JPH0539330Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、冷房装置の蒸発器用等に使用される
空気熱交換器に関するものである。

（従来の技術） この種の空気熱交換器としては、多数平行に並
設された伝動管に対して、プレート状のフインを
多数直交状に配設してなるプレートタイプの空気
熱交換器が従来から多用されている。このような
構造の空気熱交換器いおいては、冷房運転中に空
気中の水分が結露してフイン面にドレン水として
排出するが、高風速運転時には、このドレン水が
フイン面に風下側端部にまで達し、ついには冷風
とともに室内へ飛散することがある。そこで、か
かる室内への水滴飛散を防止するために、従来か
ら種々の工夫がなされており、例えば、特開昭50
−83850号公報記載に如く、フインの端部にドレ
ン水を下方へ案内するための排水案内を形成した
もの等が知られている。

（考案が解決しようとする問題点） 上記公知例の如く、フイン端部に形成した排水
案内穴によつてフイン面のドレン水を下方へ案内
するようにした場合、ドレン水の排出が多い場合
等には、該排出案内穴を飛び越えて室内側へ水滴
が飛散するおそれがあり、水滴飛散防止対策とし
て十分なものとは言えない。

本考案は、上記の点に鑑みてなされたもので、
フイン面に結露するドレン水を速やかに下方へ流
下せしめるようにすることによつて、高風速運転
時における室内への水滴飛散を効果的に防止する
ことを目的とするものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案では、上記問題点を解決するための手段
として、図面に示すように、多数平行に並設され
た水平な伝熱管１，１……に対して、プレート状
の多数のフイン２，２……を直交状に配設してな
る空気熱交換器において、前記各フイン２におけ
る風下側端部に、垂直方向に延びる凹条溝４を形
成するとともに、該凹条溝４に、前記伝熱管１，
１……間の高風速域にあつて垂直方向に延び且つ
上下両端部が前記伝熱管１，１……の風下側とな
る低風速域に位置する切起し片５，５……を形成
している。

（作用） 本考案は、上記手段によつて次のような作用が
得られる。

即ち、この空気熱交換器を冷房装置の蒸発器と
して使用する場合、フイン２面に空気中の水分が
結露して、ドレン水として排出するが、このドレ
ン水は、高風速運転時には空気流Ｗにあおられて
各フイン２の風下側端部に集まつた後、該フイン
２の風下側端部に形成された凹条溝４内に導か
れ、該凹条溝４に沿つて下方へ速やかに流下せし
められる。従つて、ドレン水滴に室内側への飛散
はなくなるのである。なお、この凹条溝４内に導
びかれたドレン水は、その表面張力により該凹条
溝４に形成された切起し片５，５……の両面に付
着した状態で流下することとなる、フイン２面に
排出するドレン水の量が多い場合にも。凹条溝４
内のドレン水に対する空気流Ｗの影響が防止され
るのである。

（実施例） 以下、添付の図面を参照して本考案の幾つかの
好適な実施例を説明する。

実施例 １ 第１図および第２図には、本考案の第１実施例
が示されている。

本実施例の空気熱交換器は、多数平行に並設さ
れた水平な伝熱管１，１……に対して、空気流Ｗ
の流通方向に波状を呈するプレート状の多数のフ
イン２，２……を直交状に配設したプレートフイ
ンタイプとされている。

前記各フイン２は、薄金属板を波形に加工して
なる２枚のフイン基板３，３を連接して構成され
ており、該各フイン基板３の空気流Ｗに直交する
両端部には、垂直方向ににびるＶ字状の凹条溝
４，４が形成されている。

そして、前記各凹条溝４内には、前記伝熱管
１，１……間の高風速域にあつて垂直方向に延び
且つ上下両端部が前記伝熱管１，１……の風下側
となる低風速域（即ち、伝熱管１の風上側および
風上側）に位置する切起し片５，５……が形成さ
れている。該切起し片５は、フイン２において垂
直方向に延びる相対向する二辺の一方を切断し、
他方を折り返し基部として切起してルーバ状に形
成されており、本実施例においては、凹部条溝４
における外側斜面４ａには、表裏一対の切起し片
５，５が形成され、凹条溝４の内側斜面４ｂに
は、表側のみに切起し片５が形成されている。ま
た、本実施例においては、各フイン基板３の両側
部は、前記凹条溝４の凹陥方向に屈曲されて折曲
部３ａ，３ａとされている。前記切起し片５とし
ては、本実施例におけるルーバ状のものの外、垂
直方向に延びる相対向する二辺を切断し、水平方
向の相対向する二辺を基部として切起してなるス
リツト状のものとしてもよい。なお、上記実施例
では、各フイン基板３の両側端部に凹条溝４，４
を形成しているが、このようにしたことにより、
空気熱交換器の上下を逆にして使用する場合にも
対処できることとなつているのである。符号６は
伝熱管１が嵌挿され且つフインカラーである。

ついで、上記第１実施例にかかる空気熱交換器
の作用を説明する。

この空気熱交換器を冷房装置の蒸発器として使
用する場合、フイン２面に空気中の水分が結露し
て、ドレン水として排出する。このドレン水は、
高風速運転時には空気流Ｗにあおられて各フイン
２の風下側端部に集まつた後、該フイン２の風下
側端部に形成された凹条溝４内に導かれ、該凹条
溝４に沿つて下方へ速やかに流下せしめられる。
この時、凹条溝４内に導びかれてドレン水は、そ
の表面張力により該凹条溝４に形成された切起し
片５，５……の両面に付着した状態で流下するこ
ととなり、フイン２面に排出するドレン水の量が
多い場合にも、凹条溝４内のドレン水に対する空
気流Ｗの影響が防止されるのである。上記の如く
して、凹条溝４内に導びかれたドレン水は、速や
かに下方に流下することとなるため、高風速運転
時においてもドレン水滴の室内側への飛散はなく
なるのである。

実施例 ２ 第３図には、本考案の第２実施例が示されてい
る。

本実施例の場合、フアン２における高風速域
（換言すれば、空気流Ｗに対して直交する如く隣
接する伝熱管１，１相互間）に、垂直方向に延び
る相対向する二辺の一方を切断し、他方を折り返
し基部として切起してなる多数のルーバ状のフイ
ン片７，７……が形成されている。これらのフイ
ン片７，７……は、熱伝達性能の向上に大いに寄
与するものである。その他の構成および作用効果
は、前記第１実施例と同様なので、その説明を省
略する。

前記各実施例にかかる空気熱交換器において、
凹条溝４の両面に対して親水性処理を施すと、ド
レン水の下方へ流下が促進されることとなり、水
滴飛散防止により効果的となる。

本考案は、上記実施例の構成に限定されるもの
ではなく、考案の要旨を逸脱しない範囲において
適宜設計変更可能なことは勿論である。

（考案の効果） 叙上の如く、本考案によれば、多数平行に並設
された水平な伝熱管１，１……に対して、プレー
ト状の多数のフイン２，２……を直交状に配設し
てなる空気熱交換器において、前記各フイン２に
おける風下側端部には、垂直方向に延びる凹条溝
４を形成するとともに、該凹条溝４に、前記伝熱
管１，１……間の高風速域にあつて垂直方向に延
び且つ上下両端部が前記伝熱管１，１……の風下
側となる低風速域に位置する切起し片５，５……
を形成したので、冷房装置の蒸発器として使用す
る場合おいて、フイン２，２……面に空気中の水
分が結露してドレン水として排出するが、高風速
運転時にはこのドレン水が空気流Ｗにあおられて
各フイン２の風下側端部に集まつた後、該フイン
２の風下側端部に形成された凹条溝４内に導か
れ、該凹条溝４に沿つて下方へ速やかに流下せし
められることとなり、ドレン水滴の案内側への飛
散が防止されるという実用的な効果がある。

また、前記凹条溝４内に導びかれたドレン水
は、その表面張力により該凹条溝４に形成された
切起し片５，５……の両面に付着した状態で流下
することとなり、フイン２面に排出するドレン水
の量が多い場合にも、凹条溝４内のドレン水に対
する空気流Ｗの影響が効果的に防止されるという
効果もある。

さらに、高風速での使用が可能となるため、熱
伝達性能の向上を図ることもできるという利点も
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１実施例にかかる空気熱交
換器の要部断面図（即ち、第２図−拡大断面
図）、第２図は本考案の第１実施例にかかる空気
熱交換器の要部を示す縦断側面図，第３図は本考
案の第２実施例にかかる空気熱交換器の第１図相
当図である。 １……伝熱管、２……フイン、４……凹条溝、
５……切起し片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 多数平行に並設された水平な伝熱管１，１……
   に対して、プレート状の多数のフイン２，２……
   を直交状に配設してなる空気熱交換器において、
   前記各フイン２における風下側端部には、垂直方
   向に延びる凹条溝４を形成するとともに、該凹条
   溝４には、前記伝熱管１，１……間の高風速域に
   あつて垂直方向に延び且つ上下両端部が前記伝熱
   管１，１……の風下側となる低風速域に位置する
   切起し片５，５……を形成したことを特徴とする
   空気熱交換器。