JPH0537995U - 液流処理装置における脱着式シボ立て起毛処理装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 処理液噴射部の下方に取外し自在の衝突部を
設けて、染色精練等の処理と同時にシボ立て処理や起毛
処理もできるようにする。 【構成】 滞溜槽１と移送通路２とを両端で連結した環
状処理通路内に、ループ状に結合した布帛等を装填して
処理液噴射部３からの液流によって循環移行させる間に
染色その他の処理をする装置において、処理液噴射部３
に取外し自在に接続され、移送通路２に開口する半割り
筒状体10を設け、この筒状体10の下端には液流と共に布
帛等が衝突する衝突部13を設け、この衝突部13の表面を
摩擦力の大きい起毛面14とした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は布帛等の液流処理装置における脱着式シボ立て起毛処理装置に関する 。

【０００２】

【従来の技術】

一般に布帛等の繊維製品を処理する場合、布帛の繊維素材、種類あるいは処理 目的に応じて、精練、漂白、染色処理のみを行なったり、リラックス効果を与え たり、あるいは強撚糸織物等を解撚シボ立て処理をする場合がある。 従来の精練、漂白、染色又はリラックス処理に関する液流処理装置は、既に一 般に広く知られている。

【０００３】 また、強撚糸織物の解撚シボ立て処理装置として、本願出願人は移送通路内に 衝突板を設けた例（特開昭６２−２４３８６３号）を提案した。 さらに、染色その他の処理を行なうと同時に綿、毛、ナイロン、レーヨン等の 編織物に起毛処理をする例も公知である。例えば特公昭５１−１８５５６号公報 に示されるようにノズル部に近接する位置に内面に凹凸のある起毛用リングを設 ける例、また特開昭５９−１７３３６４号公報のように布帛の走行径路に砥石粗 面を設ける例もある。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上記の解撚シボ立て処理装置では、衝突板が処理液噴射部の出口側に接近した 位置の移送通路内に固定されているので、解撚シボ立ての効果を挙げることがで きる。しかし、液流処理機による処理は前述のように一般には精練、漂白、染色 処理を目的とするものであり、この解撚シボ立てを必要としない場合が多く、衝 突板の存在は障害となる。又、場合によれば起毛処理を必要とすることもある。

【０００５】 しかるに、上記公知例に示される起毛用リングは布帛等の進行方向に平行に凹 凸を構成した例が示されているだけで、布帛等の通過時に起毛効果が発揮され難 い欠点があり、また砥石粗面を用いる例では布帛等への起毛作用は十分あるが、 砥石の研削が難しく処理液噴射部への取付けや組換えに不便であり、さらに落下 による破損の危険性もある等の難点を有していた。

【０００６】 本考案は一般の処理目的としての精練、漂白、染色等に加えてシボ立てと起毛 とを要求される布帛については半割り筒状体を取付けることができ、布帛の繊維 素材、種類あるいは処理目的に応じて取替え可能な脱着式シボ立て起毛処理装置 を提供しようとするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するため本考案では、滞溜槽と移送通路とを両端で連結した 環状処理通路内に、ループ状に結合した布帛等の繊維製品を装填して、処理液噴 射部からの液流によって循環移行させる間に染色その他の処理をする液流処理装 置において、前記処理液噴射部に取外し自在に接続され、移送通路に開口する半 割り筒状体を設け、この筒状体の下端に液流と共に布帛等が衝突する衝突部を設 け、この衝突部の表面を摩擦力の大きい起毛面とした液流処理装置における脱着 式シボ立て起毛処理装置とした。

【０００８】

【作用】

本考案では処理液噴射部に接続された半割り筒状体は取外し可能としたので、 布帛の繊維素材、種類、処理目的に応じて適宜装着可能である。また半割り筒状 体として半割りの開口部が移送通路に開口しているので、布帛等の移送が円滑に 行なえると共に下端には衝突部を設け、且つその表面を摩擦力の大きい起毛面と したので、噴射流と共に処理液噴射部を出てきた直後の最も布速の速い段階で、 布帛が衝突部に直接突き当ると共に起毛面により起毛されるようになっている。

【０００９】 従って、移送通路内での配管抵抗で布速が低減しない位置で強烈な叩打作用と 起毛作用とを与えることができ、従来のワッシャーと同等以上の解撚シボ立て処 理と同時に起毛処理が可能となった。

【００１０】

【実施例】

以下、図面に示した本考案装置の一実施例につき説明する。 図１において、１は滞溜槽で、処理液が滞溜し、ループ状に結合した布帛等の 長尺繊維製品を蛇行状に移行しながら、一時滞溜させるようになっている。２は 移送通路で、前記滞溜槽１とは両端で連結され、環状処理通路を構成している。 ３は処理液噴射部で、滞溜槽１の出口部に連結されている。４は処理液、５は布 帛を示す。６はローラである。布帛５は滞溜槽１内を進行し、ローラ６を経て、 処理液噴射部３の噴出流によって移送通路２内へ送り込まれ、滞溜槽１の他端か ら再び滞溜槽１内へ送られ循環する。この間に布帛等は処理液により染色、精練 その他の処理が行なわれる。７は処理液循環路で、処理液が滞溜槽１から少なく とも１個の調節口より吸込配管で吸込まれ、ポンプ８、熱交換器９を通って、処 理液噴射部３から移送通路２へ噴射されるようになっている。

【００１１】 図２は処理液噴射部３の拡大断面図を示す。10は半割り筒状体で、上端11で処 理液噴射部３の下方に取外し自在に設けられている。12は半割りの開口部、13は 衝突部である。衝突部13は図３に示すように表面に布帛の進行方向と直交する凹 凸部からなる起毛面14が形成されている。又、この衝突部13の表面に針布又は摩 擦力の大きいゴムラバー等を貼付してもよい。

【００１２】 このようにすることにより布帛等の突き当り圧力を十分に発揮でき、布帛等に 打込み作用と起毛作用とを与えるようになった。 衝突部の設置位置は移送通路内の噴射部の下流で近接した位置が望ましい。図 示した例では上方から落下して屈曲した移送通路内へ送り込まれている。

【００１３】

【考案の効果】

本考案では上記のような構成としたので、布帛等の繊維素材、種類、処理目的 に応じて適宜に半割り筒状体を取付けたり、取外したりでき、取付けない場合に は通常の洗練、漂白、染色等に用いられ、シボ立て処理と起毛処理をする場合は 半割り筒状体を取付けることにより、布帛は処理液噴射部からの噴射流と共に移 送通路に導入された直後に衝突部に突き当ると共に表面の起毛面により布速が最 も速い段階で叩打作用と起毛作用が与えられる。従って、縦方向の縮み作用を実 現させると共に耳際のロープジワが解消される他、強撚糸の織物等、高密度な織 物においては解撚シボ立て作用が確実に行なわれ、起毛が生じて染色その他の繊 維製品の処理効果が一段と向上するようになった。

【図面の簡単な説明】

【図１】液流処理装置の断面図

【図２】要部拡大断面図

【図３】衝突部及び開孔部の拡大断面図

【符号の説明】

１ 滞溜槽 ２ 移送通路 ３ 処理液噴射部 ４ 処理液 ５ 布帛 10 半割り筒状体 13 衝突部 14 起毛面

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 滞溜槽と移送通路とを両端で連結した環
   状処理通路内に、ループ状に結合した布帛等の繊維製品
   を装填して、処理液噴射部からの液流によって循環移行
   させる間に染色その他の処理をする液流処理装置におい
   て、前記処理液噴射部に取外し自在に接続され、移送通
   路に開口する半割り筒状体を設け、この筒状体の下端に
   液流と共に布帛等が衝突する衝突部を設け、この衝突部
   の表面を摩擦力の大きい起毛面としたことを特徴とする
   液流処理装置における脱着式シボ立て起毛処理装置。