JPH0538724U - 電力線複合光フアイバケーブル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 光ファイバ心線の機械的，光学的特性を損な
うことなく、かつ安価にできる電力線複合光ファイバケ
ーブルを提供する。 【構成】 テンションメンバ２を有し外周にスパイラル
状の電力線用スロット３とスパイラル状の光ファイバ用
スロット４とが設けられたスペーサ５を中心に配設し、
該スペーサ５の光ファイバ用スロット４内に光ファイバ
心線６を収容し、該スペーサ５のスロット３内に電力用
心線７を収容し、該スペーサ５外方に外被９を被覆して
なる電力線複合光ファイバケーブルである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、光ファイバ心線（テープ形心線および光ファイバユニットを含む） と共に電力用心線が収納された電力線複合光ファイバケーブルに関する。

【０００２】

【従来の技術】

通信用線路においては、光ファイバ心線だけでなく、電話局や中継局などから 離れた場所に設置される光伝送用中継器或いは多重化装置などに電力を供給する ための電力用心線を必要とする。

【０００３】 このような場合、光ファイバ心線だけのケーブルと電力用心線だけのケーブル とを並べて敷設することも行われるが、敷設工事の便やメインテナンスの観点か ら光ファイバ心線と共に電力用心線が収納された電力線複合光ファイバケーブル が用いられる。

【０００４】 この種の電力線複合光ファイバケーブルとして図３に示される層撚り構造のも のが知られている。図３において、複合光ファイバケーブル１０は、中心にテン ションメンバ１１が配設され、テンションメンバ１１の周りに電力用心線１２を 介在１７と共に撚り合わせ、押さえ巻きテープ１３を施し、更に押さえ巻きテー プ１３の周りに光ファイバコード１４を介在１７とともに撚り合わせ、押さえ巻 きテープ１５を施して外被１６で被覆したものである。図４において、光ファイ バコード１４は光ファイバ心線１４１上にケブラ繊維層１４２、ＰＶＣ被覆層１ ４３から成る補強層を設けたものである。

【０００５】 図３の従来例では、光ファイバコード１４が１０心で、電力用心線１２が２心 である。電力用心線１２を２心撚り合わせた上に光ファイバコード１４を１０心 撚り合わせてケーブルコアを形成している。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

光ファイバ心線１４１をそのまま電力用心線１２と共に撚り合わせると、機械 的特性上も、伝送特性上も問題があるので、上記のように光ファイバ心線１４１ 上に補強層１４４を設けた光ファイバコード１４を用いなければならないため高 価になるという問題点があった。 また、上記図３の従来例のような心線数を層撚り構造に配列する場合、２層に 構成するとバランス上どうしても介在心を設ける必要があり、電力用心線と光フ ァイバ心線をともに１層に構成すると、テンションメンバとの間の空間を埋める ため、テンションメンバの外周に絶縁被覆層または介在層を設ける必要があり、 外径が大きくなるなどの問題があった。

【０００７】 本考案は、従来の技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり 、その目的とするところは、電力線複合光ファイバケーブルを光ファイバ心線の 機械的，光学的特性を損なうことなく安価に提供しようとするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案における電力線複合光ファイバケーブルは 、テンションメンバを有し外周に複数のスパイラル状スロットとが設けられたス ペーサを中心に配設し、該スペーサの一部スロット内に電力用心線を収容し、該 スペーサの他のスロット内に光ファイバ心線を収容し、該スペーサ外方に外被を 被覆してなるものである。

【０００９】

【作用】

スペーサ外周に予め設けられた複数のスロットに、光ファイバ心線と電力用心 線を収容する構成であるので、光ファイバ心線をコード化することを要せず、各 心線に最適のテンションを付加しつつ同時にスロット内に収容できる。また、ス ペーサ外周のスロットの大きさを収容する心線の太さに応じて任意に形成できる ので、介在などで心線配置のバランスをとる必要性がなくなる。

【００１０】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面を参照しつつ説明する。図１は本考案の光ファイ バケーブルを示す断面図であり、図２はスペーサの斜視図である。

【００１１】 図１において、電力線複合光ファイバケーブル１は、テンションメンバ２を有 し外周に電力用心線を収納するスパイラルスロット３と光ファイバ心線を収容す るスパイラルスロット４とが設けられたスペーサ５を中心に配設し、該スペーサ ５の光ファイバ用スパイラルスロット４内に光ファイバ心線６を収容し、該スペ ーサ５の電力線用スパイラルスロット３内に電力用心線７を収容し、プラスチッ クテープなどの押さえ巻き８を施した後、ＰＶＣなどの外被９を被覆したもので ある。図示例は光ファイバ心線６が１０心で電力用心線７が２心の場合を示して いる。

【００１２】 図２において、スペーサ５は、中心に亜鉛メッキ鋼撚線のテンションメンバ２ を位置させ、高密度ポリエチレンなどを押出成形して形成されたものである。こ のスペーサ５の外周には１８０°配置の２本の電力線用スパイラルスロット３、 ３間の左右の１０本の光ファイバ用スパイラルスロット４とが設けられている。 この電力線用スパイラルスロット３内に電力用心線７が収容され、光ファイバ用 スパイラルスロット４内に光ファイバ心線６が収容される。

【００１３】 本考案の電力線複合光ファイバケーブルは、スペーサ５の外周が有効に利用で き、全体のバランスがよい。光ファイバ心線として、ＧＩ形光ファイバ１０心、 電力用心線として１．２５ｍｍ² のＰＶＣの絶縁電線２心を用いる場合の本考案 の実施例および従来例の複合ケーブルの構造，寸法をそれぞれ表１および表２に 示す。これらの表から明らかなように、本考案の複合ケーブルは従来のものに較 べて、外径も小さい。また、予めスペーサ５を形成した後、電力用心線と光ファ イバ心線を各々テンションを変えながら、同時に収納する工程とすることができ 、その後押さえ巻きの施工と外被の被覆とを連続して行うと、ケーブルの製造工 程が大幅に簡略化される。

【００１４】

【表１】

【００１５】

【表２】

【００１６】 なお、図２の溝５ａはスパイラルスロット３，４に交差するものであり、要求 に応じて付加的に設けることができるものである。この溝５ａは光ファイバ心線 ６および電力用心線７の取り出しの便のために設けられる。上述した光ファイバ ケーブル１の中間で接続作業が行われることがあり、この場合、スパイラルスロ ット３，４から電力用心線および光ファイバ心線を取り出す作業が必要となる。 ところが、光ファイバ心線はその被覆外径が例えば０．９ｍｍであり、従ってス パイラルスロット４の幅が狭いため、簡単に取り出せない場合がある。特に、光 ファイバケーブルの敷設後に光ファイバ心線が弛むことによる伝送損失を避ける ため、光ファイバ心線はタイトな状態で光ファイバ用スパイラルスロット４内に 収納されているため、光ファイバ心線が余計に取り出しにくくなる。そこで、光 ファイバ用スパイラルスロット４と略同じ深さを有し逆方向のスパイラル状溝５ ａをスペーサ５の成形時に同時に形成しておく。そして、接続作業時には、この 溝５ａに針金などを差し込み、光ファイバ心線を簡単にすくい出すことができる 。電力用心線の方が一段に太いので電力線用スパイラルスロット７は光ファイバ 用スパイラルスロット４と略同じ深さに形成したスパイラル状溝５ａよりも深い が、幅が広いため電力用心線７も容易に取り出すことができる。しかし、必要で あればスパイラル状溝５ａの深さをさらに深くしてもよい。

【００１７】

【考案の効果】

本考案における電力線複合光ファイバケーブルは、スペーサ外周に予め設けら れた複数のスロット内に、光ファイバ心線と電力用心線を収容する構成であるの で、光ファイバ心線をコード化する必要がなく、各心線に最適のテンションを付 加しつつ１工程でスロット内に収容でき、光ファイバ心線の撚り合わせ工程と電 力用心線の撚り合わせ工程の２工程を区分する必要のある層撚り構造の電力線複 合光ファイバケーブルに比較して、簡単な工程で電力線複合光ファイバケーブル を製造することができる。また、スペーサ外周の光ファイバ用スロットと電力線 用スロットの配置を予め任意に決めることができるので、心線配置に合ったスペ ーサを用いれば、層撚り構造の電力線複合光ファイバケーブルのように介在など で心線配置のバランスをとる必要性がなくなり、特に小径の光ファイバ心線の数 に比較して大径の電力用心線の数が少ない場合には、有効に心線を配置すること ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の電力用複合光ファイバケーブルの断面
図である。

【図２】スペーサの斜視図である。

【図３】従来の電力用複合光ファイバケーブルの断面図
である。

【図４】光ファイバコードの断面図である。

【符号の説明】

１ 電力用複合光ファイバケーブル ２ テンションメンバ ３，４ スパイラルスロット ５ スペーサ ６ 光ファイバ心線 ７ 電力用心線 ９ 外被

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 光ファイバ心線と共に電力用心線を収容
   した電力線複合光ファイバケーブルであって、テンショ
   ンメンバを有し外周に複数のスパイラル状のスロットが
   設けられたスペーサを中心に配設し、該スペーサの一部
   スロット内に電力用心線を収容し、該スペーサの他のス
   ロット内に光ファイバ心線を収容し、該スペーサ外方に
   外被を被覆してなることを特徴とする電力線複合光ファ
   イバケーブル。