JPH0538497A - 下水処理プロセスの制御方法 - Google Patents

下水処理プロセスの制御方法

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JPH0538497A
JPH0538497A JP3195587A JP19558791A JPH0538497A JP H0538497 A JPH0538497 A JP H0538497A JP 3195587 A JP3195587 A JP 3195587A JP 19558791 A JP19558791 A JP 19558791A JP H0538497 A JPH0538497 A JP H0538497A
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JP
Japan
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treated water
deviation
mechanical
operating time
aeration
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Application number
JP3195587A
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English (en)
Inventor
Yasunari Sasaki
康成 佐々木
Hiroshi Hoshikawa
寛 星川
Shigeru Hatsumata
繁 初又
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Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
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Publication date
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  • Activated Sludge Processes (AREA)
  • Aeration Devices For Treatment Of Activated Polluted Sludge (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】下水をオキシデイションディッチ法で活性汚泥
処理するとき、流入水量や水質の変動に対して機械式曝
気装置の適切な運転条件を設定する。 【構成】第1の方法は、処理水のpHの移動平均pHe
を求め、pHe があらかじめ設定したpHとなるように
曝気ローターの回転数を制御し、第2の方法は、pHe
が設定したpHとなるように曝気ローターの運転時間を
制御する。さらに第3の方法では、第1の方法と第2の
方法とを組み合わせることにより、第1の方法または第
2の方法を実施中に、いずれかに適した方法に自動的に
切り替えることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、下水や生活排水を生物
学的に処理するプロセスの制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】下水や生活排水のように主として有機物
を多く含む排水は、一般に生物学的な方法を用いて処理
されている。その代表的な処理法は活性汚泥法であり、
例えば標準活性汚泥法、ステップエアレーション法、長
時間エアレーション法、オキシデイションディッチ法等
が採用されている。なかでもオキシデイションディッチ
法(以下OD法と記す)は、小規模下水処理場に適する
方法として、近年採用数が急速に増加している。この方
法は、下水を機械式曝気装置を有する無終端水路(以下
ディッチと記す)に流入させて、活性汚泥処理を行う方
法である。機械式曝気装置は処理に必要な酸素を供給す
るほかに、ディッチ内の活性汚泥と流入下水を混合攪拌
し、混合液に流速を与えてディッチ内を循環させるとと
もに、活性汚泥の沈降を防止している。OD法のBOD
−SS負荷の範囲は0.03〜0.07kgーBOD/kg
ーSS・日程度、ディッチ内のMLSSは3000〜5
000mg/l程度であり、ディッチの水深は1〜3m程
度である。
【0003】ここで、OD法の概要を説明するために、
図2にその装置構成を示し、水の経路を実線の矢印、制
御信号系統を点線の矢印で表す。図2において、この装
置の水処理系は、下水1が流入し活性汚泥によって下水
処理がなされるディッチ2、活性汚泥と処理水の固液分
離を行う最終沈殿池3、汚泥を返送する返送汚泥ポンプ
4、ディッチ2内に酸素を供給する機械式曝気装置であ
る第1曝気ローター5、第2曝気ローター6、それぞれ
の曝気ローターを駆動する第1モーター7、第2モータ
ー8、さらに各モーター回転数調節用の第1インバータ
ー9、第2インバーター10から主として構成されてい
る。制御関係では、第1曝気ローター5、第2曝気ロー
ター6に対して制御信号を出力する制御装置13が設け
られている。
【0004】この装置における下水1の処理工程は次の
通りである。ディッチ2内に流入した下水1は活性汚泥
と混合され、微生物の働きによって有機物が除去され
る。活性汚泥を良好に維持するためには酸素が必要であ
り、第1曝気ローター5、第2曝気ローター6はディッ
チ2内にて活性汚泥を循環、攪拌するとともに酸素を供
給する役目を果たしている。こうして処理された下水1
は活性汚泥とともに最終沈殿池3に流入し、ここで重力
沈降による固液分離が行われて処理水11が得られる。
最終沈殿池3低部に沈殿した活性汚泥は、返送汚泥ポン
プ4によって返送汚泥14として再びディッチ2に返さ
れ、一部は余剰汚泥15として系外へ抜き出される。
【0005】このOD法は次の特徴を有している。 流入下水に水量、水質の時間的変動があっても、安
定したBOD除去を行うことができる。 水温が5℃近くまで低下しても、BOD除去は良好
である。 汚泥滞留時間が長いため、処理過程で硝化反応が起
こりやすい。 標準活性汚泥法にくらべて汚泥発生量が少ない。 操作因子が少なく、維持管理が比較的容易である。 設置面積は大きい。 以上のような特徴から、OD法は下水道関連の専門技術
者が少ない地方市町村において採用されることが多い。
【0006】しかしながら、このように多くの特徴を持
つOD法においても、適切な管理を行わなければ活性汚
泥の凝集性が低下し処理水質が悪化することが知られて
いる。これはディッチ内で進行する硝化反応のためにア
ルカリ度が消費され、その結果としてpHが低下するこ
とが主たる原因である。そのためpH低下を防止する目
的で、通常は生成した硝酸性窒素を窒素ガスに還元する
反応(脱窒反応)もディッチ内で進行させる。この脱窒
反応は溶存酸素がない状態(嫌気条件)で起こり、窒素
除去とともにアルカリ度を上昇させる性質がある。硝
化、脱窒の関係を整理すると次のようになる。
【0007】 窒素の形態変化 反応条件 pH 硝化反応 アンモニア性窒素→硝酸性窒素 好気性(溶存酸素あり) 低下 脱窒反応 硝酸性窒素 →窒素ガス 嫌気性(溶存酸素なし) 上昇 これらの反応をバランス良く進行させるためには、ディ
ッチに対する酸素供給量を調節して好気条件、嫌気条件
を作り出す必要があり、そのために従来次のような二つ
の方法が採用されてきた。
【0008】従来法の一つは、機械式曝気装置の回転数
を調節することである。機械式曝気装置である第1曝気
ローター5、第2曝気ローター6の回転数と酸素供給量
の間には一定の関係があり、回転数を増加させれば酸素
供給量も増加し、結果的に機械式曝気装置近傍の溶存酸
素濃度(以下DOと記す)も増加する。一方、DOはデ
ィッチ2内において一般に図3のように変化する。即
ち、図3は機械式曝気装置の第1曝気ローター5の設置
位置を原点とした場合の流れ方向のディッチ長さとDO
の減少の関係を示す一例であり、約50mでDOがほぼ
零となることを示している。この関係は、機械式曝気装
置の設置位置から約50mはDOがあるため硝化ゾーン
となり、それ以後ではDOがないため脱窒ゾーンとなる
ことを意味している。そのため、DOは図3のようにほ
ぼ直線的に減少することから、機械式曝気装置である第
1曝気ローター5と第2曝気ローター6の回転数を調節
すれば、これらの近傍のDOが変わり、その結果として
硝化ゾーンと脱窒ゾーンを同時に形成し、しかもそれぞ
れの領域の比率を変えることができる。したがって、機
械式曝気装置の回転数を調節することにより、硝化・脱
窒反応を進行させることができるのである。
【0009】従来法のこれと別の方法は、機械式曝気装
置の運転時間を調節することである。機械式曝気装置の
ON−OFF運転を行うと、曝気装置が稼働中は酸素が
供給され好気条件となって硝化が起こり、曝気装置を停
止すると嫌気条件となり脱窒が進む。運転、停止の配分
により硝化・脱窒のバランスをとることができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、年間を
通して水質、水温等の運転条件が変化する中で、この二
つの方法のどちらを選べば良いのか、具体的にどのよう
な手順によって機械式曝気装置の運転を調節すれば良い
のかについては、明確な技術手段は提供されていない。
したがって過去の経験に基づいて調節することが多く、
例えば従来法の機械式曝気装置の回転数を調節する場合
は、経験に基づいてある回転数を設定して2〜3週間運
転を行い、pH、溶存酸素、窒素濃度を測定し、それら
の結果から状況を判断し、再度回転数を決める手順が採
用されている。この手順をpHが中性付近に安定し、水
質が良くなるまで数回繰り返すのである。また従来法の
もう一つの機械式曝気装置の運転時間を調節する場合も
同様であり、経験に基づいてある運転時間を設定して2
〜3週間運転を行い、pH、溶存酸素、窒素濃度を測定
し、それらの結果から状況を判断し再度運転時間を決め
る手順が採用されている。しかし、これらの経験的な方
法には下記に示す欠点があった。
【0011】 2〜3週間毎に運転条件を変更するこ
とから、安定した条件を見出すまでに2〜3ヵ月という
長期間を要する。 過去の経験に基づいて運転条件を設定するため、か
なり高い技術レベルを要求される。 運転条件が2〜3週間固定されるため、流入水量や
水質の変動に対応することができない。
【0012】本発明の目的は上述の欠点を除去し、流入
水量や水質の変動がある場合にも、機械式曝気装置の適
切な運転条件を設定することが可能なOD法の自動制御
方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の方法は、
機械式曝気装置の回転数と処理水pHの間に一定の関係
があることに着目したものであり、処理水pHを自動的
に測定して、3〜5日間の移動平均を算出し、その値が
設定pH(pH7程度)より低ければ回転数を減じ、設
定pHより高ければ回転数を増して、処理水pHを設定
pHに一致させるOD法の運転制御方法である。
【0014】本発明の第2の方法は、機械式曝気装置の
運転、停止の時間的な比率と処理水pHの間に一定の関
係があることに着目したものであり、処理水pHを自動
的に測定して、3〜5日間の移動平均を算出し、その値
が設定pH(pH7程度)より低ければ運転時間を減
じ、設定pHより高ければ運転時間を増して、処理水p
Hを設定pHに一致させるOD法の運転制御方法であ
る。
【0015】本発明の第3の方法は、第1の方法と第2
の方法との組み合わせであり、第1の方法もしくは第2
の方法のいずれかによりOD法の運転制御を行い、しか
もその方法で処理水pHを設定pHに維持できない場合
は、この制御方法における機械式曝気装置の上限または
下限の運転条件において、もう一方の制御方法に自動的
に移行し、処理水pHを設定pHに一致させるOD法の
運転制御方法である。
【0016】
【作用】既に述べたように、機械式曝気装置の回転数と
酸素供給量の間には一定の関係があるから、回転数を増
加させれば機械式曝気装置近傍のDOも増加し、図3に
示した硝化ゾーンが大きくなり(ディッチの長さは有限
であるため、結果的に脱窒ゾーンは小さくなる)、硝化
が進行してpHは低下傾向を示すこととなり、逆に回転
数を減少させれば脱窒ゾーンが大きくなってpHは上昇
する。したがって第1の方法では、処理水pHを設定p
H(pH7程度)と比較し、設定pH>処理水pH(移
動平均値)であれば回転数を減じ、脱窒を進ませてpH
を上げ、設定pH<処理水pH(移動平均値)であれば
回転数を増し、硝化を進行させてpHを下げることによ
り、処理水pHを設定pH近傍に維持することが可能と
なる。処理水pHは日々の水質や天候にも影響されるの
で、制御のための値としては3〜5日間の移動平均を採
用する。機械式曝気装置の回転数には上限、下限を設け
て置く。これにより回転数が不足してディッチ内の攪拌
が不十分になったり、回転数が過剰で活性汚泥のフロッ
クが破壊されたりする状況を防止する。
【0017】機械式曝気装置を運転するとディッチ内は
好気性となり、硝化が進行しpHは低下するが、運転を
停止すると嫌気性となって、脱窒が進みpHは上昇す
る。したがって第2の方法では、処理水pHを設定pH
(pH7程度)と比較し、設定pH>処理水pH(移動
平均値)であれば、運転時間を減じて脱窒を進ませてp
Hを上げ、設定pH<処理水pH(移動平均値)であれ
ば、運転時間を増し硝化を進行させてpHを下げること
により、処理水pHを設定pH近傍に維持することが可
能となる。第1の方法と同様に、処理水pHは日々の水
質や天候にも影響されるので、制御のための値としては
3〜5日間の移動平均を採用する。機械式曝気装置の運
転時間には上限、下限を設けて置く。これにより1日中
運転が停止して水処理が不十分になったり、連続運転と
なって脱窒が殆どなされない状況を防止する。
【0018】第3の方法は、第1の方法と第2の方法の
組合せであるため、その作用は第1の方法の作用と、第
2の方法の作用との組み合わせとなるが、総合的な作用
は次の通りである。例えば、第1の方法の制御法を適用
して、機械式曝気装置の回転数が上限または下限となっ
ても、処理水pHを設定pH近傍に維持することができ
ない場合は、自動的に第2の方法の制御法に移行し、そ
の時に設定pH<処理水pHとなっており、回転数が上
限にあったときは運転時間を増し、酸素供給量を増加さ
せて硝化を進行させ、一方、設定pH>処理水pHとな
っており、回転数が下限にあったときは運転時間を減
じ、酸素供給量を減少させて脱窒を進ませ、処理水pH
を設定pHに制御するのである。これとは反対に第2の
方法の制御法を適用して、機械式曝気装置の運転時間が
上限または下限となっても、処理水pHを設定pH近傍
に維持することができない場合は、自動的に第1の方法
の制御法に移行し、その時に設定pH<処理水pHとな
っており、運転時間が上限にあったときは回転数を増
し、酸素供給量を増加させて硝化を進行させ、また、設
定pH>処理水pHとなっており、運転時間が下限にあ
ったときは回転数を減じ、酸素供給量を減少させて脱窒
を進ませ、処理水pHを設定pHに制御するのである。
【0019】以上のように、本発明の三つの制御法によ
れば、自動的にpHを設定pH(pH7程度)に維持す
ることができ、その結果、OD法において良好な処理水
質を得ることができる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき説明す
る。図1は本発明により運転制御されるOD法に用いら
れる装置構成を示し、水の経路を実線の矢印、制御信号
系統を点線の矢印で表す。図1の図2と共通する部分に
同一符号を用いてある。図1の水処理系は図2と同じで
あるから説明を省略するが、図1が図2と異なる点は計
測制御系にあり、最終沈殿池3に処理水11のpHを測
定するpH計12を挿入し、機械式曝気装置の第1曝気
ローター5,第2曝気ローター6に対して、制御信号を
出力する制御装置13aを設けたことにある。
【0021】次に、図1の装置を用いて下水処理が行わ
れるOD法に対して、本発明の第1の方法の実施例につ
いて述べる。まず最初の運転条件(初期値)を下記のよ
うに設定する。 第1曝気ローター5及び第2曝気ローター6の回転数 Rs 60回転/分 第1曝気ローター5及び第2曝気ローター6の回転数上限 Rmax 70回転/分 第1曝気ローター5及び第2曝気ローター6の回転数下限 Rmin 50回転/分 第1曝気ローター5及び第2曝気ローター6のの運転方法 連続運転 移動平均計算基準日数 D 4日 設定pH(制御目標値) pHs 7.0
【0022】ここで、第1曝気ローター5及び第2曝気
ローター6の回転数上限Rmax は、活性汚泥のフロック
が破壊されず、しかも曝気時に巻き上げられた汚水飛沫
が周囲に飛び散らない事を考慮し設定し、下限R
minは、活性汚泥がディッチ2内に沈まない流速が維持
される最小の回転数として決定する。初期値Rs はこの
中間値を取ればよい。設定pHは処理水質が良好なとき
のpHであり、7前後に設定するのが普通である。この
ような初期条件で制御運転を行い、処理水pHの4日間
移動平均値pHe が求められると、回転数Rは式(1)
に従って変更される。 R1 =Rs −K1 (pHs −pHe1) (1)
【0023】ここで、R1 は1回目に再設定された回転
数である。K1 は比例ゲインであり、通常1〜5程度で
ある。pHe1は1回目の処理水pH移動平均値である。
式(1)の計算は1日に1回行い、したがって回転数R
は1日に1回再設定される。例えばpHe1=6.7、K
1 =2であれば、1回目に再設定された回転数R1 は5
9.4回転/分であり、脱窒を促進しpHを上げるため
回転数は、初期値より減少している。
【0024】翌日の回転数R2 は式(2)で決定され
る。 R2 =R1 −K1 (pHs −pHe2) (2) したがって、n回目の回転数は式(3)で決定されるこ
とになる。 Rn =Rn-1 −K1 (pHs −pHen) (3) ここで、pHs −pHenは制御偏差である。
【0025】このような制御を続けると、やがて処理水
pHの移動平均値pHe は,設定値pHs に一致して回
転数Rが安定し、その安定した回転数Rが、対象とする
OD法の適切な回転数Rである。この安定状態が得られ
た場合、図1において第1曝気ローター5及び第2曝気
ローター6の下流側に、適切な硝化ゾーンと脱窒ゾーン
が形成されているのである。
【0026】かくして回転数Rが得られるが、具体的な
制御操作について説明を加える。処理水pHはpH計1
2により0.5〜1時間に1度の頻度で測定され、その
値は制御用コンピュータを備えた制御装置13aに送ら
れる。制御装置13aでは式(3)に基づく演算が行わ
れ、第1曝気ローター5及び第2曝気ローター6は、第
1インバーター9及び第2インバーター10、第1モー
ター7及び第2モーター8を介して、所定の回転数に制
御されるのである。
【0027】次に本発明の第2の方法についての実施例
を説明する。OD法が小規模でディッチ2の長さが短い
場合、あるいはディッチ2の長さは比較的長いが、負荷
が低いため活性汚泥濃度が薄く、酸素消費速度が小さい
場合には、脱窒のためのDOの充分な低下がディッチ2
内で得られないことがある。このような場合は、機械式
曝気装置の運転時間を制御する方法の方が、回転数を制
御する方法よりも適切である。本発明の第2の方法は、
このような場合の効果的な自動制御方法である。
【0028】第2の方法の実施例においても、まず最初
の運転条件(初期値)を下記のように設定する。 第1曝気ローター5及び第2曝気ローター6の運転時間 Ts 12時間 第1曝気ローター5及び第2曝気ローター6の1日の運転時間比率 Trs 0.5 第1曝気ローター5及び第2曝気ローター6の運転時間比率の上限 Trmax 0.7 第1曝気ローター5及び第2曝気ローター6の運転時間比率の下限 Trmin 0.3 第1曝気ローター5及び第2曝気ローター6の回転数 Rs 60回転/分 第1曝気ローター5及び第2曝気ローター6の運転方法 同期運転 移動平均計算基準日数 D 4日 設定PH(制御目標値) pHs 7.0
【0029】ここで、第1曝気ローター5及び第2曝気
ローター6の運転時間は1日当たりの時間であり、運転
時間比率は1日当たりのONになっている時間の割合で
ある。運転時間比率の上限は、流入水中のアンモニア濃
度、文献から得られる硝化速度、脱窒速度等を参考に決
定する。運転時間比率の下限は、BODで示される目標
処理水質を維持することができる最小限の運転時間比率
である。初期値はこの中間値を取ればよい。第1曝気ロ
ーター5及び第2曝気ローター6の回転数は、ローター
運転時に汚泥がディッチ2内に沈むことなく、充分に攪
拌される条件を目安に設定する。第1曝気ローター5及
び第2曝気ローター6は、それぞれ一方のみの単独運転
を行なわないものとする。設定pHは処理水質が良好な
ときのpHで、通常は7前後に設定する。
【0030】このような初期条件で運転を行ない、処理
水pHの4日間移動平均値pHe が求められると、運転
時間比率Tr は式(4)に従って変更される。 Tr1=Trs−K2 (pHs −pHe1) (4) ここで、Tr1は1回目に再設定された運転時間比率であ
る。K2は比例ゲインであり、0.02〜0.1程度で
ある。pHe1は1回目の処理水pH移動平均値であり、
式(4)の計算は1日に1回行い、したがって運転時間
比率Tr は1日に1回再設定される。例えばpHe1
6.7、K2 =0.05であれば、1回目に再設定され
た運転時間比率Tr1は 0.485であり、脱窒を促進
しpHを上げるために、運転時間比率は初期値より減少
している。
【0031】翌日の運転時間比率Tr2は式(5)で決定
される。 Tr2=Tr1−K2 (pHs −pHe2) (5) したがってn回目は式(6)で決定されることになる。 Trn=Trn-1−K2 (pHs −pHen) (6) ここで、pHs −pHenは制御偏差である。
【0032】こうした制御を続けると、やがて処理水p
Hの移動平均値pHe は、設定値pHs に一致し運転時
間比率Tr が安定し、それが対象とするOD法の適切な
運転時間比率Tr である。 かくしてTr は求められる
が、実際の制御においては、運転時間比率Tr に対応し
て決まるローターの運転時間Tをさらに分割し、ロータ
ーは1日の間に間欠運転を行なう。例えばTr が0.4
2であれば運転時間Tは10時間となるが、これは1回
2時間の5分割運転となり、運転2時間、停止2.8時
間が5回繰り返される。運転時間Tを何分割してON、
OFFを繰り返すかは運転管理者が決定する事項である
が、通常は1回に連続して運転する時間を少なくとも1
時間はとり、下水と活性汚泥を充分に接触させるように
する。運転時間Tに対応したON、OFF頻度はあらか
じめ決めておき、プログラムとして制御装置13aに設
定しておけばよい。具体的な制御操作は次のように行な
われる。処理水のpHはpH計12により0.5〜1時
間に1度の頻度で測定され、その値は制御用コンピュー
タを備えた制御装置13aに送られる。制御装置13a
では式(6)に基づく演算が行なわれ、第1曝気ロータ
ー5及び第2曝気ローター6は第1インバーター9及び
第2インバーター10、第1モーター7及び第2モータ
ー8を介してON、OFF運転され、ON、OFF信号
は制御装置13aから出力される。
【0033】続いて本発明の第3の方法の実施例を説明
する。第1の方法は、ディッチ2内で好気性の硝化ゾー
ンと嫌気性の脱窒ゾーンを形成するため、比較的規模の
大きいOD法の制御に適しており、第2の方法は、それ
よりも小さいOD法の制御に適していると概ね見做すこ
とができる。しかし実際には、どの制御法が適するかの
区別が難しい大きさのOD法も多く、しかも流入水質や
水温によっても適切な制御法は変化する。そのため、第
1の方法による制御法、第2の方法による制御法のいず
れにも、適用可能な制御法が実用上からは最も望ましい
と言える。本発明の第3の方法は、こうした考えに基づ
いてなされ、本発明の第1,第2のいずれかの方法だけ
では不十分な場合の制御方法であり、第1の方法と第2
の方法を組合せ、OD法の状況に応じてどちらかを自動
的に選択し制御を行う方法である。
【0034】さて、始めに本発明の第1の方法、即ち、
第1曝気ローター5及び第2曝気ローター6の回転数制
御を適用していたとする。第1の方法では式(3)に従
って回転数が制御されるが、数カ月間は第1の方法が有
効であるとしても、やがて回転数が下限値となっても、
処理水のpHが設定pHよりも低い状態に止まる場合が
ある。これは負荷や水温の低下によって、脱窒速度が低
下した場合に起こる現象である。このような下限値の状
態が5日間連続すれば、第3の方法では回転数制御は適
さないと自動的に判定し、第2の方法である第1曝気ロ
ーター5及び第2曝気ローター6の運転時間を制御する
方法に移行する。移行した時の初期値は、回転数につい
ては第1の方法の下限値であり、それ以外は既に説明し
た第2の方法の値である。なお、ここで5日間の判定期
間を設けたが、これは外部の一時的な変動要因によって
制御方法が変わり、OD法の運転が不安定になることを
防ぐためであり、判定期間としては3〜7日とするのが
適切である。
【0035】第2の方法の制御法に移行すると、回転数
は下限(50回転/分)の状態で、式(6)に従って制
御が行われ、やがて適切な運転時間比率Trにおいてプ
ロセスは安定する。こうした状態がしばらく続いていた
が、次第に負荷が高くなり、流入するアンモニア濃度、
BOD濃度も増大した場合を想定する。この条件では処
理水pHが設定pHよりも高くなりがちであり、硝化を
確実に行うため運転時間比率Tr は増加するが、上限値
となっても処理水pHが設定pHよりも高くなり、しか
もその状態が5日間継続すると、プロセス制御は第1の
方法に移行する。この場合、回転数の初期値は、それま
で維持されていた下限値である50回転/分であり、運
転時間については、運転時間比率Tr は無視されて連続
運転となって、式(3)に従って回転数制御がなされる
のである。
【0036】このように第3の方法では、2種類の制御
法のどちらか一方が、プロセスの状況に応じて自動的に
適用されるため、プロセスの運転状態が広い範囲で変化
しても、安定した処理を可能としている。
【0037】以上、本発明の第1、第2、第3の方法の
実施例を説明した。なお、設定pHは7.0としたが、
pH7程度であれば6.8や7.1でもよく、それぞれ
のOD法の実状に応じて設定することができる。また、
本発明では機械式曝気装置、即ち第1曝気ローター5及
び第2曝気ローター6は、同じ条件で運転することが必
要であるが、これらの台数について制限する必要はな
い。移動平均は3〜5日間のデータから計算すればよ
い。
【0038】
【発明の効果】OD法で下水処理を行う場合、硝化と脱
窒のバランスをとり、pHを7近傍に安定させること
が、良好な処理水質を得るために重要であり、従来は機
械式曝気装置の回転数または運転時間の人為的な調節に
よって、硝化と脱窒の調節が行なわれてきた。しかし、
この方法では経験に基づく高度な技術が要求され、また
人為操作であるため、水量や負荷の変動に充分対応する
ことができず、目的とする良好な処理水質が常に得られ
ないという問題があった。これを解決するためになされ
た本発明の運転制御方法は以下の利点を有する。
【0039】即ち、本発明の第1の方法は、機械式曝気
装置の回転数制御であり、処理水のpHを自動的に測定
して、3〜5日間の移動平均を算出し、その値が設定p
H(pH7程度)より低ければ回転数を減じ、設定pH
より高ければ回転数を増して、処理水のpHを設定pH
に一致させるOD法の運転制御方法である。この結果、
処理水pHは7近傍に維持され、良好な処理水質を得る
ことができ、しかもプロセス運転のための高度な専門技
術を必要としない。
【0040】また、本発明の第2の方法は、機械式曝気
装置の運転時間制御であり、処理水pHを自動的に測定
して、3〜5日間の移動平均を算出し、その値が設定p
H(pH7程度)より低ければ運転時間を減じ、設定p
Hより高ければ運転時間を増して、処理水pHを設定p
Hに一致させるOD法の運転制御方法である。この結
果、第1の方法と同様に、処理水pHは7近傍に維持さ
れ、良好な処理水質が得られ、プロセス運転のための高
度な専門技術は要求されない。
【0041】さらに、本発明の第3の方法は、第1の方
法と第2の方法を組み合わせた制御法であり、第1の方
法もしくは第2の方法のいずれかにより、OD法の運転
制御を行い、しかもその方法で処理水pHを設定pHに
維持できない場合は、そのときの制御方法における機械
式曝気装置の上限または下限の運転条件のもとに、もう
一方の制御方法に自動的に移行し、処理水pHを設定p
Hに一致させるOD法の運転制御方法である。この結
果、プロセスの運転条件が広い範囲で変化しても処理水
pHは7近傍に維持されて、良好な処理水質が得られ、
プロセス運転のための高度な専門技術を必要としない。
また、従来は回転数を調節する方法を行なうのか、もし
くは運転時間の調節で対応すべきであるのか、OD法の
運転制御法についての選択に関して、技術的に明確な区
分方法がなく、試行錯誤的な運転がなされていたが、本
発明の第3の方法による制御方法では、自動的に適切な
方法が選択されるため、早期に良好な処理水質を得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるOD法の装置構成を示す模式図
【図2】従来のOD法の装置構成を示す模式図
【図3】OD法における流れ方向のディッチ長さとDO
の関係線図
【符号の説明】
1 下水 2 ディッチ 3 最終沈殿池 5 第1曝気ローター 6 第2曝気ローター 11 処理水 12 pH計 13 制御装置 13a 制御装置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下水を機械式曝気装置を有する無終端水路
    に流入させて活性汚泥処理した後、最終沈殿池から処理
    水を放流させるオキシデイションディッチ法を行なうに
    当たり、機械式曝気装置の複数個のロータの回転数また
    は運転時間を制御装置からの信号によって調節する下水
    処理プロセスの制御方法において、処理水のpHを自動
    的に測定して3〜5日間の移動平均pHe を算出し、目
    標pHとして設定したpHs とpHe との偏差(pHs
    −pHe )を求め、この偏差が正のとき偏差に比例して
    機械式曝気装置の回転数を減じ、偏差が負のとき偏差に
    比例して機械式曝気装置の回転数を増し、かつ以上の演
    算結果に基づいて機械式曝気装置の回転数の変更を1日
    に1度の頻度で行なうことを特徴とする下水処理プロセ
    スの制御方法。
  2. 【請求項2】下水を機械式曝気装置を有する無終端水路
    に流入させて活性汚泥処理した後、最終沈殿池から処理
    水を放流させるオキシデイションディッチ法を行なうに
    当たり、機械式曝気装置の複数個のロータの回転数また
    は運転時間を制御装置からの信号によって調節する下水
    処理プロセスの制御方法において、処理水のpHを自動
    的に測定して3〜5日間の移動平均pHe を算出し、目
    標pHとして設定したpHs とpHe との偏差(pHs
    −pHe )を求め、この偏差が正のとき偏差に比例して
    機械式曝気装置の1日当たりの運転時間を減じ、偏差が
    負のとき偏差に比例して機械式曝気装置の1日当たりの
    運転時間を増し、かつ以上の演算結果に基づいて機械式
    曝気装置の1日当たりの運転時間の変更を1日に1度の
    頻度で行なうことを特徴とする下水処理プロセスの制御
    方法。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の方法のいずれか一
    方を実施中に、機械式曝気装置の回転数または運転時間
    があらかじめ設定した下限値もしくは上限値を一定期間
    継続して示すとき、自動的に請求項1または2記載の方
    法のうちの他の方法に切り替えることを特徴とする下水
    処理プロセスの制御方法。
  4. 【請求項4】請求項1ないし3記載のいずれかの方法に
    おいて、処理水のpH測定は最終沈殿池内に設置したp
    H計により行なうことを特徴とする下水処理プロセスの
    制御方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010247127A (ja) * 2009-04-20 2010-11-04 Kobelco Eco-Maintenance Co Ltd 有機性廃水処理施設の運転方法
JP2011230069A (ja) * 2010-04-28 2011-11-17 Kiyomi Yamaura 汚水処理装置の曝気運転制御システムおよび曝気運転制御方法
JP2018164876A (ja) * 2017-03-28 2018-10-25 株式会社Nttファシリティーズ 汚水処理装置
JP2018164875A (ja) * 2017-03-28 2018-10-25 株式会社Nttファシリティーズ 汚水処理装置

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