JP4134758B2 - メタル光複合ケーブル - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
メタル撚り対線と光ファイバ心線とを複合したメタル光複合ケーブルに関し、特に、光ファイバ心線に歪みが生じることを防止し、高速度の通信に対応可能なメタル光複合ケーブルに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、屋内配線などにおける通信システムの多様化に伴い、メタル通信ケーブルと、光通信ケーブルとをひとつのシース内に収めたメタル光複合ケーブルが提案されている。
【0003】
図4,5は、それぞれ従来のメタル光複合ケーブルの断面図を示している。
図4に示すメタル光複合ケーブル40は、シース41の内部に4本の複合コード42を備えている。複合コード42は、1本の光ファイバ心線43と2本のメタル線44との3本を撚り合わせてなるものである(例えば、特開平11−213778号公報)。
また、図5に示すメタル光複合ケーブル50は、シース51の内部に4本の光ファイバ複合メタル対心線52を備えている。光ファイバ複合メタル対心線52は、一対のメタル線53と、これら一対のメタル線53同士の間の中心に配された光ファイバ素線54とを一括被覆層55にて一括被覆し、この一括被覆層55の外周に押出被覆によって外装被覆層56を設けたものである(例えば、特開平11−211947号公報)。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−213778号公報
【特許文献2】
特開平11−211947号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図4に示すメタル光複合ケーブル40においては、光ファイバ線43とメタル線44とを束ねて撚り合わせているため、光ファイバ心線43は螺旋状に配される。すると、光ファイバ心線の内部のガラス表面には曲げによる歪みが生じる。
また、高速データ通信などに用いる場合、対であるメタル線同士の間で漏話が生じやすい。漏話はメタル線を撚るピッチをそれぞれ異ならせることで誘導の向きをある区間内で相殺することができる。高速データ通信に用いる場合は、このような漏話の相殺をより頻繁に生じさせるため、メタル線の撚るピッチをより短くすることが有効である。しかし、メタル光複合ケーブル40は、高速データ通信などに用いるためにメタル線を撚り合わせるピッチを短くすることで、光ファイバ心線43のガラス表面の歪みが大きくなり、光ファイバ心線43の伝送損失が大きくなることが避けられなかった。
したがって、光ファイバ心線43をメタル線44とともに撚り合わせる構造とすると、メタル光複合ケーブル40の信頼性が低下してしまう点で改善の余地があった。
【0006】
さらに、複合コード42は2本で一対となるメタル線44と光ファイバ心線43とを撚り合わせる構造であるため、複合コード42の径を小さくすることが困難であった。さらに、上記複合コード42を複数本備えると、メタル光複合ケーブルの径が大きくなってしまうことが避けられなかった。このため、メタル光複合ケーブル40は、その径が大きくなるため、屋内などに布設する際に寸法上の制限が厳しくなり、システム設計が煩雑になってしまう点で改善の余地があった。
【0007】
また、図5に示すメタル光複合ケーブル50においては、一対のメタル線53同士の間の中心に光ファイバ素線54が配されている。光ファイバ素線54は、軸方向にほぼ直線状に配されるので、図4に示すメタル光複合ケーブル40の光ファイバ心線43のように螺旋状に配されていないため、曲げによる歪みの影響をほとんど受けないが、撚り合わせられた一対のメタル線53によって周方向の捻り歪みの影響を受ける。図4のメタル光複合ケーブル40と同様に、高速度のデータ通信などに用いる場合に、一対のメタル線53同士の撚り合わせのピッチを短くすると、光ファイバ素線54の捻り歪みが更に大きくなる。このため、光ファイバ素線54の伝送損失が大きくなることが避けられず、メタル光複合ケーブル50の信頼性が低下してしまう点で改善の余地があった。
【0008】
さらに、メタル光複合ケーブル50において、2本のメタル線53と1本の光ファイバ素線54とを一括して光ファイバ複合メタル対心線52を形成している。このため、光ファイバ複合メタル対心線52は、2本のメタル線のみを撚り合わせた撚り対線に比して大きくなり、この結果、メタル光複合ケーブル50の径を小さくすることが困難であった。したがって、メタル光複合ケーブル50は、上記メタル光複合ケーブル40と同様に、屋内などに布設する際に寸法上の制限が厳しく、システム設計が煩雑になってしまう点で改善の余地があった。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、光ファイバ心線に歪みが生じることを防止できるメタル光複合ケーブルを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、樹脂からなるシースの内部に配された光ファイバ心線と、2本のメタル線を撚り合わせてなる撚り対線と、該撚り対線同士が接触しないように保持するスペーサとを有し、前記撚り対線が前記スペーサを介しつつ複数本撚り合わされ、前記光ファイバ心線が前記撚り対線よりもケーブル中心に近い位置に配され、前記スペーサはケーブル軸方向と直行する断面が十字形になるように形成され、前記光ファイバ心線が前記スペーサと前記撚り対線との間に配されていることを特徴とするメタル光複合ケーブルによって達成される。ここで、「ケーブル中心」とは、メタル光複合ケーブルの中心軸線及びその近傍を含む意味である。
【0011】
上記のメタル光複合ケーブルにおいて、光ファイバ心線がメタル線とともに撚り合わせられる構成ではないため、光ファイバ心線には曲げによる歪みが生じない。このため、光ファイバ心線の伝送損失が大きくなることを防止することができ、信頼性を維持することができる。
また、光ファイバ心線は、撚り対線の外部に位置するので、撚り対線を撚り合わせたことによる捻りの応力を受けることがない。このため、図5のメタル光複合ケーブルのように捻りに起因してガラス表面に歪みが生じることを防止することができる。
さらに、高速データ通信などに用いるためにメタル線を撚り合わせるピッチを短くしても、光ファイバ心線には曲げによる歪みが生じないので、伝送損失が多くなることがない。
さらに、スペーサによって撚り対線同士が接触又は接近して漏話が生じることを抑制することができる。
さらに、スペーサとメタル線とに区画されるデッドスペースに光ファイバ心線を実装することができる。このため、メタル光複合ケーブルの径が大きくなることを抑制することができる。
【0012】
また、上記メタル光複合ケーブルは、2本のメタル線のみで撚り対線を構成しているため、撚り対線の径を小さくすることができる。そして、このような撚り対線を光ファイバ心線の周りに撚り合わせているため、メタル光複合ケーブルの径を小さくすることが容易である。したがって、本発明にかかるメタル光複合ケーブルは、屋内などに布設する際のシステム設計がより一層容易に行うことができる。
【0013】
上記のメタル光複合ケーブルにおいて、「撚り対線が前記スペーサを介しつつ複数本撚り合わされ」とは、例えば、撚り対線を4本撚り合わせることである。また、4本に限らず、6本や8本とすることもできる。
【0014】
上記のメタル光複合ケーブルにおいて、光ファイバ心線は、モードフィールド径が8.0μm以下であり、カットオフ波長が1260nm以下であり、スクリーニングレベルが2.4%以上であることが好ましい。
こうすれば、モードフィールド径(MFD:Mode Field Diameter)が小さいため、マイクロベンド、マクロベンドによるロス増が小さいめ、直径が0.25mmのUV被覆心線を使用することができ、従来のメタル光複合ケーブルに比べて、低コスト化が可能である。また、スクリーニングレベルが高いため、光ファイバ心線に大きな歪を加えても長期信頼性が低下することがない。このため、メタル光複合ケーブルであってもメタルケーブルと同様の許容張力、曲げ直径とすることができ、メタルケーブルと同程度の取り扱いができ、作業が煩雑にならない。
【0018】
上記メタル光複合ケーブルにおいて、光ファイバ心線は、スペーサに対して、撚り対線同士を撚り合わせるピッチと同一のピッチで、且つ、撚り合わせる方向と反対方向の捻られていることが好ましい。こうすれば、光ファイバ心線は撚り対線の撚り合わせによって受ける捻りの歪みを、反対方向の捻られることによる捻りの歪みで相殺又は緩和することができる。
【0019】
さらに、上記メタル光複合ケーブルを複数本撚り合わせて樹脂で一括被覆したメタル光複合ケーブルとすることが好ましい。このように多心のメタル光複合ケーブルとすることで大容量のデータを伝送する通信ケーブルに適用することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。
図1は、本発明にかかるメタル光複合ケーブルの第1の実施形態を示す断面図である。メタル光複合ケーブル10は、シース11と、2本の被覆銅線(メタル線)12を撚り合わせてなる撚り対線13と、光ファイバ心線14と備えている。図1において、破線で示す円は、撚り対線13の外径を示している。
【0021】
本実施形態のメタル光複合ケーブル10は4本の撚り対線13を備えている。しかし、撚り対線13の数は4本に限定されず、6本、8本など複数本とすることができる。
【0022】
シース11の材質としては、例えば、PVC樹脂や難燃性ポリエチレンである。
【0023】
被覆銅線12は、銅線径が0.4mm〜0.65mm程度であり、被覆径が0.6〜1.1mm程度である。また、被覆銅線12の被覆材料は、例えば、ポリエチレン、ポリ塩化ビニルを用いることができる。
撚り対線13の撚り合わせるピッチは互いに異なるように調整されている。これは、撚り対線13同士で、漏話が生じることを防止するためである。
また、撚り対線13は、LAN配線について決められたJIS X 5150(ISO/IEC 11801)のカテゴリー5に相当する特性を有するように構成されている。
さらに、撚り対線13を作る際に、メタル線12同士を互いに撚り合わせる方向は、図1において、時計回りの方向及び時計回りと反対の方向のいずれでもよい。
【0024】
撚り対線13と光ファイバ心線14とはシース11内に配されている。光ファイバ心線14をメタル光複合ケーブル10の中心として、撚り対線13同士をこの中心の外周側に螺旋状に巻き回すことで撚り合わされている。ここで、「中心」とは、メタル光複合ケーブル10の中心軸線及びその近傍を含めた意味である。
【0025】
光ファイバ心線14としては、ITU(International Telecommunication Union)が制定する、通信に関する国際規格ITU−Tに準拠している。
また、光ファイバ心線14としては、被覆銅線12の径が比較的細い場合(0.4mm〜0.8mmの場合)には、撚り対線同士を撚り合わせる際に中心に挿入しやすい直径0.25mmのUV被覆心線を用いることが好ましい。一方、被覆銅線12が1mm程度と太い場合には直径0.9mmのナイロン被覆心線も用いることができる。特に、光ファイバ心線として、例えば、波長1.31μmにおけるモードフィールド径が8μm以上の光ファイバを用いる場合には、隣接する被覆銅線からの側圧によるロス増を防止する意味でも、直径0.9mmのナイロン被覆心線を用いることが好ましい。
【0026】
また、0.25mmのUV被覆心線を用いる場合には、光ファイバとして、例えば、波長1.31μmにおけるモードフィールド径が8μm以下のマイクロベンド及びマクロベンドのロス増を生じにくい光ファイバを用いることが好ましい。ここで、モードフィールド径が5.9μm〜6.7μmとすることがより好ましい。また、スクリーニングレベルが1.5%以上とすることが好ましく、より好ましくは、2.4%以上である。
【0027】
本実施形態において、モードフィールド径の小さい光ファイバを直径0.9mmの光ファイバ心線として用いてもよい。また、被覆径を0.25〜0.9mmとしても本発明にかかるメタル光複合ケーブルに適用することができる。
【0028】
本実施形態のメタル光複合ケーブル10において、被覆銅線12の径を0.5mmとし、被覆径を1.0とし、外被(シース11)の厚さが0.5mmの紫外線硬化樹脂とし、外径を5.5mmとし、光ファイバ心線14の直径を0.25mmとした。こうすることで、メタル光複合ケーブル10は、ANSI/TIA/EIA−568Aのカテゴリー5及びエンハンストカテゴリー5に相当する伝導特性を有している。
【0029】
本実施形態の光ファイバ心線14は、モードフィールド径が8.0μm以下で、カットオフ波長が1260nm以下で、スクリーニングレベルが2.4%以上のシングルモードファイバを用いており、メタル光複合ケーブル10とした状態では、伝送損失が0.235dB/kmであり、温度特性が−10〜+70℃×3サイクルで伝送損失の増加量△αが0.03dB/kmであった。
【0030】
繰り返すと、本実施形態のメタル光複合ケーブル10は、樹脂からなるシース11の内部に配された光ファイバ心線14と、2本のメタル線12を撚り合わせてなる撚り対線13とを有し、光ファイバ心線14を中心として光ファイバ心線14の周りに撚り対線13を4本撚り合わせた構成を有している。
【0031】
本実施形態のメタル光複合ケーブル10において、光ファイバ心線14がメタル線12とともに撚り合わせられる構成ではないため、光ファイバ心線14には曲げによる歪みが生じない。このため、光ファイバ心線14の伝送損失が大きくなることを防止することができ、信頼性を維持することができる。
また、光ファイバ心線14は、撚り対線13の外部に位置するので、撚り対線13を撚り合わせたことによる捻りの応力を受けることがない。このため、従来のメタル光複合ケーブルのように捻りに起因してガラス表面に歪みが生じることを防止することができる。
さらに、高速データ通信などに用いるためにメタル線12を撚り合わせるピッチを短くしても、光ファイバ心線14には曲げによる歪みが生じないので、伝送損失が多くなることがない。
【0032】
本実施形態において、撚り対線13の外周面にはメタル線12を互いに撚り合わせることで凹凸面が形成されている。4本の撚り対線13によって区画された箇所(4つの撚り対線13の外径を示す破線によって囲まれた領域)は非常に狭い空間となり、光ファイバ心線14が外周の撚り対線と密接した状態で配されることとなる。このとき、各被覆銅線はメタル光複合ケーブル10の中心に向かって飛びだしたり、引っ込んだりしている。このため、現実には、光ファイバ心線14は、撚り対線13による凹凸によって径方向から外部応力を受けることが考えられる。
本実施形態においては、光ファイバ心線及びメタル光複合ケーブルを上記カテゴリーとすることで、この外部応力によって光ファイバ心線が曲げ応力を受けて伝送損失が増大してしまうことを防止することができる。
【0033】
図2に、本発明にかかるメタル光複合ケーブルの第2の実施形態を示す。なお、以下に説明する実施形態において、すでに説明した部材などと同等な構成・作用を有する部材等については、図中に同一符号又は相当符号を付すことにより、説明を簡略化或いは省略する。
本実施形態のメタル光複合ケーブル20は、上記メタル光複合ケーブル10と同様に、シース21と、2本の被覆銅線(メタル線)22を撚り合わせてなる撚り対線23と、光ファイバ心線24と備えている。また、メタル光複合ケーブル20は、撚り対線23同士が接触しないように保持するスペーサ25を有している。
【0034】
スペーサ25は、メタル光複合ケーブル20の軸方向に直行する断面(横方向断面)が略十字形に形成されている。図2に示すように、横方向断面視において、撚り対線23がスペーサ25における4つの角部のそれぞれに1つづつ配置されている。撚り対線23は、スペーサ25を介しつつ全4本が撚り合わされている。
【0035】
本実施形態のメタル光複合ケーブル20において、光ファイバ心線24が撚り対線23よりもケーブル中心に近い位置に配されている。ここで、「ケーブル中心」とは、メタル光複合ケーブル20の中心軸線及びその近傍を含む意味する。
【0036】
具体的には、図2に示すように、光ファイバ心線24はスペーサ25と撚り対線23とで区画された横方向断面視において略三角状の隙間に配されている。このとき、スペーサ25は、撚り対線23とともに撚り合わされている。このため、上記隙間がメタル光複合ケーブル20の軸方向位置に応じて軸を中心とした周方向の位置が異なる。
【0037】
言い換えれば、メタル光複合ケーブル20において上記隙間は螺旋状に形成されている。このとき、この隙間に配される光ファイバ心線24も螺旋状になるが、既に述べたように撚り対線23よりもケーブル中心に近い位置に配されているため、撚り合わせによる曲げが生じない。このため、光ファイバ心線24のガラスには歪みが生じない。
【0038】
本実施形態のスペーサ25はポリエチレンを押出し成形したものである。しかし、材質はポリエチレンに限定されず、熱可塑性の軟質なプラスチック材料であればよい。スペーサ25は直線状態で製造されたものを4本の撚り対線を撚り合わせる工程において同時に捻られて螺旋状に変形されたものである。
【0039】
本実施形態において、光ファイバ心線24は上記実施形態と同様のものを用いることができる。
また、本実施形態のメタル光複合ケーブル20において、被覆銅線22の径を0.5mmとし、被覆径を1.0とし、外被(シース21)の厚さが0.5mmの紫外線硬化樹脂とし、外径を5.5mmとし、光ファイバ心線24の直径を0.25mmとした。こうすることで、メタル光複合ケーブル20は、ANSI/TIA/EIA−568Aのカテゴリー5及びエンハンストカテゴリー5に相当する伝導特性を有している。
【0040】
さらに、本実施形態の光ファイバ心線24は、モードフィールド径が6.3μm以下で、カットオフ波長が1260nm以下で、スクリーニングレベルが2.4%以上のシングルモードファイバを用いており、メタル光複合ケーブル20とした状態では、伝送損失が0.235dB/kmであり、温度特性が−10〜+70℃×3サイクルで伝送損失の増加量△αが0.03dB/kmであった。
【0041】
本実施形態のメタル光複合ケーブル20は、上記第1の実施形態のメタル光複合ケーブルと同様の効果を奏するとともに、スペーサによって撚り対線同士が接触又は接近して漏話が生じることを抑制することができる。
また、光ファイバ心線をスペーサとメタル線とに区画されたデッドスペース(隙間)に実装することができる。このため、メタル光複合ケーブルの径が大きくなることを抑制することができる
【0042】
次に、図3に、本発明にかかるメタル光複合ケーブルの第3の実施形態を示す。なお、以下に説明する実施形態において、すでに説明した部材などと同等な構成・作用を有する部材等については、図中に同一符号又は相当符号を付すことにより、説明を簡略化或いは省略する。
本実施形態のメタル光複合ケーブル30において、上記メタル光複合ケーブル20と同様に、光ファイバ心線34が撚り対線33よりもケーブル中心に近い位置に配されている。また、本実施形態のメタル光複合ケーブル30において、スペーサ35の内部に光ファイバ心線34が設けられている。
【0043】
具体的には、スペーサ35は、横方向断面視において中央部分が肉厚に形成され、この肉厚の箇所に光ファイバ心線34が埋設されている。なお、中央部分は光ファイバ心線34を内部に設けることができれば、肉厚に形成されていなくてもよい。しかし、中央部分に十分な肉厚がない場合、スペーサ35の長手方向において切欠きが生じて、この切欠きから所々光ファイバ心線34が露出する。そして、スペーサ材料の収縮によって上記切欠きから光ファイバ心線34が飛び出してマクロベンドロスや断線の原因となる。本実施形態のように、中央部分を肉厚にすれば、光ファイバ心線34が安定してスペーサ35に被覆されるようになり、伝送特性が劣化することを抑制することができる。
【0044】
なお、本実施形態の光ファイバ心線34は、スペーサ35の押出し成形時に実装すれば、製造の効率が良い。
【0045】
また、メタル光複合ケーブル30において、光ファイバ心線34は、スペーサ35に対して、撚り対線33同士を撚り合わせるピッチと同一のピッチで、且つ、撚り合わせる方向と反対方向に捻られていることが好ましい。こうすれば、光ファイバ心線34に生じる、撚り対線33の撚り合わせによって受ける捻りの歪みが、光ファイバ心線34が反対方向に捻られることによって相殺又は緩和されることができる。
【0046】
スペーサ35には、軸方向に沿った溝であるノッチ35aが形成されている。こうすれば、メタル光複合ケーブル30を布設する際に、必要に応じてスペーサ35をノッチ35aから切り裂くことで光ファイバ心線34を容易に取り出すことができる。
【0047】
また、図3に示すように、一対のノッチ35aが、メタル光複合ケーブル30の中心に対してそれぞれ点対象となる位置に設けられている構成とすれば、作業者は、スペーサ35の隔壁(中央部分から撚り対線33同士の隙間に伸びる部分)を2枚づつ把持して互いに離間する方向に引っ張ることで容易に光ファイバ心線34を取り出すことができる。
【0048】
本実施形態において、光ファイバ心線34は上記実施形態のものを用いることができる。
また、本実施形態のメタル光複合ケーブル30において、被覆銅線32の径を0.5mmとし、被覆径を1.0とし、外被(シース31)の厚さが0.5mmの紫外線硬化樹脂とし、外径を5.5mmとし、光ファイバ心線34の直径を0.25mmとした。こうすることで、メタル光複合ケーブル30は、ANSI/TIA/EIA−568Aのカテゴリー5及びエンハンストカテゴリー5に相当する伝導特性を有している。
【0049】
さらに、本実施形態の光ファイバ心線34は、モードフィールド径が6.3μm以下で、カットオフ波長が1260nm以下で、スクリーニングレベルが2.4%以上のシングルモードファイバを用いており、メタル光複合ケーブル30とした状態では、伝送損失が0.235dB/kmであり、温度特性が−10〜+70℃×3サイクルで伝送損失の増加量△αが0.03dB/kmであった。
【0050】
本実施形態のメタル光複合ケーブル30によれば、上記第1の実施形態と同様の効果を奏する上、光ファイバ心線34がスペーサに覆われるので撚り対線33などから曲げによる歪みを受けにくくなる。このため、伝送損失が増大することを防止することができる。
また、メタル光複合ケーブル30において、光ファイバ心線34をスペーサ35の押出し成形時に実装することができるので、メタル線32を撚り合わせる工程を行う設備とほぼ同程度の設備及び同じくらい線速で製造することができる。したがって、メタル光複合ケーブル30は生産性がより一層向上する。
【0051】
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜な変形、改良などが可能である。
例えば、上記実施形態で述べたメタル光複合ケーブルを複数本撚り合わせて樹脂で一括被覆したメタル光複合ケーブルとすることができる。このようにして構成した多心のメタル光複合ケーブルとすることで大容量のデータを伝送する通信ケーブルに適用することができる。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、光ファイバ心線に歪みが生じることを防止できるメタル光複合ケーブルを提供することができる。
【0053】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかるメタル光複合ケーブルの第1の実施形態を示す断面図である。
【図2】 本発明にかかるメタル光複合ケーブルの第2の実施形態を示す断面図である。
【図3】 本発明にかかるメタル光複合ケーブルの第3の実施形態を示す断面図である。
【図4】 従来のメタル光複合ケーブルの一例を示す断面図である。
【図5】 従来のメタル光複合ケーブルの他の例を示す断面図である。
【符号の説明】
10,20,30 メタル光複合ケーブル
11,21,31 シース
12,22,32 メタル線
13,23,33 撚り対線
14,24,34 光ファイバ心線
25,35 スペーサ

Claims (3)

  1. 樹脂からなるシースの内部に配された光ファイバ心線と、2本のメタル線を撚り合わせてなる撚り対線と、該撚り対線同士が接触しないように保持するスペーサとを有し、前記撚り対線が前記スペーサを介しつつ複数本撚り合わされ、前記光ファイバ心線が前記撚り対線よりもケーブル中心に近い位置に配され、前記スペーサはケーブル軸方向と直行する断面が十字形になるように形成され、前記光ファイバ心線が前記スペーサと前記撚り対線との間に配されていることを特徴とするメタル光複合ケーブル。
  2. 前記光ファイバ心線は、前記スペーサに対して、前記撚り対線同士を撚り合わせるピッチと同一のピッチで、且つ、撚り合わせる方向と反対方向に捻られていることを特徴とする請求項に記載のメタル光複合ケーブル。
  3. 上記請求項1または2に記載のメタル光複合ケーブルを複数本撚り合わせて樹脂で一括被覆したメタル光複合ケーブル。
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