JPH0538027A - ワイヤハーネス用プロテクタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 アンカーがアンダーカット形状を有していて
も、一方向抜き金型を使用して一体成形することができ
るワイヤハーネス用プロテクタを提供する。 【構成】 プロテクタ本体１の壁部１ｅはヒンジ７介し
て壁部１ａに連結され、ヒンジ７を介して回動可能に設
けられている。アンカー６ａ，６ｂは夫々壁部１ａ，１
ｅの外面に設けられている。プロテクタ本体１の内側に
ワイヤハーネス１０を収納した後に、カバー部２及び壁
部１ｄを回動させてプロテクタ本体１の開放端を閉塞
し、ロック部４に爪部５を係合させることによりプロテ
クタ本体１とカバー部２とを相互に固定する。 【効果】 成形時に壁部１ａ，１ｄを同一平面上に配置
することにより、上下抜き金型等を使用してワイヤハー
ネス用プロテクタを一体成形することができる。また、
ワイヤハーネス１０に取り付ける際の作業性を著しく向
上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は自動車のワイヤハーネス
等の構成部品として使用されるワイヤハーネス用プロテ
クタに関する。

【０００２】

【従来の技術】図８は従来のワイヤハーネス用プロテク
タを示す平面図、図９はその正面図、図１０はその側面
図である。プロテクタ本体１１は断面がＵ字型をなして
おり、底面を構成する壁部（底壁）１１ａ及びこの壁部
１１ａの幅方向の両端部に立設された壁部（側壁）１１
ｂ，１１ｃを有している。プロテクタ本体１１の壁部１
１ｂの上端部にはカバー部（上壁）１２がヒンジ１３を
基点として回動可能に設けられている。このカバー部１
２は円弧軌道に沿って回動してプロテクタ本体１１の開
放端を閉塞するようになっている。プロテクタ本体１１
の壁部１１ｃの上端部には１対のロック部１４が設けら
れており、カバー部１２の縁部にはロック部１４に係合
する１対の爪部１５が突設されている。アンカー１６ａ
は壁部１１ａの外面に突設されている。一方、アンカー
１６ｂは壁部１１ｃの外面に突設されている。これらの
アンカー１６ａ，１６ｂは自動車のボディ等に設けた孔
に係合してワイヤハーネスを固定するためのものであ
り、この孔に係合しやすいようにアンダーカット形状に
成形されている。

【０００３】このように構成されるワイヤハーネス用プ
ロテクタにおいては、プロテクタ本体１１の内側にワイ
ヤハーネスを収納した後に、カバー部１２を回動させて
プロテクタ本体１１の開放端を閉塞し、ロック部１４に
爪部１５を係合させることによりプロテクタ本体１１と
カバー部１２とを相互に固定する。また、プロテクタ本
体１１はアンカー１６ａ，１６ｂを自動車のボディに設
けた孔に係合させることにより固定される。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のワイヤハーネス用プロテクタは、実質的に相互
に直交する壁部１１ａ，１１ｃの外面に１対のアンカー
１６ａ，１６ｃが突設されているため、一方向抜き金型
（例えば、上下抜き金型）を使用して一体成形すること
ができないという問題点がある。即ち、型抜き方向に対
してアンダーカットとなる形状を有するワイヤハーネス
用プロテクタを製造する場合は、スライド式の金型を使
用してアンダーカット部分を成形するか、又はアンダー
カット部分を別体成形した後に組み立てる必要がある。
スライド式の金型を使用した場合、金型のコストが増大
する。一方、アンダーカット部分を別体成形した場合に
は、金型の数が増えてそのコストが増大すると共に、別
体部品を管理し、組み立て作業を行う必要がある。な
お、従来のワイヤハーネス用プロテクタにおいては、金
型の構造上、アンカーの取り付け位置が余儀なく変更さ
れ、自動車のボディ等への取り付けレイアウトが制限さ
れる場合もある。

【０００５】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、アンカーがアンダーカット形状を有してい
ても、一方向抜き金型を使用して一体成形することがで
きるワイヤハーネス用プロテクタを提供することを目的
とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明に係るワイヤハー
ネス用プロテクタは、底壁と、この底壁に実質的に垂直
に配置された１対の側壁と、前記底壁及び側壁に囲まれ
た空間を開閉する上壁と、いずれか一方の側壁及び底壁
の外面に夫々突設された１対のアンカーとを有し、前記
アンカーが設けられた側壁はその少なくともアンカーが
設けられた部分が前記底壁に対して回動可能に取り付け
られており、このアンカーが設けられた側壁又は側壁部
分は前記上壁と係合する係合部材を備えていることを特
徴とする。

【０００７】

【作用】本発明においては、ワイヤハーネス用プロテク
タがその底壁に実質的に垂直に配置された１対の側壁を
有し、いずれか一方の側壁及び底壁の外面に夫々１対の
アンカーを突設する場合に、前記アンカーが設けられた
側壁はその少なくともアンカーが設けられた部分を前記
底壁に対して回動可能に取り付ける。この場合、前記ア
ンカーが設けられた側壁又は側壁部分は成形時に前記底
壁と同一平面上に配置することができ、使用時には回動
させることにより前記底壁に垂直に配置することができ
る。このため、前記１対のアンカーがアンダーカット形
状を有していても、前記側壁又は側壁部分を前記底壁と
同一平面上に配置して、型抜き方向に対してアンダーカ
ット形状がなくなるようにすれば、一方向抜き金型を使
用してワイヤハーネス用プロテクタを一体成形すること
ができる。このように一方向抜き金型を使用してワイヤ
ハーネス用プロテクタを製造することができるので、従
来に比して金型のコストを低減することができ、又は別
体部品の組み立て作業を削減することができる。

【０００８】このように構成されたワイヤハーネス用プ
ロテクタにおいては、前記底壁及び側壁に囲まれた空間
にワイヤハーネスを収納した後に、この空間を上壁で閉
塞し、少なくとも前記アンカーが設けられた側壁又は側
壁部分と前記上壁とを係合部材で係合する。これによ
り、ワイヤハーネスにプロテクタを取り付けることがで
きる。

【０００９】本発明においては、前記側壁又は側壁部分
を前記底壁に対して回動させることにより、ワイヤハー
ネスの組み込み口を一時的に大きくすることができる。
このため、ワイヤハーネスにプロテクタを取り付ける際
の作業性を著しく向上させることができる。

【００１０】なお、前記上壁はいずれか一方の側壁に回
動可能に取り付けて一体成形することが好ましいが、必
要に応じて別体成形することもできる。

【００１１】

【実施例】次に、本発明に実施例について添付の図面を
参照して説明する。

【００１２】図１は本発明の第１の実施例に係るワイヤ
ハーネス用プロテクタを示す平面図、図２はその正面
図、図３はその側面図、図４及び図５は夫々第１の実施
例に係るワイヤハーネス用プロテクタの爪部及びロック
部を抽出して示す部分拡大斜視図である。プロテクタ本
体１は断面がＵ字型をなしており、底面を構成する壁部
（底壁）１ａ、壁部１ａの幅方向の一端部に立設された
壁部（側壁）１ｂ及び壁部１ａの幅方向の他端部に立設
された壁部（側壁部分）１ｃ，１ｄを有している。壁部
１ｂ，１ｃは壁部１ａに直接固定されているものの、壁
部１ｄはヒンジ７を介して壁部１ａに連結され、ヒンジ
７を基点として回動可能に設けられている。プロテクタ
本体１の壁部１ｂの上端部にはカバー部（上壁）２がヒ
ンジ３を基点として回動可能に設けられている。このカ
バー部２は円弧軌道に沿って回動してプロテクタ本体１
の開放端を閉塞するようになっている。プロテクタ本体
１の壁部１ｃ，１ｄの上端部には１対のロック部４が設
けられており、カバー部２の縁部にはロック部４に係合
する１対の爪部５が突設されている。爪部５は、図４に
示すように、カバー部２に対して垂直に突出したリング
状をなしている。ロック部４は爪部５を壁部１ｃ，１ｄ
に対して平行に案内する案内部４ａと、案内部４ａに挿
入された爪部５を係止する係止部４ｂとで構成されてい
る。なお、図５に示すように、壁部１ｄにおいては、成
形時の型抜き方向を考慮して案内部４ａが壁部１ｄと重
ならないように分割されている。アンカー６ａは壁部１
ａの外面に突設されている。一方、アンカー６ｂは壁部
１ｄの外面に突設されている。これらのアンカー６ａ，
６ｂは自動車のボディ等に係合するようにアンダーカッ
ト形状に成形されている。

【００１３】このように構成されるワイヤハーネス用プ
ロテクタにおいては、プロテクタ本体１の内側にワイヤ
ハーネスを収納した後に、カバー部２及び壁部１ｄを回
動させてプロテクタ本体１の開放端を閉塞し、ロック部
４に爪部５を係合させることによりプロテクタ本体１と
カバー部２とを相互に固定する。また、プロテクタ本体
１はアンカー６ａ，６ｂを自動車のボディ等に係合させ
ることにより、このボディ等に取り付けられる。

【００１４】本実施例においては、壁部１ａ，１ｄはヒ
ンジ７を介して連結され、相互に回動可能に設けられて
いる。この場合、壁部１ａ，１ｄは成形時に同一平面上
に配置することができ、使用時にはヒンジ７を基点とし
て回動させることにより相互に直交するように配置する
ことができる。このため、本実施例に係るワイヤハーネ
ス用プロテクタは、アンカー６ａ，６ｂがアンダーカッ
ト形状を有していても、成形時に壁部１ａ，１ｄを同一
平面上に配置して、型抜き方向に対してアンダーカット
形状がなくなるようにすれば、上下抜き金型等を使用し
て一体成形することができる。これにより、従来に比し
て金型のコストを低減することができ、別体部品の組み
立て作業を削減することができる。

【００１５】また、壁部１ｄを壁部１ａに対して回動さ
せることにより、ワイヤハーネスの組み込み口を一時的
に大きくすることができ、ワイヤハーネスにプロテクタ
を取り付ける際の作業性を著しく向上させることができ
る。

【００１６】図６は本発明の第２の実施例に係るワイヤ
ハーネス用プロテクタを示す斜視図、図７はその正面図
である。なお、本実施例はプロテクタ本体の壁部の構成
が第１の実施例とは異なるものであるので、図６及び図
７において図１乃至図５と同一物には同一符号を付して
その部分の詳細な説明は省略する。プロテクタ本体１は
断面がＵ字型をなしており、底面を構成する壁部１ａ、
壁部１ａの幅方向の一端部に立設された壁部１ｂ及び壁
部１ａの幅方向の他端部に立設された壁部（側壁）１ｅ
を有している。この壁部１ｄはヒンジ７を介して壁部１
ａに連結され、ヒンジ７を基点として回動可能に成形さ
れている。プロテクタ本体１の壁部１ｂの上端部にはカ
バー部２がヒンジ３を基点として回動可能に設けられて
いる。このカバー部２は円弧軌道に沿って回動してプロ
テクタ本体１の開放端を閉塞するようになっている。プ
ロテクタ本体１の壁部１ｅの上端部には１対のロック部
４が設けられており、カバー部２の縁部にはロック部４
に係合する１対の爪部５が突設されている。アンカー６
ａは壁部１ａの外面に突設されている。一方、アンカー
６ｂは壁部１ｅの外面に突設されている。これらのアン
カー６ａ，６ｂは自動車のボディ等に係合するようにア
ンダーカット形状に成形されている。

【００１７】このように構成されるワイヤハーネス用プ
ロテクタにおいては、プロテクタ本体１の内側にワイヤ
ハーネス１０を収納した後に、カバー部２及び壁部１ｅ
を回動させてプロテクタ本体１の開放端を閉塞し、ロッ
ク部４に爪部５を係合させることによりプロテクタ本体
１とカバー部２とを相互に固定する。

【００１８】本実施例においては、壁部１ａ，１ｅは成
形時に同一平面上に配置することができ、使用時にはヒ
ンジ７を基点として回動させることにより相互に直交す
るように配置することができる。このため、本実施例に
係るワイヤハーネス用プロテクタは、第１の実施例と同
様にして、アンカー６ａ，６ｂがアンダーカット形状を
有していても、上下抜き金型を使用して一体成形するこ
とができる。

【００１９】また、回動可能の壁部１ｅはプロテクタ本
体１の全長に亘って設けられているため、この壁部１ｅ
を壁部１ａに対して回動させることにより、ワイヤハー
ネス１０の組み込み口を一時的に大きくすることがで
き、ワイヤハーネス１０にプロテクタを取り付ける際の
作業性を第１の実施例に比して更に向上させることがで
きる。

【００２０】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、底
壁に実質的に垂直に配置された１対の側壁を有し、いず
れか一方の側壁及び壁部の外面に夫々１対のアンカーを
突設する場合に、前記アンカーが設けられた側壁はその
少なくともアンカーが設けられた部分を前記底壁に対し
て回動可能に取り付けるから、前記アンカーが設けられ
た側壁又は側壁部分は成形時に前記底壁と同一平面上に
配置することができる。このため、前記１対のアンカー
がアンダーカット形状を有していても、一方向抜き金型
を使用してワイヤハーネス用プロテクタを一体成形する
ことができる。これにより、従来に比して金型のコスト
を低減することができ、又は別体部品の組み立て作業を
削減することができる。また、前記１対の壁部を相互に
回動させることにより、ワイヤハーネスの組み込み口を
一時的に大きくすることができ、ワイヤハーネスにプロ
テクタを取り付ける際の作業性を著しく向上させること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例に係るワイヤハーネス用
プロテクタを示す平面図である。

【図２】本発明の第１の実施例に係るワイヤハーネス用
プロテクタを示す正面図である。

【図３】本発明の第１の実施例に係るワイヤハーネス用
プロテクタを示す側面図である。

【図４】本発明の第１の実施例に係るワイヤハーネス用
プロテクタの爪部を抽出して示す部分拡大斜視図であ
る。

【図５】本発明の第１の実施例に係るワイヤハーネス用
プロテクタのロック部を抽出して示す部分拡大斜視図で
ある。

【図６】本発明の第２の実施例に係るワイヤハーネス用
プロテクタを示す斜視図である。

【図７】本発明の第２の実施例に係るワイヤハーネス用
プロテクタを示す正面図である。

【図８】従来のワイヤハーネス用プロテクタを示す平面
図である。

【図９】従来のワイヤハーネス用プロテクタを示す正面
図である。

【図１０】従来のワイヤハーネス用プロテクタを示す側
面図である。

【符号の説明】

１，１１；プロテクタ本体 １ａ，１１ａ；壁部（底壁） １ｂ，１ｅ，１１ｂ，１１ｃ；壁部（側壁） １ｃ，１ｄ；壁部（側壁部分） ２，１２；カバー部（上壁） ３，７，１３；ヒンジ ４，１４；ロック部 ４ａ；案内部 ４ｂ；係止部 ５，１５；爪部 ６ａ，６ｂ，１６ａ，１６ｂ；アンカー １０；ワイヤハーネス

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 底壁と、この底壁に実質的に垂直に配置
   された１対の側壁と、前記底壁及び側壁に囲まれた空間
   を開閉する上壁と、いずれか一方の側壁及び底壁の外面
   に夫々突設された１対のアンカーとを有し、前記アンカ
   ーが設けられた側壁はその少なくともアンカーが設けら
   れた部分が前記底壁に対して回動可能に取り付けられて
   おり、このアンカーが設けられた側壁又は側壁部分は前
   記上壁と係合する係合部材を備えていることを特徴とす
   るワイヤハーネス用プロテクタ。