JPH0538887A - オフセツト印刷用ブランケツトとその製造方法 - Google Patents

オフセツト印刷用ブランケツトとその製造方法

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JPH0538887A
JPH0538887A JP22332291A JP22332291A JPH0538887A JP H0538887 A JPH0538887 A JP H0538887A JP 22332291 A JP22332291 A JP 22332291A JP 22332291 A JP22332291 A JP 22332291A JP H0538887 A JPH0538887 A JP H0538887A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ブランケット離れ性と網点再現性を高レベル
で両立させることができるとともに、洗浄性にも優れた
印刷用ブランケットを提供するものである。 【構成】 少なくとも1層の支持体と印刷面となる表面
層とを有するブランケットにおいて、前記表面層に光架
橋可能な組成物による独立した突起を設け、前記突起の
面積率を4%以上20%未満とし、高さを15μm以下
とするとともに、突起上部の平均面積を2000〜50
000μmとしたことを特徴とする。そして、製造方
法には、加硫成形した表面層の上に光架橋可能な組成物
を15μm以下の厚さにコーティングし、前記コーティ
ング層上に2000〜50000μmの網点部を有す
るフィルムを密着させ、紫外線を照射して網点部のみを
架橋させるとともに、非架橋部分を除去する製造方法が
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はオフセット印刷用ブラ
ンケットとその製造方法に係り、特に表面層における表
面形状とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】オフセット印刷機における印刷ユニット
について説明すると、一般的な印刷ユニットは図9に示
すように、刷版が装着されている版胴1にインキを供給
するインキ装置2と湿し水を供給する給水装置3が配置
されており、さらに、印刷用ブランケットを装着したブ
ランケット胴4を設けてなる。ブランケットは表面印刷
層を刷版側にして最下層の支持体とブランケット胴4を
接触させて装着される。そして、これを使用するとき
は、まず、刷版に給水装置3から湿し水が供給され、次
いで、インキ装置2よりインキが供給され、版上のイン
キ画像がブランケット胴4に装着されたブランケットに
転移し、この画像が圧胴5との間を通る印刷用紙に印刷
される。
【0003】このようなオフセット印刷においてブラン
ケットは印刷品質に大きな影響を持ち、特にブランケッ
ト表面の凹凸状により印刷画像の品質が左右される。印
刷画像を形成する網点の輪郭や網点のインキ付着量等の
品質はブランケットの表面形状に影響される。また、ブ
ランケットの表面形状は印刷用紙が前述のブランケット
胴4と圧胴5との間を通る際の印刷用紙のブランケット
からの離れ易さ、いわゆるブランケット離れ性を左右
し、ブランケット離れ性が悪いと印刷用紙上のインキ画
像が変形する等の不具合を生じる。このブランケット離
れ性がさらに悪いと印刷用紙がブランケット表面から離
れず、印刷用紙が切断され印刷が不可能になることもあ
る。
【0004】ブランケット表面の形成方法には、表面ゴ
ムにタルク等の粉体を塗布し、加硫成形した後に前記粉
体を除去する粉体コート法、表面ゴムを加硫成形後、研
磨材により表面を研磨する研磨法、及び溶解性粒子を混
合したゴムを表面に薄く塗布し、加硫成形後、溶媒で溶
解性粒子を除去し、表面に凹凸を形成する溶出法があ
る。そして、いずれの形成方法においても、ブランケッ
トの表面は平滑なほど網点の輪郭等の再現性は良くなる
が、上述のブランケット離れ性が低下し、最悪の場合に
は印刷用紙が切断されることもある。一方、ブランケッ
ト離れ性を向上させるためにはブランケット表面を粗面
にすればよいが、逆に、網点再現性が低下する。従っ
て、従来は画像品質とブランケット離れ性のバランスを
取っており、両者あるいは一方をある程度犠牲にしてブ
ランケットの表面形状を制御せざるを得なかった。
【0005】また、ブランケット表面の形状はそれぞれ
の形成方法によって異なるものの、いずれの場合も凸部
は連続しており、しかも凸部は大きいところや小さいと
ころ、あるいは太いところや細いところ等一定の形状で
はない。このように、従来の形成方法では、ブランケッ
ト表面形状は不規則な凹凸面にしか形成することができ
なかった。
【0006】これに対して、特開昭64−22595号
公報には、良好な排紙性と網点再現性を目的とし、その
構成を「表面層の表面に密度20〜70%の割合で筒状
又は円錐台状の突起を設けるとともに、前記突起の頂面
寸法を5〜50μm、高さを2.5〜25μmとした」
印刷用ブランケット及びその製造方法の発明が開示され
ている。この発明の突起の表面は一定の形状に形成され
ており、独立している点において従来のブランケットと
は異なっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、発明者
が種々検討した結果、上記公報記載の発明には次のよう
な問題があることが分かった。即ち、前記突起は、表面
層に感光性樹脂を積層した後、網点パターンを有するマ
スクを用いて露光させ、非露光部分をエッチング除去す
ることによって形成されるのであるが、頂面寸法を5〜
50μm、密度を20〜70%の割合で形成することは
現在の製造技術ではきわめて困難であり、実用に供し得
ないのである。例えば、頂面寸法を5μm、密度を70
%としたパターンでは5000DPI(ドットパーイン
チ)のフィルム(マスク)を使用しなければならず、ま
た、頂面寸法を5μm、密度を20%としたパターンで
も2500DPIのフィルムを使用しなければならない
ことになる。現在使用されている最も一般的な小型印刷
機(菊半サイズ)に用いられるブランケットの寸法は6
80mm×600mmであるが、この大きさでは通常、最大
500DPIの網点フィルムが限度とされている。従っ
て、2500〜5000DPIの網点フィルムを作製す
ることは現在の製造技術では極めて困難であり、不可能
に近いと言わざると得ない。
【0008】また、印刷用ブランケットは表面の汚れに
より、あるいは版の交換時に洗浄されるが、このような
洗浄は頻繁に行なわれる。そして、ブランケット表面に
付着したインキは洗浄によって完全に除去されなければ
ならないが、突起密度が20%を越えると突起と突起と
の隙間が狭くなり隙間に入ったインキの洗浄性が著しく
低下することが分かった。このために洗浄時間が長くな
るばかりでなく、洗浄液によってブランケットを傷める
という問題がある。
【0009】この発明はかかる現状に鑑みてなされたも
ので、その目的はブランケット離れ性と網点再現性を高
レベルで両立させることができるとともに、洗浄性にも
優れた印刷用ブランケットを提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明は次のような構成とした。即ち、少なくと
も1層の支持体と印刷面となる表面層とを有するブラン
ケットにおいて、前記表面層に光架橋可能な組成物によ
る独立した突起を設け、前記突起の面積率を4%以上2
0%未満とし、高さを15μm以下とするとともに、突
起上部の平均面積を2000〜50000μmとした
ことを特徴とする。そして、前記オフセット印刷用ブラ
ンケットの製造方法としては、支持体上に耐油性ゴムを
コーティングし、これを加硫して表面層を形成し、次い
で、前記表面層の上に光架橋可能な組成物によるコーテ
ィング層を15μm以下の厚さに設け、前記コーティン
グ層上に2000〜50000μmの網点部を有する
フィルムを密着させ、紫外線を照射して網点部のみを架
橋させるとともに、非架橋部分を除去する製造方法があ
る。
【0011】
【発明の具体的説明】図1〜図3はこの発明にかかるブ
ランケットの1例を示すものであり、図1は縦断面図、
図2は表面形状の説明用拡大斜視図、図3は同じく表面
形状の説明用断面図である。ブランケット10は表面層
11の上面に微細な独立した突起13を設けてなり、前
記表面層11の下面側には1層の繊維層である中間層1
5を介して発泡層である圧縮性層17が形成されてお
り、圧縮性層17は支持体である織布19を3層に積層
して形成した補強層20によって支持されている。
【0012】上記表面層11は印刷インキ、インキ洗浄
溶剤等を考慮して耐油性ポリマーが用いられ、例えば、
ポリクロロプレンゴム(CR)、多硫化ゴム(T)、ポ
リアクリロニトリル・ブタジエンゴム(NBR)、フッ
素ゴム(FKM)、シリコンゴム(Q)等によって形成
することができる。このような耐油性ポリマーは、加硫
剤、加硫促進剤、補強剤、老化防止剤等の1種以上を添
加したものであってもよい。
【0013】この発明は、前記表面層11の上面に微細
な独立した突起13を設けたことに特徴がある。この突
起13の上部表面形状は任意の形状とすることができ、
円形、楕円形、多角形、星形等それぞれ独立した突起で
あれば表面形状は特に限定されない。突起13の高さは
高くなればなるほどブランケット離れ性は良くなるが、
網点の再現性が低下する。そこで、突起13の高さは1
5μm以下とすることが望ましい。15μmを越えると
網点の輪郭に乱れが生じるからである。
【0014】また、突起13の一個当たりの平均表面積
は2000〜50000μmとする。突起の面積が2
000μm以下では良好なブランケット離れ性が得ら
れないし、50000μm以上では網点再現性が劣化
するからである。さらに、突起13は少なすぎても多す
ぎても効果が薄れる。即ち、突起13の表面積の総和が
表面層の全面積に対して少ない場合には、突起の作用が
なくブランケット離れ性が悪くなり、逆に、多い場合に
は突起13と突起13との間隙が小さくなるために突起
の作用がなくなりブランケット離れ性とともに網点再現
性、洗浄性が低下する。そこで、ブランケット離れ性を
損なわずに優れた網点再現性、洗浄性を維持するために
は、表面層11の全面積に対して突起13の上部の表面
積の総和を4%以上20%未満とする。
【0015】上記構成の突起13は、光硬化法によって
形成することができる。この方法は表面層の上面に光架
橋可能な組成物のコーティング層を設け、このコーティ
ング層に突起を形成する部分のみを架橋させ、他の未架
橋部分を除去することによって突起を形成する方法であ
る。さらに、詳述すると、まず、公知の製造方法により
ブランケットを製造する。例えば、図1に示すように、
補強層20、圧縮性層17、中間層15及び表面層11
からなるブランケットを製造し、表面層11の上面を研
磨材にて平滑に研磨する。次いで、平滑に研磨加工して
なる表面層11上に光増感剤を添加してなる光架橋可能
なゴム組成物を15μm以下の厚さに積層する。
【0016】この表面に平網のフィルムを真空吸引等の
方法で密着させ、紫外線を照射して網点部のみを架橋さ
せる。架橋後、フィルムを取り外し未架橋(未硬化)部
を溶剤にて除去し、表面層の上面を露出させることによ
り独立した微細な突起の網点パターンを形成する。従っ
て、突起の表面形状はフィルムの網点と同一の形状とな
り、フィルムの網点の形状を変えることにより任意の表
面形状をした突起を形成することができる。
【0017】さらに、自然乾燥させるか、温風を吹き付
けて乾燥させ、必要に応じて表面の粘着性をとるために
化学処理を施す。最後に、突起の強度を上げるために再
度熱処理をして突起部分の架橋度を上げることが好まし
い。
【0018】前記突起の高さは光架橋可能なゴム組成物
の積層厚さによって制御することが可能であり、また、
突起の上部の表面形状及び大きさはフィルムの網点パタ
ーンによって制御することが可能である。この光硬化法
によれば、突起はそれぞれ独立しており、高さ、表面形
状及び粗さ等を任意に制御できるので印刷目的にあった
高品質の印刷が得られる。
【0019】尚、補強層20を構成する織布19は、一
般に使用されている綿布、レーヨン布、ポリエステル布
等の織布によって形成することができる。そして、織布
19は1層であってもよいが2層または3層に積層して
構成してもよい。このように、支持体を織布により形成
した場合には、大きな引張強度が得られるとともに、耐
久性に優れ印刷機への装着が容易である。また、支持体
には織布に代えて丈夫で高い引張り強さを持つ紙シート
を用いることができる。紙シートはゴム含浸紙、クラフ
ト紙、もしくはチンパン紙等の1種以上を用いることが
でき、さらに、高引張り強度プラスチックシートをラミ
ネートしたものであってもよい。支持体を紙シートで形
成した場合には、均一な厚さと平滑な表面層を得ること
ができる。
【0020】また、この発明はブランケット表面の凹凸
形状に特徴がありブランケットの構造を限定するもので
はないから、支持体と表面層との間に圧縮性層を有する
圧縮性ブランケットであると、圧縮性層を有しない非圧
縮性ブランケットであるとを問わない。いずれのブラン
ケットを用いるかは印刷条件により適宜選択することが
できる。
【0021】
【作用】表面層に設けた独立した突起により突起間の凹
部が連続することになり、ブランケット表面と印刷用紙
との間に空気の流入が可能となるからブランケット離れ
性が良くなり、洗浄性が向上する。
【0022】
【発明の効果】この発明にかかるブランケットは、表面
層に独立した微細な突起を設け、突起高さを15μm以
下とするとともに、突起の表面積を2000〜5000
0μmとしたから、網点再現性を損なわずに良好なブ
ランケット離れ性が得られ、網点品質とブランケット離
れ性を高レベルで両立することができる。さらに、突起
面積率を4%以上20%未満としたから優れた洗浄性を
有することができる。
【0023】
【実施例】以下に、この発明にかかるブランケットと、
従来の研磨法により形成したブランケットとを比較す
る。
【0024】まず、ブランケットは公知の製造方法によ
り、図1に示すように、最下層の支持体に綿の織布を使
用し、ゴム組成物を接着層として3層に積層し、さら
に、発泡による圧縮性層と中間層とを順次積層し、最上
層に下記配合のゴム組成物からなる表面層を形成し
た。
【0025】 ゴム組成物 (重量部) アクリロニトリル・ブタジエン共重合ゴム(NBR) 80 多硫化ゴム 20 酸化亜鉛 5 ステアリン酸 1 含水シリカ 30 DOP 20 加硫促進剤TMTM 1 加硫促進剤MBTS 1 硫黄 3
【0026】ゴムを加硫成形した後、320番、次いで
600番の研磨紙にて表面が平滑になるように研磨し、
ベースとなる表面層を調製した。この研磨により10点
平均粗さが2.5μmになった。このように調製した表
面層に紫外線にて架橋可能な下記配合のゴム組成物を
4μmの厚さに積層した。この表面に100線/インチ
で網点%の異なる8種類の平網のポジフィルムを各々密
着させ、約350nmを主波長とする紫外線を20秒照射
して網点部のみを架橋させた。未架橋(未硬化)部を溶
剤(トルエン)にて除去し、表面にゴムの網点パター
ン、即ち独立した微細な突起を形成した。さらに、この
ゴムの突起の強度を上げるため、160℃×20分間熱
処理をしてゴムの架橋度を上げた。
【0027】 ゴム組成物 (重量部) アクリロニトリル・ブタジエン共重合ゴム(NBR) 100 ベンゾフェノン(光増感剤) 3 酸化亜鉛 5 ステアリン酸 1 含水シリカ 20 DOP 10 加硫促進剤TMTD 3
【0028】突起の形成に使用したフィルムの網点%
が、30%のものを実施例1、24%のものを実施例
2、19%のものを実施例3、17%のものを実施例
4、15%のものを実施例5、9%のものを実施例6、
3%のものを実施例7、2%のものを実施例8とした。
このようにして調製したブランケットをオフセット印刷
機(小森コーポレーション製、リスロン226)に装着
して毎時10000枚の速度でアート紙(70.5kg)
に網点画像を印刷した。150線/インチの50%部の
円形網点の輪郭の乱れを画像解析装置(ピアス製、LA
−500)を用いて、円形度係数として評価した。円形
度係数の算出方法は下記の数式1によって求められる。
この係数が1に近い程網点が円に近く、輪郭の乱れが少
ないことを意味する。
【0029】
【数1】
【0030】ベタ画像(全面にインキが着く)を印刷す
ると印刷後の用紙の最後部(クワエ尻側と呼ぶ)が巻き
上がる。この巻き上がり高さ(カール高さと呼ぶ)はブ
ランケット離れ性と相関があり、カール高さが高いほど
ブランケット離れ性が悪いことを意味する。そこで、ベ
タ画像の印刷も同様に行いカール高さを測定した。計測
結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】上記結果から明らかなように、突起の面積
率が31%では円形度係数が低下している(図4参
照)。一方、カール高さについては図5に明らかなよう
に、突起の面積率が20%を越えるとカール高さが増
し、また、4%を下回ると突起の効果が薄れ同様にカー
ル高さが増大する。従って、ブランケット離れ性を損な
わずに優れた網点再現性を維持するためには、突起の面
積率を4%以上20%未満に制御するのが望ましい。
【0033】実施例1〜8と同様にしてブランケットを
製造し、表面を研磨してベースとなる表面層を調整し
た。このように調整した表面層に150線/インチの1
0%の平網のフィルムを密着させ、約350nmを主波長
とする紫外線を20秒照射して網点部のみを架橋させ
た。未架橋(未硬化)部を溶剤(トルエン)にて除去
し、表面にゴムの網点パターン、即ち独立した微細な突
起を形成した。さらに、このゴムの突起の強度を上げる
ため、160℃×20分間熱処理をしてゴムの架橋度を
上げた。
【0034】これらの突起の高さはゴム組成物の積層
厚さと一致し、積層厚さにより突起の高さを制御した。
突起高さが3μmのものを実施例9、5μmのものを実
施例10、10μmのものを実施例11、15μmのも
のを実施例12、20μmのものを実施例13とした。
図2は実施例10の表面層を60度の角度から拡大撮影
したものをトレースした斜視図である。
【0035】また、公知の製造方法により上記実施例と
同様に、最下層の支持体に綿の織布を使用し、ゴム組成
物を接着層として3層に積層し、さらに、発泡による圧
縮性層と中間層とを順次積層し、最上層に上記配合のゴ
ム組成物からなる表面層を形成した。これを加硫成形
した後に、280番の研磨紙にて研磨したものを比較例
1とした。また、320番、次いで、600番の研磨紙
にて研磨し、表面層を平滑にしたものを比較例2とし、
表面粗さは実施例のベースとなる表面印刷層と同等とし
た。
【0036】上記実施例9〜13におけるそれぞれ表面
層に形成された突起一個当たりの上部の円形度係数を前
述した画像解析装置にて計測した。また、実施例1〜8
と同条件にて印刷を行い、印刷画像の50%網点部の円
形度係数とベタ画印刷時のカール高さを計測した。計測
結果を表2に示す。
【0037】
【表2】
【0038】比較例1と比較例2とを比べると明らかに
表面が平滑になると円形度係数が1に近くなり網点輪郭
が良くなるが、カール高さが高くなりブランケット離れ
性が低下した。実施例9〜12と比較例2を比較すると
円形度係数はほぼ同等で共に網点輪郭が良好であった。
比較例2の表面粗さは実施例9〜12の突起部を除いた
ベースの表面粗さと同等であったが、カール高さは表2
より明らかに実施例9〜12の方が低くブランケット離
れ性が良好であり、独立した微細な突起を設けることに
より網点の再現性とブランケット離れ性を高いレベルで
両立できた。実施例9〜12と実施例13の円形度係数
を図示すると図6のようになり、突起の高さが15μm
を越えると円形度係数が大きく低下することが分かっ
た。従って、突起の高さは15μm以下とすることが望
ましい。
【0039】実施例1〜8と同様にしてブランケットを
製造し、表面を研磨してベースとなる表面層を調製し
た。この表面層に上記のゴム組成物を4μmの厚さに
コーティングした。この表面にそれぞれ250線/イン
チ、225線/インチ、200線/インチ、100線/
インチ、80線/インチ、50線/インチ、45線/イ
ンチ及び40線/インチで15%の平網のフィルムを密
着させ、約350nmを主波長とする紫外線を20秒照射
して網点部のみを架橋させた。未架橋(未硬化)部を溶
剤(トルエン)にて除去し、表面にゴムの網点パター
ン、即ち独立した微細な突起を形成した。さらに、この
ゴムの突起の強度を上げるため、160℃×20分間熱
処理をしてゴムの架橋度を上げた。
【0040】250線/インチのものを実施例14、2
25線/インチのものを実施例15、200線/インチ
のものを実施例16、100線/インチのものを実施例
17、80線/インチのものを実施例18、50線/イ
ンチのものを実施例19、45線/インチのものを実施
例20、及び40線/インチのものを実施例21とし
た。それぞれの表面層に形成された突起一個当たりの上
部の平均表面積を前述した画像解析装置にて計測した。
また、実施例1〜8と同条件にて印刷を行い、印刷画像
の50%網点部の円形度係数及びベタ画印刷時のカール
高さを計測した。計測結果を表3に示す。
【0041】
【表3】
【0042】網点の円形度係数は突起一個当たりの上部
の平均表面積が50000μmを越えると円形度係数が
大きく低下する(図7参照)。一方、カール高さについ
ては図8から明らかなように突起一個当たりの上部の平
均表面積が2000μmより小さくなると実施例14の
ように急激に増大した。従って、良好な網点再現性とブ
ランケット離れ性を維持するためには突起一個当たりの
上部の平均表面積は2000〜50000μmとする
のが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかるブランケットの構造の一例を
示す説明用断面図である。
【図2】同じく表面形状の説明用拡大斜視図である。
【図3】同じく表面形状の説明用断面図である。
【図4】突起面積率と円形度係数の関係を示すグラフで
ある。
【図5】突起面積率とカール高さとの関係を示すグラフ
である。
【図6】突起高さと円形度係数の関係を示すグラフであ
る。
【図7】突起1個当たりの上部の平均面積と円形度係数
との関係を示すグラフである。
【図8】突起1個当たりの上部の平均面積とカール高さ
との関係を示すグラフである。
【図9】オフセット印刷機における印刷ユニットの説明
図である。
【符号の説明】
10 印刷用ブランケット 11 表面印刷層 13 突起 15 中間層 17 圧縮性層 20 補強層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1層の支持体と印刷面となる
    表面層とを有するブランケットにおいて、前記表面層に
    光架橋可能な組成物による独立した突起を設け、前記突
    起の面積率を4%以上20%未満とし、高さを15μm
    以下とするとともに、突起上部の平均面積を2000〜
    50000μmとしたことを特徴とするオフセット印
    刷用ブランケット。
  2. 【請求項2】 支持体上に耐油性ゴムをコーティング
    し、これを加硫して表面層を形成し、次いで、前記表面
    層の上に光架橋可能な組成物によるコーティング層を1
    5μm以下の厚さに設け、前記コーティング層上に20
    00〜50000μmの網点部を有するフィルムを密
    着させ、紫外線を照射して網点部のみを架橋させるとと
    もに、非架橋部分を除去することを特徴とするオフセッ
    ト印刷用ブランケットの製造方法。
JP22332291A 1991-08-07 1991-08-07 オフセット印刷用ブランケットとその製造方法 Expired - Lifetime JPH07110552B2 (ja)

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