JPH0539615Y2 - - Google Patents

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JPH0539615Y2
JPH0539615Y2 JP14477687U JP14477687U JPH0539615Y2 JP H0539615 Y2 JPH0539615 Y2 JP H0539615Y2 JP 14477687 U JP14477687 U JP 14477687U JP 14477687 U JP14477687 U JP 14477687U JP H0539615 Y2 JPH0539615 Y2 JP H0539615Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 [考案の目的] (産業上の利用分野) 本考案は、超薄形電子機器と他の電子機器との
間で、情報伝達と電力伝送を非接触で行う方式に
使用される電磁変換トランスの改良に関するもの
である。
(従来の技術) 超薄形電子機器と、その他の電子機器との間
で、情報伝達と電力伝送を非接触で行う方式に使
用される電磁変換トランスとして、第7図の概略
図に示すような構造からなる電磁変換トランス1
がある。
同図に示す電磁変換トランス1は、図中A−
A′線で上下に分割された対称形の2個のコア片
C1,C2より成る1次側コア(例えばフエライト
コア)Cと、コア片C2及びC1それぞれの適宜箇
所に巻回された1次側コイルL1,L3とより成る
1次側部材と、極めて薄い偏平構造の2次側コア
片2aと該コア片2aに巻回された2次側コイル
L2とが内蔵された超薄形電子機器2との組合せ
から構成されるものである。
この場合、2個の1次側コア片C1,C2の一方
の対向面は互いに密着した接合面として形成さ
れ、他方の対向面には挿入される前記超薄形電子
機器2の厚さよりも僅かに広いエアギヤツプC3
が形成され、更に、超薄形電子機器2が前記1次
側コアのエアギヤツプC3内に挿入された際には、
2次側コア片2aの表裏端面が、それぞれ前記2
個の1次側コア片C1,C2の端面と整列・対峙す
る如く設計され且つ構成される。尚、前記コア片
C1,C2が一体として形成されているものも同様
である。
ところで、このような構成からなる電磁変換ト
ランスにおいて、低周波領域から高周波領域に至
るまでの広範囲に亘つて良好な信号伝送を行うと
ともに、外部に漏洩磁束を生じさせず、またその
放射雑音の低減を図るには次のような条件を満足
する必要がある。
すなわち、広帯域トランスを成す条件は一般的
に低周波領域側においては励磁インダクタンスが
大きいことと、銅損が小さいことが要求される。
他方、高周波領域側では漏洩インダクタンスと分
布容量とを極力小さくすることが必要である。こ
のことは、低周波領域側では磁性体からなるコア
の実効透磁率を高くし、一巻当りのインダクタン
スを増大させることと、巻線容量を大きくしてで
きる限り太い線で巻くことにより巻線抵抗を低く
することである。高周波領域側では1次側コイル
と2次側コイルとの結合を密接にすることと、分
布容量を小さくするために分割巻きを施すことが
必要となる。
しかしながら、前述したような従来の電磁変換
トランスにおいては、1次側コイルL1,L3がそ
れぞれ外部に露出した構成となつているために漏
洩インダクタンスを防止することができず、ま
た、放射雑音を防ぐこともできないという問題が
ある。
(考案が解決しようとする問題点) 以上述べたように従来の電磁変換トランスにお
いては、その構成に起因する問題があつた。
しかしながら、これらの問題は電磁変換トラン
スが設けられた装置内部あるいは近傍に配置され
た他の電子機器への影響による障害発生を招くと
いう原因ともなりかねない等のため、早急にその
解決が望まれていた。
そこで本考案の目的とするところは、上述した
問題点を解決するとともに、低周波領域から高周
波領域に至る広範囲に亘つて良好な伝送を行うこ
とができる電磁変換トランスの提供にある。
[考案の構成] (問題点を解決するための手段) この目的を達成するための本考案の構成は、超
薄形電子機器に内蔵され、筒状コアの内周側に2
次側コイルを備えた2次側コアと、1次側コイル
を内部に備えて一端を開口端とした2つの1次側
有底筒状コアを各開口端を所定間隙を保持して対
向配置するとともに、この所定間隙に前記2次側
コアを両開口端と略平行になるように配置したこ
とを特徴としている。
(作用) 上記構成を有する本考案の作用は、従来いわゆ
る内鉄型であつたコアを筒状とし、また、この筒
状コアの内部にコイルを装着することで、良好な
伝送を実現するとともに、漏洩磁束、放射雑音の
低減を図つている。
(実施例) 以下、本考案の一実施例について図面を参照し
ながら説明する。
第1図は本考案の電磁変換トランスの一実施例
断面図、第2図はその外観斜視図である。
第1図に示す電磁変換トランス3は、コアの形
状を円筒状とした磁性体からなる2つの1次側有
底筒状コア4,5と、同様の磁性体からなる筒状
のコアからなる2次側コア6とを有し、このう
ち、1次側有底筒状コア4,5は2つの端面のう
ちそれぞれ図示一端4a,5aを有底とし、他端
4b,5bをそれぞれ開口端としたものである。
そして、この開口端4bと開口端5bとを略平行
に対向して配置したうえで、この両開口端4b,
5bで形成される所定間隙に2次側コア6を非
接触状態で略平行に挿入して配置している。
前記1次側有底筒状コア4,5はそれぞれ対称
軸10を中心として各コアの高さHと略同寸法か
らなる円柱状突出部4c,5cをその底部と略直
角にそれぞれ形成させ、そしてさらに、該円柱状
突出部4c,5cのそれぞれ長軸に沿つて巻回す
るようにした1次側コイル7,8を設けて1次側
部材とし、これに対して2次側部材は磁性体を筒
状に形成した前記2次側コア6と、この2次側コ
ア6内周側に配置された2次側コイル9、円柱状
コア6aとから構成されている。具体的には、2
次側部材を構成する2次側コア6は、1次側有底
筒状コア4,5の直径と略同様に形成した円筒状
からなり、内周側には対象軸10を中心として図
示厚みh(例えば1mm以下)と略同寸法からなる
前記円柱状コア6aと、この円柱状コア6aの側
壁外周であつて前記2次側コア6の内周側に巻回
するようにして設けた2次側コイル9として構成
している。上記厚みhは1次側コア4,5の厚み
Hの1/2以下とするのが好ましい。このようにし
て、1次側コアと2次側コアとは幾何学的に非対
称となるように構成される。また、以上の構成か
らなる2次側部材は前記第7図に示す超薄形電子
機器2と同様にして超薄形電子機器内に内蔵され
るようにしている。
尚、前述した実施例は1次側有底筒状コアの形
状を円筒形状として説明したが、これに限る趣旨
ではなく、例えば四角筒状であつてもよく、ある
いはさらに他の形状に形成したものであつてもよ
い。またこれに対応して2次側コア6も同様に四
角筒状であつてもよく、あるいはさらに他の形状
に形成してもよい。
以上のように構成された電磁変換トランスの作
用、効果について以下に説明する。
ここで、第2図に示す1次側接続端子10a,
10b,11a,11bのそれぞれ一方(例えば
10aと11a)が導通接続つまり1次側コイル
7と1次側コイル8とが直列に接続され、他方は
図示しない電源あるいは信号源が接続されている
ものとする。
まず、第3図に示すように前述した2次側部材
を超薄形電子機器12内に内蔵させ、この2次側
コア6の両端面と、所定間隙を保持して対向配置
させた1次側有底筒状コア4,5の開口端4b,
5bとを、間隙を保持してすなわち非接触状態で
略平行状態として対向させる。尚、前記所定間隙
は1次側有底筒状コア4,5が設置される装置
の設計上の問題等を勘案して適宜設定すればよ
い。
前記対向させる動作は、通常使用されている他
の電子機器例えば自動取引装置の挿入孔に超薄形
電子機器を挿入することを想定すればよい。
すると、1次側部材で発生する信号源に対応し
た磁界(図中点線で示す)は、円柱状突出部4c
及び円柱状コア6a、円柱状突出部5cを通過し
て1次側有底筒状コア4,5の側壁及び2次側コ
ア6で形成される閉磁路を形成することになる。
このことにより、発生する磁界が構成される電磁
変換トランスの外に漏洩することがなく、放射雑
音を低減させることができる。さらにこのことか
ら、コアの実効透磁率を増加させることができる
ので、低周波数領域及び高周波領域においての信
号伝送を良好なものとすることが可能となる。さ
らに、本実施例では1次側コイル7と8とを直列
接続すなわち分割巻きとしているので、発生する
分布容量を低減させることが可能となり、高周波
領域においてはさらに信号伝送を良好なものとす
ることができる。
以上のことから、本考案の電磁変換トランスに
よれば低周波領域から高周波領域の全領域に亘
り、良好な信号伝送を行うことができるようにな
る。
ところで、2次側コア6の磁性体を多孔質例え
ば網目状のフエライトを用いた場合には抗折強度
を向上させることができるので、これを内蔵した
超薄形電子機器を落下させた際の破損を防止する
ことができる。またさらに、前述した信号源の使
用周波数領域が数100KHz以下の場合では、コア
の材質として帯状のアモルフアス磁性体を巻回あ
るいは積層させて使用することにより、さらに抗
折強度を向上させることが可能である。
尚、本考案は前記図示実施例に限定されるもの
ではなく、その要旨の範囲内で様々に変形実施が
可能である。
例えば、1次側コア4,5それぞれに収納巻回
されているコイル7,8を第4図に示すようにそ
れぞれ上下に分割して、7a,7b及び8a,8
bの如く配置し、2次側コア6に巻回されている
コイル9も同様にして横方向に2分割されたコイ
ル9a,9bとなるような分割巻きとしてもよ
い。このような分割巻きとすることによつて更に
特性の向上が図れる。
又、前記実施例では1次側コアと2次側コアの
外径寸法を略同一としたが、第5図に示すように
異ならせてもよい。すなわち、1次側有底筒状コ
ア4,5の外径をD1とし、2次側筒状コア6の
それをD2としたとき、D1>D2の関係となるよう
にしている。この実施例では1次側有底筒状コア
4,5の内径d1と2次側コアの内径d2との関係も
d1<d2となるように異ならせている。このように
すれば、1次側と2次側の各コア間に若干のずれ
が生じてもトランスの機能を損うことがないとい
う利点を有する。尚、2次側コア6の厚みhを1
次側コア4,5の厚みHの1/2以下に設定してい
ることは言うまでもない。
更に、例えば第6図a,bに示すように、2次
側筒状コア6の外周面側面に凸部20a、凹部2
0bを設けるとか、同図cの如く中心コアに凸部
20c等を設けることにより凹凸部を形成すれ
ば、これがストツパーとして機能し、超薄形電子
機器内に組み込まれたとき、コアの回転やはみ出
しを有効に防止することができる。
[考案の効果] 以上詳述したように本考案によると、漏洩イン
ダクタンス及び放射雑音を防止することができる
とともに、低周波領域から高周波領域に至る広範
囲に亘つて良好な伝送を行うことができる電磁変
換トランスの提供ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案一実施例電磁変換トランスの断
面図、第2図はその外観斜視図、第3図は使用時
の磁路を示す説明図、第4図及び第5図は本考案
の他の実施例を示す断面図、第6図a乃至cは本
考案における2次側コアの変形例を示す断面図、
第7図は従来の電磁変換トランスの説明図であ
る。 3……電磁変換トランス、4……1次側有底筒
状コア、4a,5a……有底端、4b,5b……
開口端、6……2次側コア、6a……円柱状コ
ア、7,8……1次側コイル、9……2次側コイ
ル、12……超薄形電子機器。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 超薄形電子機器に内蔵され、筒状コアの内周
    側に2次側コイルを備えた2次側コアと、1次
    側コイルを内部に備えて一端を開口端とした2
    つの1次側有底筒状コアを各開口端を所定間隙
    を保持して対向配置するとともに、この所定間
    隙に前記2次側コアを両開口端と略平行となる
    ようにして配置したことを特徴とする電磁変換
    トランス。 (2) 前記2次側コアは多孔質フエライトからなる
    ものである実用新案登録請求の範囲第1項に記
    載の電磁変換トランス。 (3) 前記2次側コアはアモルフアス磁性体からな
    るものである実用新案登録請求の範囲第1項に
    記載の電磁変換トランス。 (4) 前記1次側コイル及び2次側コイルは、2以
    上に分割して巻回されたものである実用新案登
    録請求の範囲第1項記載の電磁変換トランス。 (5) 前記2次側筒状コアの外周側面に凹凸部を形
    成した実用新案登録請求の範囲第1項記載の電
    磁変換トランス。 (6) 前記1次側有底筒状コアの外径寸法は、対向
    配置された2次側筒状コアの外径寸法よりやや
    大きくした実用新案登録請求の範囲第1項記載
    の電磁変換トランス。 (7) 前記2次側筒状コアは、対向配置された2個
    の1次側有底筒状コアと幾何学的に非対称であ
    り、その厚みは1/2以下である実用新案登録請
    求の範囲第1項記載の電磁変換トランス。
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