JPH0525796Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、ミーリングカツター等による板端面
切削初期の、切粉のカバー外への飛散を防止し、
切粉を回収する装置に関する。

〔従来の技術〕 従来の切粉回収装置の例として第４図に示すも
のがある。図に於て切粉回収装置１は、切削加工
のため通板される鋼板５（以下板と呼称する）の
側面位置に所定の切欠部４が形成されたカツター
カバー３を有し、また他方には昇降可能なNo.１上
サポートロール６が設けられ、その外側面には板
上面と僅かの間隙ができるようプロテクタ１０が
固定されており、図示していないピンチロールに
より板５が通板され、ミーリングカツター２によ
る切削直前に同サポートロール６及びプロテクタ
１０が下降し、同プロテクタ１０により板上面と
僅かの間隙を保ち、切粉１２の板上への飛散を防
ぎ、切粉をカツターカバー３の中に回収できるよ
うになつている。

カバー切欠部４に通板されてきた板５は、この
ような状態でNo.１上サポートロール６、下サポー
トロール９により挟持され、ミーリングカツター
２により板先端より切削され、順次板の進行につ
れてNo.１上サポートロール６の板進行方向後方に
配列設置されたNo.２上サポートロール７、No.３上
サポートロール８も順次下降し、進行して来た板
を押え同板の側面が切削される。

また端面切削された板は、カツターカバーの切
欠部４より装置外へ出て行くが、同個所には板上
面と摺接するようワイヤブラシ１１が付設されて
おり、切粉１２の外部への飛散を防ぐように構成
されている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところで従来の切粉回収装置では、プロテクタ
１０が板面上に下降するが、切削初期には、同プ
ロテクタ１０と下サポートロール９との間に板厚
分の隙間ができる。板端面の切削が進むと、同板
により隙間は塞がれるが、切削の初期は隙間が開
口しており、切粉がカバー外（サポートロール
側）に飛散し、１部は板上に乗り移りサポートロ
ールまたはピンチロールによる押込傷の原因とな
り、板品質を著しく阻害する不具合があつた。

本考案は、前期不具合を解決した切粉回収装置
を提供しようとするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

このため本考案の端面切削機の切粉回収装置
は、鋼板の端面加工を行うミーリングカツターの
側面位置に被削板を挟んで上下に対向してカツタ
ーカバーを配設すると共に、前記カツターの直前
位置に臨んで上部カツターカバーに固定したガイ
ド内にロツドを摺動可能に嵌挿し、該ロツドの下
端を、複数個のシヤツターを懸垂状に吊り下げた
シヤツターレバーの中間位置に穿設した螺孔に螺
着すると共に該ロツドの上端を筒内に嵌挿した圧
縮バネを介して前記上部カツターカバーに上部位
置に配設したブラケツトに接続して圧下装置を構
成し、さらに前記シヤツターレバーの両側端部に
長孔部を固設し、該長孔部内にピンを摺動可能に
嵌挿し、該ピンを前記上部カツターカバーの上部
位置に配設した別のブラケツトに装着したシリン
ダーのロツド下端に連結した昇降装置に接続し、
これら昇降装置及び圧下装置により昇降式シヤツ
ターを構成したことを特徴としている。

〔作用〕

上述の本考案端面切削機の切粉回収装置は、ミ
ーリングカツターの直前位置に配設した昇降式シ
ヤツターに懸垂支持された複数個のシヤツター
が、切削初期の板厚分の隙間を塞いでいるが、切
削開始点より板先端が序々にシヤツター端面を板
上面に押し上げて行き、やがて切削された板端面
が隙間を塞ぎ切粉の飛散は防止され切粉を回収で
きる。

〔実施例〕

以下図面により本考案の一実施例として端面切
削機の切粉回収装置について説明すると、第１図
は本考案の実施例の正面図、第２図は第１図Ａ−
Ａ視図、第３図は側面図である。

ミーリングカツター２に対向する位置に、カツ
ターカバー３が配設され該カバー３に成形された
切欠部４を設けた点はさきの従来例のものと同様
である。カバーの切欠部４の上部前後に、ブラケ
ツトＡ３０が設けられており、これにシリンダー
２７が装着され、同シリンダー２７ののロツド先
端のナツクルは板進行前後方向に配設したシリン
ダーレバー２５両端の長孔部３５とピン３２を介
して連結し、一体的に昇降装置２６を構成してい
る。

またブラケツトＡ３０と近接してブラケツトＢ
３１を設け、同ブラケツトには圧縮バネ２９、
筒、ロツド等よりなる圧下装置２８が装着され、
ロツドはカツターカバー３に固定されたガイド３
４の摺接孔を介してシヤツターレバー２５に螺着
し、シヤツターレバー２５をピン３２、長孔部３
５を介してバネ反撥力で押し下げるように構成し
ている。

シヤツターレバー２５には複数個のシヤツター
２２が所定に重合して連設され揺動自在に自重で
懸垂されている。

それ以外の点は従来の切粉回収装置と同様の構
造である。

上記構成よりなる本考案の切粉回収装置に於
て、昇降式シヤツター２１は、シリンダー２７に
より昇降し、シヤツターレバーの長孔分を圧縮バ
ネ２９の反撥力で押しさげる。

鋼板５が通板されミーリングカツター２により
切削するときは、第１図に示すように昇降式シヤ
ツター２１は下降しており、シヤツターレバーに
懸垂された複数個のシヤツター２２は自重で垂れ
下がり板厚分の隙間を塞いでいる。カツター切削
開始点より以降は、板先端が弧矢印のように２
２′位置に押し上げられて行く。この時個々に見
れば微小の隙間が生じるが、２個目のシヤツター
がその隙間を塞いでおり、板の進行につれて順次
押し上げられて行く段階において隙間は遮断され
切粉の飛散を防ぐことができる。２２″は懸垂し
たシヤツター２２が板の上に押し上げられた状態
を示し、その時点では切削点付近は板端面により
塞がれることとなる。

このようにして切削初期の切粉１２のカツター
カバー３外への飛散を防止し、同カバーの内側に
回収する。

切削が終ると昇降式シヤツター２１はシリンダ
ー２７により引き上げられて待機し、次の切削が
始められる前に下降し、上記と同じ動作により切
粉の飛散防止、回収を行なう。

また異常動作防止対策として、板の上面に下降
した場合は、シヤツター２２に破損を生じるの
で、シヤツターレバー２５の両端に設けた長孔部
３５によりピン３２を介してバネ力に打勝つて上
方に逃げることができる。この点も従来技術には
なかつた特徴点である。

尚本考案に係る装置は上記実施例にのみ限定さ
れるものでなく、本考案の要旨を逸脱しない範囲
内において種々変更できることは云うまでもな
い。

〔考案の効果〕

以上述べたように、本考案の切粉回収装置によ
れば次に示す効果が得られる。

(1) 切削初期の板厚分の隙間をシヤツターにより
遮断し、切粉のカバー外への飛散を阻止すると
共にカバー内に切粉を確実に回収することがで
きる。

(2) カバー外へ切粉が飛散することを阻止したた
め、切粉が鋼板上に転移することにより生ずる
サポートロール、ピンチロールによる押込傷の
発生も起らず鋼板品質も向上し実用的効果が大
きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例装置の正面図、第２
図は第１図Ａ−Ａ視図、第３図は側面図、第４図
は従来の切粉回収装置の全体斜視図である。 １……切粉回収装置、２……ミーリングカツタ
ー、３……カツターカバー、５……鋼板、６……
No.１上サポートロール、７……No.２上サポートロ
ール、８……No.３上サポートロール、１０……プ
ロテクター、２１……昇降式シヤツター、２２…
…シヤツター、２５……シヤツターレバー、２６
……昇降装置、２７……シリンダー、２８……圧
下装置、２９……圧縮バネ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 鋼板の端面加工を行うミーリングカツターにお
   いて、該ミーリングカツターの側面位置に被削板
   を挟んで上下に対向してカツターカバーを配設す
   ると共に、前記カツターの直前位置に臨んで上部
   カツターカバーに固定したガイド内にロツドを摺
   動可能に嵌挿し該ロツドの下端を、複数個のシヤ
   ツターを懸垂状に吊り下げたシヤツターレバーの
   中間位置に穿設した螺孔に螺着すると共に、該ロ
   ツドの上端を筒内に嵌挿した圧縮バネを介して前
   記上部カツターカバーの上部位置に配設したブラ
   ケツトに接続して圧下装置を構成し、さらに前記
   シヤツターレバーの両側端部に長孔部を固設し、
   該長孔部内にピンを摺動可能に嵌挿し、該ピンを
   前記上部カツターカバーの上部位置に配設した別
   のブラケツトに装着したシリンダーのロツド下端
   に連結した昇降装置に接続し、これら昇降装置及
   び圧下装置により昇降式シヤツターを構成したこ
   とを特徴とする端面切削機の切粉回収装置。