JPH0540081A - 溶融金属の成分分析方法 - Google Patents

溶融金属の成分分析方法

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JPH0540081A
JPH0540081A JP22226391A JP22226391A JPH0540081A JP H0540081 A JPH0540081 A JP H0540081A JP 22226391 A JP22226391 A JP 22226391A JP 22226391 A JP22226391 A JP 22226391A JP H0540081 A JPH0540081 A JP H0540081A
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JP
Japan
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molten metal
molten steel
crucible
analysis
sample
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JP22226391A
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English (en)
Inventor
Tatsuro Honda
達朗 本田
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 分析対象の試料(溶鋼)のスラグ,酸化膜を
除去して、溶鋼の成分の正確な分析結果を迅速に得る。 【構成】 サンプリングした溶鋼Sを収納した坩堝3の
底部の石英管4の先端分4aを破壊して内部の溶鋼Sを、
アルゴンガス雰囲気であるパージ用箱11内の分析皿14上
に流出させ、流出させた試料(溶鋼)Sにレーザ導波管
15からレーザ光を照射し、レーザ発光分光分析法により
溶鋼の成分分析を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶鋼等の溶融金属の成
分をレーザ発光分光分析法により分析する溶融金属の成
分分析方法に関する。
【0002】
【従来の技術】溶融金属の精錬作業、特に鉄鋼の転炉精
錬においては、製品の高品質化,多様化及び精錬工程に
要する時間の短縮化の要求に伴って、溶融金属(溶鋼)
の成分分析の高精度化及び分析時間の短縮化が強く要望
されている。
【0003】現在、鉄鋼の精錬工程において用いられて
いる溶鋼の代表的な成分分析法として、放電を利用した
放電発光分光分析法がある。この方法は、例えば鉄鋼便
覧VOL2,p490に示されているサブランス法にて
溶鋼の一部である試料をサンプリング容器内にサンプリ
ングした後、十分に環境整備された分析室内で分析を行
うものである。
【0004】この分析法においては、試料サンプリン
グ,サンプリング容器からの試料の取り出し,分析室内
への試料搬送,試料の冷却,切断,研磨等の前処理を施
した後、分析処理を行うので、試料サンプリング開始か
ら分析処理完了まで略5分の時間を要する。精錬工程が
約20分程度であることを考慮すると、この5分は大変長
い時間であると言える。このため、分析結果が得られた
時には、分析した溶鋼は既に精錬工程を完了し次工程に
移行している場合、または精錬が進み成分が大きく異な
った溶鋼を精錬中である場合があり、分析結果を有効に
利用できないという難点がある。
【0005】上述したような放電発光分光分析法とは異
なり、溶融金属(溶鋼)の成分を直接分析する試みがな
されている。このような直接分析法の中では、レーザ光
を試料に照射してその表面にプラズマ光を発生させ、こ
のプラズマ光を分光解析して溶融金属の成分を直接分析
する方法、所謂レーザ発光分光分析法が広く用いられて
いる。このレーザ発光分光分析法は放電発光分光分析法
に比べて、試料面との距離変動による影響を受けにく
い、応答時間が短い、1m程度の遠隔にある試料の分析
が可能である、放電による電極の消耗がなく自動化が可
能である等の点において有利である。このレーザ発光分
光分析法を用いて、溶鋼を直接分析する方法及び装置の
一例が、特開昭62─282247号公報に開示されている。
【0006】特開昭62─282247号公報に開示された方法
は、転炉内の試料(溶鋼)を耐熱性のコップにより汲み
上げ、汲み上げた試料をレーザ発光分光分析装置に搬送
し、成分分析を行うものである。サブランスまたはそれ
に類似した汲み取り装置の先端に取付けられたコップに
は適当な蓋が設けられており、サンプリングの際に、溶
鋼上のスラグ部分を通過した後、溶鋼中にてその蓋が外
れてコップ中に溶鋼が流入する。その後コップは再びス
ラグ中を通過し試料は転炉外に汲み上げられる。汲み上
げられた試料にはスラグ, 酸化膜が混在しているので、
コップを傾けて溶鋼を流し出すことによってこれらを除
去する。その後、サンプリング装置の近傍に配置した分
析装置まで試料を搬送し、試料表面にArガスをパージし
ながら成分分析を行う。特開昭62─282247号公報に開示
された方法はこのようにして、試料の搬送時間及び前処
理時間の短縮化を図って分析作業の迅速化を実現しよう
としている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】転炉から汲み上げた溶
鋼をレーザ発光分光分析装置により直接分析する方法に
おいては、試料面のスラグ,酸化膜を除去しなければ十
分な分析精度が得られない。上述した特開昭62─282247
号公報に開示された方法では、コップを傾けて試料の一
部を流し出すことによりこのようなスラグ,酸化膜の除
去を試みている。ところが、実際にはコップを傾けただ
けでは、これらを完全に除去することが出来ない場合が
あり、精度が高い分析結果を安定的に得られないという
問題がある。
【0008】本発明はかかる事情に鑑みてなされたもの
であり、試料を液相状態にて坩堝内にサンプリングし、
坩堝にあけた穴から試料を皿に流出させて分析を行うこ
とにより、試料表面のスラグ,酸化膜を除去できて、精
度が高い分析結果を安定的に得ることができる溶融金属
の成分分析方法を提供することを主目的とする。
【0009】本発明の他の目的は、不活性ガス雰囲気に
て成分分析を行うことにより、試料の酸化を防止するこ
とができ、分析精度の向上を図れる溶融金属の成分分析
方法を提供することにある。
【0010】本発明の更に他の目的は、坩堝の底部に管
を設け、この管を破壊して試料を流出させることによ
り、スラグ,酸化膜をより確実に除去できる溶融金属の
成分分析方法を提供することにある。
【0011】本発明の更に他の目的は、レーザ光の照射
位置に温度計を設置してその温度を測定することによ
り、試料の有無を確認できて、試料が存在する際にのみ
確実にレーザ光照射を行えて無駄がない溶融金属の成分
分析方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本願の第1発明に係る溶
融金属の成分分析方法は、レーザ発光分光分析法を用い
て溶融金属の成分を分析する方法において、分析対象の
溶融金属の一部を熱伝導性が低い坩堝内に液相状態でサ
ンプリングする工程と、該坩堝に穴をあけてサンプリン
グした溶融金属を耐熱性の皿に流出させる工程と、流出
した溶融金属の周辺の雰囲気を不活性ガスにて置換し、
この流出した溶融金属の成分を前記皿上にてレーザ発光
分光分析法により分析する工程とを有することを特徴と
する。
【0013】本願の第2発明に係る溶融金属の成分分析
方法は、第1発明において、前記坩堝はその底部に管を
有しており、該管を破壊してサンプリングした溶融金属
を前記皿に流出させることを特徴とする。
【0014】本願の第3発明に係る溶融金属の成分分析
方法は、第1発明または第2発明において、流出した溶
融金属の成分をレーザ発光分光分析法により分析する際
に、分析用のレーザ光が照射される位置の温度を検出
し、その検出結果に基づいて分析対象の溶融金属の有無
を確認することを特徴とする。
【0015】
【作用】第1発明では、坩堝内に分析対象の溶融金属を
汲み上げ、坩堝を破壊して内部の溶融金属を皿に流し出
し、流出してくる溶融金属の成分を分析する。坩堝内に
汲み上げられた溶融金属にはスラグ,酸化膜が含まれて
いるが、坩堝から流し出すことにより、スラグ,酸化膜
が除去された試料を得ることができる。また、流出され
る溶融金属の周囲を不活性ガスにて置換させておくの
で、試料が酸化されることがない。
【0016】第2発明では、坩堝の底部に設けた管を破
壊して、坩堝内の溶融金属を試料として流出させる。溶
融金属のスラグ,酸化膜は表面に集中して存在している
ので、管から流出される試料にはこれらが殆ど含まれな
い。
【0017】第3発明では、レーザ光の照射位置におけ
る温度を検出して試料の有無を確認する。この確認作業
を行うので、試料がない場合においてレーザ光を照射す
るような誤動作がなく、無駄なく溶融金属の成分分析を
行える。
【0018】
【実施例】以下、本発明をその実施例を示す図面に基づ
いて溶鋼の成分分析を例として具体的に説明する。
【0019】図1は、本発明に係る溶融金属(溶鋼)の
成分分析方法に用いる坩堝部の構成を示す模式的断面図
であり、図中1は既設のサブランスに接続可能な紙管で
ある。紙管1の先端部の内部には例えばセラミックファ
イバ製の断熱材2を介して、不透明な石英からなる坩堝
3が設けられている。坩堝3は内径40mm, 高さ100 mmの
有底円筒状をなし、その底部には先端を封じた不透明な
石英からなる石英管4が坩堝3と連通状態にて設けられ
ている。坩堝3の上部は紙管1内に耐火材5にて囲まれ
て形成される上部領域6に連通している。この上部領域
6を囲む紙管1の側壁には溶鋼取込み口7が開口され、
溶鋼取込み口7にはメタルキャップ8が取付けられてい
る。そして、サブランスが下降しスラグ中を通過した
後、溶鋼に接した際にメタルキャップ8が融けて溶鋼が
溶鋼取込み口7,上部領域6を経て坩堝3内に流入する
ようになっている。坩堝3の底部に設けられている石英
管4の先端部4aは肉厚が薄くなっていて、破壊され易く
なっている。この先端部4aを保護する目的にて、鋼製の
保護キャップ9が、先端部4aを覆う態様にて、銅等の低
融点金属からなる止め金10にて紙管1の先端に取付けら
れている。なお、坩堝3内には流入された溶鋼の酸素を
除く目的にてアルミニウム粉末が入れられている。
【0020】次に、試料のサンプリング動作について説
明する。図1に示すような坩堝部を先端部に取り付けた
紙管1をサブランスに接続する。このサブランスを下降
させてスラグを通過させて紙管1の先端部を溶鋼中に浸
漬させる。この際、石英管4の先端部4aは肉薄である
が、保護キャップ9にて覆われているので溶鋼への侵入
時の衝撃を受けることがなく破壊されることもない。溶
鋼に坩堝部が接すると、メタルキャップ8が融けて外
れ、溶鋼取込み口7,上部領域6を経て坩堝3内に試料
の溶鋼が流入される。また、止め金10も融けて、溶鋼中
で保護キャップ9が外れる。試料となる溶鋼をサンプリ
ングした後、サブランスを上昇させ、その最上昇端位置
にて後述するような手順にて、サンプリングした試料の
成分を分析する。
【0021】図2は、本発明に係る溶融金属(溶鋼)の
成分分析方法の実施状態を示す模式的斜視図である。図
中11は分析の場である金属製のパージ用箱である。試料
の酸化を防止すべく、このパージ用箱11内の雰囲気は予
めアルゴンガスにて置換されている。パージ用箱11内に
は円筒状の排溶鋼器12が配設されており、この排溶鋼器
12内には支柱13が立設され支柱13の先端には分析皿14が
僅かに傾けて取り付けられている。分析皿14は不透明な
石英からなりその深さは3mm程度である。分析皿14上方
のパージ用箱11の上部壁には、試料を収容した坩堝3を
設けた紙管1を装入するための穴20が開設されている。
そして、穴20に紙管1が装入されると、石英管4の先端
部4aが例えば回転する金属角柱(図示せず)により破壊
され、溶鋼が分析皿14上に流出し、分析皿14から溢れる
余分の溶鋼は排溶鋼器12内に収容されるようになってい
る。なお、この排溶鋼器12及び分析皿14は、各分析動作
毎に取り替える。また、パージ用箱1の側壁には、分析
用のレーザ光を伝送するレーザ導波管15及び試料表面の
プラズマ光を伝播する光ファイバ16の先端に対向する窓
17が設けられている。そして、レーザ導波管15から分析
皿14上の試料(溶鋼)Sにレーザ光が照射され、発生さ
れたプラズマ光が光ファイバ16により伝播されて成分分
析が行われるようになっている。更に、パージ用箱1の
側壁には、窓17をパージするためのアルゴンガスをパー
ジ用箱1内に供給するためのガス供給管18が連通されて
いる。レーザ光の照射位置は、放射温度計用窓19a を介
して放射温度計19により、常にその温度が測定され、そ
の測定結果により試料の有無が検出されてレーザ光の照
射が制御される。
【0022】次に、分析動作の手順について説明する。
予めアルゴンガスにてその雰囲気が置換されたパージ用
箱1の上部壁の穴20に、試料を収容した坩堝3を有する
紙管1を装入する。回転する金属角柱により石英管4の
先端部4aを破壊する。破壊された石英管4から試料Sと
なる溶鋼が分析皿14上に流出する。放射温度計19が高温
状態を検出すると分析機構が始動し、レーザ導波管15か
ら分析皿14上の試料Sにレーザ光が照射され、またガス
供給管18からアルゴンガスが噴射供給される。余分に流
出した溶鋼は分析皿14から溢れ出るので、分析皿14上で
の試料面の高さ変動は±10mm以下に保たれる。坩堝3に
より汲み上げられた溶鋼にはスラグ,酸化膜は含まれて
いるが、これらはその表面に集中しているので、坩堝3
の底部から流出される溶鋼にはこれらが含まれておら
ず、スラグ,酸化膜を除去した試料Sを得ることができ
る。試料Sにレーザ光が照射されると、表面にプラズマ
光が発生し、そのプラズマ光はファイバ16により伝播さ
れ、プラズマ光のスペクトル解析により試料(溶鋼)S
の成分が分析される。供給されたアルゴンガスは、鋼の
蒸気等による汚れを防止するために、窓17のパージを行
う。
【0023】以上のような手順にて、溶鋼をサンプリン
グし、そのサンプリングした溶鋼の成分分析を行った場
合、その全工程に要する時間は1分程度であった。
【0024】なお、上述の実施例では溶鋼を例にした
が、これに限らず他の溶融金属の場合も同様にその成分
分析を行えることは勿論である。
【0025】
【発明の効果】以上詳述した如く、第1発明の溶融金属
の成分分析方法では、試料を液相状態にて坩堝内にサン
プリングし、坩堝に穴をあけて試料を皿に流出させて分
析を行うので、試料表面のスラグ,酸化膜を除去でき
て、精度が高い分析結果を安定的にしかも迅速に得るこ
とができる。また、不活性ガス雰囲気にて成分分析を行
うので、試料の酸化を防止して分析精度の向上を図るこ
とができる。
【0026】第2発明の溶融金属の成分分析方法では、
坩堝の底部に管を設け、この管を破壊して試料を流出さ
せるので、スラグ,酸化膜をより確実に除去できる。
【0027】第3発明の溶融金属の成分分析方法では、
レーザ光の照射位置に温度計を設置してその測定結果に
基づいてレーザ光の照射を制御するので、試料が存在す
る際にのみ確実にレーザ光照射を行えて無駄がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の溶融金属の成分分析方法に使用する坩
堝部の構成を示す模式的断面図である。
【図2】本発明の溶融金属の成分分析方法における成分
分析の実施状態を示す模式的斜視図である。
【符号の説明】
1 紙管 3 坩堝 4 石英管 4a 先端部 7 溶鋼取込み口 11 パージ用箱 14 分析皿 15 レーザ導波管 16 光ファイバ 19 放射温度計 19a 放射温度計用窓 S 試料(溶鋼)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ発光分光分析法を用いて溶融金属
    の成分を分析する方法において、分析対象の溶融金属の
    一部を熱伝導性が低い坩堝内に液相状態でサンプリング
    する工程と、該坩堝に穴をあけてサンプリングした溶融
    金属を耐熱性の皿に流出させる工程と、流出した溶融金
    属の周辺の雰囲気を不活性ガスにて置換し、この流出し
    た溶融金属の成分を前記皿上にてレーザ発光分光分析法
    により分析する工程とを有することを特徴とする溶融金
    属の成分分析方法。
  2. 【請求項2】 前記坩堝はその底部に管を有しており、
    該管を破壊してサンプリングした溶融金属を前記皿に流
    出させることを特徴とする請求項1記載の溶融金属の成
    分分析方法。
  3. 【請求項3】 流出した溶融金属の成分をレーザ発光分
    光分析法により分析する際に、分析用のレーザ光が照射
    される位置の温度を検出し、その検出結果に基づいて分
    析対象の溶融金属の有無を確認することを特徴とする請
    求項1又は2記載の溶融金属の成分分析方法。
JP22226391A 1991-08-06 1991-08-06 溶融金属の成分分析方法 Pending JPH0540081A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006292688A (ja) * 2005-04-14 2006-10-26 Matsushita Electric Ind Co Ltd ハンダ供試材の作製方法及び分析方法並びにハンダ槽管理システム
CN103792277A (zh) * 2014-01-16 2014-05-14 中国科学院金属研究所 激光点式扫描氧氮氢氩氦联测仪及联测方法
KR20210064756A (ko) * 2019-11-26 2021-06-03 한국산업기술대학교산학협력단 재료의 물성 측정 장치 및 방법

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