JPH0536762Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、自動車のシートの前部に取付けて、
濡れた雨傘を収納するに好適な車両用傘収納ケー
スに関する。

〔従来の技術〕

濡れた雨傘を車内に持込む場合に、傘からの雫
がフロアやシートの衣服に垂れて濡らすことがあ
るため、例えば、実開昭56−83546号公報に開示
される如く、自動車のシートの前部に沿つて着脱
可能に設けた、細長い上部を開口した箱状の傘受
け部本体と、該傘受け部本体の上部開口を覆うリ
ツドとからなる車両用傘収納ケースが提案されて
いる。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところが、上述車両用傘収納ケースでは、一般
に自動車の前部が上部ほど前方に突出しているた
め、自動車のシートの前部に装着した傘受け部本
体の上部開口に、シート前部の突出部がオーバハ
ングしていて、傘の出し入れが面倒で、且つシー
ト前部を濡らしてしまうことがあつた。

そこで、本考案の目的は、製作が容易で、且つ
傘の出し入れが容易で、しかも、シート前部を濡
らすことを極力防止した車両用傘収納ケースを提
供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、上述の目的を達成するため、シート
の前部に沿つて配置される筒状の車両用傘収納ケ
ースにおいて、断面略Ｕ字状の傘受け部本体に、
該傘受け部本体の上方前部及び上部に配置されて
前方に開くリツドと、該傘受け部本体の背面上部
に配置されて後方に開く取付け部とを、長手方向
にヒンジで連結した収納ケースを一体成形により
形成すると共に、前記取付け部の背面に、シート
前部に固設したブラケツトに吊持される掛止め部
を設けたことを特徴としている。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。

傘収納ケース１は、雨傘２の少なくとも布部を
収納できる長さで形成される筒体で、雨傘２の全
長を車内へ横置きするために、ベンチタイプのリ
アまたはフロントのシート３の前部に、該シート
３に沿つて吊り下げて取付けられる。

前記傘収納ケース１は、断面略Ｕ字状の傘受け
部本体４に、該傘受け部本体４の上方前部及び上
部に配置されて前方に開くリツド５と、該傘受け
部本体４の背面上部に配置されて後方に開く取付
け部６とを、長手方向にヒンジ７，８で連結した
もので、これらはポリエチレン等の合成樹脂を材
料に、ブロー成形により一体成形される。

前記傘受け部本体４、リツド５及び取付け部６
は、薄板状の内外壁を有する二重壁構造で、これ
らの両側端には、それぞれ組立て時に筒体の内部
側に配置されるフランジ４ａ，５ａ，６ａが延設
され、またヒンジ８で連結される傘受け部本体４
と取付け部６の突合わせ面には、組合わせ用の段
部４ｂ，６ｂが形成されている。

ヒンジ７を支点に傘受け部本体４の上部を開閉
するリツド５は、外壁の先端部左右に、係止突起
９ａを有する一対の凹部９，９が形成され、一方
取付け部６の上端には、各係止突起９ａと係合す
るフツク１０，１０が延設されており、ヒンジ７
で連結される傘受け部本体４とリツド５の突合わ
せ面には、係合用の段部４ｃ，５ｂが、またリツ
ド５と取付け部６の突合わせ面には、係合用の段
部５ｃ，６ｃとがそれぞれ形成されている。

取付け部６の背面には、内外壁の一部を後部側
へ膨出した掛止め部１１が複数個設けられてお
り、該掛止め部１１は、後述するブラケツト１２
に挿し込んで取付けするために、下部が開口した
スリツトが形成されている。

傘受け部本体４と取付け部６は、段部４ｂ，６
ｂを嵌合して、フランジ４ａ，６ａの内側に、補
強プレート１３をクリツプ１４で固定して組合わ
され、これに被着されるリツド５とにより、傘収
納ケース１が筒状に組立てされるもので、両側端
中央には、突合わせされるフランジ４ａ，５ａ，
６ａにて開口部１５が形成される。

前記開口部１５は、傘２の握り柄２ａや先端の
石付きをケース外に突出配置するためのもので、
握り柄２ａがケース外部に配置されるため、出入
れの際の使い勝手がよく、また握り柄２ａが布部
に触れて濡れることがないので、使用感にも優れ
る。さらに、握り柄２ａや先端の石付きが開口部
１５の下縁に支持されるので、傘２の布部が傘受
け部本体４の底部につきにくいから、傘受け部本
体４の底部に溜まつた雨水が傘２の布部につきに
くくなる。

本実施例の傘収納ケース１は、傘２の長さが比
較的長くても、少なくとも雨水に濡れる布部を充
分に収納し得る長さで、また着座した搭乗者の下
肢の妨げとならないように幅が薄く、複数本の傘
２を多段に収納できるように高く形成される。

前記ブラケツト１２は、取付け片１２ａを、車
体のシートフレーム１６に、ステー１７を介して
ボルト１８及びナツト１９にて、掛止め部１１と
同数個固設されるもので、傘収納ケース１は、シ
ート３の前部に上方へ立上る吊下げ片１２ｂに、
背面の掛止め部１１を上方から挿入して吊下げ支
持される。

上記のようにして取付けられる傘収納ケース１
は、車内のフロアとの間に充分な間隙を有し、フ
ロアにプロペラシヤフトによる突出部があつて
も、これに拘りなく充分な配置が行なえる。

また、傘２の出し入れの際には、傘受け部本体
４の上方前部及び上部に配置されたリツド５が、
前方に開くので、シート３前部の上方突出部が傘
受け部本体４の上方にオーバハングしていても、
傘２の出し入れが容易であり、開いたリツド５が
傘２の出し入れのガイド及び水受けにもなり、シ
ート３前部を濡らすことを極力防止できる。

そして、傘２は傘収納ケース１のリツド５を開
閉して、または側端の開口部１５から出入れさ
れ、清掃時や傘受け部本体４に雨水が溜つた場合
には、掛止め部１１をブラケツト１２から引抜く
と、傘収納ケース１を容易に取外すことができ
る。

さらに、本実施例の傘収納ケース１は、傘受け
部本体４、リツド５及び取付け部６とがヒンジ結
合で分割されているものの、これらを合成樹脂で
一体成形し、単に組立てるだけで簡単に形成でき
るので、製作が容易で且つ安価に提供することが
できると共に、第２図に示す如く、開くことがで
きるので、成形時の型抜きも容易である。

また、傘収納ケース１をシート３の前部に吊持
するので、フロアの凹凸面に拘りなく取付けで
き、しかもシートに着座する搭乗者が足をシート
側に引いても干渉しにくいので、自由な乗車姿勢
の妨げとならない。

〔考案の効果〕 本考案は以上説明したように、シートの前部に
沿つて配置される筒状の車両用傘収納ケースを、
断面略Ｕ字状の傘受け部本体に、該傘受け部本体
の上方前部及び上部に配置されて前方に開くリツ
ドと、該傘受け部本体の背面上部に配置されて後
方に開く取付け部とを、長手方向にヒンジで連結
して一体成形により形成すると共に、前記取付け
部の背面に、シート前部に固設したブラケツトに
吊持される掛止め部を設けたので、傘受け部本
体、リツド及び取付け部とがヒンジ結合で分割さ
れているものの、これらを合成樹脂で一体成形
し、単に組立てるだけで簡単に製造できるから、
製作が容易で且つ安価に提供することができると
共に、傘受け部本体、リツド及び取付け部とが、
開いた状態で一体成形できるから、成形時の型抜
きも容易である。

しかも、傘の出し入れの際に、傘受け部本体の
上方前部及び上部に配置されたリツドが、前方に
開くので、シート前部の上方突出部が傘受け部本
体の上方にオーバハングしていても、傘の出し入
れが容易であり、開いたリツドが傘の出し入れの
ガイド及び水受けにもなり、シート前部を濡らす
ことを極力防止できる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示すもので、第１図は
傘収納ケースを組立てて取付けた状態を示す斜視
図、第２図は同じく組立て前の側面図、第３図は
同じく取付け状態の断面図である。 １……傘収納ケース、２……雨傘、２ａ……握
り柄、３……シート、４……傘受け部本体、５…
…リツド、６……取付け部、７，８……ヒンジ、
９ａ……係止突起、１０……フツク、１１……掛
止め部、１２……ブラケツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シートの前部に沿つて配置される筒状の車両用
   傘収納ケースにおいて、断面略Ｕ字状の傘受け部
   本体に、該傘受け部本体の上方前部及び上部に配
   置されて前方に開くリツドと、該傘受け部本体の
   背面上部に配置されて後方に開く取付け部とを、
   長手方向にヒンジで連結した収納ケースを一体成
   形により形成すると共に、前記取付け部の背面
   に、シート前部に固設したブラケツトに吊持され
   る掛止め部を設けたことを特徴とする車両用傘収
   納ケース。