JPH0539898A

JPH0539898A - 減圧弁付きボンベバルブ

Info

Publication number: JPH0539898A
Application number: JP34226491A
Authority: JP
Inventors: Masakatsu Kawahara; 雅克河原; Mitsunori Sakai; 光則酒井; Teruo Hatori; 輝夫羽鳥; Mitsumasa Kagomoto; 光正籠本
Original assignee: Neriki KK
Current assignee: Neriki KK
Priority date: 1991-02-01
Filing date: 1991-11-29
Publication date: 1993-02-19
Also published as: JPH05215299A

Abstract

(57)【要約】【目的】減圧弁付きボンベバルブにおいて、ガス充填
に要する時間を短くするとともに、閉止弁の封止機能を
良好に保つ。【構成】弁箱２の脚部下面３ａに設けたガス入口穴６
に、ガス入口路７と閉止弁８の閉止弁室９と減圧弁１２
の減圧弁室１３とを順に経て、ガス出口穴１５を連通さ
せる。上記ガス入口路７をガス受入れ路４０を経てガス
受入れ穴３９に連通させる。そのガス受入れ路４０に、
ガス流出阻止弁４１の弁室４４と弁座４５とを上記ガス
受入れ穴３９へ向けて順に形成する。その弁室４４に挿
入した流出阻止弁体４６を閉弁バネ４７によって上記の
弁座４５に閉弁弾圧する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、圧縮ガスや液化ガス
等を収容するガスボンベに取り付けてガスの取出し及び
充填に使用するボンベバルブであって、弁箱内に減圧弁
を付設することにより、ガスボンベ内の高圧ガスを減圧
した状態で取り出せるようにした減圧弁付きボンベバル
ブに関する。

【０００２】

【従来の技術】この種の減圧弁付きボンベバルブには、
従来では、特開平１−１８２７００号公報に記載された
ものがある。これは、ボンベバルブの閉止弁座に対し
て、減圧弁体を兼ねる閉止弁体を開閉作動と調圧作動と
に切換え可能に構成し、ガス取出しとガス充填とを１つ
のガス出口穴から行えるようにしたものである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記の従来技術は、ガ
ス充填時において、減圧弁体を兼ねる閉止弁体を全開状
態に切換えておくことにより、ガス充填の時間が短くて
すむ点で優れるが、その閉止弁体の封止機能が早期に損
なわれるという問題がある。

【０００４】即ち、減圧ガス取出し時においては、閉止
弁体の弁面と閉止弁座との間の狭い隙間で調圧作用がな
されるので、その隙間をガスが超高速で流れる。する
と、その閉止弁体の弁面や閉止弁座が上記の超高速流れ
で次第に削り取られていき、封止機能が早期に損なわれ
る。その結果、ガスボンベの輸送中や保管中にガス漏れ
が起きるおそれがある。この問題は、弁面を合成樹脂等
の弾性部材で構成した場合には、傷みの進行がさらに早
くなるので、著しい弊害となって現れる。

【０００５】本発明は、ガス充填に要する時間を短くす
ることと、閉止弁の封止機能を良好に保つこととを両立
させることを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、次のように構成した。例えば、図１から
図４、又は図５から図７、若しくは図８から図１０に示
すように、

【０００７】弁箱２の脚部下面３ａに開口したガス入口
穴６を、ガス入口路７と閉止弁８の閉止弁室９と減圧弁
１２の減圧弁室１３とを順に経て、ガス出口穴１５を連
通させ、上記の閉止弁室９に挿入した閉止弁体１７を開
閉操作装置１８によって閉止弁座１９に開閉操作可能に
構成し、上記の弁箱２の外周面のうちのガス入口穴６及
びガス出口穴１５とは異なる外周面にガス受入れ穴３９
を開口して、このガス受入れ穴３９と上記の脚部下面３
ａとを連通させるガス受入路４０を上記の弁箱２内に設
け、そのガス受入れ路４０に、ガス流出阻止弁４１の弁
室４４と弁座４５とを上記ガス受入れ穴３９へ向けて順
に形成し、その弁室４４に挿入した流出阻止弁体４６を
閉弁バネ４７によって上記の弁座(４５)に閉止弾圧した
ものである。

【０００８】

【作用】本発明は、次のように作用する。ガスボンベ４
の輸送中や保管中には、開閉操作装置１８によって閉止
弁体１７を閉止弁座１９に閉止接当させておく。ガス取
出し時には、開閉操作装置１８によって閉止弁体１７を
全開にする。すると、ガスボンベ４内の高圧ガスが、ガ
ス入口穴６からガス入口路７を通って閉止弁室９に流入
し、この閉止弁室９から減圧弁１２を経て減圧された状
態でガス出口穴１５から取り出される。このガス取出し
状態では、ガス流出阻止弁４１の流出阻止弁体４６が弁
室４４内のガス圧と閉弁バネ４７の弾圧力との合力によ
って弁座４５に閉止接当している。

【０００９】ガス充填時には、まず、開閉操作装置１８
によって閉止弁体１７を閉止弁座１９に閉止接当させて
おき、次いで、ガス受入れ穴３９からガス受入れ路４０
に充填用フレッシュガスを導入する。すると、そのフレ
ッシュガスは、流出阻止弁体４６を閉弁バネ４７に抗し
て押し開いて弁室４４内に流入し、ここからガスボンベ
４内に充填される。このように、充填ガスは、減圧弁１
２の狭い弁路や閉止弁８の弁路を通らないので、流動抵
抗が小さくてすみ、ガス充填に要する時間が短い。しか
も、上記の閉止弁８は、ガス取出し時に全開状態で使用
できるので、ガスの流れによって弁面１７ａや閉止弁座
１９が傷むことを防止できる。

【００１０】

【実施例】

(第１実施例)図１から図４は第１実施例を示している。
図２の系統図に示すように、ボンベバルブ１は、弁箱２
のガス入口穴６に、ガス入口路７・閉止弁８・減圧弁１
２・残圧保持用逆止弁５０を順に介してガス出口穴１５
を連通させてなる。上記のガス入口路７にガス受入れ路
４０を介してガス受入れ穴３９が連通され、そのガス受
入れ路４０にガス流出阻止弁４１が配置される。さら
に、減圧弁１２と残圧保持用逆止弁５０との間から二次
側安全弁６３が分岐されている。

【００１１】ガスボンベ４には、旧来の充填圧(150kgf/
cm²)の２倍である300kgf/cm²の高圧ガスが充填可能とさ
れている。ガス取出し時には、閉止弁８を開くことによ
り、ガスボンベ４内の高圧ガスが減圧弁１２で所定圧に
まで減圧された後、残圧保持弁５０を通ってガス出口穴
１５から取り出される。ガスの取り出しが進んでガスボ
ンベ４の残圧が設定圧にまで低下すると、残圧保持用逆
止弁５０が逆止バネ６０(ここでは図示せず)の弾圧力に
よって自動的に閉じられる。これにより、それ以上のガ
ス取り出しを防止して、ガスボンベ４の残圧を設定圧に
保持し、空になったガスボンベ４内に雰囲気が侵入する
のを防止する。

【００１２】空になったガスボンベ４へのガス充填時に
は、まず閉止弁８を閉じておき、ガス受入れ穴３９にガ
ス充填金具(図示せず)を接続して、ガス充填路４０へガ
スを充填する。すると、充填ガスが、ガス流出阻止弁４
１を開弁させてガス入口穴６からガスボンベ４内へ充填
される。

【００１３】上記ボンベバルブ１の具体的な構造を、図
１と図３及び図４で説明する。図１と図３とは、平面図
である図４のI−I線とIII−III線の矢視断面図である。
ボンベバルブ１は、弁箱２の下部に形成した脚ネジ部３
がガスボンベ４の首部５にネジ止め固定可能となってい
る。ガスボンベ４の輸送中や保管中には、その首部５外
周のネジ部に保護キャップ(図示せず)を取り付けてボン
ベバルブ１を保護するようになっている。

【００１４】上記の脚ネジ部３の下面３ａにガス入口穴
６が開口されるとともに、弁箱２の上寄り部のガス出口
ノズル１５ａにガス出口穴１５が横向きに開口される。
閉止弁８の閉止弁室９は、弁箱２の上寄り部に上向き開
口状に形成される。減圧弁１２の減圧弁室１３は、上記
の閉止弁室９の周囲のうちの、ガス出口穴１５とは異な
る部分に斜め上向きに形成される。ガス受入れ穴３９
は、弁箱４の下寄り部にガス出口穴１５とは逆向きに形
成される。

【００１５】上記ガス入口穴６に、ガス入口路７・閉止
弁室９・連通路１１・減圧弁室１３・ガス出口路１４を
順に介して、ガス出口穴１５が連通される。また、ガス
入口路７とガス受入れ穴３９とを連通させるガス受入れ
路４０に、ガス流出阻止弁４１の弁室４４が形成され
る。さらに、ガス出口路１４の奥部に残圧保持用逆止弁
５０が介装される。

【００１６】閉止弁８は、図３に示すように、閉止弁室
９に上下昇降自在に挿入した閉止弁体１７を開閉操作装
置１８によって閉止弁座１９に開閉可能に構成してな
る。即ち、弁蓋２１に支持した弁棒２２をハンドル車２
３で回転操作することにより、閉止弁室９に螺合した閉
止弁体１７を昇降させて、合成樹脂製の弁面１７ａを閉
止弁座１９に対して閉止接当又は離間させるようになっ
ている。

【００１７】減圧弁１２は、同上の図３に示すように、
減圧弁室１３に挿入した減圧弁体２６をガス圧作動器２
７で減圧弁座２８に開閉作動させるように構成してな
る。即ち、蓋ボルト３０内に形成した作動室３１に、ピ
ストン状のガス圧作動器２７が第１封止具３３と第２封
止具３４とによって保密状に挿入される。ガス圧作動器
２７は、釣合いバネ３６で上側の開弁側へ弾圧される。
作動室３１は、ガス圧導入路３７・減圧弁室１３・ガス
出口路１４を順に介してガス出口穴１５に連通されてお
り、両封止具３３・３４に作用するガス圧の差力によっ
てガス圧作動器２７を下側の閉弁側へ押圧するようにな
っている。そして、釣合いバネ３６の開弁力とガス圧の
閉弁力との差力によって、減圧弁体２６の弁面を減圧弁
座２８に対して調圧作動させるのである。

【００１８】残圧保持用逆止弁５０は、図１に示すよう
に、次のように構成されている。ガス出口路１４の奥部
に、筒本体５２とキャップ５３とからなるカセット筒５
１が、封止具５４を介して保密状かつ着脱自在にネジ止
め固定される。カセット筒５１内に逆止弁座５６と逆止
弁室５７が形成される。逆止弁室５７に筒状の逆止弁体
５８が封止具５９を介して保密状に挿入され、その逆止
弁体５８が逆止バネ６０によって逆止弁座５６に閉弁弾
圧される。逆止弁室５７は、逆止弁体５８内の出口圧導
入孔６１を介してガス出口穴１５に連通されている。

【００１９】ガス流出阻止弁４１は、同上の図１に示す
ように、次のように構成される。即ち、前記ガス入口路
７とガス受入れ路４０との交差部分に弁室４４が設けら
れ、その弁室４４と弁座４５と前記ガス受入れ穴３９と
が直線状に配置される。上記の弁室４４に挿入した流出
阻止弁体４６が閉弁バネ４７によって弁座４５に閉弁弾
圧される。上記の流出阻止弁体４６には、ガス入口路７
に対面させて環状流路４８を形成してある。

【００２０】上記のボンベバルブ１は次のように用いら
れる。ガスボンベ４からのガス取り出し時には、開閉操
作装置１８で閉止弁体１７を開き操作する。すると、ガ
スボンベ４内のガスは、ガス入口穴６・ガス入口路７・
環状流路４８・閉止弁室９・連通路１１・減圧弁室１３
を順に経た後、そのガス圧で残圧保持用逆止弁５０の逆
止弁体５８を逆止バネ６０の閉弁力に抗して逆止弁座５
６から離間させ、ガス出口穴１５から流出する。このガ
ス取出し状態では、ガス流出阻止弁４１の流出阻止弁体
４６は、ガスボンベ４の内圧と閉弁バネ４７の弾圧力と
の合力で弁座４５に閉止接当されており、弁室４４から
ガス受入れ穴３９へのガス流出を阻止する。

【００２１】ガスの取り出しが進んで、ガスボンベ４の
残圧が設定圧にまで低下してきたときには、残圧保持用
逆止弁５０の逆止バネ６０の閉弁力が、ガス圧による開
弁力に打ち勝って逆止弁体５８を逆止弁座５６に閉止接
当させて、ガスボンベ４の残圧を設定圧に保持する。

【００２２】また、逆流ガスがガス出口穴１５から残圧
保持用逆止弁５０の逆止弁座５６内に流入してきたとき
には、逆止バネ６０の閉弁力に加えて、逆流ガス圧が出
口圧導入孔６１から逆止弁室５７内に導入されて逆止弁
体５８の閉弁力として作用して、逆止弁体５８を逆止弁
座５６に閉止接当させる。これにより、逆流ガスが逆止
弁座５６から閉止弁室９を経てガス入口穴６へ逆流する
のを阻止する。

【００２３】上記とは逆に、空になったガスボンベ４へ
のガス充填時には、開閉操作装置１８によって閉止弁体
１７を閉じた状態で、ガス受入れ穴３９の周壁のガス受
入れノズル３９ａにガス充填金具(図示せず)を接続す
る。すると、充填用フレッシュガスは、そのガス圧によ
って流出阻止弁体４６を押し開いて弁室４４に流入し、
ガス入口路７からガス入口穴６を経てガスボンベ４内へ
充填される。

【００２４】なお、前記の二次側安全弁６３は、図３に
示すように、次のように構成されている。減圧弁１２の
下側位置に安全作動室６５が斜め下向きに形成され、そ
の安全作動室６５がガス導出孔６４を介して減圧弁室１
３に連通される。安全作動室６５に挿入したピストン弁
体６６を閉弁バネ６７によって安全弁座６８に封止接触
させてある。

【００２５】上記ボンベバルブ１は、複数の弁８・１２
・４１・５０・６３を上記のように配置することによ
り、全体をコンパクトにまとめることができ、ガスボン
ベ４の首部５に固定した保護キャップ内の空間に容易に
収容できる。

【００２６】なお、前記ガス受入れ路４０は、ガス入口
路７に交差させることに代えて、弁箱２の脚部下面３ａ
に直接に開口することも可能である。また、上記のガス
受入れ路４０は、直線状に形成したものに限定されるも
のでなく、折り曲げたものであってもよい。

【００２７】図５から図７は第２実施例を示し、図８か
ら図14は第３実施例を示している。これら別の実施例に
おいては、上記の第１実施例と同じ構成の部材には、原
則として同一の符号を付けてある。

【００２８】(第２実施例)図５から図７のボンベバルブ
は、前記の第１実施例のものとは次の構成が異なる。図
５に示すように、ガス受入れ穴３９に気密状にネジ止め
したプラグ７１によって、ガス受入れ路４０に塵埃等の
異物が侵入することを防止してある。このプラグ７１
は、２つの取付け金具７２・７３と鎖７４とによって弁
箱２に連結される。さらに、上記ガス受入れ路４０に除
塵フィルタ７５が気密状に装着される。このため、フレ
ッシュガスの充填時に上記ガス受入れ穴３９に何らかの
原因で塵埃等の異物が侵入した場合であっても、その異
物がガス流出阻止弁４１の弁室４４内に侵入することを
阻止できる。

【００２９】また、図６に示すように、ガス出口穴１５
とは反対側に設けたボルト穴７６に蓋ボルト７７固定
し、その蓋ボルト７７に残圧保持用逆止弁５０の逆止弁
室５７を形成してある。これにより、ガス出口ノズル１
５ａの突出長さを短くでき、ボンベバルブ１をさらにコ
ンパクトに造れる。

【００３０】さらに、図７に示すように、ガス入口穴６
に押え具７８によって除塵フィルタ７９が気密状に固定
される。また、減圧弁１２においては、釣合いバネ３６を
複数の皿バネで構成し、蓋ボルト３０を弁箱２の外周面
よりも内側に装着してある。

【００３１】(第３実施例)図８から図１４は第３実施例
を示している。図８から図１０のボンベバルブは、前記
の第１実施例のものとは次の構成が異なる。

【００３２】弁箱２の途中高さ部からガス受入ノズル３
９ａが左向きに突設され、弁箱２の右側部分に減圧弁１
２が横向きに設けられるとともに、二次側安全弁６３が
右上向きに設けられる。また、その弁箱２の途中高さ部
からガス出口ノズル１５ａが後ろ向き(図９の平面図中
で上向き)に突設されるとともに、一次側安全弁８０の
組込み用ノズル８１が前向き(その平面図中で下向き)に
設けられる。符号８０ａは破裂板で、符号８０ｂは可溶
栓である。

【００３３】上記のガス受入れノズル３９ａ内のガス受
入れ路４０に保密状に固定したカセット筒８２内に、流
出阻止弁体４６と弁室４４とがガス受入れ穴３９に対し
て直線状に順に設けられる。また、ガス受入れノズル３
９ａには、ガス充填金具８４の先端の被支持部Ｂを係脱
自在に支持する支持部Ａを設けてある。上記ガス充填金
具８４の開弁具８５を上記ガス受入れ穴３９を通って上
記の流出阻止弁体４６に対面可能に構成してある。

【００３４】上記の支持部Ａは、ガス受入ノズル３９ａ
の先端部に形成されており、周方向に所定の間隔をあけ
て径方向の外側へ突設した４つの係止壁８８と、これら
隣合う係止壁８８・８８の間に形成した挿通溝８９とで
構成される。これら係止壁８８及び挿通溝８９の右側に
周溝９０を全周にわたって形成してある。

【００３５】次に、上記ガス充填金具８４を図１１から
図１３で説明する。図１１は、上記ボンベバルブ１にガ
ス充填金具８４を固定した状態を示す縦断面図である。
図12は上記ガス充填金具８４の別の断面図を示し、図１
３は図１２のXIII−XIII線矢視図である。

【００３６】ガス充填金具８４の被支持部Ｂは、ケーシ
ング９１から右向きに突出する４つのＬ字状凸部分９２
と左向きに退入する４つの凹部分９３とを周方向へ交互
に設けてなる。そのＬ字状凸部分９２は、径方向の内側
へ突出する被係止壁９４と、径方向の外側へ退入する旋
回許容溝９５とを左右に連ねて構成してある。

【００３７】上記ケーシング９１の周面には、係合ロッ
ク用の操作筒102が、２つのガイドピン103及びガイド溝
104を介して、左右方向へ摺動自在に外嵌される。上記
の操作筒102の右部から２つのロック具105が前記ケーシ
ング凹部分９３に嵌入する位置へ突設される。このロッ
ク具105をロック用バネ106によってケーシング９１から
右向きに弾圧してある。上記ケーシング凹部分９３に
は、ロック具105の左向き移動を許容する退入溝107を設
けてある。

【００３８】上記のガス充填金具８４は、ガスボンベ１
へのガス充填作業時に次のように使用される。ガス充填
に先立って、ガス充填金具８４をガスボンベのガス受入
ノズル３９ａに連結する。即ち、図１１に示すように、
ケーシング９１の被係止壁９４をガス受入ノズル３９ａ
の挿通溝８９に挿通して周溝９０内に突入させると、係
止壁８８によって、図１２の二点鎖線図に示すように操
作筒102及びロック具105が左側へ退入される。

【００３９】次いで、ケーシング９１を約４５度だけ旋
回させると、被係止壁９４が係止壁８８によって左側か
ら受け止められるとともに、ロック具105が挿通溝８９
に対面する。これと同時に、そのロック具105がロック
用バネ106の弾圧力によって挿通溝８９内に突入する。
これにより、ケーシング９１の旋回がロックされて、ガ
ス充填金具８４がノズル３９ａから脱落することを防止
できる。

【００４０】次に、ガスボンベ１へのガス充填作業を図
１１で説明する。まず、ガス充填金具８４の操作手段10
9の空圧室110へ圧縮空気を供給する。すると、空圧ピス
トン111を介して開弁具８５が右向きに駆動されて、そ
の開弁具８５がガスボンベ内の残圧と閉弁バネ４７の弾
圧力とに抗して流出阻止弁体４６を弁座４５から離間さ
せる。すると、ボンベ内の残ガスが、ボンベバルブ１の
ガス入口路７及びガス受入れ穴３９とガス充填金具８４
のガス充填路113とを経てガス充填穴114から排出される
のである。引き続いて、上記のガス充填穴114から真空
引き作業を行う。すると、ガスボンベ内に残留している
不純ガスが上記と同じ経路で排出される。

【００４１】その後、上記ガス充填穴114からガス充填
路113へフレッシュガスを供給していく。すると、第１
封止部材116の封止用外径寸法Ｄに対応する受圧力と第
２封止部材117の封止用外径寸法ｄに対応する受圧力と
の差力によって、押圧用ピストン118が右向きに押圧さ
れ、そのピストン118が第２封止部材117を介してカセッ
ト筒８２の端面に封止接当する。そして、ガス充填路11
3に流入してきたフレッシュガスは、弁室４４からガス
入口路７を経てガスボンベへ充填される。

【００４２】上記フレッシュガスの充填時には、前進バ
ネ120の弾圧力によって上記の押圧用ピストン118を介し
て第２封止部材117をカセット筒８２の端面に押圧する
とともに、その前進バネ120の弾圧力によって上記ピス
トン118を介してケーシング９１の取付け姿勢を真っす
ぐに保持できるので、ガス充填時の初期シールが良好で
ある。

【００４３】上記ガス充填が終了すると、空圧室110か
ら圧縮空気を排出する。すると、ピストン復帰バネ122
によって開弁具８５が後退し、流出阻止弁体４６が閉弁
バネ４７によって閉弁する。この状態でガス充填路113
内のガスを充填穴114から逃がして、ボンベバルブ１か
らガス充填金具８４を取り外すのである。

【００４４】上記の取外し操作は次のようになされる。
まず、図１２中の二点鎖線図に示すように操作筒102の
操作部分124を左向き押圧して、挿通溝８９からロック
具105を抜き取る。この状態でケーシング９１を約４５
度だけ旋回させ、被係止壁９４を挿通溝８９を通して左
側へ抜取るのである。

【００４５】図１４は、ボンベバルブ１とガス充填金具
８４との接続構造の変形例を示している。なお、この変
形例においても、上記の各実施例と同じ構成の部材には
原則として同一の符号を付けてある。

【００４６】バルブ１は、前記の図１又は図５のものと
ほぼ同様に構成してある。また、ガス充填金具８４のケ
ーシング９１の左端部に封止筒１２６をネジ止め固定
し、その封止筒１２６の外周面に装着した封止部材１２
７をガス受入れ穴３９の内周面に封止接当させてある。

【００４７】上記のようにボンベバルブ１側の封止面を
ガス受入ノズル３９ａの内部に設けたので、ガスボンベ
を手荒く扱った場合でもボンベバルブ１側の封止面が傷
むのを防止でき、その封止寿命を長期間にわたって良好
に保てる。

【００４８】なお、上記の第３実施例において、開弁具
８５と操作手段１０９とを省略してもよい。この場合、
フレッシュガスの充填時には、流出阻止弁体４６は、前
記の第１実施例や第２実施例と同様に、そのフレッシュ
ガスの圧力によって開弁される。

【００４９】

【発明の効果】本発明は、上記のように構成され作用す
ることから次の効果を奏する。 (請求項１の発明)ガス充填時において、充填ガスは、減
圧弁の狭い弁路や閉止弁の弁路を通らないので、流動抵
抗が小さくてすみ、ガス充填に要する時間が短い。しか
も、上記の閉止弁は、ガス取出し時に全開状態で使用で
きるので、ガス流れによって弁面や閉止弁座が傷むこと
を防止できる。その結果、閉止弁の封止機能の寿命が長
くなり、ガスボンベの輸送中や保管中のガス漏れを長期
間にわたって防止できる。

【００５０】(請求項２の発明)請求項１の構成におい
て、ガス受入れ路をガス入口路に交差状に接続した場合
には、そのガス受入れ路は、真っすぐに形成できるの
で、加工が容易である。

【００５１】(請求項３の発明)請求項２の構成におい
て、ガス受入れ路とガス入口路との交差部分にガス流出
阻止弁の弁室を設けた場合には、ガス流出阻止弁の弁室
がガス入口路から突出する長さを短くでき、その分だけ
ボンベバルブを小形に造れる。

【００５２】(請求項４の発明)請求項１の構成におい
て、減圧弁の減圧弁室とガス出口穴との間に残圧保持用
逆止弁を介装した場合には、逆流ガスや雰囲気が閉止弁
室へ侵入するのを阻止できるので、ガスボンベ内の汚染
を防止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１実施例のボンベバルブの縦断面図であっ
て、図４のI−I線矢視断面図である。

【図２】上記ボンベバルブの系統図である。

【図３】上記ボンベバルブの別の縦断面図であって、上
記の図４のIII−III線矢視断面図である。

【図４】上記ボンベバルブの平面図である。

【図５】第２実施例のボンベバルブの立面視部分断面図
である。

【図６】上記ボンベバルブの平面視部分断面図である。

【図７】上記の図５のVII−VII線矢視断面図である。

【図８】第３実施例のボンベバルブの縦断面図である。

【図９】上記ボンベバルブの平面視部分断面図である。

【図１０】図８のX−X線矢視図である。

【図１１】上記図８のボンベバルブにガス充填金具を接
続した状態を示す断面図である。

【図１２】上記ガス充填金具の別の断面を示す図であ
る。

【図１３】図１２のXIII−XIII線矢視図である。

【図１４】ボンベバルブとガス充填金具との接続構造の
変形例を示し、図１１に相当する図である。

【符号の説明】

２…弁箱、３ａ…脚部下面、４…ガスボンベ、６…ガス
入口穴、７…ガス入口路、８…閉止弁、９…閉止弁室、
１２…減圧弁、１３…減圧弁室、１５…ガス出口穴、１
７…閉止弁体、１８…開閉操作装置、１９…閉止弁座、
３９…ガス受入れ穴、４０…ガス受入れ路、４１…ガス
流出阻止弁、４４…弁室、４５…弁座、４６…流出阻止
弁体、４７…閉弁バネ、５０…残圧保持用逆止弁、５６
…逆止弁座、５７…逆止弁室、５８…逆止弁体、６０…
逆止バネ。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者籠本光正兵庫県尼崎市下坂部４丁目６番１号株式会社ネリキ内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】弁箱(２)の脚部下面(３ａ)に開口したガ
ス入口穴(６)を、ガス入口路(７)と閉止弁(８)の閉止弁
室(９)と減圧弁(１２)の減圧弁室(１３)とを順に経て、
ガス出口穴(１５)を連通させ、上記の閉止弁室(９)に挿入した閉止弁体(１７)を開閉操
作装置(１８)によって閉止弁座(１９)に開閉操作可能に
構成し、上記の弁箱(２)の外周面のうちのガス入口穴(６)及びガ
ス出口穴(１５)とは異なる外周面にガス受入れ穴(３９)
を開口して、このガス受入れ穴(３９)と上記の脚部下面
(３ａ)とを連通させるガス受入路(４０)を上記の弁箱
(２)内に設け、そのガス受入れ路(４０)に、ガス流出阻止弁(４１)の弁
室(４４)と弁座(４５)とを上記ガス受入れ穴(３９)へ向
けて順に形成し、その弁室(４４)に挿入した流出阻止弁
体(４６)を閉弁バネ(４７)によって上記の弁座(４５)に
閉止弾圧した、ことを特徴とする減圧弁付きボンベバル
ブ。
【請求項２】請求項１の減圧弁付きボンベバルブにお
いて、前記ガス受入路(４０)を前記ガス入口路(７)に交差状に
接続したもの。
【請求項３】請求項２の減圧弁付きボンベバルブにお
いて、上記ガス受入路(４０)と上記ガス入口路(７)との交差部
分に前記ガス流出阻止弁(４１)の弁室(４４)を設けたも
の。
【請求項４】請求項１から３のいずれかの減圧弁付き
ボンベバルブにおいて、前記の減圧弁(１２)の減圧弁室(１３)とガス出口穴(１
５)との間に、残圧保持用逆止弁(５０)を介装し、この残圧保持用逆止弁(５０)は、逆止弁室(５７)に挿入
した逆止弁体(５８)を逆止バネ(６０)によって逆止弁座
(５６)へ向けて弾圧してなり、前記の開閉操作装置(１８)によって閉止弁体(１７)を開
き操作した状態では、ガスボンベ(４)の残圧が設定圧を
越えている時には、その残圧が上記の逆止バネ(６０)の
閉弁力に抗して逆止弁体(５８)を逆止弁座(５６)から離
間させて、ガスボンベ(４)内のガスを逆止弁座(５６)か
らガス出口穴(１５)に流出させるのに対して、上記ガスボンベ(４)の残圧が設定圧にまで低下してきた
時には、上記の逆止バネ(６０)の閉弁力がガス圧による
開弁力に打ち勝って逆止弁体(５８)を逆止弁座(５６)に
閉止接当させて、ガスボンベ(４)の残圧を設定圧に保持
し、一方、逆流ガスが前記ガス出口穴(１５)から上記の逆止
弁座(５６)に流入してきた時には、上記の逆止バネ(６
０)の閉弁力に加えて逆流ガス圧が逆止弁体(５８)の閉
弁力として作用して、逆止弁体(５８)を逆止弁座(５６)
に閉止接当させるもの。