または後傾側に操作すると、 パイロット圧がハンドリング装置前・後傾用バルブスプール５ａに作用して、ハ ンドリング装置が前傾または後傾姿勢となるが、押しボタンスイッチ２ａをＯＮ にした後操作レバー２を前傾または後傾側に操作すると、パイロット圧はＰＰＣ 弁４からパイロット回路１６、電磁弁１０、パイロット回路２２またはパイロッ ト回路１７、電磁弁１１、パイロット回路２３を経てクランプ装置揺動用バルブ スプール７ａの右端または左端に作用し、クランプ装置が左または右方向に揺動 する。

【００１３】

【考案の効果】

以上説明したように本考案によれば、操作レバーの動きに応じて方向制御弁に パイロット圧を加えるパイロット圧比例制御弁と方向制御弁との間に電磁弁を設 け、これらの電磁弁を操作レバーに設けた押しボタンスイッチによって作動させ ることにしたので、押しボタンスイッチをＯＮ，ＯＦＦ操作するのみでパイロッ ト回路の切り換えが可能となり、１本の操作レバーを２種類の作業機操作に兼用 することができる。従って、作業機アタッチメントの機能が増大した場合におい ても、操作レバー、ペダルの増加を抑制することができ、作業機操作性の低下を 来さず、操作ミスを防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】パイロット回路切り換え装置を組み込んだ油圧
式掘削機の方向制御弁用パイロット回路の説明図であ
る。

【図２】作業機アタッチメントの一例として、ハンドリ
ング装置を装着した油圧式掘削機の概略側面図である。

【符号の説明】

１，２ 操作レバー １ａ，２ａ 押しボタンスイッチ ３，４ パイロット圧比例制御弁（ＰＰＣ弁） ５，６，７ 方向制御弁 ５ａ ハンドリング装置前・後傾用バルブスプール ６ａ 上部旋回体旋回用バルブスプール ７ａ クランプ装置揺動用バルブスプール ７ｂ クランプ装置回転用バルブスプール ７ｃ クランプ開閉用バルブスプール ７ｄ アウトリガ駆動用バルブスプール ８，９，１０，１１ 電磁弁 １２，１３，１４，１５，１６，１７，１８，１９，２
０，２１，２２，２３パイロット回路

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 操作レバーをＸ軸方向またはＹ軸方向に
   操作することにより、パイロット圧比例制御弁を介して
   複数個の方向制御弁スプールにパイロット圧を導くパイ
   ロット回路において、前記パイロット圧比例制御弁と方
   向制御弁との間にパイロット回路を切り換える電磁弁を
   設け、操作レバーに設けた押しボタンスイッチのＯＮ，
   ＯＦＦによって電磁弁を駆動し、別に設けた方向制御弁
   スプールにパイロット圧を導くことを特徴とする方向制
   御弁のパイロット回路切り換え装置。