JPH0537508U - タイヤ用滑り止めネツト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ネット本体の金具掛止部において芯材が内側
面側から露出しないようにし、これにより芯材の切断を
防止する。 【構成】 高張力性芯材に未加硫ゴムを被覆してなる線
条材を用いて構成されかつＶ字状に外方突出された金具
掛止部を有するネット本体が、予備成形された後に加硫
成形されるタイヤ用滑り止めネットにおいて、前記金具
掛止部27の内側面31が厚み方向両面に対して直角になり
かつ外側面32がテーパー面になるように、金具掛止部27
の断面が台形状に形成されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、タイヤ用滑り止めネットに関する。

【０００２】

【従来の技術】

タイヤ用滑り止めネットには、ネット本体を、図８（Ａ）に示すように高張力 性芯材1 に未加硫ゴム2 に被覆して成る線条材3 を用いて網状に構成し、その両 側縁部に図８及び図９に示すようにＶ字状に外方突出した金具掛止部4 を一体に 形成し、このネット本体を予備成形した後に加硫成形するようにしたものがある 。そして、前記金具掛止部4 は一定間隔をおいて複数個設けられ、その先端屈曲 部に締付ロープやゴムバンドを取付ける為の金具が掛止めされるようになってい る。

【０００３】 ところで、この種の従来のタイヤ用滑り止めネットは、図７に示す如くネット 本体の金具掛止部4 その他の内側面5 及び外側面6 がテーパー面になるように、 金具掛止部4 その他の断面を台形状に形成し、これにより予備成形及び加硫成形 した際に、ネット本体を成形金型から容易に取出すことができるようにしている 。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

従って、ネット本体を成形する場合、まず、図８に示すように上金型8 と下金 型9 とを有する予備成形金型10に、ネット本体を形成するための成形溝11を形成 しておき、この成形溝11に、図８（Ａ）に示すように合成繊維製の高張力性芯材 1 に未加硫ゴム2 を被覆して成る線条材3 を嵌め込み、その後図８（Ｂ）（Ｃ） に示す如く下金型9 に対して上金型8 を接近させて、線条材3 を熱プレスしてネ ット本体を予備成形するのであるが、この予備成形の際に、図８（Ｂ）に示すよ うに成形溝11の内側面の傾斜に沿って未加硫ゴム2 が矢印方向に流れ、この流れ によって高張力性芯材1 が内側面5 側に移動し、このため予備成形後には図８（ Ｃ）及び図９に示す如く高張力性芯材1 が未加硫ゴム2 の中心部から内側面5 側 に大きく偏位することがある。そして、このように芯材1 が偏位したネット本体 を図１０に示す如く加硫金型12によって加硫成形すると、芯材1 は加硫成形する 際の熱で収縮する性質があるため、各金具掛止部4 の先端屈曲部4aでは芯材1 が 内側面5 に向けてさらに大きく偏位し、芯材1 が内側面5 から露出してしまい、 このため使用中に先端屈曲部4aに掛止めした金具と芯材1 とが擦れて芯材1 を切 断することがあった。

【０００５】 本考案は上記問題点に鑑み、ネット本体の金具掛止部で芯材が内側面側から露 出しないようにし、これにより芯材の切断を防止するようにしたものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

この技術的課題を解決する本考案の技術的手段は、高張力性芯材22に未加硫ゴ ム23を被覆してなる線条材24を用いて構成されかつＶ字状に外方突出された金具 掛止部27を有するネット本体21が、予備成形された後に加硫成形されるタイヤ用 滑り止めネットにおいて、 前記金具掛止部27の内側面31が厚み方向両面に対して直角になりかつ外側面32 がテーパー面になるように、金具掛止部27の断面が台形状に形成されている点に ある。

【０００７】

【作用】

ネット本体21を製造する場合、まず、図５に示すように上金型35と下金型36と を有する予備成形金型37の成形溝38に、高張力性芯材22に未加硫ゴム23を被覆し て成る線条材24を嵌め込み、その後下金型36に対して上金型35を接近させて、線 条材24を熱プレスしてネット本体21を予備成形する。この場合、金具掛止部27で は成形溝38の内側面が直角状に起立しているため、図５（Ｂ）に示すように未加 硫ゴム23が矢印の如く上下両方に流れ、未加硫ゴム23の流れが成形溝38の内側面 で止められるため、高張力性芯材22が内側面31側に大きく移動するようなことは なくなり、従って予備成形後には図５（Ｃ）及び図３に示す如く高張力性芯材22 が未加硫ゴム23の中心部から内側面31側に大きく偏位することはなく、高張力性 芯材22は未加硫ゴム23の略中心部に位置する。

【０００８】 そして、予備成形後にネット本体21を図４に示すように加硫金型40によって加 硫成形すると、芯材22は加硫成形する際の熱で収縮する性質があるため、各金具 掛止部27では芯材22が先端屈曲部27a の内側面31に向けて偏位するが、予備成形 時の芯材22の偏位が小さいため、芯材22が内側面31から露出する惧れはない。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案を図示の実施例に従って説明すると、図２において、21はタイヤ 用滑り止めネットのネット本体で、図５（Ａ）に示す合成樹脂製の高張力性芯材 22に未加硫ゴム23を被覆してなる線条材24を用いて構成され、ネット本体21の内 側縁部25及び外側縁部26に、Ｖ字状に外方突出された金具掛止部27が一定間隔を おいて複数個設けられている。金具掛止部27の先端屈曲部27a に締付ロープやゴ ムバンドを取付けるための金具28が掛止めされるようになっている。

【００１０】 前記ネット本体21の金具掛止部27は、図１に示すようにその断面が台形状に形 成され、内側面31が厚み方向両面に対して直角になりかつ外側面32がテーパー面 になっている。これは、従来において図１に鎖線で示す如く内側面及び外側面の 両面がテーパー面になるように断面が台形状であったものを、内側面31側の三角 形部分ａが増加することによって内側面31が厚み方向両面に対して直角になるよ うにしたものである。

【００１１】 また、前記ネット本体21の金具掛止部27以外の部分は、従来通り両側面がテー パー面となるように断面が台形状に形成されている。 なお、前記実施例では金具掛止部27の内側面31側の三角形部分ａを増加するこ とによって内側面31が厚み方向両面に対して直角になるようにしているが、これ に代え、図６に示すように金具掛止部27の内側面31側の三角形部分ｂを減少させ ることによって内側面31が厚み方向両面に対して直角になるようにしてもよい。

【００１２】 また、前記実施例では、ネット本体21の金具掛止部27のみを図１又は図６に示 すように内側面5 が厚み方向両面に対して直角になるように断面台形状に形成し ているが、金具掛止部27の他にネット本体21の内側縁部25、外側縁部26その他の 部分も図１及び図６と同様の断面台形状に形成するようにしてもよい。

【００１３】

【考案の効果】

本考案によれば、金具掛止部27の内側面31が厚み方向両面に対して直角になり かつ外側面32がテーパー面になるように、金具掛止部27の断面が台形状に形成さ れているので、予備成形時に高張力性芯材22が未加硫ゴム23の中心部から大きく 偏位するようなことはなくなり、このため予備成形後の加硫成形によって芯材22 が先端屈曲部28の内側面31に向けて偏位しても、芯材22が内側面31から露出する ようなことはなくなる。従って、滑り止めネットの使用中に先端屈曲部28に掛止 めした金具と芯材22とが擦れることによる芯材22の切断を確実に防止し得る。

【図面の簡単な説明】

【図１】金具掛止部の断面図である。

【図２】ネット本体の平面図である。

【図３】予備成形を示す断面図である。

【図４】加硫成形を示す断面図である。

【図５】予備成形工程を示す断面図である。

【図６】他の実施例を示す金具掛止部の断面図である。

【図７】従来例を示す金具掛止部の断面図である。

【図８】予備成形工程を示す断面図である。

【図９】予備成形を示す断面図である。

【図１０】加硫成形を示す断面図である。

【符号の説明】

21 ネット本体 22 高張力性芯材 23 未加硫ゴム 24 線条材 27 金具掛止部 31 内側面 32 外側面

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 高張力性芯材(22)に未加硫ゴム(23)を被
   覆してなる線条材(24)を用いて構成されかつＶ字状に外
   方突出された金具掛止部(27)を有するネット本体(21)
   が、予備成形された後に加硫成形されるタイヤ用滑り止
   めネットにおいて、 前記金具掛止部(27)の内側面(31)が厚み方向両面に対し
   て直角になりかつ外側面(32)がテーパー面になるよう
   に、金具掛止部(27)の断面が台形状に形成されているこ
   とを特徴とするタイヤ用滑り止めネット。