JP2791404B2 - 光ファイバケーブルの製造方法 - Google Patents

光ファイバケーブルの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は光ファイバケーブルの製造方法に関し、特
に、製造工程において光ファイバに加わる伸び歪又は圧
縮歪を制御し、光損失の増加および製造工程後に残留す
る歪を制御することが出来る光ファイバケーブルの製造
方法に関する。
[従来の技術と発明が解決しようとする課題] 近年、通信回路の光ファイバ化が進行しており、市外
回線や海底回線のように複数の信号を多重化して送受信
する中継回線だけではなく、加入者用の回線としても適
用されつつある。特に加入者回線では、各加入者と電話
事業者とを1対1で結ぶために多数の光ファイバが必要
とされ、多くの光ファイバを集合した光ファイバケーブ
ルの需要がある。
このような要求に適用が可能なケーブルとして、例え
ば第6図に示されたものがあり、複数本の溝1をらせん
状に刻みこんだポリエチレン等からなる円柱2を中心部
材3の周囲に撚り合わせて集合している。この溝1の内
部には、例えば、第3図に示すような水平に整列した複
数の光ファイバ素線4の外周上のテープ被覆層5を施し
て構成された光ファイバテープ6が積層配置されてい
る。さらに、撚り合わせた円柱2の外周にはケーブルシ
ース7が施されて構成されている。
しかし、第6図の光ファイバケーブルの断面構造には
多くの空間があり光ファイバの高密度集合に適している
構造ではないという欠点があった。
この欠点を補うために、第5図に示すように、複数積
層した光ファイバテープ6をチューブ8内に収めてチュ
ーブユニット9とし、このチューブユニット9を中心部
材3の周囲に撚り合わせて集合することにより、ケーブ
ル断面に占める空間の割合を少なくした光ファイバケー
ブルの提案がされているが、チューブユニット9を撚り
合わせることにより、チューブユニット9内に収められ
た光ファイバ素線4にはそれぞれの光ファイバ素線4が
チューブ8の断面内に占める位置にしたがって様々な半
径を持った曲げが加わるとともに、撚り合わされたチュ
ーブ8内で光ファイバ素線4が描く軌跡の長さも様々と
なる。チューブユニット9の製造時と撚り合わせ時でこ
の光ファイバ素線4の描く軌跡の長さに相違があれば、
チューブ8内で光ファイバ素線4相互間に圧縮あるいは
伸び歪が加わるため、光ファイバ素線4に微小曲げが加
わり光損失が増加するという欠点があった。
本発明の目的は光ファイバを高密度に集合するために
中心部材の周囲に光ファイバを収めたチューブユニット
を撚り合わせて集合する光ファイバケーブルの製造方法
において、光ファイバに加わる伸び歪又は圧縮歪を制御
し、光損失の増加を制御することが可能な光ファイバケ
ーブルの製造方法を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明の製造方法は、複数の光ファイバ素線を被覆層
によって被覆した光ファイバテープを積層してチューブ
内に収めてなるチューブユニットを、一旦巻取り用のド
ラムに収めて貯蔵し、複数本のチューブユニットを、中
心部材の周囲に撚り合わせて集合することにより構成さ
れた光ファイバケーブルの製造方法において、 チューブユニットを巻き付けておく前記巻取り用のド
ラムの半径とチューブユニットを中心部材の周囲に撚り
合わせたときにチューブユニットに加わる曲げの半径と
を一致させることを特徴とする。
[作用] 本発明の製造方法は、チューブユニットの製造時に巻
取り・保存用に使用するドラムの半径と、チューブユニ
ットを中心部材の周囲に撚り合わせることにより発生す
る曲げの半径とを一致させることによって、曲げ半径の
不一致により発生する光ファイバの圧縮または伸び歪を
制御するものである。
[実施例] 以下、本発明の製造方法の一実施例を詳細に説明す
る。
第1図は本発明の製造方法により製造される光ファイ
バケーブルの一例を示し、半径aの中心部材3の周囲
に、ピッチ(チューブユニット9を中心部材3にらせん
巻きする際の長さ方向のピッチ)pでチューブユニット
9を撚り合わせて集合した光ファイバケーブルの断面図
である。このとき、チューブユニット9に加わる曲げの
半径rsは(1)式で計算することができる。
rs=a+(p/2π)2/a (1) 第2図は、チューブユニット9の一例の断面図であ
り、複数の光ファイバ素線4をテープ被覆層5によって
被覆した第3図に示す光ファイバテープ6を複数枚積み
重ねてチューブ8内に収めることにより構成されてい
る。このような状況において、光ファイバの伝送損失を
増加させる要因の一つとして、各光ファイバテープに加
わっている歪量のばらつきを原因とする光ファイバの座
屈によるマイクロベンディングが考えられる。これを回
避するには、光ファイバケーブル製造時に各光ファイバ
に加わるバックテンションを一致させることが考えられ
る。図1に示すケーブルを製造する場合には、まず図2
に示すチューブユニットを製造しドラムに巻付けて一旦
保存し、これを中心部材3の周りに撚り合わせる方法が
考えられるが、この場合チューブ製造過程で各光ファイ
バテープのバックテンションを揃えても、ドラムに巻付
けたときの曲げ半径と、ケーブル化された状態での曲げ
半径が異なれば、ケーブル完成後では伸び歪のバランス
が崩れるので、マイクロペンディングによる損失を発生
する恐れがある。これを回避するために、具体的には、
ドラム半径rdを決め、(1)式により計算されるチュー
ブユニット9の曲げの半径rsがドラム半径rdに一致する
ように中心部材3の半径aとピッチpを適当に選択する
方法と、中心部材3の半径aとピッチpを決めチューブ
ユニット製造時のドラム半径rdを選択する方法が考えら
れる。第4図は中心部材の半径a、チューブユニット9
のピッチp、チューブユニットの曲げの半径rsの関係の
計算例を示すグラフである。
さらに、第5図のような複数層にわたってチューブユ
ニット9を集合する場合には、各層に内接する円の半径
をaとして計算すればよい。また、ドラムにチューブユ
ニット9の多層巻きする場合にはこれら層全体の中心位
置における半径をrdとすればよい。
[発明の効果] 以上、説明したように本発明による光ファイバケーブ
ルの製造方法を用いれば、ケーブル化後もチューブユニ
ット内に収容される光ファイバの歪を均一化することが
でき、光損失が増加することなく光ファイバケーブルを
製造することが可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明により製造される光ファイバケーブルの
一例の断面図である。第2図はチューブユニットの一例
の断面を図示したものである。第3図は光ファイバテー
プの断面図である。第4図は本発明により製造される光
ファイバケーブルにおいて、中心部材の半径a、チュー
ブユニットのピッチp、チューブユニットに加わる曲げ
半径rsの関係の計算例を示すグラフである。第5図は本
発明により製造される光ファイバケーブルの他の例の断
面図である。第6図は従来の光ファイバケーブルの断面
図である。 1……溝、2……円柱、3……中心部材、4……光ファ
イバ素線、5……テープ被覆層、6……光ファイバテー
プ、7……ケーブルシース、8……チューブ、9……チ
ューブユニット。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の光ファイバ素線をテープ被覆層によ
    って被覆した光ファイバテープを積層してチューブ内に
    収めてなるチューブユニットを、一旦巻取り用のドラム
    に収めて貯蔵し、複数本のチューブユニットを、中心部
    材の周囲に撚り合わせて集合することにより構成された
    光ファイバケーブルの製造方法において、 チューブユニットを巻き付けておく前記巻取り用のドラ
    ムの半径とチューブユニットを中心部材の周囲に撚り合
    わせたときにチューブユニットに加わる曲げの半径とを
    一致させることを特徴とする光ファイバケーブルの製造
    方法。
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