JPH0539696U

JPH0539696U - 浄水殺菌装置

Info

Publication number: JPH0539696U
Application number: JP9967191U
Authority: JP
Inventors: 光二山形
Original assignee: ライザー工業株式会社
Priority date: 1991-11-08
Filing date: 1991-11-08
Publication date: 1993-05-28

Abstract

(57)【要約】【構成】円筒２の内周を紫外線透過材質で構成された筒
壁３で区画し、筒壁３の外周には酸化触媒５を充填した
触媒室４を設け、筒壁３内部には紫外線ランプ８すると
ともに、円筒２の外部には活性炭層16を設け、被浄化水
は活性炭層16を通過させた後、触媒室４に送り込むよう
にした浄水殺菌装置。【効果】コンパクトな構造で、有機塩素物質、硫黄成
分、酸化鉄等の吸着除去、脱臭、脱色の他に有害有機物
質の分解処理、殺菌処理等を行なうことができ、更に有
機塩素物質、硫黄成分の吸着除去、脱臭、脱色等が確実
に行なわれる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、水道水、市水等に含有される有機塩素物質、硫黄成分（ＳＳ成分）、酸化鉄等の吸着除去、脱臭、脱色の他に、トリハロメタン、トリクロロエチレン、クロロホルム等の有害有機物質の無害化並びに殺菌処理を持続的に行なって給水することができる浄水殺菌装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

水道水、市水、地下水等の飲料水中には有機塩素物質、硫黄成分（ＳＳ成分）、酸化鉄等の他に、発癌性物質として知られているトリハロメタン、トリクロロエチレン、クロロホルム等の有害有機物質、或は細菌類等が含まれており、これを飲料用に供するには有機塩素物質、硫黄成分（ＳＳ成分）、酸化鉄等の吸着除去、脱臭、脱色の他に、有害有機物質の完全な無害化と殺菌処理を行なう必要がある。

【０００３】従来、これらの処理には中空系フィルタ−の内部に活性炭の充填した浄水殺菌装置が広く普及している。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、これらの浄水殺菌装置では微量な含有量であっても人体に有害であるといわれている有機ハロゲン化合物、発癌性有機物質等は殆ど分解されない。

【０００５】また、活性炭は残留塩素、硫黄成分、酸化鉄等を多少吸着除去することができるが、その効果を長時間持続することができず、更に長時間使用することにより細菌が繁殖するという欠点がある。

【０００６】一方、中空系フィルタ−は系の側面に細い穴を設け、水を強制的に通すことによって酸化鉄、硫黄成分を捕集するものであるが、生菌については状況に対応出来る順応性があり、特にフィルターによる保菌数が増大すると、形態を変えてフィルターの細かい穴を通過してしまうとともに、水に溶解する有害物質については中空系フィルターは無力に等しい等の難点がある。

【０００７】即ち、従来の浄水器については浄水機能が全くなく、しかも中空系フィルターの交換を頻繁に行なう必要があり、ランニングコストが高い等の難点がある。

【０００８】また、上述の浄水殺菌装置では側壁に細かい穴を有する中空系フィルター内に活性炭層を充填してあるため、被浄化水はこの穴より活性炭層内を内側に向けて流れるため、極めて速やかに活性炭層を通過してしまい、活性炭層との接触時間が短い等の難点がある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

以上の課題を解決するため、この考案では円筒の内周を紫外線透過材質で構成された筒壁で区画して該筒壁の外周には酸化触媒を充填した触媒室を設け、上記筒壁内部には紫外線ランプを装填するとともに、上記円筒の外部には活性炭層を設け、被浄化水は上記活性炭層を通過させた後、上記触媒室に送り込むようにした浄水殺菌装置を提案するものである。

【００１０】ここで、筒壁は紫外線200 μm 以上の波長が透過し易くした石英ガラス又は透明のテフロン厚膜等で構成される。なお、紫外線ランプとしては中低圧水銀灯等を使用することができる。

【００１１】また、触媒室に充填する酸化触媒としては多孔質系の天然珪藻土鉱物の焼成品、セラミック粒体、又は高分子膜、光ファイバー、テフロン乃至ナイロン糸などの糸材、石英ガラス板の表面に接着乃至焼成接着した二酸化チタン又は白金担持した二酸化チタンを使用することができる。

【００１２】触媒室はその紫外線照射方向の触媒室の厚みを出来るだけ薄くして触媒室内に十分に紫外線が照射されるようにする。

【００１３】また、活性炭層は上記円筒の外部に設けられるが、出来れば円筒の外周に形成することが好ましく、且つ円筒の外周に形成した活性炭層に最初に被浄化水を導くようにする。

【００１４】

【作用】

以上の構成において、水道水、市水、地下水等の被浄化水は先ず活性炭層に導かれ、ここで有機塩素物質、硫黄成分（ＳＳ成分）、酸化鉄等の吸着除去乃至脱臭、脱色が行なわれる。

【００１５】次に被浄化水は触媒室に導かれ、ここを通過する間に被浄化水は紫外線の照射を受け、被浄化水中に含まれる細菌類の殺菌、有機物質、特にトリハロメタン、トリクロロエチレン、クロロホルム等の有害有機物質の分解処理が行なわれる。

【００１６】更に、触媒室を通過した被浄化水は筒壁内部を通過することにより、紫外線ランプより照射され、細菌類の殺菌、有機物質の分解処理が更に進行する。

【００１７】したがって、この考案ではコンパクトな構造で、被浄化水中の有機塩素物質、硫黄成分、酸化鉄等の吸着除去乃至脱臭、脱色の他に、トリハロメタン、トリクロロエチレン、クロロホルム等の有害有機物質の分解処理による無害化、乃至殺菌処理を確実に行なわれる。

【００１８】また、この考案では活性炭層の次段に酸化触媒を充填した触媒室を設けてあるために、被浄化水が活性炭層を通過する速度が従来の浄水器に比べて５〜７倍遅くなり、このため活性炭層との接触時間が長くなり、有機塩素物質、硫黄成分、の除去、脱臭、脱色等の機能が従来の浄水器に比べて３〜５倍向上し、更に寿命も向上する。

【００１９】

【実施例】

以下、この考案を図示の実施例に基づいて説明する。１はこの考案に係る浄水殺菌装置を示すもので、浄水殺菌装置１は有底の円筒２の内部には石英ガラス又は紫外線透過テフロン厚膜等の紫外線透過材質で構成された筒壁３を挿入し、円筒２と筒壁３との間に紫外線照射方向の厚み10〜13mm程度の狭い触媒室４を形成し、触媒室４には多孔質珪藻土に二酸化チタン又は白金を担持した二酸化チタンを焼成接着させた酸化触媒５を充填する。

【００２０】また、筒壁３の内部には上端部に給水口６を有する殺菌室７を形成し、殺菌室７には中低圧水銀灯８を挿入し、中低圧水銀灯８の外周には石英ガラス保護管９を設けるとともに、石英ガラス保護管９の上端部は固定キャップ10を設けて殺菌室７の上端部に固定する。更に、殺菌室７の上部には紫外線監視センサー11を設ける。

【００２１】一方、円筒２の外周には外円筒12を設け、外円筒12の下部はプレフィルター13 で区画し、その下部に入水口14を有する入水室15を形成し、更にその上部には活性炭層16を形成する。

【００２２】以上の構成において、中低圧水銀灯８からは253.7nm 程度の波長の紫外線が照射され、入水口14からは入水室15内に飲料水が供給される。

【００２３】入水室15内に供給された飲料水はプレフィルター13を通過することにより硫黄成分（ＳＳ成分）が除去されて活性炭層16内に供給される。活性炭層16内に供給された飲料水は上昇して通過する間に硫黄成分、有機塩素物質が吸着除去され、また脱臭、脱色される。

【００２４】次に、飲料水は筒壁３の上端より触媒室４内に送入され、触媒室４内では酸化触媒５の間を下降通過する間に中低圧水銀灯８から紫外線を照射され、これによって有機塩素物質、発癌性有機物質等が酸化分解処理され、またこれに含まれる細菌類の一部は殺菌処理される。

【００２５】触媒室４を通過した飲料水は底部より殺菌室７内に入り、殺菌室７を上昇して通過する間に中低圧水銀灯８から紫外線を照射され、これにより残留する細菌類が殺菌され、更に有機物質の分解処理が行なわれ、殺菌室７を通過した飲料水は給水口６より給水される。

【００２６】したがって、この考案においては給水口６からは完全に脱臭、脱色、或は無害化された飲料水が給水される。

【００２７】また、紫外線監視センサー11が水銀灯８の点灯初期時の20〜25% ダウンした時に警報を発するようにしてあり、これにより水銀灯８の寿命末期手前で交換が可能となり、水銀灯８の交換メンテナンスが容易に行なえる。

【００２８】

【考案の効果】

以上要するに、この考案によればコンパクトな構造で、有機塩素物質、硫黄成分、酸化鉄等の吸着除去、脱臭、脱色の他に有害有機物質の分解処理、殺菌処理等を行なうことができる。

【００２９】更に、活性炭層との接触時間が長くなることにより、有機塩素物質、硫黄成分の吸着除去、脱臭、脱色等が確実に行なわれる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例を示す縦断側面図

【図２】同上のＡ−Ａ´線断面図

【符号の説明】

１浄水殺菌装置２円筒３筒壁４触媒室５酸化触媒７殺菌室８中低圧水銀灯 12 外円筒 16 活性炭層

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】円筒の内周を紫外線透過材質で構成され
た筒壁で区画して該筒壁の外周には酸化触媒を充填した
触媒室を設け、上記筒壁内部には紫外線ランプするとと
もに、上記円筒の外部には活性炭層を設け、被浄化水は
上記活性炭層を通過させた後、上記触媒室に送り込むよ
うにしたことを特徴とする浄水殺菌装置。
【請求項２】酸化触媒としては多孔質系の天然珪藻土
鉱物の焼成品、セラミック粒体、又は高分子膜、糸材、
板材の表面に接着或は焼成接着された二酸化チタン又は
白金担持した二酸化チタンを使用することを特徴とする
実用新案登録請求の範囲第１項記載の浄水殺菌装置。
【請求項３】紫外線照射方向の触媒室の厚みを出来る
だけ薄くして触媒室内に十分に紫外線が照射されるよう
にしたことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項
記載の浄水殺菌装置。
【請求項４】上記円筒の外周に活性炭層を形成した実
用新案登録請求の範囲第１項記載の浄水殺菌装置。