JPH0539720U - プレス機械のダイリフタ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 プレス作業時にスクラップの排出が確実に行
なえ、かつ、ボルスタの強度を低下させないダイリフタ
装置を提供すること。 【構成】 ボルスタ１０に形成されたスクラップ落し穴
１３を通って設けられた複数条のレール収容溝１４に昇
降可能かつスクラップ落し穴１３で分断された固定ダイ
リフタ及び移動ダイリフタを設け、固定ダイリフタ１１
にはスクラップ滞留防止ブロック１７を設けた第１リフ
トレール１６を設け、移動ダイリフタ１２にはスクラッ
プ滞留防止ブロック１７を後退させる長さを有する第２
リフトレール２４を設けたことを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ブレス機械のボルスタに金型を搬入するためのダイリフタ装置に関 するものである。

【０００２】

【従来の技術】

プレス機械のボルスタに金型を搬入するためのダイリフタ装置は、ボルスタに 昇降可能にコロ付きのリフトレールを設置し、金型をボルスタに搬入する時は、 上記リフトレールを上昇位置で使用し、金型がボルスタの所定位置に搬入された 後にリフトレールを下降して当該金型をボルスタ上面に固定するものが一般的な 構造として知られている。

【０００３】 通常のプレス作業では、スクラップを金型の真下に排出しているので、排出さ れたスクラップはボルスタに設けられたスクラップ落し穴へ集められている。ボ ルスタと金型が対で構成されている場合は、ボルスタに形成するスクラップ落し 穴は金型に対応して設けられるであろうが、金型交換を行う構造ではダイリフタ 装置を必要とする。

【０００４】 図６は従来技術によるダイリフタを示しており、ボルスタ１に形成されたスク ラップ落し穴２にまたがってコロ付きのリフトレール３を敷設するため、該リフ トレール３はスクラップ落し穴２の前後で分割されている。このため、上記リフ トレール３のコロの取付ピッチによっては、金型４がスクラップ落し穴２を通過 できないことになる。

【０００５】 上記問題点を解決するために、リフトレール３を分割しないで使用し、金型を ボルスタに設置した後に手動によって引き抜くことが考えられる。しかしながら 、手動によってリフトレールを引き抜くのでは金型交換に要する手数がかかり、 所謂段取作業が能率よく実行できないばかりでなく、引き抜いたリフトレールの 収容場所を確保しなければならず管理上の問題も生じている。

【０００６】 一方、リフトレールを分割しないで使用するために、当該リフトレールをレー ルの長手方向に対して直交する方向に移動可能に設ける方法も考えられるが、リ フトレールはボルスタに形成した溝内に収容敷設しているので、レールを長手方 向に直交する方向に移動するためにはレール収容溝を大きく形成せざるを得ず、 従って、この方法ではボルスタの強度を低下させてしまうと言う問題が出てくる 。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

本考案が解決しようとする課題は、プレス作業時にスクラップの排出が確実に 行えるようにすると共に、ボルスタの強度を低下させないダイリフタ装置を提供 することである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案において課題を解決するための手段は、ボルスタに形成されたスクラッ プ落し穴を通って直線上に設けられた複数条のレール収容溝、該レール収容溝内 に昇降可能に設けられかつ上記スクラップ落し穴で分断された固定ダイリフタ及 び移動ダイリフタ、上記固定ダイリフタには上記スクラップ落し穴に向って進退 可能なスクラップ滞留防止ブロックを設けた第１のリフトレールを設け、上記移 動ダイリフタは上記スクラップ落し穴に向って進退可能に設けられると共に当該 スクラップ落し穴を越えて上記スクラップ滞留防止ブロックを後退させる長さを 有する第２のリフトレールを設けることを特徴とするものである。

【０００９】

【実施例】

図１から図５が実施例である。これらの図において、ボルスタ１０に設置され るダイリフタは、固定ダイリフタ１１と移動ダイリフタ１２が直線上に設置され 、該移動ダイリフタ１２は上記ボルスタ１０に形成されたスクラップ落し穴１３ の上面を塞ぐ方向に移動可能であり、かつ当該移動ダイリフタ１２及び上記固定 ダイリフタ１１は何れもボルスタ１０に形成したレール収容溝１４内に収容され 、図示しない昇降装置によって昇降可能に設けられている。

【００１０】 上記固定ダイリフタ１１は、ボルスタ１０のレール収容溝１４の底部に収容さ れた第１の台枠１５の上面に第１のリフトレール１６が固定され、該第１のリフ トレール１６の端面であってスクラップ落し穴１３に向う面にスクラップ滞留防 止ブロック１７が移動可能に設けられている。

【００１１】 該スクラップ滞留防止ブロック１７は、第１のリフトレール１６の端面に設け たシリンダ１８内に設けたピストン１９とピストンロッド２０によって連結され ており、上記ピストン１９はシリンダ内に装着したスプリング２１の弾力によっ てピストンロッド２０を常時シリンダ１８から突出する方向に付勢し、該ピスト ンロッド２０が最も突出した時が上記スクラップ滞留防止ブロック１７がスクラ ップ落し穴１３の縁部に達するようになっている。なお、上記第１のリフトレー ル１６の上面にはコロ２２が設けられている。

【００１２】 又、上記移動ダイリフタ１２は、ボルスタ１０のレール収容溝１４の底部に収 納された第２の台枠２３の上面に第２のリフトレール２４が移動可能に載置され ており、該第２のリフトレール２４はスクラップ落し穴１３を越えてスクラップ 滞留防止ブロック１７に達する長さを備えている。

【００１３】 そして、第２の台枠２３の端面であってスクラップ落し穴１３の反対側に向う 面にレールの長手方向に沿うエアシリンダ２５を設け、該エアシリンダ２５内の ピストンと連結されたピストンロッド２６と上記第２のリフトレール２４とが連 結金具２７によって連結されている。なお、この第２のリフトレール２４にも上 面にコロ２８が設けられている。

【００１４】 前述したように固定ダイリフタ１１及び移動ダイリフタ１２には昇降装置が組 み込れており、プレス作業時であって移動ダイリフタ１２が後退している時は第 １及び第２のリフトレール１６，２４のコロ２２，２８が図１に示すようにボル スタ１０の上面から下降している。一方、ダイリフタ使用時は第１及び第２のリ フトレール１６，２４が上昇していて上記のコロ２２，２８は図３に示すように ボルスタ１０の上面から突出している。

【００１５】 なお、図において、２９は金型を表わしている。

【００１６】 実施例は上記の構成であって、図１は金型２９がボルスタ１０に設置されてい る状態であり、移動ダイリフタ１２の第２のリフトレール２４の自由端はエアシ リンダ２５の動作によって突出するピストンロッド２６に伴いスクラップ落し穴 １３の縁に位置している。又、固定ダイリフタ１１のスクラップ滞留防止ブロッ ク１７はシリンダ１８のスプリング２１の動作によって突出するピストンロッド ２０に伴いスクラップ落し穴１３の縁に位置している。

【００１７】 この時、固定ダイリフタ１１及び移動ダイリフタ１２は何れもボルスタ１０の 上面よりも下降しているので、金型２９はボルスタ１０の上面に密着し定位置に 固定される。プレス作業によって金型から排出するスクラップはスクラップ落し 穴１３からプレス機械の外部に取り出される。スクラップ落し穴１３へ排出され るスクラップは、当該穴の一方の縁にはスクラップ滞留防止ブロック１７が位置 し、もう一方の縁には第２のリフトレール２４が位置しているので、排出された スクラップはボルスタ１０のレール収容溝１４に滞留することが防止され、確実 に外部へ排出する。

【００１８】 次に、金型交換を行うには、移動ダイリフタ１２のエアシリンダ２５を動作し て第２のリフトレール２４を固定ダイリフタ１１に向って移動し、第２のリフト レール２４の先端をスクラップ滞留防止ブロック１７に突き当て、さらに当該ブ ロック１７をスプリング２１に抗して後退させ、スクラップ落し穴１３の上面に 当該第２のリフトレール２４を架設する。

【００１９】 次いで、第１及び第２の台枠１５，２３を上昇して金型２９を第１及び第２の リフトレール１６，２４のコロ２２，２８上に載置し、当該リフトレール１６， ２４を上昇させたままで金型２９をボルスタ１０から搬出し、その後、新たな金 型をボルスタ１０の上面に搬入する。

【００２０】 なお、ボルスタ１０にダイリフタ装置を設けるレール収容溝１４は最低２条は 必要であるが、ボルスタの大きさ又は構造によっては２条以上を設けることが出 来る。

【００２１】

【考案の効果】

本考案は、ボルスタに形成されたスクラップ落し穴を通って直線上に設けられ たレール収容溝に、コロ付きのリフトレールを有する固定ダイリフタと移動ダイ リフタを設け、固定ダイリフタの第１のリフトレールにはスクラップ落し穴に向 って移動可能なスクラップ滞留防止ブロックを設け、移動ダイリフタの第２のリ フトレールはスクラップ落し穴を越えて上記スクラップ滞留防止ブロックを後退 させる長さを有するようにしたものであるから、金型交換時に手動によるリフト レールを引き抜く作業が不要になり、このため、段取作業が能率よく行えると共 に、リフトレールはレールの長手方向に移動させるからボルスタに形成するレー ル収容溝は当該レール幅だけ形成すればよく、従って、ボルスタの強度低下を防 止し得るものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】全体の縦断面図でプレス作業時を表わす。

【図２】図１におけるスクラップ滞留防止ブロックの設
置位置を示す断面図。

【図３】全体の縦断面図でダイリフタ使用時を表わす。

【図４】図３におけるスクラップ滞留防止ブロックの設
置位置を示す断面図。

【図５】全体の平面図。

【図６】従来技術におけるダイリフタの断面図。

【符号の説明】

１０ ボルスタ １１ 固定ダイリフタ １２ 移動ダイリフタ １３ スクラップ落し穴 １４ レール収容溝 １５ 第１の台枠 １６ 第１のリフトレール １７ スクラップ滞留防止ブロック １８ シリンダ １９ ピストン ２０ ピストンロッド ２１ スプリング ２２ コロ ２３ 第２の台枠 ２４ 第２のリフトレール ２５ エアシリンダ ２６ ピストンロッド ２７ 連結金具 ２８ コロ ２９ 金型

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ボルスタに形成されたスクラップ落し穴
   を通って直線上に設けられた複数条のレール収容溝、該
   レール収容溝内に昇降可能に設けられかつ上記スクラッ
   プ落し穴で分断された固定ダイリフタ及び移動ダイリフ
   タ、上記固定ダイリフタには上記スクラップ落し穴に向
   って進退可能なスクラップ滞留防止ブロックを設けた第
   １のリフトレールを設け、上記移動ダイリフタは上記ス
   クラップ落し穴に向って進退可能に設けられると共に当
   該スクラップ落し穴を越えて上記スクラップ滞留防止ブ
   ロックを後退させる長さを有する第２のリフトレールを
   設けることを特徴とするプレス機械のダイリフタ装置。