JPH0539321A - 1,3−ジオキソラン誘導体化合物を共重合成分とする樹脂組成物 - Google Patents

1,3−ジオキソラン誘導体化合物を共重合成分とする樹脂組成物

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JPH0539321A
JPH0539321A JP26874591A JP26874591A JPH0539321A JP H0539321 A JPH0539321 A JP H0539321A JP 26874591 A JP26874591 A JP 26874591A JP 26874591 A JP26874591 A JP 26874591A JP H0539321 A JPH0539321 A JP H0539321A
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JP26874591A
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Akira Nagata
章 永田
Atsushi Iyoda
惇 伊与田
Reikichi Iwamoto
令吉 岩本
Masaru Miya
勝 見矢
Koji Ota
浩二 太田
Kingo Uchida
欣吾 内田
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National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光学用プラスチック材料の耐熱性を改善する
ために、溶融成形が可能であり、成形後に300nmより長
波長の紫外線照射により架橋硬化して光学用材料として
好適に使用しうる樹脂組成物として、1, 3−ジオキソ
ラン誘導体化合物を共重合成分とする樹脂組成物を提供
する。 【構成】 下記一般式で示される1, 3−ジオキソラン
誘導体化合物を共重合成分とする樹脂組成物。 【化14】 ただし式中、n=1のときはRは水素原子またはメチル
基であり、n=2のときRはメチル基である。 【効果】 ポリメタクリル酸メチル等の光学用プラスチ
ック材料について、その光学特性、成形量産性を低下さ
せることなく耐熱性が改善でき、光学用プラスチックの
品質向上、適用拡大が行われる接着剤等への波及効果も
持つ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は1,3−ジオキソラン誘
導体化合物を共重合成分とする光架橋性の樹脂組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリメタクリル酸メチル (以下、
PMMAと略記する) は、優れた透明性のために、プラ
スチック光学レンズやプラスチック光ファイバーなどの
光路媒体材料として有望視され、現に利用されている
が、物性の改善、特に耐熱性の改善が大きな要請となっ
ていた。
【0003】そして耐熱性の改善には、 (イ) 素材PM
MAの分子量を大きくする方法、(ロ) 耐熱性モノマー
などとの共重合によって素材PMMAの耐熱性を向上す
る方法、および (ハ) 成形後に三次元架橋構造を形成さ
せる方法などが検討されていた。ところで、PMMAは
線状高分子で熱可塑性であることを利用して、通常、量
産性の点で優位な射出成形法などの溶融成形法により成
形されている。これらの成形法では、PMMAの加熱時
の流動特性が生産性に大きく影響し、前記 (イ) および
(ロ) の方法では、この流動特性を低下させることにな
るので、耐熱性向上には限界があった。
【0004】特に光路媒体材料では、流動特性の低下は
成形時にひずみを生じ、成形材料の光学的性質に大きく
影響して光学的性質を低下させる欠点があった。また上
記 (ハ) の方法、すなわちPMMAに架橋構造を付与し
て三次元構造とする方法としては、ハードコンタクトレ
ンズのように、切削,研摩等、機械加工上の要請からグ
リコールジメタクリレートを用いて注型重合する方法が
知られているが、注型重合法による成型は、熱による重
合および架橋であり、熱硬化性樹脂成形品程度の生産性
しか期待できず、量産性では射出成形法等の溶融成形に
はるかに及ばない欠点があった。
【0005】一方、下記一般式で示される1,3−ジオ
キソラン誘導体 (式中、 R1 =HまたはCH3, R2 =CH
3, C2H5,n-C3H7 のアルキル基またはフェニル基であ
る) は、
【化2】
【0006】単独で紫外線照射により重合, 架橋して不
溶化すること、また R2 =CH3 のものはメタクリル酸エ
ステル等と共重合でき、共重合体は紫外線照射により架
橋して不溶化することが知られている。しかしながら、
これらに用いる光照射の波長は300nmより短いことが要
求されるので、共重合体のメタクリル酸エステル成分の
劣化を伴い、また通常、有色の増感剤を必要とするの
で、着色をきらう場合には使用できない問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】PMMA等の光学用プ
ラスチック材料光学的特性と成形量産性を維持しつつ、
その物性、特に耐熱性の改善を行うために、溶融成形が
可能で、しかも成形後に300nmより長波長の紫外光で架
橋硬化しうる樹脂組成物を提供しようとするものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決すべく行われたものであり、1, 3−ジオキソラン
の新規誘導体化合物を検討するなかでかかる化合物がメ
チルメタクリレート等と共重合することができ、共重合
体樹脂組成物は溶融成形が可能であるばかりか、300nm
より長波長の紫外線照射によって可視域に吸収を持たな
い架橋体を与え、かかる架橋体は光学レンズなどの無色
透明材料として好適であることを確かめ、本発明をなす
に至った。
【0009】本発明の樹脂組成物は、下記一般式で示さ
れる1, 3−ジオキソラン誘導体を共重合成分とするも
のである。
【化3】
【0010】ただし式中、n=1のときRは水素原子ま
たはメチル基であり、n=2のときRはメチル基であ
る。本発明の樹脂組成物における上記1, 3−ジオキソ
ラン誘導体化合物は、いづれも新規化合物であり、たと
えば下記化合物番号の化合物をあげることができる。
【0011】
【化4】 (2−メチル−2−アセトニル−1, 3−ジオキソラン
−4−イル) メチルアクリレート
【0012】
【化5】 (2−メチル−2−アセトニル−1, 3−ジオキソラン
−4−イル) メチルメタクリレート
【0013】
【化6】 〔2−メチル−2− (β−アセチルエチル) −1, 3−
ジオキソラン−4−イル〕メチルメタクリレート かかる新規1, 3−ジオキソラン誘導体化合物は下記製
造法1または2により製造することができる。
【0014】製造方法1
【化7】 ただし、R=HはまたはCH3 , n=1または2である。
反応は、ジケトン化合物 (B) を溶媒を兼ねてエポキシ
化合物 (A) に対してモル比で数倍〜10倍以上の大過剰
に用い、リン酸触媒の存在下でアセタール化することに
より行なわれる。反応は通常、60℃, 1時間程で良く、
NaOH水でリン酸を中和した後に有機層を精留すると、
1, 3−ジオキソラン誘導体化合物 (C)が得られる。
化合物 (C) の収率は20〜40%である。
【0015】製造方法2
【化8】 ただし、RはHまたはCH3 , M=KまたはNa等のアルカ
リ金属, X=ClまたはBr, n=1または2である。反応
は、アクリル酸またはメタクリル酸のアルカリ金属塩
(D) と1, 3−ジオキソランハロゲン化物 (E) を、
ジメチルスルホキシド中で加熱, 攪拌することにより行
なわれる。目的とする1, 3−ジオキソラン誘導体化合
物 (C) の収率は40〜65%である。
【0016】以上の製造方法により得られた1, 3−ジ
オキソラン誘導体化合物はいづれも新規化合物であり、
元素分析およびNMRにより同定した。これら化合物の
特性を下記表1に示す。本発明の樹脂組成物は、上述し
た新規1, 3−ジオキソラン誘導体化合物を共重合成分
として、他のモノマー種と共重合させることにより得ら
れる。
【0017】ここで他のモノマー種としてはメタクリル
酸メチル, メタクリル酸シクロヘキシル, メタクリル酸
ベンジルなどのメタクリル酸エステル類, スチレンおよ
び酢酸ビニルなどを挙げることができるが、本発明はこ
れに限定されるものではなく、共重合樹脂組成物を紫外
線照射により架橋したときに、無色透明な架橋樹脂組成
物を与えることができる他のモノマー種を広く使用する
ことができる。これら他のモノマー種は、通常は重合反
応直前に蒸留して使用される。また、他のモノマー種お
よび1, 3−ジオキソラン誘導体化合物は1種に限定さ
れるものではなく、複数種であっても良い。
【0018】
【表1】
【0019】共重合樹脂組成物における1, 3−ジオキ
ソラン誘導体化合物の含有量は、通常では1〜50重量
%, 好ましくは2〜20重量%である。1, 3−ジオキソ
ラン誘導体化合物の含有量が1重量%に満たないと架橋
が不十分で三次元構造による改質効果が小さくなり、ま
た50重量%を越えると架橋構造により改質される樹脂本
来の性質の変化の度合が大きくなるので、好ましくな
い。
【0020】かかる範囲内において、1, 3−ジオキソ
ラン誘導体化合物の量は、所望する架橋度および他の物
性値により選択される。共重合反応は通常のラジカル重
合開始剤、たとえばベンゾイルペルオキシド,ジクロロ
ベンゾイルペルオキシド, ジ−t−ブチルペルオキシ
ド, ジイソプロピルピルオキシカーボネートなどを用い
ることにより行なわれる。たとえばラジカル開始剤をト
ルエン溶液として重合容器、たとえば褐色ガラスアンプ
ルに所定量の他のモノマー種と1,3−ジオキソラン誘
導体化合物と共に仕込み、不活性気体、たとえばアルゴ
ンガスで置換し、1〜72時間, 室温〜100℃で行なわれ
る。また、重合反応溶媒としては、重合反応に不活性な
ものであれば良く、通常トルエンなどの炭化水素溶媒が
用いられる。反応後は、重合液の約50倍量の再沈澱剤中
に重合液を注ぎ、共重合体を沈澱させて共重合体を精製
する。再沈澱剤としては、通常、メタノール, リグロイ
ンが用いられる。
【0021】得られた精製ポリマーの共重合組成比は、
精製ポリマーの元素分析値、あるいはDCCl3溶液の1HNMR
を測定して算出される。精製された本発明の樹脂組成物
は熱可塑性を有し、プレス成形あるいはインジェクショ
ン成形等により成形品とすることができる。また、一般
にクロロホルム, ジクロロメタン、トルエンなどの溶媒
に可溶であるので、溶液キャスト法あるいはスピンコー
ト法等により薄膜とすることができる。
【0022】本発明の樹脂組成物は、成形品とした後に
300nmもしくはそれより長波長の紫外線に露光させると
光反応により架橋が起こり、改質される。架橋改質が起
こっていることは、ゲル化して溶媒に不溶となることか
ら明らかである。本発明の樹脂組成物は紫外光による架
橋改質によって軟化点は上昇し、耐熱性が改善される。
しかしながら、この処理により透明性、屈折率などの光
学特性は変化しておらず、また着色等は見られず、光学
的性質に悪影響はない。以下、本発明の実施例を述べ
る。
【0023】
【実施例】
参考例1 製造方法1による〔2−メチル−2− (β−アセチルエ
チル) −1, 3−ジオキソラン−4−イル〕メチルメタ
クリレート (化合物番号3) の製造。300mlフラスコ
に、グリシジルメタクリレート (前記化合物Aにおい
て、R=CH3 ) 20g (0.141モル) , アセトニルアセトン
(化合物Bにおいてn=2) 170g(1.49モル) , 85%リ
ン酸16g (0.14モル) , および重合禁止剤としてのハイ
ドロキノン20mgを仕込み、攪拌, 均一化後に60℃で1時
間反応させた。次いで冷却後、ベンゼン100mlを加えて
希釈し、この希釈した反応液を、10%水酸化ナトリウム
水溶液80mlで3回振とう,洗浄した後に有機層を分離し
た。一方、全水層をベンゼン50mlで抽出し、ベンゼン層
を有機層と合併した。
【0024】この合併した有機層に重合禁止剤のN−フ
ェニル−β−ナフチルアミン10mgを添加して、減圧下に
ベンゼンおよび過剰の未反応アセトニルアセトンを回収
した後に、残液を15cmビグリュー精留管を用いて精留し
た。沸点120℃/0.6mmHg〜135℃/1.5mmHgの留分16.1
gを得た。収率45%であった。
【0025】またガスクロマトグラフ分析の結果、純度
98%であり、再蒸留した沸点 130〜132℃/1.2mmHgのも
のは、元素分析および 1H-NMR、13C-NMRから、下記構造
式の
【化9】 〔2−メチル−2− (β−アセチルエチル) −1, 3−
ジオキソラン−4−イル〕メチルメタクリレート (化合
物番号3) であることを確認した。
【0026】参考例2 (2−メチル−2−アセトニル−1, 3−ジオキソラン
−4−イル) メチルメタクリレート (化合物番号2) の
製造。参考例1と同様にして、グリシジルメタクリレー
ト35g (0.246モル), アセチルアセトン (化合物Bにお
いて、n=1) 274g (2.74モル) , 85%リン酸28gか
ら、沸点120〜125℃/1.5mmHgの留分22g (収率37%)
の、下記構造式を有する(2−メチル−2−アセトニル
−1, 3−ジオキソラン−4−イル) メチルメタクリレ
ート (化合物番号2) を得た。
【0027】
【化10】 参考例3 製造方法2による (2−メチル−2−アセトニル−1,
3−ジオキソラン−4−イル) メチルアクリレート (化
合物番号1) の製造。2−メチル−2−アセトニル−4
−クロロメチル−1, 3−ジオキソラン (化合物Eにお
いて、n=1, X=Cl) 3.8g (0.02モル) 、ジメチルス
ルホキシド10ml, クロロベンゼン4ml, アクリル酸カリ
ウム (化合物D, R=H, M=K)2.2g, N−フェニル
−β−ナフチルアミン10mg (重合禁止剤) を蒸留フラス
コに入れ、加熱して液温が 160℃になるまで留分を留出
させた。なお、クロロベンゼンは反応系の水分を共沸混
合物として除去するために、使用した。
【0028】液温 160℃に1時間保持した後に、冷却
し、沈澱物を濾別し、母液をビグリュー管付蒸留フラス
コに移し、減圧蒸留して沸点114〜116℃/1.5mmHgの留
分、2.5g (収率55%) を得た。このものは、元素分析お
よび 1H-NMR , 13C-NMR の結果から、下記構造式を有す
る (2−メチル−2−アセトニル−1, 3−ジオキソラ
ン−4−イル) メチルアクリレート (化合物番号1) で
あることを確認した。
【0029】
【化11】 参考例4 参考例3に用いた2−メチル−2−アセトニル−4−ク
ロロメチル−1,3−ジオキソラン (化合物E, n=1,
X=Cl) は下記のようにして製造した。エピクロルヒ
ドリン (化合物G, X=Cl) 28g (0.3モル) アセチルア
セトン (化合物B, n=1) 150g (1.5モル) 、85%リ
ン酸34gを300mlフラスコに仕込み、60℃で1時間反応
させた後、反応液にベンゼン100mlを加え、10%水酸ナ
トリウム水溶液100mlで振盪し、有機層と分離した。有
機層を更に2回、同様に水酸化ナトリウム水溶液で処理
した。3回分の水層を合併して、新たなベンゼン 150ml
で振とう、抽出し、ベンゼン層を母液の有機層に合併し
た。
【0030】この合併した有機層を減圧下にベンゼンお
よび未反応アセチルアセトンを留去した後、ビグリュー
精留管を用いて精留した。沸点80〜80.5℃/1.2mmHgの
留分11.1g (収率19%) を得た。このものは、元素分析
および 1H-NMR , 13C-NMR から下記構造式の2−メチル
−2−アセトニル−4−クロロメチル−1, 3−ジオキ
ソラン (化合物E, X=Cl, n=1) であることを確認
した。
【0031】
【化12】 実施例1〜10, 比較例1〜7。 参考例1〜3で製造した1, 3−ジオキソラン誘導体化
合物の共重合および得られた共重合体の紫外線照射によ
る架橋を行なった。重合は、重合開始剤としてジイソプ
ロピルペルオキシジカーボネートのトルエン溶液を用
い、褐色ガラスアンプルに所定量のモノマー種 (A:他
のモノマー種、B:本発明の1, 3−ジオキソラン誘導
体化合物) , 重合開始剤, 溶媒を仕込み、アルゴンガス
で置換, 封管し、40℃で48時間反応させた。重合反応液
は、いづれも均一相溶液であり、これを冷却後に、室温
下で所定の再沈澱剤 (反応液の約50倍量) 中に、攪拌し
ながら徐々に注ぎ重合体を沈澱させた。
【0032】重合体を濾別し、風乾後、再度、重合時と
同一の溶媒を用いて約15%溶液とし、再び新たな再沈澱
剤 (溶液の約50倍量)中に注ぎ、再沈澱させた。沈澱ポ
リマーを濾別し、風乾後、40℃, 真空下に3日間乾燥
し、秤量した。また、得られた精製共重合樹脂組成物の
フィルムに紫外線を照射して光架橋を行なった。結果を
下記表2および表3に示す。
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】また比較例としてメタクリル酸メチル, ス
チレン, メタクリル酸ベンジル, 酢酸ビニルのホモポリ
マー, および既知の1, 3−ジオキソラン誘導体 (化合
物番号4) とメタクリル酸メチルとの共重合体の例を表
2に併記した。なお、表2および表3において、フィル
ム成形法 (I) は溶液キャスト法であり、クロロホルム
溶液をガラス板上に流し、しゃ光して風乾した後に40℃
で3日間、真空乾燥した。
【0036】また (II) は熱成形法であり、共重合体粉
末を真空プレスにより、金型温度180 ℃で30分間加圧,
加熱して成形した。成形後、照射前のフィルムはクロロ
ホルムに完全に溶解する。また照射条件は、日本分光
(株)製のCRM-FA形回析格子照射分光器 (Xeアークランプ
2KW, スリット幅5mm) を用い、(a)-1では中心波長 3
53nm, 4×106erg/cm2 , (a)-2では中心波長 301nm,
3×106erg/cm2 で照射した。照射時の温度は各々、16
〜20℃であった。
【0037】また(b)では、ウシオ電機(株)製の100W
高圧水銀灯を用い、管球面から5cmの位置で60分間, 照
射した。温度はほぼ30℃であった。照射後の変色, 変形
は、通常、目視により判定した。ゲル化判定の溶とは、
照射前と同様にクロロホルムに溶解すること、不溶とは
フィルム形状を保持して膨潤することを示す。なお、共
重合成分として酢酸ビニルを用いた比較例7, 実施例9
および10では、共重合体が粘着性ポリマーのため、カバ
ーグラスにキャストしたものを用い、ミクロ天秤で重量
変化をチェックした。また、化合物番号4の化合物は、
下記構造式を有する既知化合物である。
【0038】
【化13】 表2から明らかなように、1, 3−ジオキソラン誘導体
化合物を共重合成分とする本発明の樹脂組成物は成形後
の紫外線照射によって、容易に架橋される。また、表3
から1, 3−ジオキソラン誘導体を共重合成分とする本
発明の樹脂組成物は、紫外線照射により架橋が行なわれ
たにもかかわらず、屈折率や全光線透過率の光学的性質
が全く影響されないことが明らかである。
【0039】実施例11 実施例2で得られた共重合生成物の粉末を真空プレスに
より金型温度 160℃で30分間、加圧, 加熱して得られた
成形ブロックを、再度、枠つき平板金型に入れ、金型温
度 160℃で30分間、空気中で加圧, 加熱して0.2mm厚さ
のフィルム試料を作成した。フィルムは2分割し、一片
は非照射試料とし、他の一片は、 250W超高圧水銀灯を
装填したウシオ電機製紫外線照射装置UIS-251Hに、波長
270nm 以下の低波長紫外光を除くためのパイレックスガ
ラスフィルターを付して60分間照射し、架橋させた。
【0040】これら二つの試料片の熱的性質を、理学電
機製の熱機械測定装置を用い、定荷重針入法により昇温
速度5℃/分で比較した結果、第1変曲点温度および第
2変曲点温度は非照射試料で、それぞれ84℃, 149℃の
ものが、照射後の試料では、それぞれ121℃, 228℃に上
昇した。 参考例5 時計皿に化合物番号1の化合物52mgを秤量して入れ、実
施例11で用いた照射装置で30分間照射した。時計皿にク
ロロホルムを注ぎ入れ、可溶性部分を溶解除去する操作
を数回繰り返した後、真空乾燥して溶媒を除き秤量した
結果、不溶の残留ゲルは49mgであった。
【0041】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の樹脂組成物
は溶媒可溶で熱可塑性を有し、溶融成形が可能である。
また、本発明の樹脂組成物は、1, 3−ジオキソランの
2位置に含カルボニル置換基を有し、そのため従来より
も長波長である300nm以上の紫外光に感光して架橋する
特長があり、増感剤使用による着色や短波長紫外光によ
る分解を避けることができる。これらの特長により、本
発明の樹脂組成物は、基材樹脂、例えばPMMAの光学
的特性や溶融成形による高い生産性を維持しつつ、成形
後に光照射して架橋させることによりその耐熱性等の物
性を容易に改善することができる。得られた架橋体は三
次元構造であるので、切削等の機械加工も容易であり、
プラスチック光学レンズなどの無色透明性を要する材料
として好適である。また1, 3−ジオキソラン誘導体化
合物は、単独でも紫外光照射によって重合, ゲル化す
る。従って、本発明の樹脂組成物は、光照射による架橋
性を利用した接着剤, コーティング材料, フォトレジス
ト等光加工材料としての用途も期待される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 太田 浩二 大阪府池田市五月丘3−4−8 (72)発明者 内田 欣吾 大阪府池田市神田4−12−16

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式で示される1,3−ジオキソ
    ラン誘導体化合物を共重合成分とする樹脂組成物。 【化1】 ただし式中、n=1のときRは水素原子またはメチル基
    であり、n=2のときはRはメチル基である。
JP26874591A 1991-09-19 1991-09-19 1,3−ジオキソラン誘導体化合物を共重合成分とする樹脂組成物 Pending JPH0539321A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP2188831A1 (en) * 2007-08-24 2010-05-26 Molecular Imprints, Inc. Reduced residual formation in etched multi-layer stacks
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