JPH053972A - ヘアカツター - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 毛髪の切れ味が良好であるとともに刃に無駄
な動作を行わせることがない。 【構成】 毛髪保持部材３と刃との間にある毛髪を刃で
切断するヘアカッターにおいて、刃の刃先と毛髪保持部
材３との接離動作に連動して刃の駆動速度を変える速度
変更手段を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は互いに摺接する櫛状の固
定刃と可動刃とによって毛髪のカットを行うヘアカッタ
ーに関する。

【０００２】

【従来の技術】この種のヘアカッターのなかで、互いに
摺接する櫛状の固定刃及び可動刃からなる刃と、この刃
の刃先に対面する毛髪保持部材とを備えて、刃の刃先と
毛髪保持部材とが接離自在となっているとともに、この
接離動作に連動して刃の駆動手段がオンオフされるもの
が特開平２−１６１９７５号公報に示されている。この
ものでは刃の刃先とこれに対面する毛髪保持部材との間
の空間に毛髪先端部を入れて、刃と毛髪保持部材とを接
近させれば、毛髪は毛髪保持部材上に押し付けられた状
態で刃での切断がなされるものであり、刃先が肌に接触
することがない上に切断時にのみ刃が駆動されるため
に、毛髪を切り揃えることを容易に且つ安全に行うこと
ができるようになっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】もっとも、刃の駆動開
始タイミングが刃先と毛髪保持部材とで毛髪を挟持する
直前もしくは直後であると、毛髪が刃にかみこんだり、
可動刃と固定刃との間の摩擦抵抗力によって刃が駆動速
度が一定になる前に毛髪を挟持してしまうために毛髪の
切れ味が悪くなるという問題点を有している。これを防
ぐには、刃の駆動開始タイミングを早めて刃の刃先が毛
髪保持部材との間で毛髪を挟持するかなり前の時点で刃
の駆動を開始しなくてはならないのであるが、この場合
には刃の刃先が毛髪に接触するまでに刃に無駄な動作を
与えることになり、駆動手段や刃の寿命を短くしたり、
電源である電池を早く消耗させたり、更に刃の振動によ
る騒音が大きくなるといった問題が生じる。

【０００４】本発明はこのような点に鑑み為されたもの
であり、その目的とするところは毛髪の切れ味が良好で
あるとともに刃に無駄な動作を行わせることがないヘア
カッターを提供するにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】しかして本発明は、互い
に摺接する櫛状の固定刃及び可動刃からなる刃を備える
とともに上記刃の駆動手段を内蔵している本体と、上記
刃の刃先に対面し且つ刃先に対して接離自在となってい
る毛髪保持部材とからなり、毛髪保持部材と刃との間に
ある毛髪を刃で切断するヘアカッターにおいて、刃の刃
先と毛髪保持部材との接離動作に連動して刃の駆動速度
を変える速度変更手段を備えていることに特徴を有して
いる。

【０００６】本発明によれば、刃先が毛髪保持部材に接
近するに伴って刃の駆動速度を速くすることができる。

【０００７】

【実施例】以下本発明を図示の実施例に基づいて詳述す
ると、このヘアカッターは、図２に示すように、本体１
の先端部に刃ブロック２が配設され、本体１の下面側に
毛髪保持部材である下カバー３が、本体１の上面側にカ
バー８が配されたものであって、まず本体１から説明す
ると、これは図３〜図５に示すように、互いの係合とビ
ス１９によって結合される上部ハウジング１１と下部ハ
ウジング１２とで器体が構成され、内部にモータ５が配
設されるとともに、スライダー４が前後にスライド自在
に配設され、更に後部内には回動体６が配設されたもの
となっている。そして本体１の下面側の後部寄りには電
池カバー１３で覆われた電池収納部が設けられている。

【０００８】本体１の先端面に着脱自在とされている刃
ブロック２は、基板２０と、この基板２０の内面に固着
された固定刃２１と、この固定刃２１に対して摺動自在
とされた可動刃２２、可動刃２２を固定刃２１に向けて
付勢しているばね（図示せず）、そして可動刃２２に固
着されたカム２３からなるもので、基板２０の一端を上
部ハウジング１１に係止させるとともに、下部ハウジン
グ１２に取り付けられる図３に示す係止ばね２５，２５
を基板２０に係止させることによって、本体１に取り付
けられる。そして、このように取り付けられた時、前記
モータ５の前方側に向けられた出力軸に固着されている
継手５１から突設されている偏心軸５２がカム２３にお
ける縦溝部分に係合し、モータ５の回転に伴って、可動
刃２２が往復駆動される。

【０００９】本体１内にスライド自在に配されたスライ
ダー４は、モータ５をまたぐようにして取り付けられた
もので、その側面には本体１の一側面に露出するスイッ
チハンドル４１と、本体１の両側面に夫々突出する一対
のロック用突起４２，４２とを備え、中央部には前方に
向けて突出するクリックばね４３を有し、更に一側寄り
に、図５に示すように、後方に向けて突出するとともに
スイッチばね７０が下面に固着される突片４４を備えて
いる。上記クリックばね４３は、上部ハウジング１１の
内面に設けられたクリック突起（図示せず）との係合
で、スライダー４の前後方向のスライドに対し、都合３
つのクリックを付与する。

【００１０】本体１の後部内に配された回動体６は、両
端に夫々連結部６２，６２が形成されている軸部６０が
上下ハウジング１１，１２で支持されることによって回
動自在となっているもので、上部ハウジング１１の内面
との間に配されたばね６５によって、図４中において反
時計まわり方向に付勢されている。そして本体１の後部
両側面の外面側に位置する上記連結部６２は、後述する
毛髪保持部材３が連結されるものであって、中央に軸孔
６３を、外周部にクリック突起６７を備え、また円弧状
であって軸孔６３に一端が連続する段差部６４を備えて
いる。図３中の６６はクリック突起６７の部分に弾性を
付与するために形成されたスリットである。

【００１１】また図中の７１は下部ハウジング１２に上
下スライド自在に取り付けられるとともに、回動体６に
設けられた突起６１と係合することによって、回動体６
の回動に伴って上下動を行うスイッチ基板、７２はこの
スイッチ基板７１に取り付けられたスイッチばねであ
り、モータ５の陰極に接続された陰極端子７６とスイッ
チ接点板７３ａ，７３ｂとの間の導通を制御する。一
方、スライダー４に取り付けられた前記スイッチばね７
０は、スライダー４の前後動に伴い、電池７の負極に接
続された陰極金具７４とスイッチ接点板７３ａ，７３ｂ
との間の導通及び陰極金具７４と陰極端子７６との間の
導通を制御する。モータ５の陽極と電池７の正極とは、
陽極金具７５によって接続されている。回路図を図１に
示す。スイッチばね７０が図中の３段切り替えのメイン
スイッチＳＷ１を、スイッチばね７２が連動スイッチＳ
Ｗ２を構成している。また、並列に接続された二つのス
イッチ接点板７３ａ，７３ｂのうち、スイッチ接点板７
３ｂには直列に抵抗Ｒが接続されたものとなっている。

【００１２】次に毛髪保持部材である下カバー３につい
て説明する。ここにおける下カバー３は、その横断面が
Ｕ字形をなすものとして形成されたもので、両側壁の後
端部には夫々連結部３６，３６を備え、両側壁をつない
でいる底壁の前部寄りには仕切り３２を有し、底壁の先
端縁にはその厚みが高さよりもかなり小さい歯が並ぶ櫛
部３１と櫛部３１の両側端に位置するボス３４とを有し
ている。そして本体１下部が間にはまり込む両側壁の内
面にはＬ字形をしたロック溝３５を備えている。

【００１３】互いに相対する上記一対の連結部３６，３
６は、回動体６における前記連結部６２，６２に回動自
在に連結されるものであって、連結部６２の軸孔６３で
受けられる筒軸３７と、クリック突起６７と係合するク
リック突起３８、そして段差部６４に位置することにな
るストッパー３９を備えている。そして、クリック突起
３８がクリック突起６７を乗り越えるとともにストッパ
ー３９が段差部６４の一端に当接する時点では、回動体
６と下カバー３とが一体に回動するものであって、ばね
６５による回動体６の付勢が下カバー３に対してもなさ
れる。

【００１４】本体１の上面側に被せられるカバー８は横
断面逆Ｕ字形をなすもので、両側壁の後端部には上記下
カバー３の連結部３６の外周に回動自在に嵌合する連結
部８６を備えており、上面には窓孔８１を、前端には透
明部材からなる押さえ壁８０を備えている。尚、カバー
８の後端は本体１の後端を覆っている下カバー３の後端
を更に覆うものとなっている。そして上記窓孔８１には
押釦９が配設されている。この押釦９は、後方に延びる
ばね片９１を一体に備えるとともに、ばね片９１の後端
がカバー８内面にボス８４の熱融着で固着されたもので
あり、押釦９の前端両側にはカバー８内面に突設された
ストッパーとの当接でカバー３に対する押釦９の押し込
み量を規制することになる係合片９０が形成されてい
る。

【００１５】しかしてこのヘアカッターにおいては、ス
イッチハンドル４１を最も後方に位置させている時に
は、前記メインスイッチＳＷ１がオフとなるものであ
り、そしてスイッチハンドル４１を後方に移動させるに
あたって、本体１に対して下カバー３をばね６５に抗し
て回動させて本体１下部が下カバー６内にはまるように
していたならば、スイッチハンドル４１と一体に動くロ
ック用突起４２が下カバー３内面のロック溝３５にはま
るために、上記状態が保持される。

【００１６】この状態からスイッチハンドル４１を一段
前方へとスライドさせたならば、スイッチハンドル４１
と共にロック用突起４２が前方に動いてロック溝３５か
ら抜け出すために、ばね６５による付勢を受けて下部ハ
ウジング１２内面に当接して止まるまで回動体６が回動
するに伴って下カバー３も回動し、本体１及びカバー８
に対して下カバー３がほぼ１５°の角度をなす状態まで
開く。そしてこの時にはメインスイッチＳＷ１が陰極金
具７４とスイッチ接点板７３との間を導通させる状態と
なるが、回動体６の上記回動によって、連動スイッチＳ
Ｗ２がオフとなるために、モータ５はこの状態で回転す
ることはない。

【００１７】通常の毛髪のカットはこの状態で行う。す
なわち、カバー８の押釦９に親指を当てるようにしてつ
かみ、固定刃２１と可動刃２２とからなる刃の刃先と、
この刃先に所要の間隔を介して相対する状態にある下カ
バー３との間に、図８に示すように、カットすべき毛髪
を導入し、そしてカバー８と下カバー３とを握れば、押
釦９におけるばね片９１よりもばね６５の方をたわみや
すくしていることから、カバー８及び本体１が下カバー
３に対してばね６５に抗して同時に回動する。この時、
前記連動スイッチＳＷ２はまず抵抗Ｒが接続されたスイ
ッチ接点板７３ｂがスイッチばね７２に接触するため
に、モータ５が低速回転を開始して可動刃２２を低速度
で往復動させるものであり、そして、上記のように導入
された毛髪は、刃先が接するよりも前に、図７(a) に示
すように、カバー８における刃先に近接した位置にある
押さえ壁８０とこの押さえ壁８０が当接するボス３４を
備えた下カバー３における櫛部３１との間の隙間に挟み
込まれ、更に押釦９を押し込めば、この押釦９はばね片
９１を撓ませつつ図７(b) に示すようにカバー８及び下
カバー３に対して本体１を更に回動させる。この結果、
スイッチ接点板７３ａがスイッチばね７２に接触してモ
ータ５及び可動刃２２の高速度駆動がなされるものであ
り、また刃ブロック２の刃先を下カバー３内面における
櫛部３１よりも奥側の一段低くなったところに当接させ
るために、導入されていた毛髪はその動きが抑制された
状態で刃によって切断され、本体１下面に突出する電池
収納部の前方の空間、つまり下カバー３における仕切り
３２と櫛部３１との間の毛屑収納部３０に切断された毛
屑が溜まる。この切断時点では、カバー８によって刃が
覆われていることから、細かい毛屑が飛散することもな
い。逆に本体１を下カバー３から遠ざければ、モータ５
は高速から低速、そしてオフに切り替わる。なお、連動
スイッチＳＷ２による刃の駆動速度が低速から高速に切
り替わるタイミングは、ここでは図７(a) に示す状態に
なった時となるようにしているが、これに限るものでは
ない。低速とするための抵抗Ｒはダイオードであっても
よい。さらに、ここでは速度が２段階に切り替わるもの
を示したが、さらに多段に構成してもあるいは無段変速
となるようにしてもよいのはもちろんである。

【００１８】スイッチハンドル４１を更に前方に移動さ
せると、前記メインスイッチＳＷ１は陰極金具７４と陰
極端子７６との間を導通させて連動スイッチＳＷ２をバ
イパスさせるために、モータ５は連動スイッチＳＷ２の
オンオフに関係無く、常時回転を続ける。これは主とし
て、次に述べる下カバー３及びカバー８を利用しない毛
髪カットを行う時に使用する。すなわち、カバー８を回
動させて開いた後、下カバー３に対して本体１を起こす
ように回動させれば、下カバー３の連結部３６における
筒軸３７の長径方向と、連結部６２における段差部６４
における軸孔６３に連続する方向とが一致するために下
カバー３に対して本体１を上方に引き上げれば、本体１
がカバー８及び下カバー３から外れるものであり、図１
０に示すように、産毛カットを行う時など、本体１のみ
でカットを行うことができる。

【００１９】図１１に示すように、メインスイッチＳＷ
１を、オフ状態と連動スイッチＳＷ２が有効になる状態
と低速状態、高速状態の４段階に切り替えることができ
るものとすれば、上記産毛カットの時など、高速と低速
とを選択することができるようになる。なお、図示例で
は連動スイッチＳＷ２による低速モードとするための抵
抗ＲをメインスイッチＳＷ１で低速モードとする時にも
利用する回路となっている。

【００２０】図１２に他の実施例を示す。これはメイン
スイッチＳＷ１をオフ、低速、連動、高速の４段切り替
えのものとするとともに、メインスイッチＳＷ１による
高速設定High及び連動スイッチＳＷ２によるところの高
速設定Highを、二つの電池Ｖが直列に接続されるように
することで行い、低速設定Low は一つの電池Ｖのみがモ
ータ５に接続されるようにすることで行っている。

【００２１】図１３に示す実施例では、メインスイッチ
ＳＷ１に連動するスイッチＳＷ３と、連動スイッチＳＷ
２に連動するスイッチＳＷ４とを設けることで、メイン
スイッチＳＷ１による高速設定High及び連動スイッチＳ
Ｗ２によるところの高速設定Highを、二つの電池Ｖが直
列に接続されるようにすることで行い、低速設定Lowは
二つの電池Ｖが並列に接続されるようにすることで行っ
ている。

【００２２】図１４に示す回路は、基本的に最初に示し
た回路と同じであるが、ここでは抵抗Ｒが回路に接続さ
れる低速の時、モータ５両端にツェナーダイオードＺＤ
が接続されて、モータ５の端子電圧Ｖｚ（電池電圧より
も低い）が一定となるようにしたものである。

【００２３】

【発明の効果】以上のように本発明においては、刃先が
毛髪保持部材に接近するに伴って刃の駆動速度を速くす
ることができるものであり、このために毛髪の切れ味が
良好であるとともに刃に無駄な動作を行わせることがな
く、従って駆動手段や刃の寿命、あるいは電源としての
電池の寿命を長くすることができるとともに、刃の振動
による騒音を低減することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】一実施例の回路図である。

【図２】カバーを少し開いた状態の斜視図である。

【図３】分解斜視図である。

【図４】カバーを少し開いた状態の縦断面図である。

【図５】本体の破断平面図である。

【図６】連動スイッチ接点部の分解斜視図である。

【図７】動作を示す拡大断面図であって、(a) は毛髪切
断直前を、(b) は毛髪切断時を示す。

【図８】切断準備位置にある時の使用状態を示す側面図
である。

【図９】切断位置にある時の使用状態を示す側面図であ
る。

【図１０】本体のみによる使用状態を示す側面図であ
る。

【図１１】他例の回路図である。

【図１２】別の例の回路図である。

【図１３】更に他例の回路図である。

【図１４】更に別の例の回路図である。

【符号の説明】

２ 刃ブロック ５ モータ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 【請求項１】 互いに摺接する櫛状の固定刃及び可動刃
   からなる刃を備えるとともに上記刃の駆動手段を内蔵し
   ている本体と、上記刃の刃先に対面し且つ刃先に対して
   接離自在となっている毛髪保持部材とからなり、毛髪保
   持部材と刃との間にある毛髪を刃で切断するヘアカッタ
   ーにおいて、刃の刃先と毛髪保持部材との接離動作に連
   動して刃の駆動速度を変える速度変更手段を備えている
   ことを特徴とするヘアカッター。