JPH0539222U - 移植機における植付け装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 苗タンクの下側レールが支持されるスライド
ピースを、側方に張出したピース取付パイプ等を設ける
ことなく取付けて苗タンクの取付調整を容易にする。 【構成】 苗タンク１７の下側レール２４がスライドす
るスライドピース２７をスライドピース取付ブラケット
２５に取付けると共に、スライドピース取付ブラケット
２５をプランタケース１４に固定した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、プランタケースの上方に苗タンクを左右往復動自在に設けた移植機 における植付け装置に係るものである。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、多条植田植機等の移植機においては、植付け装置に設けたプランタケ ースの上方に、苗が載置される苗タンクを、その上下レールがスライドするスラ イドピースを介して左右往復動自在に支持し、苗タンクからエプロン上に送り出 された苗をプランタケースに設けた苗植付杆で掻取って田面に植付けるようにし たものが知られている。 ところが、このような移植機に苗タンクを組込むに当り、従来は、プランタケ ースの側方に張出したピース取付パイプを別に設け、このピース取付パイプにス ライドピースをボルト等で固着して、苗タンクの下側レールを支持している。こ のため、苗タンクの取付構造が複雑となり、取付調整が面倒なうえ、全体重量も 増大して機体の重量バランスが悪くなるという問題があった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、上記の如き実情に鑑み創案されたものであって、殊更プランタケー スの側方に張出したピース取付パイプ等を設けることなく、スライドピースで苗 タンクの下側レールを支持することができて、苗タンクの取付構造が簡単軽量と なって機体の重量バランスの向上を図ることができる移植機における植付け装置 を提供することを目的としたものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記の課題を解決するため、本考案が講じた技術的手段は、プランタケースの 上方に苗タンクを、苗タンクの上下レールがスライドするスライドピースを介し て左右往復動自在に支持し、苗タンクの下端に臨んで配設されたエプロン上に送 り出される苗を、プランタケースに設けた苗植付杆が掻取って圃場に植付けるよ うにした移植機において、上記苗タンクの下側レールがスライドするスライドピ ースをスライドピース取付ブラケットに取付けると共に、スライドピース取付ブ ラケットをプランタケースに固定したことを特徴とするものである。

【０００５】

【作用】

したがって本考案によれば、プランタケースの上方にスライドピースを介して 支持された苗タンクは、上下レールがスライドして左右に往復動し、苗タンクの 下端に臨んで配設されたエプロン上に苗を送り出す。送り出された苗は、プラン タケースに設けた苗植付杆が掻取って圃場に植付ける。 そして苗タンクの下側レールがスライドするスライドピースは、プランタケー スに固定したスライドピース取付ブラケットに取付けるのみでよいから、苗タン クの取付構造が簡単軽量となって、機体の重量バランスが向上する。

【０００６】

【実施例】

次に本考案の実施例を移植機として例示した乗用田植機の図面に基いて詳述す る。１は走行機体であって、前輪２および後輪３を備えた機体フレーム４にエン ジン５が搭載され、その後方には運転席６が配設されている。７は走向ハンドル 、８はミッションケースであって、該ミッションケース８から後輪を駆動するＰ ＴＯドライブ軸９および作業機ＰＴＯ軸１０が機体後方に向けて延設されている 。 １１は走行機体１の後部に設けた平行リンク機構であって、該平行リンク機構 １１を介して装着された植付け装置１２が、油圧シリンダ１３の伸縮作動により 昇降可能となっている。 １４は上記植付け装置１２に設けたプランタケースであって、該プランタケー ス１４の後端側に植付作動する植付爪１５を備えた苗植付杆１６が装着されてい る。 またプランタケース１４の上方には苗タンク１７が前高後低状に支持されてお り、下方にはセンタフロート１８、サイドフロート１９が上下動自在に配設され ている。 上記苗タンク１７の上面は、植付条数に対応した苗のせ台に区画形成されてい て、それぞれにマット苗等が載置できるようになっている。２０は左右方向のエ プロンであって、上記苗タンク１７の下端部に臨んで配設されており、該エプロ ン２０上に送り出された苗を、前記苗植付杆１６が掻き取って田面に植付ける。 ２１はゴムベルト等からなる苗縦送り装置、２２は苗おさえである。 上記苗タンク１７は、上部側に設けた上側レール２３と、下端部に設けた下側 レール２４とが、スライドピースによって支持されていて、図示しない横送り機 構により、左右往復動自在となっている。

【０００７】 そして、本考案では、下側レール２４の支持構造が次のように構成されている 。 すなわち、２５はスライドピース取付ブラケットであって、該スライドピース 取付ブラケット２５の段部２６が形成された表面に、スライドピース２７が密接 状に冠着されている。また苗タンク１７の裏面側下端に設けた前記下側レール２ ４には、スライドピース２７の上面に沿って突出するスライド片２８が突成され ている。２９はスライドピース２７の上方から、スライドピース２７を貫通する 取付ボルト３０を介してスライドピース取付ブラケット２５に着脱自在に装着さ れる苗タンク取付ピースであって、該苗タンク取付ピース２９をスライドピース ２７上に固定すれば、該苗タンク取付ピース２９の突出部３１と、スライドピー ス２７との対向間に、前記下側レール２４のスライド片２８をスライド自在に支 持するようになっている。３２はスライド片２８がスライドピース２７の段部に 係止する係止縁部である。 そして上記スライドピース取付ブラケット２５がボルト３３を介してプランタ ケース１４の前端側上部に直接固定されている。３４はその位置決めガイドであ る。

【０００８】 ３５は、エプロン２０の調節ボルトであって、該調節ボルト３５は、スライド ピース取付ブラケット２５に設けた上下方向の長孔３６を貫通し、その先端部が 、苗タンク１７の裏面側に向けてエプロン２０に形成された立上り部３７に取付 固定されている。一方、調節ボルト３５の基端部が、リンク機構３８を介して植 付本数調整レバー３９に連動連結されていて、該植付本数調整レバー３９の操作 により、エプロン２０と苗タンク１７の下端との間隔が拡縮して、苗植付杆１６ による苗植付本数を調整できるようになっている。 また、下側レール２４の下端部には凹部４０が形成されていて、下側レール２ ４の左右両端近傍位置には、エプロン２０の立上り部３７に沿ってスライドする ガイドピース４１が上記凹部４０に設けられている。

【０００９】 上記の如き構成において、植付作業を行うに当り、植付け装置１２を下降させ て圃場を走行すれば、左右往復動する苗タンク１７からエプロン２０上に送り出 された苗を、苗植付杆１６が掻取って田面に植付ける。そして苗タンク１７は、 下側レール２４のスライド片２８が、スライドピース２７と苗タンク取付ピース ２９との対向間に支持されて左右に往復動するが、このとき下側レール２４の左 右両端近傍位置に設けたガイドピース４１が常にエプロン２０の立上り部３７に 沿ってスライドする。 したがって、スライドピース２７が冠着されたスライドピース取付ブラケット ２５を、直接機体内側のプランタケース１４に固定するのみで、苗タンク１７を 安定した状態で支持できるので、苗タンク１７の取付構造が簡単軽量となって取 付調整を容易に行うことができるうえ、機体の重量バランスを良好にすることが できる。

【００１０】

【考案の効果】

これを要するに本考案は、プランタケースの上方に苗タンクを、苗タンクの上 下レールがスライドするスライドピースを介して左右往復動自在に支持し、苗タ ンクの下端に臨んで配設されたエプロン上に送り出される苗を、プランタケース に設けた苗植付杆が掻取って圃場に植付けるようにした移植機において、上記苗 タンクの下側レールがスライドするスライドピースをスライドピース取付ブラケ ットに取付けると共に、スライドピース取付ブラケットをプランタケースに固定 したから、プランタケースの上方に設けた苗タンクが、スライドピースにより上 下レールを支持されて左右往復動するものでありながら、苗タンクを取付けるに 当り、苗タンクの下側レールがスライドするスライドピースは、プランタケース に固定したスライドピース取付ブラケットに取付けるのみで、殊更機体側方に張 出した支持パイプ等を設けることなく、下側レールを支持できるので、苗タンク の取付構造が簡単軽量となって取付調整を容易に行うことができ、しかも機体の 重量バランスの向上を図ることができるものである。

【００１１】

【図面の簡単な説明】

【図１】移植機の全体側面図である。

【図２】要部の拡大側面図である。

【図３】図２のＡ方向矢視図である。

【図４】プランタケースの側面図である。

【図５】図４のＢ方向矢視図である。

【図６】苗タンクの背面図である。

【符号の説明】

１４ プランタケース １６ 苗植付杆 １７ 苗タンク ２０ エプロン ２４ 下側レール ２５ スライドピース取付ブラケット ２７ スライドピース

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 プランタケースの上方に苗タンクを、苗
   タンクの上下レールがスライドするスライドピースを介
   して左右往復動自在に支持し、苗タンクの下端に臨んで
   配設されたエプロン上に送り出される苗を、プランタケ
   ースに設けた苗植付杆が掻取って圃場に植付けるように
   した移植機において、上記苗タンクの下側レールがスラ
   イドするスライドピースをスライドピース取付ブラケッ
   トに取付けると共に、スライドピース取付ブラケットを
   プランタケースに固定したことを特徴とする移植機にお
   ける植付け装置。