JPH0539880U - 工具箱 - Google Patents

工具箱

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JPH0539880U
JPH0539880U JP9845191U JP9845191U JPH0539880U JP H0539880 U JPH0539880 U JP H0539880U JP 9845191 U JP9845191 U JP 9845191U JP 9845191 U JP9845191 U JP 9845191U JP H0539880 U JPH0539880 U JP H0539880U
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恵勇 久司
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東洋スチール株式会社
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Abstract

(57)【要約】 【目的】箱本体とその開閉蓋に対する工具整列用スタン
ドマガジンの組立作業性を改良する。 【構成】スタンドマガジン(M)を内蔵する箱本体
(B)と、その箱本体(B)へ起伏的な回動自在に枢着
された開閉蓋(C)とを備え、その開閉蓋(C)の起伏
操作に追従して、スタンドマガジン(M)も一緒に起伏
作用するように定めた工具箱において、そのスタンドマ
ガジン(M)から張り出す支点軸(49)を、開閉蓋
(C)に付属する揺動リンク片(51)のスライドガイ
ド長孔(53)へ枢支係合させるに当り、その支点軸
(49)の径大な頭部(49b)を長方形又は楕円形に
造形する一方、上記スライドガイド長孔(53)に頭部
(49b)の短辺(x)とほぼ等しい広い開口幅(W
2)の頭部受け入れ孔(53b)を開口形成した。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案はドリルやリーマ、ドライバービツトなどの工具整列用スタンドマガジ ンを内蔵した工具箱の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から金属製の工具箱として、図16、17のように各種加工寸法のドリル (T)を整列するためのスタンドマガジン(M)を、箱本体(B)に内蔵させる と共に、これをその箱本体(B)の開閉蓋(C)と連帯して、起伏的に回動させ るように定めた型式が公知である。
【0003】 これではその構成上、スタンドマガジン(M)の起立姿勢状態において、その 下端部が鋲などの第1支点軸(1)により、箱本体(B)の左右両側面壁(2) へ回動自在に枢着されているほか、同じくスタンドマガジン(M)の上端近傍部 からは、ピンなどの第2支点軸(3)が横向き水平に張り出されている。
【0004】 他方、箱本体(B)の背面壁(4)へ捲き付けや蝶番などの水平な第3支点軸 (5)によって、回動自在に枢着された開閉蓋(C)の頂面壁(6)には、倒立 L字型の取付ステー(7)が内向きにスポツト溶接されていると共に、その取付 ステー(7)に短かい揺動リンク片(8)の基端部が、やはり鋲などの水平な第 4支点軸(9)を介して枢支保持されている。
【0005】 そして、その揺動リンク片(8)の自由先端部に開口するスライドガイド長孔 (10)へ、上記スタンドマガジン(M)から一体的に張り出す水平な第2支点 軸(3)が係合されることにより、茲に全体的な四節リンク運動機構が形作られ て、上記箱本体(B)に対して開閉蓋(C)を起伏的に回動操作した時、その開 閉蓋(C)にスタンドマガジン(M)も追従して、一緒に起伏作用するようにな っている。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】
ところが、上記工具箱の場合スタンドマガジン(M)の上端近傍部から一体的 に張り出す第2支点軸(3)は、単純な丸棒形態であり、又これを受け入れ係合 するためのスライドガイド長孔(10)も、その開口幅の全体的に均一な楕円形 として、上記揺動リンク片(8)に開口されているに過ぎない。
【0007】 そのため、両者の抜け止め上別個なEリングワツシヤ(11)が不可欠であっ て、そのワツシヤ(11)を第2支点軸(3)へ嵌め付けなければならず、スタ ンドマガジン(M)の組立作業上未だ非常に煩らわしく、又上記ワツシヤ(11 )が反復使用中不慮に抜け出してしまうおそれもある。
【0008】 更に、スタンドマガジン(M)を合成樹脂から成形した同種型式の工具箱では 、上記ワツシヤ(11)を嵌め付けることに代えて、第2支点軸(3)自身に収 縮用の割溝付き頭部を張り出し形成することも行なわれており、その径大な頭部 を上記揺動リンク片(8)のスライドガイド長孔(10)へ、圧入的に通過させ ているが、これでも上記スタンドマガジン(M)の組立作業として、甚だ面倒で あることに変りはない。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本考案はこのような課題の解決を企図しており、そのための構成上工具の合成 樹脂製スタンドマガジンを内蔵する箱本体と、その箱本体の背面壁へ第1支点軸 により、起伏的な回動自在に枢着された開閉蓋とを備え、上記スタンドマガジン の両側面壁から第1支点軸と平行に張り出した左右一対の水平な第2支点軸を、 箱本体の両側面壁に対応形成した支点軸受け入れ用スリツトへ、差し込み枢着さ せると共に、同じくスタンドマガジンにおける左右何れか一方の側面壁から、そ の第2支点軸と平行に張り出した第3支点軸を、上記開閉蓋の頂面壁へ第4支点 軸を介して裏当て枢支状態に保持した揺動リンク片のスライドガイド長孔へ、ス ライド自在に係合させることにより、上記開閉蓋を箱本体に対して、第1支点軸 の廻りに起伏操作した時、その開閉蓋と連帯してスタンドマガジンも一緒に起伏 作用するように定めた金属製工具箱において、上記スタンドマガジンの第3支点 軸を径小な丸軸部と、その先端に側面視の長方形又は楕円形として膨出する径大 な頭部とから造形する一方、その第3支点軸と係合する揺動リンク片のスライド ガイド長孔に、上記丸軸部とほぼ等しい狭い開口幅の丸軸部受け入れ孔と、上記 頭部の短辺とほぼ等しい広い開口幅の頭部受け入れ孔とを連通開口させると共に 、その両受け入れ孔の境界開口縁部に先細り状の傾斜勾配面を付与したことを特 徴とするものである。
【0010】
【作用】
本考案の上記構成によれば、スタンドマガジン(M)から張り出す第3支点軸 (49)が、比較的径小な丸軸部(49a)と、その先端に膨出する側面視の長 方形又は楕円形の径大な頭部(49b)とから造形されている一方、その第3支 点軸(49)を受け入れ係合する揺動リンク片(51)のスライドガイド長孔( 53)が、上記丸軸部(49a)にほぼ等しい狭い開口幅(W1)の丸軸部受け 入れ孔(53a)と、頭部(49b)の短辺(x)にほぼ等しい広い開口幅(W 2)の頭部受け入れ孔(53b)とから連通開口されているため、上記第3支点 軸(49)の頭部(49b)をスライドガイド長孔(53)の頭部受け入れ孔( 53b)と合致させる如く、方向付けを与えることにより、その頭部受け入れ孔 (53b)を通じて、揺動リンク片(51)へ第3支点軸(49)を円滑に係合 させることができ、スタンドマガジン(M)を開閉蓋(C)へ所謂ワンタツチ式 にすばやく組立作業できるのである。
【0011】 又、その後スタンドマガジン(M)の第2支点軸(48)も箱本体(B)の支 点軸受け入れ用スリツト(27)へ差し込み嵌合させた状態では、上記第3支点 軸(59)における径大な頭部(49b)の長辺(y)が、スライドガイド長孔 (53)の長手中心線と交叉する関係となり、そのスライドガイド長孔(53) から第3支点軸(49)の不慮に離脱するおそれもないので、従来のように別途 なワツシヤを嵌め付けたり、或いは径大な頭部に収縮用の割溝を刻入したりする 必要が一切ない。
【0012】 更に、上記スライドガイド長孔(53)における丸軸部受け入れ孔(53a) と、頭部受け入れ孔(53b)との境界開口縁部には、先細り状の傾斜勾配面( 53c)が付与されているため、これに沿って第3支点軸(49)が抵抗なくス ライド作用することとなり、その結果開閉蓋(C)に追従するスタンドマガジン (M)の起伏作用を、頗る円滑に営なませることもできるのである。
【0013】
【実施例】
以下、図示の実施例に基いて本考案の具体的構成を詳述すると、その工具箱の 全体を表わした図1〜6において、(B)は金属板から一定深さの断面U字型に 絞り加工された箱本体であり、平面視の細長い四角形な底面壁(21)と、その 四辺から垂立する正面壁(22)、背面壁(23)並びに左右一対の側面壁(2 4)とを備えていると共に、その開口上縁部の全体が連続する補強フランジ(2 5)として、外方へ張り出す円弧状に捲き曲げられている。
【0014】 (26)は上記箱本体(B)の背面壁(23)に並列状態として切り欠かれた 左右一対の羽根片受け入れ用スリツトであり、後述する開閉蓋の羽根片を受け入 れる。(27)は同じく箱本体(B)の背面壁(23)側へ片寄った位置におい て、その左右一対の側面壁(24)に開口された支点軸受け入れ用スリツトであ り、互いに正しく向かい合っている。
【0015】 又、(28)は箱本体(B)の絞り加工と一挙同時に、その底面壁(21)の 四隅位置から下方へ突出された円錐型の接地用脚子であり、後述する開閉蓋の脚 子受け入れ用凹溝と対応する。
【0016】 他方、(C)は箱本体(B)を被包し得る平面視の相似な四角形として、やは り金属板から箱本体(B)よりも浅い断面倒立U字型に絞り加工された開閉蓋で あり、そのフラツトな頂面壁(29)とこれから垂下する正面壁(30)、背面 壁(31)並びに左右両側面壁(32)の開口下縁部が、上記箱本体(B)の補 強フランジ(25)に覆いかぶさる全体的なカバーフランジ(33)として、断 面倒立L字型に曲げ出されている。
【0017】 (34)は開閉蓋(C)の背面壁(31)に位置しつつ、そのカバーフランジ (33)から部分的に張り出し延長された左右一対の羽根片であり、これが箱本 体(B)の上記スリツト(26)を通じて、その箱本体(B)の補強フランジ( 25)へ捲き付けられることにより、開閉蓋(C)が箱本体(B)の補強フラン ジ(25)を水平な第1支点軸(35)として、起伏的に回動し得るように枢着 されているのである。
【0018】 但し、箱本体(B)と開閉蓋(C)とを別個な蝶番の介在により枢着し、その 蝶番を第1支点軸(35)として、開閉蓋(C)を回動操作できるように定めて も、勿論良い。
【0019】 (36)は開閉蓋(C)の正面壁(30)において、そのカバーフランジ(3 3)の中間部から外方へ張り出す円弧状に捲き曲げられた把手片であり、これが 箱本体(B)の密閉時に、その箱本体(B)の補強フランジ(25)へ下方から 弾圧的に係止し、不慮に開閉蓋(C)が開放してしまわないようになっている。
【0020】 又、(37)は箱本体(B)の上記接地用脚子(28)と合致するように、開 閉蓋(C)における頂面壁(29)の四隅位置に陥没された脚子受け入れ用凹溝 であり、その開閉蓋(C)の絞り加工と一挙同時に、下向き突出する円錐型に成 形されている。
【0021】 そのため、図7のように複数の工具箱を積み重ねた場合、その隣り合う一方に おける箱本体(B)の脚子(28)が、他方における開閉蓋(C)の凹溝(37 )内へ自づと正確に嵌まり込み、その結果工具箱の複数を位置ズレしたり、或い は滑り落ちたりするおそれなく、常に安定・確固な積み重ね状態に保つことがで き、保管上著しく効果的である。
【0022】 更に、(M)は各種加工寸法の図示ドリルを初め、リーマやドライバービツト などの工具(T)を、その複数本の整列状態に収容するスタンドマガジンであっ て、ABS樹脂やその他の硬質な合成樹脂から、上記箱本体(B)の内部に納ま る扁平な断面U字型に一体成形されている。
【0023】 しかも、そのスタンドマガジン(M)は図2の実線と鎖線との対比から示唆さ れるように、箱本体(B)に対する開閉蓋(C)の回動操作に追従して、その開 閉蓋(C)と一緒に起伏的な回動作用を行なえるようになっている。
【0024】 即ち、(38)はスタンドマガジン(M)を形作る平面視の四角形な底面壁、 (39)(40)(41)はその底面壁(38)の四辺からほぼ直角に屈曲する 正面壁と背面壁並びに左右一対の側面壁であり、その正面壁(39)には大小相 違する複数の工具受け入れ孔(42)が、順序良く整然と開口分布されている。
【0025】 そして、図示省略してあるけれども、その工具受け入れ孔(42)の大きさに 応じた工具(T)の加工寸法サイズを示すガイド指標が、上記底面壁(38)の 表面へ印刷などの手段によって施されている。
【0026】 (43)はその底面壁(38)に開口形成された抜き窓、(44)は同じく底 面壁(38)への言わば裏当て連続状態として、上記正面壁(39)と平行に張 り出された仕切補強壁であり、これには正面壁(39)の上記工具受け入れ孔( 42)と対応合致する複数の連通孔(45)が点在開口されている。
【0027】 (46)はやはり底面壁(38)への裏当て連続状態に張り出された工具受け 止め用の支持壁であるが、これは特に階段形態をなすことにより、これに根元部 を受け止められた工具(T)の先端部が、悉く均一な高さとして揃えられるよう になっている。但し、工具(T)の根元部を受け止め得る限りでは、その支持壁 (46)を均一なフラツト面に形成してもさしつかえない。
【0028】 加工寸法に応じて太さと長さが相違変化する複数本の工具(T)を、スタンド マガジン(M)の起立姿勢状態において、その上方から工具受け入れ孔(42) と連通孔(45)を経て、スタンドマガジン(M)の内部へ落し込み植立させる と共に、その工具(T)の根元部を支持壁(46)により安定良く受け止め得る ようになっているわけである。従って、その工具(T)を適宜に上方へ抜き出せ ることは、言うまでもない。
【0029】 又、(47)は上記スタンドマガジン(M)の背面壁(40)から背後方向へ 、連続的に延長された左右一対の支持ステーであり、その両支持ステー(47) から横外方へ水平に張り出す第2支点軸(48)が、箱本体(B)の対応位置す る上記支点軸受け入れ用スリツト(27)へ、その内方から差し込み嵌合されて いる。その第2支点軸(48)を中心として、スタンドマガジン(M)が箱本体 (B)から起伏する如く、回動作用を行なえるように枢着されているのである。
【0030】 (49)は同じくスタンドマガジン(M)における左右何れか一方の側面壁( 41)から、やはり横外方へ水平に張り出された第3支点軸であって、比較的径 小な丸軸部(49a)と、その先端に側面視の長方形又は楕円形として膨出され た径大な頭部(49b)とを備えている。(y)はその径大な頭部(49b)の 長辺、(x)は同じく短辺を各々示唆している。
【0031】 (50)は上記第3支点軸(49)と対応する位置関係として、開閉蓋(C) における頂面壁(29)の中途部へ裏当て状態にスポツト溶接された取付ステー であって、正面視の倒立L字型を呈しており、その内向きに張り出す一辺には短 かい揺動リンク片(51)の基端部が、鋲やピンなどの水平な第4支点軸(52 )を介して枢支保持されている。
【0032】 (53)はその揺動リンク片(51)の自由先端部に開口形成された第3支点 軸受け入れ用のスライドガイド長孔であり、これには上記スタンドマガジン(M )の第3支点軸(49)がスライド自在に係合されることとなる。つまり、上記 箱本体(B)とその開閉蓋(C)並びにスタンドマガジン(M)の三者が、第1 〜4支点軸(35)(48)(49)(52)による全体的な四節リンク運動機 構を介して枢支連結されているわけである。
【0033】 その場合、上記揺動リンク片(51)に開口形成されたスライドガイド長孔( 53)の開口幅は全体的に均一でなく、図6から明白なように、そのスライドガ イド長孔(53)の先端部は上記第3支点軸(49)の丸軸部受け入れ孔(53 a)として、その開口幅(W1)が丸軸部(49a)とほぼ等しく狭幅化されて いる一方、同じくスライドガイド長孔(53)の基端部は第3支点軸(49)の 頭部受け入れ孔(53b)として、その開口幅(W2)が頭部(49b)の短辺 (x)にほぼ等しく広幅化されており、その広く寸法化された頭部受け入れ孔( 53b)を通じて、上記第3支点軸(49)をスライドガイド長孔(53)へ係 合させ得るようになっている。
【0034】 そして、その丸軸部受け入れ孔(53a)と頭部受け入れ孔(53b)との境 界開口縁部が、先細り状の滑らかな傾斜勾配面(53c)として造形されており 、そのスライドガイド長孔(53)内を上記第3支点軸(49)が抵抗なくスラ イド変位し得るようになっている。
【0035】 又、スタンドマガジン(M)を起立させた状態において、その第3支点軸(4 9)が上記スライドガイド長孔(53)の頭部受け入れ孔(53b)へ変位した 時にも、第3支点軸(49)を形作る径大な頭部(49b)の長辺(y)は、ス ライドガイド長孔(53)の長手中心線と交叉して、その頭部受け入れ孔(53 b)から第3支点軸(49)が不慮に離脱しないようになっている。
【0036】 (54)は上記揺動リンク片(51)の中途部へ係脱自在に係止して、スタン ドマガジン(M)の起立姿勢状態を位置決め規制するストツパー突起であり、上 記第3支点軸(49)が張り出すスタンドマガジン(M)の同じ側面壁(41) から、やはり横向き水平に張り出されている。
【0037】 更に、(55)は上記第4支点軸(52)の逃し切欠であって、スタンドマガ ジン(M)における同じ側面壁(41)の中途部に切り欠かれており、スタンド マガジン(M)を伏倒させた時に、その側面壁(41)と第4支点軸(52)と が干渉することを防ぎ、スタンドマガジン(M)を内蔵する箱本体(B)に対し て、その開閉蓋(C)を支障なく密閉させることができるようになっているので ある。
【0038】 上記のようなスタンドマガジン(M)を箱本体(B)並びにその開閉蓋(C) へ組付け作業するに当っては、先づスタンドマガジン(M)を作業手により把持 しつつ、その側面壁(41)から張り出す第3支点軸(49)を図8、9のよう に、開閉蓋(C)に予じめ枢支保持された揺動リンク片(51)のスライドガイ ド長孔(53)へ、その内方から差し込み係合させる。
【0039】 その場合、上記スライドガイド長孔(53)の基端部には、第3支点軸(49 )における径大な頭部(49b)の短辺(x)にほぼ等しい広幅な頭部受け入れ 孔(53b)が開口形成されているので、その頭部(49b)の短辺(x)を図 10〜13から明白なように、受け入れ孔(53b)と合致するように方向付け ることにより、上記径大な頭部(49b)をその受け入れ孔(53b)から自由 に差し込み通過させることができ、第3支点軸(49)を揺動リンク片(51) との枢支状態に支障なく係合させ得るのである。
【0040】 そこで、次にスタンドマガジン(M)の支持ステー(47)から張り出す左右 一対の第2支点軸(48)を、図9から図14のように、箱本体(B)の支点軸 受け入れ用スリツト(27)へ、その内方から差し込み嵌合させるのである。そ うすれば、茲にスタンドマガジン(M)は箱本体(B)とその開閉蓋(C)に対 して、位置決め拘束されることになるため、もはやその第3支点軸(49)が上 記揺動リンク片(51)のスライドガイド長孔(53)から離脱するおそれもな くなる。
【0041】 そして、このような組立状態のもとに、開閉蓋(C)を第1支点軸(35)の 廻りに回動操作し、その箱本体(B)に対して起伏させれば、図2のようにスタ ンドマガジン(M)も上記揺動リンク片(51)を介して、その開閉蓋(C)と 一緒に起伏作用することとなり、その起立姿勢状態において工具(T)を上方か ら自由自在に出し入れすることができるのである。
【0042】 図15は本考案の変形実施例を示しており、これではその構成上箱本体(B) を深く形成することによって、スタンドマガジン(M)の複数(図では合計4個 )を内蔵させると共に、そのスタンドマガジン(M)を悉く開閉蓋(C)と一緒 に起伏作用させ得るようになっている。
【0043】 即ち、(M1)(M2)(M3)(M4)は起立姿勢状態において整然と高低 変化するように並列された第1〜4スタンドマガジンであり、その開閉蓋(C) と最も接近した第1スタンドマガジン(M1)が、図1〜14に説示した基本実 施例の上記スタンドマガジン(M)と実質的に同じく、その左右何れか一方の側 面壁(41)から張り出す第3支点軸(49)によって、開閉蓋(C)に付属す る揺動リンク片(51)のスライドガイド長孔(53)へ、枢支状態に係合され ている。
【0044】 但し、その第1スタンドマガジン(M1)には上記ストツパー突起(54)の 設置が省略されており、又その上記第2支点軸(48)は箱本体(B)の両側面 壁(24)へ直接差し込み嵌合されておらず、その箱本体(B)の内部に嵌め付 け固定された別個な硬質合成樹脂製の受け枠(56)へ、回動自在に差し込み枢 着されている。その第2支点軸(48)の受け入れ用スリツト(27)が受け枠 (56)に対応形成されているわけであるが、これは詳細を図示省略してある。
【0045】 (57)はそのために上記基本実施例の支点軸受け入れ用スリツト(27)に 代えて、箱本体(B)の両側面壁(24)に開口された左右一対の爪受け入れ用 スリツトであり、ここに上記受け枠(56)から横外方へ水平に張り出す左右一 対の係止爪(58)が、嵌め付け固定されている。
【0046】 又、上記第1スタンドマガジン(M1)よりも順次に背低く整列された第2〜 4スタンドマガジン(M2)(M3)(M4)の第2支点軸(48)も、第1ス タンドマガジン(M1)と同じく上記受け枠(56)へ、悉く回動自在に差し込 み枢着されている。
【0047】 そして、その第1〜4スタンドマガジン(M1)(M2)(M3)(M4)は 上記第2支点軸(48)を回動中心として、悉く一緒に起伏作用し得るように, 1本の共通な連動リンクアーム(59)によって枢支連結されている。つまり、 連動リンクアーム(59)は各スタンドマガジン(M1)(M2)(M3)(M 4)における左右何れか一方の側面壁(41)と交叉する如く延在しており、且 つその交叉部から内向きに張り出す枢支ピン(60)が、各スタンドマガジン( M1)(M2)(M3)(M4)の側面壁(41)へ差し込み係合されているの である。
【0048】 (61)はその連動リンクアーム(59)と係脱自在に係止することにより、 スタンドマガジン(M1)(M2)(M3)(M4)の起立姿勢状態を一挙に位 置決め規制するストツパー突起であるが、これは中間に位置する第2、3スタン ドマガジン(M2)(M3)の側面壁(41)から、横外方へ水平に張り出され ている。
【0049】 従って、このような変形実施例の構成によるも、第1〜4スタンドマガジン( M1)(M2)(M3)(M4)は開閉蓋(C)に追従して、その悉く開閉蓋( C)と一緒に起伏作用することになり、本考案の所期する目的を達成できること に変りがない。尚、変形実施例におけるその他の構成は、上記基本実施例と実質 的に同一であるため、その図15に図1〜14との対応符号を記入するにとどめ て、その詳細な説明を割愛する。
【0050】 この変形実施例の場合、第1〜4スタンドマガジン(M1)(M2)(M3) (M4)の第2支点軸(48)を、悉く受け枠(56)へ枢着させた上、先づそ の第1スタンドマガジン(M1)の第3支点軸(49)を、開閉蓋(C)に付属 する揺動リンク片(51)のスライドガイド長孔(53)へ差し込み係合させ、 次いで上記受け枠(56)の係止爪(58)を箱本体(B)の爪受け入れ用スリ ツト(57)へ、差し込み固定することによって、複数のスタンドマガジン(M )を箱本体(B)並びにその開閉蓋(C)へ組付け作業することができる。
【0051】
【考案の効果】
以上のように、本考案では工具(T)の合成樹脂製スタンドマガジン(M)を 内蔵する箱本体(B)と、その箱本体(B)の背面壁(23)へ第1支点軸(3 5)により、起伏的な回動自在に枢着された開閉蓋(C)とを備え、上記スタン ドマガジン(M)の両側面壁(41)から第1支点軸(35)と平行に張り出し た左右一対の水平な第2支点軸(48)を、箱本体(B)の両側面壁(24)に 対応形成した支点軸受け入れ用スリツト(27)へ、差し込み枢着させると共に 、同じくスタンドマガジン(M)における左右何れか一方の側面壁(41)から 、その第2支点軸(48)と平行に張り出した第3支点軸(49)を、上記開閉 蓋(C)の頂面壁(29)へ第4支点軸(52)を介して裏当て枢支状態に保持 した揺動リンク片(51)のスライドガイド長孔(53)へ、スライド自在に係 合させることにより、上記開閉蓋(C)を箱本体(B)に対して、第1支点軸( 35)の廻りに起伏操作した時、その開閉蓋(C)と連帯してスタンドマガジン (M)も一緒に起伏作用するように定めた金属製工具箱において、上記スタンド マガジン(M)の第3支点軸(49)を径小な丸軸部(49a)と、その先端に 側面視の長方形又は楕円形として膨出する径大な頭部(49b)とから造形する 一方、その第3支点軸(49)と係合する揺動リンク片(51)のスライドガイ ド長孔(53)に、上記丸軸部(49a)とほぼ等しい狭い開口幅(W1)の丸 軸部受け入れ孔(53a)と、上記頭部(49b)の短辺(x)とほぼ等しい広 い開口幅(W2)の頭部受け入れ孔(53b)とを連通開口させると共に、その 両受け入れ孔(53a)(53b)の境界開口縁部に先細り状の傾斜勾配面(5 3c)を付与してあるため、図16、17に基き説示した従来技術の課題を、確 実に改良できる効果がある。
【0052】 つまり、本考案の上記構成によれば、スタンドマガジン(M)から張り出す第 3支点軸(49)が、比較的径小な丸軸部(49a)と、その先端に膨出する側 面視の長方形又は楕円形の径大な頭部(49b)とから造形されている一方、そ の第3支点軸(49)を受け入れ係合する揺動リンク片(51)のスライドガイ ド長孔(53)が、上記丸軸部(49a)にほぼ等しい狭い開口幅(W1)の丸 軸部受け入れ孔(53a)と、頭部(49b)の短辺(x)にほぼ等しい広い開 口幅(W2)の頭部受け入れ孔(53b)とから連通開口されているため、上記 第3支点軸(49)の頭部(49b)をスライドガイド長孔(53)の頭部受け 入れ孔(53b)と合致させる如く、図10〜13のような方向付けを与えるこ とにより、その頭部受け入れ孔(53b)を通じて、揺動リンク片(51)へ第 3支点軸(49)を円滑に係合させることができ、スタンドマガジン(M)を開 閉蓋(C)へ所謂ワンタツチ式にすばやく組立作業できるのである。
【0053】 又、その後スタンドマガジン(M)の第2支点軸(48)も箱本体(B)の支 点軸受け入れ用スリツト(27)へ差し込み嵌合させた状態では、上記第3支点 軸(59)における径大な頭部(49b)の長辺(y)が、図2や図4のように スライドガイド長孔(53)の長手中心線と交叉する関係となり、そのスライド ガイド長孔(53)から第3支点軸(49)の不慮に離脱するおそれもないので 、従来のように別途なワツシヤを嵌め付けたり、或いは径大な頭部に収縮用の割 溝を刻入したりする必要が一切ない。
【0054】 しかも、上記スライドガイド長孔(53)における丸軸部受け入れ孔(53a )と、頭部受け入れ孔(53b)との境界開口縁部には、先細り状の傾斜勾配面 (53c)が付与されているため、これに沿って第3支点軸(49)が抵抗なく スライド作用することとなり、その結果開閉蓋(C)に追従するスタンドマガジ ン(M)の起伏作用を、頗る円滑に営なませることもできるのである。
【0055】 更に、スタンドマガジン(M)はABS樹脂やその他の合成樹脂を素材とする ため、上記特殊形状の第3支点軸(49)も容易に一体成形することができ、そ の箱本体(B)や開閉蓋(C)に対する上記組立作業性が改良されることとも相 俟って、量産効果を最大限に発揮させることも可能である。
【0056】 特に、請求項2の構成を採用するならば、上記効果を達成できることに加えて 、その複数のスタンドマガジン(M1)(M2)(M3)(M4)へますます多 量の工具(T)を整然と収容させることができるため、著しく有益であると言え る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る工具箱の開放状態を示す斜面図で
ある。
【図2】図1の一部破断側面図である。
【図3】その工具箱の密閉状態を示す底面図である。
【図4】図2の4−4線断面図である。
【図5】図3の5−5線に沿う拡大断面図である。
【図6】図4の6−6線に沿う拡大断面図である。
【図7】工具箱の積み重ね状態を示す一部破断の背面図
である。
【図8】スタンドマガジンの組立作業過程を示す一部破
断の側面図である。
【図9】図8に続く組立作業過程を示す一部破断の側面
図である。
【図10】図8の一部を抽出して示す分解拡大斜面図で
ある。
【図11】同じく組立状態の拡大斜面図である。
【図12】図11の12−12線に沿う拡大断面図であ
る。
【図13】図12の13−13線断面図である。
【図14】図9に続く組立完了状態を示す一部破断の側
面図である。
【図15】本考案の変形実施例を示す開放状態の一部破
断側面図である。
【図16】従来の工具箱を示す開放状態の一部破断側面
図である。
【図17】図16の一部を抽出して示す組立状態の拡大
斜面図である。
【符号の説明】
(23)・・背面壁 (24)・・側面壁 (27)・・支点軸受け入れ用スリツト (29)・・頂面壁 (35)・・第1支点軸 (41)・・側面壁 (48)・・第2支点軸 (49)・・第3支点軸 (49a)・丸軸部 (49b)・頭部 (51)・・揺動リンク片 (52)・・第4支点軸 (53)・・スライドガイド長孔 (53a)・丸軸部受け入れ孔 (53b)・頭部受け入れ孔 (53c)・傾斜勾配面 (56)・・受け枠 (59)・・連動リンクアーム (B)・・・箱本体 (C)・・・開閉蓋 (M)・・・スタンドマガジン (M1)〜(M4)・第1〜4スタンドマガジン (T)・・・ドリル (W1)(W2)・開口幅 (x)・・・短辺 (y)・・・長辺

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】工具(T)の合成樹脂製スタンドマガジン
    (M)を内蔵する箱本体(B)と、その箱本体(B)の
    背面壁(23)へ第1支点軸(35)により、起伏的な
    回動自在に枢着された開閉蓋(C)とを備え、 上記スタンドマガジン(M)の両側面壁(41)から第
    1支点軸(35)と平行に張り出した左右一対の水平な
    第2支点軸(48)を、箱本体(B)の両側面壁(2
    4)に対応形成した支点軸受け入れ用スリツト(27)
    へ、差し込み枢着させると共に、 同じくスタンドマガジン(M)における左右何れか一方
    の側面壁(41)から、その第2支点軸(48)と平行
    に張り出した第3支点軸(49)を、上記開閉蓋(C)
    の頂面壁(29)へ第4支点軸(52)を介して裏当て
    枢支状態に保持した揺動リンク片(51)のスライドガ
    イド長孔(53)へ、スライド自在に係合させることに
    より、 上記開閉蓋(C)を箱本体(B)に対して、第1支点軸
    (35)の廻りに起伏操作した時、その開閉蓋(C)と
    連帯してスタンドマガジン(M)も一緒に起伏作用する
    ように定めた金属製工具箱において、 上記スタンドマガジン(M)の第3支点軸(49)を径
    小な丸軸部(49a)と、その先端に側面視の長方形又
    は楕円形として膨出する径大な頭部(49b)とから造
    形する一方、 その第3支点軸(49)と係合する揺動リンク片(5
    1)のスライドガイド長孔(53)に、上記丸軸部(4
    9a)とほぼ等しい狭い開口幅(W1)の丸軸部受け入
    れ孔(53a)と、上記頭部(49b)の短辺(x)と
    ほぼ等しい広い開口幅(W2)の頭部受け入れ孔(53
    b)とを連通開口させると共に、その両受け入れ孔(5
    3a)(53b)の境界開口縁部に先細り状の傾斜勾配
    面(53c)を付与したことを特徴とする工具箱。
  2. 【請求項2】スタンドマガジン(M1)(M2)(M
    3)(M4)をその起立作用時に高低変化する複数の整
    列状態として、その各スタンドマガジン(M1)(M
    2)(M3)(M4)の第2支点軸(48)を、箱本体
    (B)の内部に嵌め付け固定された受け枠(56)へ、
    悉く回動自在に枢着させ、 その開閉蓋(C)と最も接近するスタンドマガジン(M
    1)の第3支点軸(49)を、揺動リンク片(51)の
    スライドガイド長孔(53)へスライド自在に係合させ
    ると共に、 各スタンドマガジン(M1)(M2)(M3)(M4)
    を共通の連動リンクアーム(59)により枢支連結し
    て、その悉く開閉蓋(C)と一緒に起伏作用するように
    定めたことを特徴とする請求項1記載の工具箱。
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